平成31年3月5日(火曜日)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。

 それでは、ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 本日の発表案件は、『奈良公園バスターミナルオープニングイベントについて』でございます。

 それでは、知事から発表いただきます。よろしくお願いいたします。


奈良公園バスターミナルオープニングイベントについて
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 県庁の隣の奈良公園バスターミナルですが、先日、内覧会を実施いたしました。4月13日に開業で、そのオープニングのイベントをしますというお知らせです。

 資料に書いてあるように、お出迎え、音楽フェスティバル、それから春日山原始林の映像をシアターで見ていただきます。それから、芸人の十手リンジンさんがご出演になります。そのような内容ですので、ご参加ください。朝早くからですが、7時半からのターミナル・オープニングイベントということで、お知らせ申し上げます。

 これは、お持ち帰りグッズ。

担当課:
 バスが入ってきましたら、第1号から今のところ4台程度、それ(間伐材で作ったアクセサリー)を記念品としてお渡しします。

 春日山原始林の近くにある人工林なんですが、スギの間伐材でつくったもの(鳥)でございます。

 もう今現在、春日山には生息していないらしいんですが、カワセミの仲間でアカショウビンという真っ赤なカワセミが従前は春日山におったようです。

知事:
 グッズだと聞いてましたが、このアカショウビン、名前珍しいですね。これは春日山原始林にいたので、これを採用したということですか。

担当課:
 はい。今回、そのほかにルリセンチコガネとモリアオガエルとニホンリス、そういった春日山原始林に生息していた、もしくは今現在も生息している4種類のものをつくらせていただいております。

知事:
 グッズを配るということで聞いておりましたが、4種類あるということと、これはくちばしがとんがってますので変わった鳥ですけども、来場者に来訪お祝いグッズとして幾ら用意しましたか。

担当課:
 125個×4種類で、500個用意させてもらいました。

知事:
 500個数ぐらいは用意してますので、なくなるまでに来られると手に入りますというのが一番大事な情報かもしれません。ここ(グッズの台紙)に春日山原始林と、こう書いています。裏にアカショウビンという、真っ赤なくちばしが特徴のカワセミの仲間です。春日山原始林の沢ごとに1つがいずつ生息していましたが、今では姿を見ることはなくなりました。幻の鳥をこのような形で出したと。珍しい鳥だなと思って。以上です。

司会:
 それでは、質問ございましたらよろしくお願いいたします。

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質疑応答

奈良公園バスターミナルオープニングイベントについて
毎日新聞:
 リリース拝見しますと、このアクセサリーですが、障害をお持ちの方も制作にかかわっている品とあるんですが、そこら辺は。

担当課:
 これを制作していただいているのが、「Good job!センター 香芝」というところにお願いしております。ここには障害をお持ちの方々がいろんな作業に携わっているということで、今回のこの商品につきましても、包装だとか、ひもをつけたりとか、そういう作業をしていただいています。「Good job!センター 香芝」と協働でつくらせていただいているということで、そのことを実は今、知事も申しました(グッズの)裏面にも、環境とそういう福祉によってつくられた製品であると広報しております。

毎日新聞:
 その「Good job!センター 香芝」というのは、もともとからそういうアクセサリーをつくっているところなんですか。それとも、何か今回のために特別につくったのですか。

担当課:
 もともとこのアクセサリーをつくっていただいておるところです。さっき言いましたように、いろんなジャンルの商品をつくっておられます。

共同通信:
 今回のこのアクセサリーは、このためにつくられたオリジナルのものなのか、それとも恒常的に販売もされているものなのでしょうか。

担当課:
 春日山原始林の保全活動のために「奈良公園観光地域活性化基金」を通じて、寄附をいただいた方への返礼品ということで、従前からつくっておるということです。

日経新聞:
 これストラップですか、物としては。

担当課:
 はい。ただ、今回はピンバッジ形式になると思います。

知事:
 その販売はされているんですか。

担当課:
 いや、販売はしてないです。

知事:
 販売はされてない。幾らで買えますかというご質問があるかもしれないですが、販売はされていません。

担当課:
 非売品です。

司会:
 ほかにご質問はどうですか。ほかよろしいでしょうか、よろしいですか。

 ほかの質問も含めましてご質問よろしくお願いいたします。

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宿泊税について

時事通信:
 先般、上程された奈良市の当初予算案の中に、宿泊税の導入について検討する予算が入っていまして、可決されればですが、奈良市は宿泊税に関して検討を始めていくということです。それに対して荒井知事のお考えと、それから奈良県として宿泊税の導入の是非をどうお考えかを伺わせてください。

知事:
 市が提唱されようとしている新税ですが、県としてコメントする立場にはないように思います。それぞれの独自課税ですので、県と一緒にとらなきゃいけないというものではないかと思います。したがって、特段のコメントは持っておりません。

 県の宿泊税のような類いのことは考えておりません。

時事通信:
 県で宿泊税を考えていないというのは、どういう理由があってのことですか。

知事:
 昔、運輸省観光部で料理飲食等消費税という税の担当をしていたんですが、消費税のときに廃止された経緯があるんですね。だから消費系統の税金は、今の消費税に一般消費税と一般がついているようなことですから、一般に吸収されるような傾向があるのかなと経験的に思っていました。

 消費は独自でそれぞれ展開できる面もありますが、一般消費税と言われていたのがいわゆる今の消費税ですので、内容はあらゆる消費を念頭に置くということですので、その税の議論になると、一般消費税を上げることでやればいいのか、個別消費税をやるのかという、税の体系の議論はあろうかと思います。そんな大げさな議論を考えたわけでもありませんが、そういう経緯を多少経験したことも踏まえて、個別地方消費税の導入にはまだ思いが至ってないというのが正直なところだと思います。消極的だと思います。

時事通信:
 県として、知事としては消極的ですか。

知事:
 税源ということになれば、持論というほどでもないんですが、一般消費税に集約するほうが個別的な考え方としては望ましいのかなと、そう深く立場上考えたわけではありませんが、そんな感じはいたします。個別消費税をいろいろ新規導入を図るよりも、一般消費税でとって、その地方配分をするといったようなことが、今度の10%に引き上げるのもそういうことですし、高齢者だけじゃなしに社会福祉の財源ということで大きく教育にも展開してきました。高齢者の医療などの財源ということで、日本の一般消費税はずっと高齢化社会に向かった傾向がすごくあったんですが、それが10%になると横展開してきたということです。

 ヨーロッパでは、一般消費税はEUの中は最低15%とらなきゃいけないですよね。それは一般消費税を国際化すると一般消費は国境に関係なく捕捉できますが、所得税、法人税、直接税系統は難しいからという流れがあるように思います。その間接税でとる中で、消費税というのが大きなポーション(=部分、割り当て)になってきたと。これは逆進性(=消費税率が上がると、低所得者ほど高所得者よりも税負担率が大きくなること)があると言われてますけれども、ヨーロッパでは大体が20%を超えたり、22.5%を超えてますが、最低15%というのがEU加盟の条件だと聞いています。日本はどうなるかわかりませんけれども、その分、借金できる国だから、借金をして財源の手当てをしているという税源構成になっており、その中で地方の税源を何で確保するかというので、宿泊税、あるいは間接税、個別間接税ということが出てるということですが、個別宿泊税、以前いろいろ導入に困難があった経緯もありますので、どうですかね。県としてはあまり個別宿泊税のようなものを導入する考えは持ち合わせておりません。

時事通信:
 今、一般消費税と個別消費税の話がありましたが、来年度は10月に、まさに消費税の10%ということがあり、さらにその先に、奈良市で個別消費税、宿泊税の導入があると、奈良の観光、宿泊に対するマイナスの影響も懸念されると思うんですが、そのあたり知事、ご懸念はありませんか。知事が進めていらっしゃるホテル誘致、ホテル建設、客室数の増加というところと、ちょっと歩調が合わないのかなと思うんですが。

知事:
 奈良県がいろいろ県有地なんかにホテルつくると、税の発生地を生んでいるということかもしれませんが、税源が出始めたということかもしれません。いや、それは冗談ですけれどね。(奈良)市の財政が厳しいということは聞いています。どこにその税源があるか。首長さんは皆そういうことを気にされていると思います。奈良県は、滞納という税源が一番大きいような気もするんですが、奈良市というわけでもないんだけどね。奈良市の話ですので、どうこうと言うことはありません。

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奈良市役所移転構想について
奈良新聞:
 奈良市役所移転について、知事、構想をお持ちになっているということで、どういう考えでそういう思いに至ったのか、また今後どのように市にアプローチしていくのかを教えてください。

知事:
 市役所をあそこで耐震化されるということで、耐震化もしばらくはもつんですが、また郡山市役所もそうだったんですが、また近くに移転されます。それも耐震化の予算はあって移転の新築予算が国庫がついてなかったときの構想だったんですが、その後、移転耐震化の予算も国庫でつくようになりました。22%だったか、割と厚いのがつくようになって、昨年の12月、その前後に、移転して新築する場合と耐震化で過ごす場合というのを計算をしたというだけの話です。市役所の建物を移転してやるのと、そこで耐震補強をやるのと。今の耐震補強だけじゃなしに、もう少ししっかりした耐震化をするという前提だと、費用はどういうことになるのかちょっと興味があったので計算したまでのことで、市の行政のことですので余計なことをいたしましたと思います。しかし、そういう計算は誰でも意識のある人はしてもおかしくはないことで、どちらが得かということを計算したまでですので、これは知事の権限でしたというよりも、年末ちょっと暇があったのでそういうことをしたという程度です。

 その結果は、今の市役所の耐震化を完成するには、大体200億円ぐらい。しかも近くの積水化学の跡地はどうかという場所が念頭にあって、まだもちろんこちらで交渉したりすることもあり、架空の計算ですが、200億ぐらいの建設費が要る中で、今の市役所の場所で移転、建てかえをするよりも、積水化学跡地へ、全面移転建てかえのほうが50億円以上得することになりますよという計算が出たという、単なる計算ですので、それを主張する立場にもありませんし、参考にしてもらえたらという程度であります。しかし、参考にしていただかなくても別に私が趣味でしたような面もあり、主張するためのものでもないので、市役所の建てかえ問題は本当に市の政治のプロパー(=固有、専門のこと)の話です。もし余計なことを言ったと思われるならばお許しくださいというようになりますが、一つの参考資料と。そういうこともした上で、200億も予算がかかりますので、国庫をどれだけとるかというのと、将来の立ち位置はどういう位置がいいのかと。市役所は昔、猿沢池の奥にあったのがあそこまで移ってということですが。

 建物が古くなると、建物の中で移るか、県立病院がそうでしたが、移転、建てかえのほうが大体経費が安くなるのが常ですので、移転にいい場所があればということになりますね。そのうち県庁だって同じようなことが起こるかもしれません。移転して不都合がないようなところであれば、その古くなった建物はいろんな役場の人、みんな同じように悩んでおられると思いますので、一つの参考のケースで試算したというだけですので、主張するつもりもございません。参考にされるかされないかは、市の政治のご判断だと思っています。

奈良新聞:
 今後何か市のほうにアプローチするとか。

知事:
 こちらからあんまりないと思います。またもう少し詳細な計算もしてみろという声があれば、行政で財政繰りは為政者は皆気にされるのは当然ですので、そのような作業は残っておりますが、県ですることはないと思いますが、やってみろよとか、かわりにやれよというような話がありましたら、と思っています。

奈良新聞:
 積水側には、この話について何か説明されたりとか交渉したりとか。

知事:
 してません。

奈良新聞:
 全く。

知事:
 積水のほう、直接話したことはありません。移るのは市が判断されることですので、情報として積水のほうは早く跡を埋める人を決めたいというご意向のようですので、朱雀大路を南へ広げるという意味で、県が北と東はちょっと削って県有地にさせてもらおうかという意向は表明しておりますが、まだ膨大な土地が残っています。あそこに県の構想では朱雀門前の朱雀門ホテルといった構想がありますが、あとは南のほう、三条通りにまだ広い土地が残っていますので、市役所が来てもいいんじゃないかと勝手には思っています。しかし、市のプロパーの話ですので、私からどうですかという立場にもないと思っています。じゃあホテルでもつくろうかというふうになれば、またホテルの誘致を検討しなきゃいけないということになってくると思います。

 朱雀門の南の東側ですね、今、蛸庵というお好み焼き屋のあるところも、事業化して買収にかかっています。あそこにも朱雀門前の広場、東のほうも完成しますと、一つのイベント会場になってきますので、南のほうにも開発が押し寄せると。まだ計画の区域に入っておりませんが、押し寄せる可能性はあると思っています。内心、南のほうへ展開することもあろうかと思います。

 あそこへ県が介入したきっかけは、セキスイハイムさんの建て売り住宅を建てるということで、建て売り住宅が戸建てで建つと、それでもう終わってしまいますので、開発計画を一緒に考えさせてくださいといって積水化学さんに申し入れて応じていただいたということがその経緯です。そのことについてはとてもとても感謝をしています。計画が、多少の時間の余裕がある。しかし、積水化学さんも早く地面の処理はしたいと。工場を建てる、あるいは子会社のセキスイハイムの建て売りはやめましたということまでですので、跡地を売却したいというお気持ちは当然おありになると思います。ですので、その処分には協力をしなきゃいけない立場にあると思っております。

 どのような方向での跡地利用になるか、そう時間の余裕があるわけではない、積水化学さんのほうから見たらですね。すぐにでもと思っておられるかもしれません。あと、撤去すると、跡地の調査もせないけませんし、汚染調査もせないけません。そう時間があるわけじゃないと思います。

 それとあそこは、これもまだ決着ついておりませんけれども、県の計画としては、近鉄の朱雀門の北、平城宮跡の中を走っている近鉄線を西大寺駅高架と移設という案を出して、その前後に西と東に4カ所ずつ難踏切があるということを国が指定いたしました。それを解消する義務が近鉄と県と市に発生しています。32年度中にそれぞれ回答する。できれば合同の一つの回答になればいいんですけども、近鉄は現線のまま、県と市は高架・移設というような案ですので、まだ調整はついておりません。

 西大寺駅については、近鉄の高架案が昨年の11月に出てきました。それで西大寺駅の西側の4カ所の踏切は解消します。東の踏切は、佐紀町の踏切、平城宮跡の中の踏切、市役所の横の芝辻の踏切、それから小学校の北の新大宮駅の踏切と、4カ所は現線のままですので、近鉄の案では解消にならないと思っています。その中で唯一、新大宮駅は地下化するという近鉄の案ですので、これで新大宮の踏切は解消になります。あと3カ所は解消できないので、まだ県は移設が望ましいという主張になりますが、移設をするとなると今の朱雀門前に駅をつくったらどうかというのが私の案ですので、それもまだこれから。平成32年度中に決着ということになるので、一つの奈良市内の形が決まる大きな論点だと思います。

 国交省が回答を出せよと権限的に介入されています。出口の日時は決まっていますので、至急の対応が、期限切れの対応が想定されます。それと、今の積水化学の跡地、あるいは市役所の移転というのが、私から見ればちょっと絡んで検討の余地があるのかなと思うものですが、市はやはり財政問題もあるでしょうから、また違う角度の検討が当然おありだと思いますし、市の施設ですので、そこまでとやかく言う立場にはないんじゃないかと思っています。

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県議会答弁について
朝日新聞:
 2月28日の県議会の答弁についてお聞きいたします。共産党山村県議からの質問で、高畑町のホテルの話があったと思います。その答弁で荒井知事が、反対しているのは19自治会のうち1つだと。この1つの自治会の男性の個人名に言及した上で答弁を続けていたと思います。それについて翌日の議会運営委員会で話題になっていました。2人の県議から、個人名を出してあのような形で答弁するのは個人情報保護の観点からいかがなものかと、不適切ではないかと指摘がありました。それについて荒井知事はどうお考えでしょうか。

知事:
 経緯はそのとおりですが、議会で、議運で問題になりましたのは、質問された共産党の先生と維新の先生が問題じゃないかと発言されたという報告を受けております。問題かどうかは議運任せでありますので、私は問題ないと思っていますが、議運がまたご判断されると思います。で、その個人名を言ったということでありますけれども、ご質問が自治会の反対ということなんですが、答弁の中で明らかにいたしましたのは、19自治会があって、1つの自治会だけが反対しているという事実であります。

 あまり皆さん書かれないですね。どうしてか知りません。隠しておられるわけではないと思いますし、ご存知だと思いますが、ご存知だけれども書かれないというのが奈良の新聞界の実態であるように思っていましたので、のでというのは行き過ぎかもしれませんが、答弁で言わなければいけない、議会で全てが反対しているように言われても困るなということでありますので。

 そのように19の自治会のうち、説明して16は賛成、2つは賛成でも反対でもない、1つが反対されまして、その人が辰野さんという自治会長でありますけれども、反対のご署名も多いんですけれども、周りに住んでおられる方、1つの自治会だけですから、自治会の人以外の方がいろいろ反対されることも推察されるんですけれども、そのような実態を県民の、テレビも入っておりますから、知っていただきたいということが本旨であります。それ以上のことではございません。

朝日新聞:
 実態、事実をきちんと知ってもらいたいという思いで、個人名まで出したということですか。

知事:
 個人名で反対されておられますので、ということです。自治会長ですから。匿名の必要があるのかどうかということですね。

朝日新聞:
 自治会長という立場だからということですか。

知事:
 うん、自治会長で、名前を出して当然反対されておりますし、ということです。別に隠して反対という内容でもないと思いますが。中傷しているわけでもないから、反対は権利で立派なことだと思います。

朝日新聞:
 そういう理由で個人名を出すことは、別にまずいというお考えは特にない。

知事:
 ありません。尊敬して出してますから。賛成はしてませんけども、尊敬して出してますから。

朝日新聞:
 議運のやりとりでは、反対しているということで個人名を出されてしまうと、そういう先例ができると今後、何かに対して反対しづらくなるんじゃないかというような指摘も、一つの意見としてありましたが。

知事:
 もう民主主義がこれだけ行き渡ってますから、現地で集会されて看板出して反対されてますから。看板出して反対されて、俺の名前出すなというのも、私の感覚からすれば変だと思いますし、別に中傷しているわけでもありませんし、名前を出したことはですね。名前出すのは本当にお嫌なんだろうか、おかしいんだろうかと思いますけれども。名前を出すのは民主主義でおかしいと思われますか。

朝日新聞:
 民主主義で。

知事:
 民主主義で、反対するのも権利ですから、反対されるのも、その反対に反対するのも権利ですから。事実を正確に伝えないといけないという思いが強いわけです。

朝日新聞:
 ただ、これはあくまで可能性の話でしかないですが、個人名が出されることによって、例えば仕返しとか、そのようなこともあるようにも聞いてます。

知事:
 そんなにおびえるような内容なの。そんなこともないじゃないの。

朝日新聞:
 そんなこともあったというふうに聞きました。

知事:
 別に堂々とされてますし、名前を隠して反対したいというご意向ですか。

朝日新聞:
 ご本人がどういう意向かまではちょっとここで答えられないですけれど。

知事:
 それを受けないと、そうだから出したらおかしいということであれば、いや、名前出さないで反対するよというご意向がはっきりしてればそうなりますが、署名もして文書で出しておられるのにね、公知の事実じゃないですか。皆さん方はそれをちゃんとおっしゃっているわけですし、記事にも随分出てるんじゃないですか。ご自身のホームページでも出されていますし、代表として署名集めもされてますし、皆さんもお名前知っておられるし、こちらもそれで知ってるわけですから、反対されてるのを名前を出してお伺いしているのは。これは民主主義的じゃないような気がしますね、もしそう思っておられるならばということですけれども。そういう趣旨ですか。

朝日新聞:
 わかりました。その上で一つ最後にお聞きしますが、議運でどういう結論が出るかを今は待つということですか。

知事:
 そうですね。

朝日新聞:
 議運の中では、その発言の撤回と議事録からの削除を求めますというようなことだったんですが、もしそういう結論になった場合は。

知事:
 議運の結果を見ないといけないでしょう。またこちらも議運に理由を聞く権利はあるでしょう、民主主義だからね。失礼なことだったのかどうか。活動されている方の名前を出したら失礼なのかどうかというような気もしますが。別に書面でやってるわけでもないから、事実を述べただけなので、事実を述べちゃいけないというのは民主主義に、そういう言い方も変だけど、事実のことを述べてはいけないというのは民主主義に反すると、基本的に教えられてきました。事実と違うことを述べたというなら修正しなければいけないですが、事実を述べたらおかしいと言われるのは、何か民主主義の国ではあってはいけないことだと単純化すると思います。

毎日新聞:
 先ほどの点で、そんなに時間をとるつもりないですが、事実をおっしゃるのは全然構わないと思うんですが、公の議会の場で、個人名を出す必要ってあるんですか。というのが個人的な意見です。それはそれで結構です、あくまで意見なので。

知事:
 議会こそがみんなの場所じゃないかと思います。議会こそが一番の。

毎日新聞:
 1つの自治会が反対されているなら、それまででいい話なんじゃないですか。

知事:
 言っちゃいけないの。

毎日新聞:
 いや、個人名出してまで、何か色をなして反論される必要があったのか。

知事:
 今言ったことは、19のうちに1つ反対だということを言ってはいけないかということと、2つの要素がありますね。議会でそういう答弁してはいけないと言うことですか。

毎日新聞:
 いやいや、そんなことはないです。

知事:
 ないでしょう。

毎日新聞:
 だから個人名をあえて出して、色をなして反論される必要があるんですか。

知事:
 色をなすか、それは君の修飾だけど、色はなしてないです。

毎日新聞:
 いやいや、そういうふうに見えました。

知事:
 それは勝手に君は言っておけばいいだけだけど、議論にならないです。色をなして反論するとか、そんなの議論にならない。記者会見でそんな話はないから。

毎日新聞:
 そのように見えましたということだけです。

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西和医療センター移転構想について
毎日新聞:
 県の西和医療センターですが、知事の政策集の中では、王寺駅のほうに移転ということを打ち出しておられましたが、何か具体的なお考えがあるんでしょうか。

知事:
 検討はずっとしてきました。そのとおり進んではいませんが、というのは、JR西の留置線があります。あの留置線を移転できないかという検討をいたしました。そして、移転の場所は見つかったのですが、これはJRの西の話だけども、移転費が結構膨大だということで、今、議論はとまっています。留置線が移転できたら、王寺駅の南側の今の留置線がすっかりまちになる可能性があるので、そのまちの中に西和医療センターを駅のそばに置いたらどうかという構想で検討していたものであります。それは、困難もあってペンディングということであります。王寺町もそういうことができたらということで賛成をしていただいてますのと、(西和医療センターが)三郷町にあるわけですが、三郷町長も、そんなに離れてないから王寺町のそのあたりだったらいいかもしれないねというような感触の話です。

 今の留置線の撤去をしてというのは、まだペンディングといいますか、移転費の困難が生じてますけれども、その留置線の南に町有地があります。町有地に病院を移転するというのはまだ消えてないです。だからそれも一つの検討材料ということで、移転の検討を打ち出していることが経緯であります。西和医療センターの移転を、そこも古いですから、中でぐるぐる回して耐震化を達成するか、移転耐震のほうが効率的ですから、移転する場合の場所がよい場所にあれば移転、耐震化行為をするには移転、新築、耐震化。新築すると耐震化が達成されるわけですが、そのほうが望ましいと思って検討してきたものです。その場所は、駅の留置線上を除去して、駅の今の現駅のホームのそばというのは、まだ困難が生じてますが、その留置線の南側でも敷地があるというのと、留置線を一部でも移転できるかどうか、まだ検討の余地が残っていますので、そのような段階での検討状況であります。

毎日新聞:
 新年度予算で、この西和医療センターの移転検討費として1,000万円ほど上がっていたと思いますが、そうしますと今おっしゃっていた方向の線で話が進むのでしょうか。まず、それを聞きます。

知事:
 今のしゃべったのが今の検討状況の実態でありますので、そのように進むかどうか、調査の結果によって左右されることもあると思いますのでまだわかりませんが、構想として今までそのような王寺駅南に移転する可能性を探って動いてきたことは確かであります。それで決まったというわけでももちろんございません。

毎日新聞:
 知事選に向けて、知事の政策集の中に入れられるという形で、それがある意味既成事実としてこの方向で進んでしまう、政策の柔軟性が失われるのではないかと思います。

 政策の柔軟性。だから知事の政策集に載せられたので、その話で進んでしまうということもあるのではないですか。

知事:
 柔軟ということは、ほかの可能性があるということ。

毎日新聞:
 そうそう。

知事:
 どんな可能性があるんですか。

毎日新聞:
 職員さんがこの路線で進んでしまうんじゃないかということも危惧されますが。

知事:
 ああ、危惧。また危惧があれば聞いておきますが。どういう危惧なんだろう。

毎日新聞:
 いや、このとおりにしか進まないということ。

知事:
 ほかにいい代替があればもちろんいいんですが。

毎日新聞:
 結果的にね、職員さんを忖度させるといいますか。

知事:
 うん、それは忖度どころか、いい案は実行するのが僕の役目だと思います。別のいい案があれば、どんどん言うようにということで、他にもいいのがあるということがあれば。今までの検討経緯を簡単に言うと、現地建てかえが普通考えることですが、現地は狭隘だし、場所も悪いというようなことは病院のほうからです。病院に取材されましたか、してないですか。

毎日新聞:
 いや、この件はまだです、これからです。

知事:
 またいろんな意見が出てくると思いますので、割としてないんだね。

毎日新聞:
 まだ準備してないです。

知事:
 聞いた上での質問か、直撃のことなのかという、その程度を聞いてるだけなんで。聞くといいと思います。こちらは何度も現地に聞いてますから。その上でのいろいろな動きということでありますので、選択肢はいろいろ残ってます。移転建てかえの要望が病院自身には強いように思いました。

毎日新聞:
 なるほど。

知事:
 思いましたが、聞いておられないからあえて言いますけれども、何度も会話の中で、現地の院長を始め、病院勤務者は、王寺のほうがいいなということがあったように思います。また聞かれるといいと思いますけれども、それがまず一つの背景にはあります。そのようなことを聞いて詰めながらするということだから、政策の話を聞いていただいてありがとうございます。

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地域別診療報酬について
奈良新聞:
 選挙でじわじわとというか、やっぱり争点の一つに上がってきたかなという中に、改めてというか、地域別診療報酬の話がやはり浮上してきてるかなという印象があります。これについて改めてということになると思いますが、課題であるとか、それからこういう方向なんだというようなことを一度、そういう懸念を持っておられる方も多いようですから、整理して述べてまとめていただければありがたいです。

知事:
 地域別診療報酬にそれほど懸念がまだ残っているのかどうかというふうに思ってますが、多分、次の任期の4年のうちに地域別診療報酬が動くことはないんじゃないかと思います。それほど時間がかかる話だと思います。それは多分、明言してもいいと思います。だからそのいろんなご心配をそのように思っておられるとすれば、もうそんなことはないですよと、ないと思ってますよということを。それは、そういう設計から見て、ないです。今後の6年間かけて医療の負担と受益を見ていこうということが始まったばかりでありますので、負担と受益を適正化しようということが大きな目標でありますので、奈良県では、奈良県域の負担と受益を適正化する努力をしようと。

 最近では、その負担と受益の論説が各新聞で、中央が多いかもしれないけれども、出ています。これはおもしろいですが、高知県がすごく負担が多い。これは病床が多いからだと出てます。病床規制と負担の量は非常に密接だと、大体そのように言われておりますが、軸で、プロットで、病床数と1人当たり医療費負担額をとると、高知県なんかぐんと上がってるわけです。この線で1人当たり負担額は、病床1つ当たり負担額あるいは人口と負担額をとると、病床数と関連している。

 病床数が多いのではないかと言われてるんです。それは、そういうエビデンスが出てきておりますので、それは医療は病床が多くても要るんだと、こう言い張る人も今まで多かったんですが、工夫ができるんじゃないかという論にだんだん変わってきているわけで、これを医療費適正化という項目で、適正な医療かどうか我々国民が負担する側が吟味していこうという風潮になってきたことは、私は望ましいと思っています。

 奈良県は、そういうことをずっと率先してやってきて、医療費が適正かどうかということを吟味するのが一番で、今の傾向は適正でありますけれども、その適正が維持できるようにということを願っていて、適正を維持すると地域別診療報酬を下げるとか、そんな議論は全く発生する余地がないわけなんです。あるいは、地域別診療報酬を下げるというのは、高知県こそちょっと考えないといけないかなと、他県のことですが、思うところがあります。こんなに負担を県民にして大丈夫ですかと、こう言いたいぐらいのその負担の割合が多いような、それがだんだんこのエビデンスで出てきてるというのが今の状況ですので、奈良県はその中では割と適正なレベルで動いてますけれども、さらにその適正の様子をちゃんとはかっていきましょう。これは割と日本全体先進的な取り組みですが、地域地域でしていこうと、これはさらに先進的な取り組みになってくると思います。

 だからお医者さんも、何でも私のしたことを、診療は全部適正な診療だと言い張ることはだんだん少なくなって、適正かどうか吟味してもらいましょうというようになってきてるように思います。それは一々の診療報酬と全体の、地域全体とってみたら、どうしてこの地域は同じような高齢化率なのに、1人当たり診療費がこんなに高いのかということを、これはデータで見るとよくわかります。そのような時代になってきてる中での地域別診療報酬のあり方をよく吟味しようという時代に入ってきたというので、よく吟味しようということがまず第一だし、奈良県の姿勢でもあります。下げるのありきとか、上げるほうがいいとか、そういう話ではないと最初から言っておりますし、それは医師会も理解をされてきているように、医師会の中心の方々は理解されているように思います。

奈良新聞:
 言う人によれば、医療機関、いわゆる病院の負担が大きくなって経営に問題が出てくるんじゃないかという指摘がありますが、そういうことに必ずしも結びつくものでもないということですか。

知事:
 だから診療ありきか経営ありきかということになりますね。適正な診療をされて、いい経営が一番望ましいですが、適正でない診療をされて経営するというのはちょっと望ましくないような気がします。そういう非常に極端な例も奈良県はありました。だからそれはチェックされるわけなんですけれども、全体として適正な診療は、マクロでいろいろデータで見るとわかってきますねということが今の時代で大変進歩した情報処理になってきてますので、奈良県はそれを追求しようかと、割と先駆的な取り組みでありますので、値下げありきとか、そういうことではなしに、無駄な支出は抑制できたらというような取り組みですので、大概のお医者さんは、そういう言い方をすると賛同されます。無駄な支出でもうけることはないでしょうというと、当然ですと、こうおっしゃいますからね。これからのチャレンジだと思っています。

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生駒市との連携
読売新聞:
 先週の土曜日に知事が出席された自民党第一区の会議で、知事が、生駒市政との連携が、今までは若干不十分だったというような趣旨の発言をされ、それが今後は少し良くなっていくというようなことを触れられたと思うのですが、これまでの認識と、なぜ今後良くなっていくというふうに思われているのかというところを。

知事:
 そのようなニュアンスで申し上げました。生駒市の議員、自民党の第一支部の小林先生の、奈良市と生駒市、県会議員の選挙もありますので、知事選挙。生駒市との関係ですが、生駒市長選は自民党系と現職系の2人の方が出ておられますが、生駒市と県の関係ということは、今の市長は荒井支持を言っていただいております。支持はありがたいことだと思います。その後の、直後の市長選になると、自民党系と現職系と分かれてきますので、どちらについて旗幟鮮明というわけにもいかないというふうに思っていますし、それは言ってます。

 その中で、生駒の市政をよくする、市に役に立つことをするというのは当然のことです。生駒市の課題はいろいろあります。まちづくり構想がまだ生駒市から出てこないのですが、第2工区の話が大きな話で、第2工区どのようにされるのか、小紫さんと何度か議論しました。もう一つちょっと腑に落ちるとこまでいってないところがあるので、これは議論が進展すればというようなことにしてあります。生駒市には他の課題もあるので、一つはまちづくり構想の協定に結びつくような課題があれば、一つの対応ということになると思います。また、県と市の独自の協定でなくても、ほかの奈良市とも関係するごみ焼却場を合同でつくるというような課題もありますし、様々な市政、県政課題がある。どこでも種類は違っても課題があることは確かです。そのような中で、知事選の対応ということになってきている。ちょっと質問を見失ってしまいましたが。

読売新聞:
 なぜ今後よくなるというような印象、何かあったのか。

その今おっしゃったみたいに、市長のどちらかにつかれるというわけではないのであれば。

知事:
 ない。

読売新聞:
 なぜ良くなるというふうに、あの場で思われるような何か理由があったのですか。

知事:
 生駒市も良くなりますと。そうですね、話がいろいろ具体的に煮詰まってくると、今の市長さんのいろんな具体的な論点、プロジェクトが出てくると、それに対応できますので、それはどちらから出るというわけでもなしに、市民の話、あるいは県会議員の話からでもいいわけです。生駒市の課題はいろいろあります。道路の交差点の話、南と北の話もあります。高山第2工区だけではなく、様々な話があります。こちらから見れば生駒駅の話もありますし、南のほうの話もありますし、観光の話もあると思います。住宅地として発展してきましたので、今後老後のことを生駒市はどう考えておられるのかという関心もあります。子供さんが出ていった後、老後の年寄りの暮らしは生駒市はどうなるんだろうか。他でも同じくあるような鳥の巣になって、子供が飛び立った後の鳥の巣というような現象がないのだろうか、そういう関心を私自身は持っています。それは生駒市のほうから、まだ若々しいとこもあると思っておられるのでしょうが、課題が出てきて、その意識がマッチングすれば、協働の施策、協働の政策が出てくると思っています。

 生駒市は、ほかの市と違って人口が急に増えて、若い世代が増えたのでまだ勢いがあるということであったと思います。それは今の香芝市とか葛城市の一部、南の平群町、三郷町とか王寺町と同一の現象でありました。大阪に近いところの人口は増えて、若い世代が増え、安い住宅で大阪に通いやすいという奈良府民と言われる人口が急激に減ってきている。子育てが終わったら、お子さんの就職先が少ないので、どんどんよそに行ってしまう。そのよそに行ってしまう世代が北西部に多いという構造的な課題があるように思っています。それが市町村ランクでまだ気がついておられるのかどうかわかりませんが、それは団地とか住宅がだんだん抜け殻になっていってるというふうに、エックス線を照らすと、あれ、これだけ人がいたのに、これだけになってしまったというように、巣の中の子供鳥がいなくなっているというのがわかる面がある。

 そのときに若い世代が入ってきているのか、新陳代謝をまちとしてどのようにするか。ベッドタウンの大きな課題です。私から見れば。それにチャレンジされる市は助けたいと思う。そういう問題意識の共有化、共通化というのがスタートになると思っています。まだそこまで煮詰まってないように思います。生駒は北と南、いろいろ広いですので、そこまで煮詰まっていないのは、まちづくりのこういうベッドタウンはまだ若者のいるベッドタウンと、早くベッドタウンになって、もう年寄りの方ばかりになったベッドタウンと、大福とか桜井とか、そういうなのと時差がありますけど、遅かれ早かれもうすぐに迫ってきている。奈良県の一番の特徴はベッドタウン現象だと思っていますが、それにどう向かわれるのか市町村ごとの意識差というものがあるように思います。

 生駒市のことも、だんだんそのように気づかれてきているのかどうかというのが、一つの今後の生駒市政と奈良県政のコラボができるかどうか大きな接点になって、ポストベッドタウン対策ということになると思いますが、老後の対策、健康対策、あるいは普通なら施設をどうするかとか、今はまだ子育て問題も並行してありますので、保育所問題とか、そういうことに焦点が当たっていますが、それは今の日本のやり方だと。保育所とか、そういうなのはどちらかというと市の行政が中心になってやってきた。老人のほうは市の中心ですけども、広域でやってきたというような、日本の行政の責任の所在がそのようになってきましたので、県の立ち位置はどちらかというと高齢者どうするかというふうに目が行きますが、若い世代をどうするかというのが、そういう世代が地域がだんだん少なくなって、市が、若い世代が増えているときは元気でいろいろできるのでされてきた面がありますので、そろそろこれからどうされるのかという課題に生駒市とか西和は直面され、奈良市も西部と中部と東部と分かれてますので、西部はそういうふうに、富雄とか、あのあたりは直面されていると思います。市の行政の中で一体化になってます、そのように県としては見ています。コラボできる面があればというふうに、奈良市のほうは、例えば県立病院跡地は、どうしましょうか、市のほうもいろんなアイデアで手が挙がってきてますので、生駒市は、そのような場所がたまたまないですが、こういう構想に県は協力できるのかというようなことがありましたら、県の立ち位置で、かわりにというのは今の日本の行政ではおかしなことでありますけれども、県の立場で協力できることをするのは奈良モデルとしては当然やぶさかではありませんので、そういう協力のフィールドを見つけるというのが、まず生駒市との関係では大事かというふうに思っています。

 選挙の応援もするよと言ってこられたので、それはありがとうございますと。後の仕事が我々は大事なので、もし二人とも通れば、生駒市、生駒地区をどうするかというのに前向きに検討することになるでしょうねというような今の段階です。

読売新聞:
 その選挙の歩み寄りというところが、やはり関係上、問題意識を共有する上で一つポイントになるのですか。

知事:
 一つの何というか、雰囲気というのは関係ありますね。そうでないときはけんかをしてるわけじゃないんだけれども、事項をこなす、その器の練り方にちょっと関係するかもしれません。我々、仕事をどう練るかというのだけの立場ですので。

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奈良高校保護者からの公開質問状
毎日新聞:
 耐震の話ですが、昨日、奈良高校の保護者の方とオンブズマンの方が、知事も含めて公開質問状と要望書を出されました。記者会見をのぞかせていただいたんですが、お母さん達の不安とか、あと不満といったものも、まだといいますか、すごくお持ちなんだなというふうに感じました。やはりそういったものを、奈良県として、主には県教委になるのでしょうけども、少しでも解消していかなきゃいけないんだろうと思うのですが、知事の受けとめと、あと知事に対して3月8日までの回答期限を設けておられるのですが、回答される意思があるのかないのかを含めてお答えいただけますでしょうか。

知事:
 文書での回答はすることになると思いますけれども、教育長、知事、県議会議長宛てに公開質問状ということで、その立場が違いますので、立場を踏まえた回答、同じ質問状ですので、この部分は教育長、この部分は知事というふうに分けておられない質問状ですので、教育長が答える分、知事が答える分、それから議会議長が答える分、というふうに出てくるのではないかというふうに思っています。

 県の中の組織でありますが、ご存じのように教育行政は独立した行政機関として教育委員会というのがあって、教育長がおられますので、教育長が答えられる部分が大変多いと思いますけれど、県として答えるべきことには答えていきたいというふうに思います。

毎日新聞:
 特に受けとめとかはございませんか。この時期、もう3月末、年度末ですが、そういった、そういう文書が出てくるということについてはいかがでしょうか。

知事:
 何かせっぱ詰まっておられるのか、ちょっと事情がおありになるのか、ちょっとよくわかりませんけど。

毎日新聞:
 以上ですか。ほかにございませんか。

知事:
 今ので答えてなかったですか。

毎日新聞:
 いや、もう一言、二言いただきたいところではあるんですが。

知事:
 どういう、いや、そのぐらいかと思いますけどね。

毎日新聞:
 そのぐらいですか、はい。なら、結構です。

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文化財行政の知事部局編入
朝日新聞:
 4月から文化財行政が知事部局に編入されるなど、文化財の保存と活用を一体的にという、これまで中間報告などを見させてもらっているので、背景とかは一応理解しているつもりですが、改めてその文化財の保存と活用を一体に進めるって繰り返しおっしゃっていますけど、それを進めることによって、知事はどういう文化財行政を目指しているのかというのをちょっと具体的に知りたいなと思いまして。

 例えばですよ、人がいっぱい、いろんな人が来てくれるというのが、文化財の保存と活用の一体化が目指すものなのか。もっと具体的に言えば、例えば海外への仏像展示とか、ああいうのもそういうものの一つなのか、文化財の保存と活用が目指す具体的なものって何なのかというのをちょっと教えていただきたいんですけど。

知事:
 保存と活用は、別々じゃなしに、私は一体的なものだというふうに考え方としては捉えてきました。よく言われたのは、今までの保存行政、特に調査官の保存作業は批判の的になってきました。文化財が出てきたら、自分の研究のために隠してしまう、これは広い活用の意味ではない。自分では活用しているというので批判されてきた事実があります。それは保存一辺倒じゃないかというふうな批判が、もうこの業界の中、行政の中にありました。凍結保存と言われるような保存、自分が研究するまで置いとくよというような、研究者のエゴだと私は思います。そうではなく、文化財は公共財だから、保存の役目をする人は当然要りますが、その吟味をしたり研究する人にもできるだけ公開するような義務があるのではないかというのが、保存と活用の一体化の私の考えです。俺のための保存だというのはちょっとおこがましいのではないかという研究者への痛烈な批判ですけれども、それを訴えてきました。研究所と言われるところが隠し持つというのは、やってはいけないこと、世界の文化財じゃないかというふうに訴えてきました。

 県にその組織が移っても、保存というのはそのようなために保存するのだと、活用と保存と一体化するのを行政でするのだというのが私の考え方です。俺の研究のために保存するよというのが、繰り返しになって恐縮ですけども、一番いけないことであったのではないかというふうに思っておりますので、様々な文化財の扱いを、橿原考古学研究所という優秀な組織がさせていただくと思いますが、より広く活用、研究していただくための、オープンネスというのが、とても大事なことで、そのための保存を任されている。自分のための研究財を保存するという考えはあってはいけないことだというふうに、今までの研究者を糾弾したいぐらいの気持ちです。それが一番大きな奈良県の保存化の思想になればと思っています。

 多くの活用をしてもらうための保存行政だというふうになれば。保存は、研究の活用と一般の活用とありますけど、保存とバッティングするようなことがもちろんあってはいけないわけで、見せたら壊れるとか、さわったら壊れるというのは慎重に扱わなくてはいけないと思います。それは研究とかは、よく現物は水に浸して保存して、どういう文字で書いてあるのかというのをフィルムなど、写真で見ても研究はできるし、一般の人はわかりますので、そういうテクニックは幾つもあると思います。自分のための研究に物を、実物を隠すのが一番あってはいけないことだというふうに糾弾を改めてしたいと思います。これまでの一部研究者の姿勢は、ちょっと糾弾されるべきだというふうに思います。

朝日新聞:
 その表に出すべきだとか、文化財は公共財なのでというようなところからすると、やはりより多くの人に文化財に触れてほしいという、だからより多くの人が例えば来場してくれるような施設とか、展示とか、そういったものを目指しているとか。

知事:
 ああ、施設とか、その手法はいろいろ要ると思いますが、文化財というのは別に県有物ばかりとは限りませんので、発掘すると発掘した人が保存を任されて、公共財ですので、たまたま預かっているという意識が当然ないといけないと思います。俺の物だと、売ってもいいかと、それはなかなか、特に公有財になるとそういうことはできません。私有財になると、うちのお寺から出てきたものは、前の先代の住職さんが勝手に売ってお金にしちゃったというようなことはあったのですけども、そういうことは文化財の値打ちからすれば、そういうことはあっちゃいけないなということが今の文化財行政の反省になっていますので、それに地方行政が力を入れて保存をして、それを活用というのは、研究活動がまず第一。値打ちを知るというのが活用の最大の第一歩だというふうに思っております。値打ちがわらないまま保存して、俺の研究のために使うという保存の仕方は、あまりよくないと私の経験からは思ってきましたので、県の保存行政、活用行政、今度保存課が来るわけですけども、そのような思想で県の行政運営をできたらというふうに思っています。

朝日新聞:
 そうすると、必ずしも人がいっぱい来てくれるとか、様々な人の目に触れるということも、必ずしも目指しているわけではないのか。

知事:
 直接的じゃない、結果的にね、こういう値打ちがありますということがわかればいい。観光素材ではないので、基本的にまず文化素材だからと思います。その値打ちは、本当の値打ちがわかった人によく調べてほしいと思います。値打ちはどのようにわかるのかというのは、いろいろな類似物があると比較したり、遠くのものと比較してやっと初めてわかるわけですから。古墳の中でソグド人のスカートと同じようなスカートだというのは、ここ奈良でほかに類似がないから、ウズベキスタンで発見したり、中国のソグド人の墓で見ないと比較はできないが、それが奈良に、明日香にどうしてあるんだろうというようなことを、その研究を発見できるわけです。それを知ってもらうというのはとても大きな意味があると思っています。

 県の行政の大きな部分だと私自身は思っていますが、それが教育委員会という組織でやっているのはどういうことかなというふうに、文化行政は教育委員会というのが統べるんだという、国の教育文化行政の一環として地方もそういうふうに分けておられたわけですけれども、60日ルールも含めて文化財行政ですね、菅官房長官の英断が下ったように思っています。

朝日新聞:
 例えば来場者が少ない施設とかが問題になるようなお考えではないと。例えば、万葉文化館とか、報道でも話題になった時期ありましたけど、人が来る数がちょっと思ったより少ないから、それは問題だというような、そういう考え方ではないということで、別に、それは別。

知事:
 思ってもみなかったけど。値打ちの出し方というのはいろいろあると思います。値打ちの認識の仕方は、研究者でいろいろ違うと思います。万葉文化館というアイデンティティーがどこにあるのかなという議論もありました。万葉古代学という学問があるというのが一つの論争になっています。古代のえらい論争の対象になりますので、論争があることはいいと思いますけども、収れんするときと収れんしないときとありますから。その中であのレベルの施設があるのは奈良県で誇らしいことだと思っています。まだ活用をどうするかというアイデアは、まだ伸びると思います。

 同じ明日香の中で飛鳥資料館という国の施設があります。飛鳥資料館と万葉文化館で何が違うんだという、余り特集記事もないけれど。もし関心があったら、重複という意味ではなく、すみ分けとかコラボとかという課題はあるように思います。国の資料館と県の施設と同じ明日香にあるというのは一つ奈良の特徴ですので、どういうすみ分け、すみ分けしなくても重複でもいいんだけど、何を目指しているのかというのがわかればいいんだけども、万葉文化館もお客が少ないと言われていますが、飛鳥資料館、国の施設ははるかに少ないようですから、こんなとこで披露しなくてもいいんだけども。

 お客さんが来るのは大事かと思いますよね、アピールしなきゃ。

司会:
 ほかに質問のほうはどうでしょう、よろしいでしょうか。

 幹事の方よろしいでしょうか。

 では、これで本日の定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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