令和2年2月20日(木曜日)令和2年度奈良県当初予算案・令和元年度2月補正予算案記者会見

司会:
 おはようございます。
 それでは、ただいまより令和2年度奈良県予算案の知事記者会見を始めさせていただきます。
 まず、荒井知事より予算案等につきまして発表いただき、その後、記者の皆様からご質問をいただきたいと思います。
 それでは、知事、よろしくお願いいたします。


令和2年度奈良県当初予算案・令和元年度2月補正予算案
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 予算案をお手元の要点で説明いたします。その前に、資料はありませんが、予算関連でもありますが、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会の2巡目がまいりますので、令和12年、10年後になりますが、令和12年に招致するということを今日初めて表明させていただきたいと思います。議会でも報告をすることになりますが、予算の中では表明しておりませんが関連いたしますので、まず予算案の冒頭、そのことをお伝えさせていただきます。

 それでは、予算案の要点に従ってご説明いたします。「奈良新『都』づくり戦略2020」に沿って書いておりますので、151項目ありますが、要点ということで、これ自身にも要点と書いてございますが、その要点の要点を説明させていただきたいと思います。

 1ページ目をお開きください。予算編成に当たっての考え方です。特段目新しいことではございません。

 2ページ目をお開きください。予算規模、予算のフレームです。予算規模5,609億円です。前年度より336億円の増加ですが、その内容は、一つは、道路公社清算金収入が277億円ございます。また、県債管理基金を活用した繰り上げ償還を50億円増額します。この過去2年、100億円のレベルで2年間続けていましたが、3年目で50億円増額するということです。この2つの合計は、その次の次の括弧に書いていますが、合計327億円です。336億円のうち、327億円がこの2つの理由によるものですので、それを引きますと、9億円のプラスになります。5,600億円のうちの9億円のプラスですから、一応同規模と言わせていただきたいと思います。なお、道路公社、第二阪奈道路ですが、当時の道路局長、森さんに出資金を返してくれと言ったら、他府県は放棄すると言っているが、奈良県だけ返してくれと言ってるんだなと、こう言われたけれども、しつこく言うと、これだけ返ってきたので、よかったなと思っています。

 3ページ目に参ります。歳入の予算のポイントです。一般財源が130億円増加しています。その理由は、県税では、法人の業績が堅調であるということと、地方消費税の引き上げなどによる増がございます。それから、特別法人事業譲与税が創設されたという、譲与税は地方の一般財源ですので、そのことが大きく寄与しています。また、先ほど申しました第二阪奈道路の清算金が諸収入として、臨時財源ですが、252億円計上しています。歳出予算の特徴は、義務、投資、一般施策に分けるのが通常ですが、義務経費は86億円増加していますが、そのうちの72億円は県債管理基金を活用して臨財債の繰り上げ償還を行う、その増分が72億円ございます。それが大きな要素です。投資的経費は111億円減少していますが、投資の波によるものが大きいと思われます。コンベンションセンターが完成いたしますので、この分野の投資が122億円減になります。そのほか、芸術家村の工事が進んできていますので、前年度62億円が令和2年度は30億円と、32億円の減少です。藤の木学園の整備ですが、17億円の規模が2億円になりましたので、15億円減少と、そのような施設整備の波があるのが大きな要素です。一方、国が防災・減災、国土強靱化に力を入れておられますので、その緊急対策として公共事業を増額しています。それが59億円です。差し引き、約100億円超の投資的経費の減になっています。一般施策経費は361億円の増ですが、その内訳を見ますと、社会保障関係費が32億円増加しています。これは、医療費などですが、社会保障経費の増加は全国的な傾向で続いています。2つ目は、歳入の県税収入が増加しますと、県税交付金という形で市町村へ配分されますが、それが81億円増えているというのが大きな増加要因です。なお、一般施策経費の増のうち253億円分は、先ほどの第二阪奈道路の清算金収入に伴う支出で、地域・経済活性化基金へ積み立てます。後日の活性化の用に供するという積み立てをしていますが、それが253億円ございます。主な増減の要因は、以上です。

 4ページ目をお開きください。県債管理です。県債残高のうち、交付税措置のない県債残高を集計しています。これは奈良県独自ですが、交付税措置があるのは、国から交付税が配分されたときに県債を返すということで、運用だけの話ですが、構造的には交付税措置のない県債は県税収入で返す、県民の将来負担になるということですので、その減少に努めてまいりました。この10年間で約700億円の減少が達成できました。4,390億円であったのが3,673億円になります。令和元年度、一時的に増加しますが、これは防災・減災、国土強靱化のための債券発行をする結果によるもので、減少傾向は今後も続けていく見込みです。一方、県民の将来負担という観点からは、県税収入との比率を気にしています。過去、例えば平成23年度は、その比率が4.3倍ありました。4倍程度で維持できたらという目標を持っていましたが、県税収入が過去10年間で160億円増加しました。1,050億円から1,213億円ということで、160億円増加しました。したがいまして、その比率は令和2年度には3.0倍になる見込みです。できればこの水準で維持できたらと願っています。県債残高総額ですが、最近のピークは1兆7,000億の平成26年でして、そこからいろんな工夫で県債残高総額の減少に努めてまいりましたが、ピークから来年度予算では約800億円の減少が達成できます。総額1兆円を再び切る見込みになりました。

 次は施策の内容ですが、5ページから施策の目次が9ページまで続いています。151項目ございます。目次は飛ばしていただき、10ページから栄える「都」、経済ですが、11ページ目を開いていただきたいと思います。経済活性化の予算のうち、工場誘致の予算です。左の方に都づくりの戦略の最新版を書いていますが、過去12年間で333件工場を誘致しました。昨年の上期の工場誘致が出ていますが、15件です。全国的に工場の立地件数は減少傾向ですが、奈良県のランクは近畿2位、全国11位を維持している状況です。工場立地をこれからも努力していきたいと思いますが、企業立地推進補助金、インフラ整備の補助金、環境整備ですね、下の方は、立地環境の整備、インフラ整備と働きやすい環境づくりに努めたいと思います。

 その次の12ページ目を開いていただきたいと思います。奈良県への立地の要望はまだ盛んで続いておりますが、まとまった用地の迅速な確保を達成する必要があります。そのために、企業立地の潜在力が高い候補地の産業用地の創出支援に努めていきたいと思います。とりわけ、経済の振興のバランスをとるために、中南和振興、また、書いていませんが、東部に産業集積地を形成することを心がけていきたいと思います。そのための予算です。御所インターの産業集積地、用地取得に長年手間がかかっていましたが、いよいよ企業用地開発をしていきたいと思っています。

 その次は、15ページ目を開いていただきたいと思います。県内産業への研究支援です。企業誘致の誘引にもなりますし、立地された企業の元気づけになりますが、①で、新規で研究支援補助金、1件上限1億円の補助金を創設したいと思います。テーマは決めていません。まず民間企業のうち製造業にしたいと思います。基盤強化、新規産業の中でコンペをしてもらうという発想です。テーマを決めないで3年間で1億円の研究費をつけるから、研究テーマを出してくださいというタイプのオープンな研究開発補助です。そのほか、既存の研究所の活性化に努めていきたいと思います。

 次は22ページ目、外国人労働者の県内定着対策ですが、労働力不足がございます。それと、就業地別の有効求人倍率は、各県で差があります。全体のレベルでも差がありますが、セクター別で大きな差が出ています。奈良県は介護人材が不足している状況ですので、保育と介護は割と有効求人倍率が高いんですが、外国人介護人材の受け入れ施設が行う環境整備に対して補助、修学資金、生活資金の貸し付けを行うというスキームを新しくつくっています。5年間、県内で就業されたら返済免除という仕組みです。

 それから、24ページ目ですがホテル誘致、この新型コロナウィルスが出て少し勢いが衰えるかもしれませんが、まだ旺盛な引き合いがありますので、ホテル誘致を続けていきたいと思います。宿泊施設が最も少ない奈良県です。滞在型観光ということを引き続き目指していきたいと思います。その中で、NAFICのオーベルジュの機能や立地を生かしたセミナーハウスと、さらにその上段部へ民間事業者のホテル誘致をしていきたいと思っています。

 25ページ目ですが、コンベンションセンターを活用した観光振興。コンベンションセンターがこの4月に開業します。その運営費とMICEの費用の予算です。また、組織ではMICE推進室を設置します。

 その次、26ページ目ですが、高畑地区のホテルがこの5月に開業します。県は、由緒ある庭園整備の予算をつけていますのと、庭園は無料で開放するとしているものです。

 27ページ目ですが、吉城園周辺の整備です。ここの地区には旧知事公舎などがありますので、その保存、活用、整備のあり方を慎重に委員会で検討していただいています。そのためでもありますが、当初の開業予定が延びています。令和2年春、今年の春に開業の予定でしたが、約2年間延びて、令和4年の夏まで延期をするということでございます。右の図にありますように、庭園、吉城園自身は県の管理、また、整備の主体になりますので、そのための予算を計上しております。

 28ページ目です。同じくホテルですが、法務省がされている旧奈良監獄ホテル、令和4年に運営開始の予定ですが、その予定に合わせて、周辺の道路整備など、奈良市と協力して行う予算です。

 少し飛びますが、32ページ目、奈良公園周辺の交通周遊環境です。奈良公園バスターミナルの運営の来年度予算について計上しています。なお、今年度の予算については、補正予算で追加提案する予定ですので、補正予算の説明はまだですが、後日、補正予算の説明のときに予算内容を説明することになると思います。来年度の予算については、バスターミナルの施設運営の中で、アメニティの改善やにぎわいの創出などの予算を計上しています。また、周辺の交通環境の整備の改善も目的の一つでしたが、渋滞ということでは、幸か不幸か、バスの流入が減っていますので、自然と渋滞が改善されている状況ではありますが、このバスターミナルの運営の一つの弱点でしたのが、駐機できないということです。運転手さんが中で休めないということでした。コロナウイルスにかかられた運転手さんもこのバスターミナルは利用されてなかったんですが、駐機場が遠いということを反映して、平城宮跡歴史公園南側の積水化学からの用地の購入にあわせて、そこに駐機場を整備することを予算計上しています。後でまた説明します。

 それから、この周辺環境の中で、ぐるっとバスの運営費を計上していますが、次のページをお開きください。ぐるっとバスは、左の折れ線グラフにありますように、お客様が伸びています。ぐるっとバスの運行は、真ん中の数字のように、特に大宮通りルートが大きく青バスが活躍をしています。下の図のルートに今なっており、大仏前駐車場が結節点、ターミナルですが、大宮通りの延長にある大和西大寺駅が令和3年春に整備完了しますので、そこに乗り入れて折り返すと、この大宮通りのぐるっとバスが直通化、直行化できますので、青バスをそこに乗り入れることを計画していきたいと思っています。また、先ほど申しました奈良監獄ホテルは令和4年の開業予定ですので、その際はぐるっとバスをそちらに延ばすことも検討していきたいと思います。ぐるっとバスで、この奈良市内の周遊環境が改善されているように思っています。

 では、39ページまでとんでください。平城宮跡南側の整備です。国もこの平城宮跡の周辺整備の朱雀門東側の整備に今取りかかっていますが、大宮通りの南側についても公園として整備したらどうかというサジェストがございまして、まだ確定していませんが、国の公園補助の対象にもなり得る見込みがありますので、一部よりも全体を取得したほうが公園補助も出やすいと判断をいたしまして、全体を公園として買い上げることにしました。積水化学と折衝して、積水化学はオーケーということですので、来年度予算にその予算を計上いたします。また、土地開発公社で取得することにもなると思いますので、債務負担行為の設定もしたいと思います。その内容の中で、積水化学用地の赤点線のうち一部は、朱雀大路の南下という、西側南下ということも検討しています。また、さらに駐車スペースは、先ほどのバスターミナルのバスの駐車スペースにと考えています。また、後で出ますが、近鉄奈良線の移設があったときに、朱雀門前駅の駅前整備の用地にもこの駐車スペースの北側を充てることになろうかと思っています。

 次は、44ページまでとんでいただきたいと思います。新まほろば館の新拠点への移設です。奈良まほろば館は日本橋にありますが、地主である三井不動産との約束で、日本橋開発が進むときは立ち退きをしてくださいという約束でした。その分、2年契約で賃料が大分安くなっていましたが、いよいよ日本橋開発がこの区画まで及ぶというので立ち退きの要請がありました。今年度末の予定でしたが、1年延びて、来年度末になります。同じ区画にある島根県は既に移設を決めて、新しい拠点を購入か、賃貸されることになったと聞いています。それで、いろいろ物件をあたっていましたが、右に書いておりますJR新橋駅から徒歩3分のところにこのような物件が出てまいりました。新築物件です。近所には他県のアンテナショップ、アンテナレストランがございます。このまほろば館の移転要請とあわせて、ときのもりに入っていますレストラン、CIEL ET SOL(シエル エ ソル)から営業をやめたいという申し出がございました。ミシュランの星が唯一ついているアンテナレストランで評判がよかったんですが、人手不足といいますか、営業されているシェフが地元へ、息子さんですが、地元へ引き揚げないかんようになったと。人がうまく集まらないので、やめたいというような申し出がありましたので、レストランも併設した新拠点にするという方向にかじを切りまして、この新奈良まほろば館は、新拠点ではアンテナショップとアンテナレストランを併設することにしたいと思います。幸い、店舗の面積も広うございますので、2階と1階でそのような展開をしていきたいと思っています。なお、ときのもりの1階にはアンテナショップもありましたが、石村さんは、やはり店舗が小さい面があるのと、立地のほうで少しハンデがあるとおっしゃいまして、その方もレストランの閉店とあわせて、営業から引きたいという申し出がありましたので、あわせてアンテナショップについてもときのもりからは撤退して、新しいアンテナショップ、アンテナレストランで合併するという方向で令和2年度、1年間ありますので、検討していきたいと思っています。

 次は、45ページ目になります。食の振興ですが、観光地の振興の大きな要素は、先ほどのホテルの宿泊とともに食。泊、食ということになりますが、食のほうも奈良はハンデがありまして、食の振興に力を入れていましたが、奈良にうまいものありの評判を定着させようということです。その中で、新しい動きが④ですが、BCCというスペインの料理専門学校、世界の本当のトップですが、そこから提携の申し込みがありました。先日、スペインに出張して、このBCCを訪問しました。バスク州が経営しているレストラン、シェフの養成学校と、さらに料理の研究では修士コース、博士コースを持っているという大変程度の高い学校であることがわかりました。バスク州とサンセバスチャン市が共同で出捐(しゅつえん=金銭や品物を寄付すること)をしている学校です。バスク州の、そこでも経済振興していますが、その一つにもそれがガストロノミーを基本にして、いい農産物がありますが、それを観光に結びつけるというのを長年されてきて、成功した地域です。そのような立派な学校と連携の申し込みがありましたので、受けたいと思います。この夏前にでも校長先生が奈良にも来るよとおっしゃってますので、そのときは連携協定をすることになろうかと思います。新しい2つ目はガストロノミーツーリズムのワールドフォーラムが2年に1度ございます。今年はベルギーのブルージュでありますが、2年後の2022年が今コンペになっています。日本では、奈良にコンベンションセンターがありますので手を挙げていましたが、日本の立候補地は観光庁が奈良に絞ってくれました。他との競争がありますが、ミラノと、もう一つ、奈良も含めて3つぐらいの競争になっています。強敵ですが、その売り込みもあって、この先日、バスクとUNWTOのマドリードまで出張に行ってまいりました。食の振興に力を入れる予算を計上させていただいております。

 その次は、48ページまでとんでいただきたいと思います。大規模広域防災拠点の整備です。南海トラフの大地震は心配ですので、そのための空からの防災拠点というコンセプトで研究をしていましたが、地域もほぼ確定してきて、その中で、その地域の地勢を判断しますと、2,000メートルの滑走路つきも可能かと思っていますが、段階的に整備をして、早期に防災機能を発揮というふうに踏み込んでいきたいと思っています。1期、2期、3期ということですが、1期でこの台地をつくって平地をつくると防災拠点になりますので、そこに給油、要員、物資の受け入れの場所があれば防災機能が発揮できますが、さらにその場所に滑走路を整備しますと、空からの回転翼の同時稼働が可能になりますので、大きく機能が向上します。また、谷間がありますが、何年後かにリニア中央新幹線の工事が始まると、その大量の土の土砂捨て場が必要ですので、その土砂捨て場をこの地域の谷埋めに使うという構想を持っています。JR東海にもその意向は伝えております。土砂捨て場をつくることは歓迎しますということです。各地域の排出土砂がJR東海の見込みで約1,000万立米という膨大な量になります。1,000万立米程度ですと、この地でも受け入れが可能だと思います。なお、ダンプが頻繁に通ることを克服するために、通路をつくって、ベルトコンベアで自動的にここに運べないかという構想を持っています。その通路を将来、関空に行くリニア新幹線の通路に転用できないかという構想を持っています。そのようなこともJR東海には申していますが、先の話でもありますし、そのリニアの土砂捨て場と連携する動きですが、まず、1期、2期の広域防災拠点機能をできるだけ早く設営したいということが段階的整備です。なお、予定している地域ですが、京奈和自動車道の五條西インターから国道168号に直結する通路になっていますので、五條西インターからこの大規模広域防災拠点を通って国道168号の新天辻の方へ行く道路の可能性、道路の調査についての予算も計上しているところです。

 その次は、50ページまでとんでください。大和川直轄遊水池と流域内水遊水池の整備です。直轄遊水池については、国が大和川の周辺5カ所に直轄遊水池を整備して、県が3分の1負担するということです。市町村の負担はございません。そのような5カ所の直轄遊水池の用地取得を進めていただいておりましたが、安堵町の窪田地区、川西町の保田地区にめどが立ってまいりましたので、直轄遊水池の整備に取りかかるということです。また、河川改修についても、直轄河川改修になりますので、地図にございますが、大和川、佐保川の藤井地区、長安寺地区の改修工事費を計上しています。これは国の工事の県負担金です。もう一つは、内水対策です。支川が70もある大和川ですので、内水被害が予想されます。天井川ですので、内水被害を、軽減、減災するには、内水遊水池を整備しなければいけません。その必要な内水遊水池の整備箇所を選んで、10年に1度の大雨に対応する候補地は選定できました。その予算をつけていますが、国費を除いた分を、県と市町村で土地も含めて折半するというスキームを提案しています。市町村はおおむねオーケーということです。令和2年度は、具体的に田原本町、広陵町などで工事を開始する、工事をすればそれだけ減災するという観念です。また、さらに、河道掘削、堤防補強などの国の予算もつき始めていますので、これにも工事の手を入れ始めています。なお、10年に1度の大雨に対応する内水対策ですが、最近では100年に1度の洪水も起こっていますので、100年に1度の大雨にも対応できるようなグレードアップ対策を検討したいと思います。具体的には、選びました内水対策遊水池を深掘りするとか、広掘りするとか、場合によっては追加の遊水池をつくるとかというアイデアになりますが、来年度はグレードアップの検討も進めたいと思っています。

 57ページまでとんでいただきたいと思います。馬見丘陵公園の整備です。馬見丘陵公園は、花をテーマとした無料の公園ですが、今100万人の入園者を数えるほどの公園になってまいりました。一方、この地図にありますように、大変細長いところもございますし、古墳ですので丘があったりして、高齢者が動きにくいという評判でしたので、電動カートによる園内の移動の手段を提供していきたいと思っています。そこに書いてあるような移動手段を提供いたします。また、地図にありますように、池部駅から北エリアまで細長い道が続いていまして、歩くのにはいいんですが、多少殺風景ですので、花街道というテーマで花の整備を進めたいと思っています。

 次は、92ページまでとんでください。近鉄西大寺駅の高架化です。左の上にありますように、西大寺駅の西側4踏切が改良すべき踏切道ということで、平成29年1月に指定されました。県、市、近鉄は改良の方策を国交大臣に報告しなければいけません。近鉄は高架化に反対をしていましたが、30年11月に西大寺駅高架化の案を提出されました。それに基づきまして、今、具体的な検討を西大寺駅の高架化については進めています。

 その次のページですが、東側にあります近鉄線の移設のテーマです。東側の4踏切についても改良すべき踏切道として指定されました。同じく県、奈良市、近鉄で改良方策を提出しなければいけません。協議が調えばいいんですが、この場合は協議がまだ調っておりません。近鉄は移設に反対ということです。改良はどうするのかということになりますが、この4つの踏切、一番右の踏切、新大宮の踏切は地下駅にするということで、その場合は解消できます。2番目の踏切、平城宮跡の真ん中を通る踏切は、廃止しなさいということですが、これは地元との調整が必要です。その前後の2つの踏切は、道路を整備をして、踏切を廃止しなさいという近鉄の要求です。その近鉄案について検討してまいりましたが、なかなか道路で整備するのは困難だという判断です。例えば西大寺1号、佐紀町、奈文研のあるところの踏切ですが、あそこは混雑が激しく、踏切を廃止して道路をつけるとなると、奈文研の裏側に高架で道路をして西大寺駅におろすとか、そんな案が近鉄から出てきてるんですが、なかなかうまくいかない案だと判断をしています。それにかわる道路を改善して踏切をなくすという案はなかなか難しいんではないかなと思っています。なお、芝辻の平城宮跡の東の踏切は、大宮通りと24号バイパスの間を地下でくぐるという案ですが、ちょっと道が狭いのと距離が短いので、地下通路をつくるのも難儀かなと判断しています。県と市の道路の関係者はそのような判断です。そのような状況ですので、国が入りました改良協議会合同会議の開催をお願いしておりました。それに、近畿地方整備局が賛成をしていただきましたので、この4月からでも合同会議を開催していきたいと思っています。令和3年3月までに調整の案を出す、あるいは、調わなければ国交大臣が裁定するという仕組みになっていますので、令和2年度は重要な年だと判断をしています。

 95ページまでとんでください。リニア中央新幹線の奈良市附近駅です。名古屋以東は静岡県内を通るトンネルについてもめておりますが、だんだん軟化といいますか、目処が立ちつつあるように聞いています。西の方は、それに関わらず予定どおり環境アセスと工事を開始してほしいということを要求しています。西の方の工事を遅らせるという情報は今のところございません。東の方の完成も、今のところ遅れると心配はされていますが、まだ遅れるとの判断はされておりません。奈良市附近駅の候補地として今、奈良市、郡山市、生駒市から、合計5つの候補地が提案されています。これを中心にJR東海に研究をしてください、その事前の調査は奈良県がして、情報を完全共有します、全て情報を差し上げますということの調査費を例年とっています。JR東海の方から見ますと、用地取得は円滑にいくことと、排出土砂の処分が円滑にいくこと、それと、周辺環境の整備、住民の協力意向というのが大きな要素です。奈良県は、周辺環境、この全てについて、共同した努力を重ねていきたいと思っております。

 その次は、96ページ目ですが、リニア中央新幹線の位置が奈良市附近ということになりまして、先ほど申し上げました五條の大規模広域防災拠点に土砂捨て場を設けるということを表明していますが、その例えばベルトコンベアで運ぶ場合の通路を整備すると、その通路を利用して、単線ですが、関西空港に行くリニア新幹線ができないかという構想を立てまして、その調査費を今使って検討しているところです。通過駅、途中停車駅は、高田市、御所市、五條市、橋本市を想定しています。

 その次は、113ページ目までとんでください。福祉に入ります。出所者の更生保護、就労支援です。きっかけがございまして、奈良県は、更生保護に随分力を入れてまいりました。いろいろ検討を進めてきておりますが、その中で、出所者を直接雇用する財団法人を令和2年7月頃に設立するというアイデアまで確立しました。下の図にありますように、県の出捐する財団で出所者を直接雇用し、給料を払います。出所者を直接雇用いたしますが、財団の事業というのは直接まだありませんので、山のバイオの切り出し、木材の搬出などの業務を地元の協力企業としようかと考えています。これは五條の森林組合を想定しています。五條の森林組合で五條にある山を、木材を森林組合で切り出してもらう。森林組合は人数が足りませんので、この出所者をインターンや臨時雇用で雇ってもらい、給料を森林組合から払ってもらうということです。財団とその五條の森林組合が契約をして、雇用に結びつける。その木材は、五條にできるバイオマス発電会社に納める。これは価格が決まっており、2万トンものバイオマスが必要だと聞いておりますので、五條の森林組合だけでは搬出量は不足するんじゃないかと思っていますが、出所者を五條の森林組合で雇用するということは、まだ契約しておりませんが、組合長が来て賛同されていますので、この7月の財団成立を機会に、その契約を結んでいきたいと思っております。一つのやり方ですが、そのほか、この財団が軸になって、ほかの木材の搬出、また、環境整備なども行うことができたら、また、奈良監獄ホテルのリネンサービスの請負をこの財団ができたら、出所者の雇用に結びつけられるのではないかと思っています。県の財団が入ることによって、更正支援、就労支援が円滑にいくというスキームです。

 その次の項目になりますが、114ページ目です。先ほど令和12年、10年後の国体の招致を表明させていただきました。県内の主要主会場の拠点整備が必要になります。どこにするか、いっとき橿原市の運動公園と県の橿原公苑を交換して、3倍ある橿原市運動公園にスポーツ施設整備という提案をいたしました。市長は、前市長も現市長も賛成ですが、議会との調整がまだ進んでおりませんので、そこにするかどうかは、その協議の進捗を見て、令和2年度中に判断、決定していきたいと思っています。他の地域からの施設整備の要望もございます。例えば五條市からは国体主会場招致の陳情書が出ております。そのような状況ですので、令和2年度はこの10年後の国体招致にあわせたスポーツ施設、とりわけ主会場の場所、また、整備方針の確立が必要だという年になってまいります。

 その次、115ページ目、スイムピア奈良、まほろば健康パークの機能充実です。スイムピア奈良は、左の棒グラフにありますように、入場者がずっと伸びております。その中で水質がいいというのでナショナルチームもここを利用されることが多いわけですが、大会をするには、観客席が少ないというのと、屋根がないというのがハンデになっています。したがいまして、50メートル屋外プールの観客席増と屋根の整備を来年度予算でしていきたいと思います。令和3年6月竣工予定のプールの整備費です。それとあわせて、このプールの周り、浄化センターとの間に空き地と言ってもいいような土地があります。合計8.5ヘクタールの空き地です。これの基本計画を策定するというのが令和2年度の課題です。構想ですが、子供連れ、家族連れで運動できる、スポーツできるゾーン、キッズプレーグラウンドというようなイメージで、子ども食堂併設、大人と一緒に多世代で遊べる広場といったようなレイアウトをできたらと考えています。令和2年度の基本計画案で確定してくると思います。その際は、PFIでこの一体的な管理運営ができるかについても、その方向で検討していきたいと思います。

 それから、116ページ目ですが、スポーツの振興です。スポーツの振興は、引き続きしていきたいと思いますが、昨日、奈良マラソンの実行委員会の決算報告がありましたときに、奈良マラソンは人気がありますが、混雑するという難点の声が寄せられています。道の混雑、更衣室の混雑、トイレの混雑などです。申込開始後7分で参加が締め切られる人気のマラソンになっていますが、その道の混雑などを考えますと、定員増はもう限界じゃないかと思います。人気があるならば、奈良でのマラソンの人気ということで、南の方でやることを検討したらどうかと提案いたしました。おおむね賛同する意見は多かったように思います。予算ではございませんが、そのようなマラソンの動向がございますので、ご報告をさせていただきます。

 次は、129ページまでとんでいただきたいと思います。文化の関係ですが、文化振興条例1本でしたが、文化財保存活用の条例と、文化財防火対策推進条例、3本で出していきたいと思います。そのための検討関係の費用です。また、その中で、ムジークの開催費用、奈良の仏像のこれからの費用などもこのカテゴリーで予算要求をしております。文化財防火対策推進条例は、この6月議会に提案予定ですが、文化の振興条例と文化財保存活用条例は、まだはっきりしておりませんが、12月議会には提案できるつもりで検討しますという報告を昨日受けたところです。

 その次は、132ページ目にあります、なら歴史芸術文化村の活用策でございます。令和元年度に大きな予算をとりまして、令和2年度はやや減りますが、令和2年度で整備をして、令和4年3月の開村を目指しているところでございます。この歴史芸術文化村をどのように活用するかというのは、いろいろ検討してきておりますが、例のない施設でございますので、地域の振興と複合目的で文化芸術の振興を図る、地域振興、文化芸術の振興、両建てで一緒にやりましょうというプログラムでございます。関係の人に熱心な議論をしてきていただいております。開村までに、その内容を固めていきたいと思います。施設の整備の残りとこれからの活用策の検討に踏み込んでいきたいと思っております。

 133ページ目でございます。研究勉強活動の充実強化ということで、先ほどの更正支援のあり方などもこのような研究会の一連で行っております。その中で、昨年、物議を醸しました地方政治研究会の研究費の予算を計上しております。お世話になった大阪大学の北村先生が先日来られまして、今年度につけておりましたインタビュー、追加アンケートの予算、また、来年度にもくろんでおりましたアンケートの予算は、相手もあることで、出てきてもバイアスがかかる可能性があるので、見合わせたいというふうなご要望がございました。一方、地方政治の研究は大事なので、研究は奈良県と一緒にしたいという要望がございましたので、その要望に添う形で、地方政治のあり方の研究費をわずかでございますが、計上したいと思っております。なお、毎日新聞社に抗議の手紙を出されまして、返事が返ってきたと、反省いたしますという文章の入った謝罪文が返ってきたというご報告も受けております。それで、このような弾みになったという、研究は続けたいというご報告でございました。

 そこから135ページまで飛んでいただきます。海外交流、割と力を入れてまいりまして、効果が出てきております。森林環境管理制度でスイスの林業教育との関係などでございますが、新しい項目といたしまして、③の陝西省、忠清南道との友好提携10周年になりますので、その記念行事をしたいと思います。また、下の④になりますが、大きな中国の清華大学との交流を進めたいと思います。なお、清華大学の前学長の顧秉林(コ・ヘンリン)さんは奈良県立大学の名誉理事長に就任していただくことが内定をしております。なお、名誉学長は、韓国の初代文化庁長官の李御寧(イ・オリョン)さんでございます。⑤は、NAFICとBCC、先ほど申し上げましたサン・セバスチャンにあります世界トップのBCCとの交流事業の予算を計上しております。ほかの新しい展開として、数日前にウズベキスタンの大使が再度県庁を訪問されまして、サマルカンド州との提携を再度申し込まれました。積極的に応答いたしまして、提携しましょうという返事をいたしました。ウズベキスタンは、チャーター便を出してもらえないかという、奈良県の人たちとの交流をしたいということでございます。

 140ページまで飛んでいただきます。中央卸売市場の再整備でございますが、中央卸売市場は奈良県営でございます。卸売業務をやっておりますが、50年たっております。卸売機能全体は大変縮小してきております。施設も老朽化してまいりましたので、昨年9月に再整備基本計画をつくりました。卸売機能の効率化、機能向上のための集約化とともに、空地となっている県有地がありますので、そこでBtoCのにぎわいをつくろうという計画でございます。そのイメージ図が下の地図にありますように、BtoCの部分は多目的ホール、フードホール、子ども広場、宿泊施設、バスターミナルのような構想でございます。そのうち、まず卸売機能、BtoBの場所・規模・内容が決まらないとBtoCのレイアウトにも手がかかりませんので、令和2年度はこのBtoBの市場の施設の整備の内容を確定して、事業者の公募まで始めたいと思っております。令和3年度以降、設計、工事に入りまして、BtoCのレイアウトまで含めまして、全体として令和9年度、また、令和10年度の完成をもくろんでおります。

 それから、141ページ目は、先ほどちょっと食の振興で触れましたNAFICの附属施設、セミナーハウスの整備を、外構はほとんど完成しておりますが、令和2年度は建築工事に入りたいと思っております。セミナーハウス自身は令和4年度の供用開始を目指しております。さらに、右の地図にありますように、最上段部、大変眺めのいいところがございます。大和平野が一望できるところでございますが、そこに民間の事業者のホテルなどが入らないか、今、当たっているところでございます。ここに温泉はないんですけども、温泉水を掘るか運ぶかをして、温泉を山の上で堪能できるといったようなコンセプトの宿泊施設を想定しており、興味をお持ちの方もおられますので、その募集をしていきたいと思っております。

 147ページ目に飛んでいただきたいと思います。新たな森林環境管理制度の構築の予算でございます。制度の運用、森林体制整備、人材養成のための予算、いよいよその下に書いてありますように、組織を改正いたしまして水循環・森林・景観環境部に森と人の共生推進室を設置して、森林環境管理制度の運用を開始したいと思っております。その中で、2ページ飛んでいただいて、149ページ目でございますが、フォレスターアカデミー設置の予算でございます。フォレスターアカデミー自身は令和3年度の開校を予定しております。そのための必要な予算を計上しているところでございます。

 155ページ目でございますが、市町村と連携したまちづくりを進めているのが奈良県の特徴でございますが、現在、27市町村、55地区と包括協定を提携しております。その深化を図っていくというのが課題になっております。いろんなタイプの事業がございます。その次のページも見ていただきたいと思います。個別の事業になりますと、いろんなタイプがございます。左の下でございますが、鉄道駅周辺開発、にぎわい拠点づくり、参道活性化、公益活用、自然公園利用、公営住宅活用など、テーマに沿った分類が可能でございますので、そのような分類もしながら進めていきたいと思っております。

 157ページ目でございますが、JR新駅のまちづくりでございます。JR関西本線の奈良駅と郡山駅の間に、京奈和自動車奈良インター近辺に新駅をつくる計画で進んでおりますが、その新駅のまちづくりをどのようにするかということで、AIタウンと言っておりますが、AIを活用したタウン、スーパーシティーとも呼ばれており、日本にまだございませんが、このような場所での展開のための予算を計上して検討を進めていきたいと思っております。なお、この地域は、AIタウンのほかに、西九条佐保線として地上の場合でも新大宮に直結する、右の地図でございますが、鉄道の側線を利用して京奈和自動車道からおりて、西九条佐保線と呼ばれる新大宮から24号バイパスに行く市内道路の整備も、今、用地買収にかかっております。市街化区域の中では重要な道路でございます。

 158ページ目は、近鉄郡山駅周辺のまちづくりの案が出てきておりますが、今はasmo(アスモ)という商業施設との交渉に、大和郡山市に向かっていただいています。なかなか進まない状況でございますが。

 その次は、159ページ目でございます。県立医科大学周辺でございます。医科大学の周辺の構想が出てきております。この新キャンパス移転は、令和6年度に完了する予定で、第1期分、教育施設、体育施設ということでございますが、この南のグラウンドがあきますので、グラウンドに近鉄の駅を誘致して、新しいまちをつくろうという構想でございます。今、グラウンドの文化財の発掘調査を続けております。その新駅の設置自身は近鉄は同意しておりますが、条件がございまして、八木西口駅の廃止ということが条件になっております。近過ぎるということでございますので、八木西口駅の廃止か新駅の設置かということになります。その八木西口駅の廃止について、令和2年度中に協議、調整していただきたいということを橿原市に申し込んでいるところでございます。

 160ページでございますが、下のほうになりますが、県立病院跡地、令和2年度の予算は、建物除去工事、家屋補修等の事業でございます。この跡地をどうするか、周辺が住宅地でございまして、導入の希望の機能が下の右のほうにございます。医療、介護・福祉サービス、地域包括ケア、交流、子育て支援、健康増進などでございますが、市が請け負う部分が多いものでございますのと、市はこの一部を利用してそのサービスを展開したいというふうに言っておられます。今、検討しておりますのは、予算と並行してということになりますが、市がサービス導入を予定されている部分は、市の用地として早く払い下げてしまう、県はその残り地を処分する、低層住宅というような方向だと思いますが、そのような方向になるように、今、調整中でございます。この建物除去の工事などはまだ続きますので、実際に物が動き出すのはしばらく後になりますが、地元の住民の方の関心がございますので、奈良市との調整をそのように進めているものでございます。

 長くなりましたが、私からの説明は以上になります。

 引き続きまして、組織の説明もあわせてさせていただきたいと思います。

 令和2年度向けの組織再編案でございます。右のほうが組織再編案でございます。順次ご説明申し上げますが、地域振興部というのを廃止して、その一部であります南部東部振興監を知事公室に移します。危機管理監と並んで、監、課室ができるということでございます。地域振興部の主要な部分であります文化振興、教育振興につきましては、文化・教育・くらし創造という部にしたいと思っています。文化・教育を合わせた部にして、文化・教育ということを部の名前で標榜することになります。

 また、こども・女性局がこれまで福祉医療部に入っておりましたが、女性、子どもについては福祉の要素もありますけども、それだけではありませんので、くらし創造ということで、とりわけ子育て支援、奈良っ子はぐくみ課という課をつくります。これは幼稚園と保育園、保育教育、幼稚園教育、認定こども園教育、施設類型にかかわらず育むというコンセプトで課をつくりますので、それをこども・女性局の、女性の課と一緒に文化・教育と一緒にする部を設立したものでございます。福祉医療部につきましては、既に改編済みでございます。

 くらし創造部の再編でございますが、その中のくらし創造部の景観・環境局は、右にあるように、水循環・森林・景観環境部というのに再編します。水循環は、山と川、海ということになりますが、水資源政策課というのをつくりまして、水循環の構想をこの課を中心に練ることになります。実際の河川についての工事は、河川整備課ということで、県土マネジメント部のほうに残しますが、水資源の基本的な考え方は、この水循環・森林・景観環境部で行うという仕組みにしたいと思っております。森林環境管理の制度なども、この部で行うということでございます。

 その次は、産業・雇用振興部に観光局を追加して、産業・観光・雇用振興部にしていきたいと思っております。またインバウンド戦略の室をつくるということでございます。農林部の中から林が抜けますので、林は先ほどの水循環・森林・景観環境部のほうに移りますが、残りは食というテーマを追加いたしまして、豊かな食と農の振興ということをテーマにしていきたいと思っております。県土マネジメント部の中でまちづくり推進局というのがありましたが、これを地域デザイン推進局に変えまして、地域デザイン推進課のほうはまちづくり連携推進課ということになります。その中で、政策統括官というのを新たに設けまして、部局長レベルでございますが、そこにまちづくりプロジェクト推進課、リニア推進・地域交通対策課、大規模広域防災拠点整備課と、大プロ物をこの政策統括官の下で集約するという構想でございます。まちづくりプロジェクトの推進のほうは、先ほどご紹介いたしましたJR新奈良駅のまちづくり、AIタウンのような構想がここに入ります。また、リニアは、奈良市附近駅の誘致とともに、関西空港直結リニアもこの中に入れたいと思います。大規模広域防災もリニア関連、交通でございますので、この政策統括官で所掌させたいと思っております。

 組織についての改編についてのご説明は、以上でございます。大変長くなりまして失礼いたしました。

司会:
 それでは、これよりご質問を受けさせていただきます。
 質問される方にはマイクをお届けしますので、挙手をお願いします。なお、その際、社名とお名前をお知らせいただきますようお願い申し上げます。
 それでは、ご質問ございますでしょうか。

このページのトップに戻る


質疑応答

令和2年度奈良県当初予算案・令和元年度2月補正予算案

毎日新聞:
 幹事社の毎日新聞の新宮です。知事にお伺いしたいんですが、今回の予算について、いろんな思いを持って編成されたんだと思うんですが、どういう予算なのかというようなことなんですが、去年の場合は、この場で県政継続発展予算ということをおっしゃられましたが、今回はあえて端的に言っていただくとどういう予算で、どういうところに特に目配り、配慮されたんでしょうか。

知事:
 ネーミングはいつも要求されるんですが、あんまり考えてなかったんです。だからネーミングはこうですというのを、どちらかというと皆さんがつけられるようなことかなと思っておりますけれども、この性格ということになりますと、ご案内のように『都』づくり戦略を反映した説明資料になっております。予算を今まではネーミングを言えというふうな話がありましたのは、その戦略体系が見えなかったからかなと、私の見方からは思います。そういう観点から言うと、『都』づくり戦略遂行予算ということになると思います。予算の内容説明の仕方を見ると、『都』づくり戦略を遂行するための予算体系ですねということに、私から言えばそのようになると思います。

毎日新聞:
 わかりました。それからもう一つ、冒頭に国体の二巡目の正式表明されましたが、今後、国なんかに正式に書類なんか出されると思うんですけども、その辺のスケジュールを教えていただけますか。

知事:
 内々事務的には、二巡目の残りの都市も、もうあと少ないんですよね。奈良県はどういうわけか後ろのほうになって、1回目もそうですけど、2回目ももうあと1年か2年残っているだけなんです。だから、やりたければこれしかないよと言われるような状況ですので、最初にやってその座席争いがあるような状況じゃないんです。ちゃんとやるのかと言われているような状況ですので、開催は、ここでやるなら、ここはあいているよというような状況はつかんでおります。だからちゃんとやるということを表明すれば、そのようになると思っています。状況は、そのようなことであります。

毎日新聞:
 そうすると、まだ国のほうには正式には、これからおっしゃられる形になるんですか。

知事:
 公式にはですね。内々にはそのような話になっておりますので、これから大ごとになるというような感じではございません。もう席がこれしか、1つ、2つしかないよと言われる状況でありますので、やらないという選択肢もないことはないんだけど、やらない県は今までなかったからね。残りラストか、ブービーというんですか、ラストかブービーぐらいの席になりますので。先ほどのガストロノミーツーリズムのワールドフォーラムでコンペをするのと全く様相が違いまして、やるならどうぞというような雰囲気だと感じております。だから、これから大変なのかと言われる趣旨のご質問でありましたら、そういうふうには感じておりませんということになると思います。言えばやらせてもらえるんじゃないかなと思います。ちょっと単純に言い過ぎているかもしれませんが。

毎日新聞:
 わかりました。

朝日新聞:
 出所者更生支援のことで、先ほど知事は奈良県としては思い入れを持って注力してきたということをお話しされていましたが、その後、思い入れの背景というか、お心のほどを1つと、あともう一つ、細かいことですけど、その件で先ほど雇用された方の給料を、例えば森林組合から払ってもらうとおっしゃっておられましたが、私が担当課から聞いているのは、財団で給料は支払うとお伺いしております。その2点お尋ねできますか。

知事:
 2つ目は、具体的なご質問でございますけれども、出所者を雇うときに給料は財団が払います。そのときにアルバイトに行ったときの給料はどうなるか。財団がもらって払うというと固定給になりますよね。その払い方、固定給と、よく働いた人は歩合給のようなものができるかどうかを検討しております。だから、出所者の基本給的なものは確保しないと財団に雇われても生活が安定しないという面があると思いますので、それは財団で払おうかと思っています。具体的な額は、なかなか決めるのが難しい、もうそろそろ決めようかと思っておりますけども、あと働くのを、よく働いたからといって基本的には給料として払われるのか、例えば基本給を払って、インターンとして森林組合へ行かれたときのインターンの費用は、普通は派遣の給料として払われるケースもありますので、そのような形もあるのかなと思っていますが、個人に森林組合から払われる給料はまだ未定です。ゼロというわけではないと考えておりますけども、歩合給のような形になるのかなと思っています。

 それから、この経緯ということでございます。経緯は、全体の印象として、このような検討をしてとんとんと弾んで随分早く出所者の支援の体系ができたなという感じを持っております。その経緯は、これまでも出所者を県が直接雇って就労支援しようということを率先して奈良県が言いました。その背景、こういうことに至った経緯は、法務委員会で3年間法務委員を務めましたので、出所者の更生というのに関心を持っていたというのが、私から言うのも変ですけども、そのような感じは私からは思います。その結果、いろんな法務省の方々からいろんな情報をいただいて、その出所者を地方でやってくれないかというような話があったり、直接この出所者支援のきっかけになったのは、保護司の全国大会が昨年の何月かにあって、保護局長から講演をしてくれないかと言われて、なぜ私がといって躊躇はしたんですけども、出所者の支援で知事としては熱心になっておられるからという要請でございました。保護司の全国大会で講演しました。保護司の嘆きというテーマでした。これ自分でおもしろかったと、これは割と受けたんで保護司の嘆きというテーマで公演いたしました。

 そのときに控室で、今、保護司の会の中心になっている野沢太三さんという法務大臣された方ですけども、彼は国鉄土木の出身の参議院議員だったんですね。控室で会ったら、整備新幹線のことで野沢太三さんと関係が深かったので、「おまえには昔世話になったけど、えらい勉強してるな」と、こう冷やかされて、「もっと進めろ」と、こういうふうにおっしゃったので、進めていいけどもどのようにするんですかというと、「勉強会をしろ」と。そのときに、横田さんという最高裁の判事されて奈良地検の検事正に来られた方が、保護司の会の控室に来られてたんですけども、法務委員会の理事をしてるときに名古屋刑務所問題があって、彼は矯正局長で急遽就任されて、矯正局長ということで与党の法務委員会理事と刑務所問題タイアップして法案を通した経緯があり、とても人柄のいい方。「横田さんに協力してもらえるなら」と思わず言ってしまった。横田さんは、野沢元大臣から「横田さん、協力しなさい」と、こういうふうな話になってしまって、じゃあ勉強会をしようというので、横田委員長の勉強会が始まったと。横田委員長の勉強会が功を奏してこのような出所者支援のスキームまでできてしまったという、私中心の話になって大変恐縮ですけども、背景といいますか、きっかけというのはそのようなことだと思って、言い方が変ですけど、そのような弾みでこうなるのかなと。

 方向としてこうなるのは、私はいいことだとは思っております。法務省で司法制度は完結的にありますよと。この出所者の支援は福祉でありますので、福祉は厚生労働省が国のほうで横づけでぴたっとやればいいんですけど、福祉の出所者の支援というのが厚生労働省はなかなかできない。地域、地域になるので、私のイメージとしては、法務行政に福祉の出所者支援というのを横づけしてつけると。福祉の担い手は地方政府がやると、横づけのようなイメージでしてるのかなというようなことでございます。法務行政の一環とはならないんですね。例えば、保護観察者は法務行政の一環ですけど、満期出所者は正直ほったらかしなんですね。満期出所者は法務行政の枠外というのがよくわかりました。だから、今度は満期出所者を誰が居場所をつくるのかという行政課題を発見しました。それが地方、奈良県でもやれないかというような動きになっていると思います。新しい、中央政府で受けてくれない課題を、地方政府は、そのようなイニシアチブをとると、受ける仕組みは提案、チャレンジできるのかというような印象でございます。長くなりましたが。

NHK:
 予算全体の話を伺いたいんですけれども、先ほど『都』づくり戦略遂行予算というふうにご説明くださいましたけれども、その『都』づくり戦略、何度もバージョンアップされていると思うんですが、今回の予算で特に力点を置かれた点、この予算をもってどういう奈良県にしていきたいのか、漠然としますが、改めてちょっとお願いしたいと思います。

知事:
 実は、奈良『都』づくりの戦略実行予算のようなつもりですと、思いついて言ったんですけども、この『都』づくりの第2期版、リニューアルしたときに、最初に人口の調査をしました。人口の動向、20年間の人口の増減を書いておりますが、去年は、奈良は急激な人口減少、急速な高齢化に襲われてますということが基本認識でありました。これはベッドタウン現象と、こう呼んでおりましたが、ベッドタウンとしての減少、これは実は北和、西和のほうの特徴であったかと思います。奈良県全体もそのようなことでありましたが、改めて南のほうの人口減がわかってきましたら、恐ろしい、奈良県の『都』づくり戦略の中で20年間の人口減で1,741の市町村の人口減を調べましたら、一番減少したのが川上村、29番目が下市町なんですね。

 1,741の市町村ある中で、例えば20年間の減少率の大きい29番目が下市町ということですので、これは全国の人口減少、最近のを見てみますと、人口減少全体としては大きいほうから21番目ですけれども、大きいところは秋田、青森、高知、山形、岩手、和歌山というふうに並んでいるんですけども、一方、東京都が人口増、一極集中になっております。人口増の2番目に大きいのは沖縄県なんですけども、人口増のほとんどが自然増なんですね。このような人口の特徴は皆さん知っておられた話かもしれませんが、それを奈良に当てはめてみますと、南和の若者流出をどうとめるかというのは大きな日本の課題でもあるように改めて思います。青森、秋田などもそうですけれども、若者、特に女性の、高学歴女性の流出、働き場が地方にないために中央に行かれている傾向が多いと思います。

 この資料と別に南和の20年間の年代別の人口流出を調べましたら、若者の流出が激しいんですね。そのような状況は全国の縮図であるかなと思ってますので、それを改善するというのは奈良県の大きな目標になる。それは日本全体の目標である。東京人口集中をとめろという声は大きいんですけど、大学を作らないとか、地方へ戻すといって、こういうようなビフォー的な施策はあるんですけども、人口全体が東京に若者が流れるのはどういうわけかということを見てみますと、働き口が地方にないということが大きなことかと思います。奈良県は、まだ全体の人口減が大きいほうから21番目にとどまっておりますのは、北和、西和で若者がとどまるからだと思いますが、それを超えるのは地域の名前を挙げて恐縮ですが、一番人口減の激しかった秋田、青森、高知などは、県内にとどまる場所、働き口がないといってその県の方が嘆いておられますので、特に女性が出ていかれますと、その地域の出生者数に影響します。出生率減、出生者数の減。東京に行っても東京の出生率は低いわけでございますので、沖縄にもし行かれると人口増に寄与されるわけですけど、沖縄は働き場ということにハンディがありますので、日本の人口のジレンマが、若者人口の東京集中、出生率の低い東京集中というのがジレンマであるように分析いたしました。

 くどくど言いましたが、奈良県は、そのような日本の人口動向の縮図、東和と南和を見ますと縮図であるように感じております。すると力点とおっしゃいましたので、奈良『都』づくり戦略の力点として大きく浮上しておりますのは、奈良県は、働き口が少ない、女性の就業率が少ないというのが一つのポイントでありましたが、南和は特に少ない。東部が特に少ないというふうに力点をさらに強化して感じております。したがって、工場誘致がありますと、工場は就業数はそんなに増えませんが、それでも少しずつ増えております。しかも工場誘致があると、30年、50年とその雇用が続きます、また、関連の雇用があります。南和に京奈和自動車道があって、南和に工場も進出するようになりました。すると高田、橿原の京奈和ができますと、名阪との接続が良くなりますので、先ほどの御所の産業用地、あるいは五條の産業用地などにも行くようになっております。そういたしますと、十津川の国道168号を整備すると西のほうの雇用は五條、御所で、あるいは橿原でとまる可能性が、働き口がつくれるということが可能になります。弱いのは東側の宇陀、桜井などでございますけれども、国道169号を上がってきて、道も細いですけれども、上がってきて雇用をとめるということはなかなか難しい面がありますが、東部のほうの工場誘致ということにも力を入れるということを心がけていきたいと思います。山があって、中山間地があって、平野があって、海に流れるわけですけど、山で雇用が発生するというのはなかなか難しいんです。中山間地あるいは平地で雇用が発生すると、少なくともそこでとめられるんじゃないかということで、奈良県はチャレンジしていきたいと思います。

 それは、ほかの各地でも同じような悩みを抱えておられますので、そのような人口動態をもっと国政の中で認識していただくのがありがたいと思いますけれども、人口の東京集中を東京でとめるといっても難しいですので、地方で働き口をつくるという方向で大きなかじを中央でとっていただきますと、そのように人口動態を見ると、東京集中は人口の動態の出生減に今つながってますよということは明確、明白になってきていると私は思いますので、奈良県の力点というと、それを見てやることといえば、人口流出、特に女性の、高学歴女性の人口流出はどこかでとめられないかというふうに思っています。

 その関係で、昨日ビジコンのコンテストをしましたけども、奈良での就業あるいは起業というようなことに力を入れております。工場誘致だけではなく、戦略の中で、奈良で経済活性化という一般的ではなく、若者の就業をできるような施策に力を入れるべきというように、戦略になりますと関連いたしますので、くどくどとなりましたが、その関連するのは人口から判断しての戦略ということで思っております。人口の分析を『都』づくりの最初で上げましたのは、そこから目覚めてきている部分が大変多いと。国全体の課題でもあるように感じておりますが、奈良県の課題でもありますので、それには県知事として力点として力を入れたい。1点上げるとすれば、そういうことだと申し上げたいと思います。

NHK:
 ありがとうございます。もう1点お願いしたいんですけれども、新型コロナウイルスの流行が広がっていますけれども、前回の会見のときからだいぶ状況が変わっていると思うんですが、県内の観光に与える影響とか、今後、県内の法人税、税収にもかかわってくると思うんですが、そのあたりをどういうふうに捉えていらっしゃるか。

知事:
 新型コロナウイルスによる経済減速という、大きく見るとそういう課題になりますが、奈良県の観光客の減少という課題にもつながりますが、新型コロナウイルスによる減速は中国からの観光客が激減しているということで、日本全体を襲っているように思います。奈良の鹿だけじゃないように思います。そのような状況がいつまで続くのかということになりますので、観光の動向というのは、観光産業というのはしょっちゅう襲われるんですね。今度の波はちょっと大きな波だなと感じておりますけれども、SARSもそうでしたし、テロもそうです。エジプトでもギリシャでもテロがあるとやはり激減するのが通常でありますけれども、また回復するのも通常であります。構造的でなく波動的な減だと思っておりますけれども。

 新型コロナで観光客が減で経済減速というのは、国のインバウンドの観光客での経済効果、寄与が大きかったということの反映でもありますけれども、奈良は全国ほどじゃないかなと思うのは、通過観光客はもとから経済にあんまり影響がなかった。それだけだったらいいんですけども宿泊客全体が減ってますので、宿泊による観光収入は減る、奈良が特に減るわけじゃないと思いますけれども、全体として減るというふうに受けとめております。それの対応ということになりますが、観光客の需要を取り戻す妙手はなかなかないのが実情であります。じっと我慢をして、この際、今まで手を入れてない観光サービスの改善に手を入れて次に備える、というのが私から見た心構えと、これを押しつけるつもりは全くございませんが、観光政策の経験からすると、それしかないなと思っております。

 新型コロナの状況は、まだ各地で発生していて、奈良県の発生状況は、その都度ご報告させていただいておりますが、今のところ疑似ウイルスの患者さんが11ですか、おられて今のところ全て陰性だという報告を受けております。新型コロナの対策自身、国のほうでなかなか大変だというふうに思っております。経済対策としては、観光対策ということ、あるいは工場が中国にあってサプライチェーンの対策ということになっておりますが、奈良県としては、観光対策はじっと我慢をして次に備えるというふうに心がけていきたいと思っております。

時事通信:
 今、知事は、コロナウイルスの観光に与える影響という面から語られましたが、今年度の税収見通しは、コロナウイルスの影響を特には検討していない形だというふうに伺っています。少なくとも今後コロナウイルスの感染が長期化した場合、観光以外の企業、また県外で働く県民の方の個人県民税等々が減少して県財政に与える影響もあるのではと思うのですが、その点はどうご認識でしょうか。

知事:
 コロナウイルスの経済減速が日本全体を襲っているように思いますので、この田舎の知事で妙案が出せるわけではないと思っていますけれども、経済減速で税収に影響するんじゃないかと。経済減速があればそのとおりだと思います。最近発表された四半期だったか、月次の減速がマイナス0.6%という、いつまでそれが続くのかということになりますけれども、それがずっと続けば当然地域GDPにも税収にも影響あると思いますけども、今の時点でそういう悲観の見通しを持ってもしようがないので、楽観もしようがないですけども見通しをじっと見つめていくしかないんですけども、経済の反発力、地域経済の反発力ということになりますので、襲われた地域でも反発力が強いところはそこから回復するのが常でございますので、いよいよ実力が試される面はあるなというふうに思っております。

 経済は、そういう反発力がある国あるいは地域が持つという風に思いますので。日本経済全体の体質というのを先ほど人口動態から申し上げましたけれども、普通考えられますのは金融ではリスクヘッジということになりますけども、製造、生産のリスクヘッジというのはあるのか。日本は割と「一本やり」というのが得意ですよね。これで勝負、これしか武器がないのかと言われる勝負を歴史上重ねてまいりましたが、「このやりが折れたら次はどこでやりを出すのか」というリスクヘッジの思想が経済体制にあるのかということが問われているように思います。奈良県があるのかと言われると、ちょっとそんなことまで考えていませんでしたというのが正直なところですけども、普通の国は当然考えますね、リスクヘッジの連続ですから。金融の投資家は常に考えておりますけれども、生産サプライチェーンは最高の基準を一本でこれだけ続ける、それが折れるともう負け、というような昔から戦い方は変わらないんじゃないかなと思いますが、この際はいろんなリスクが顕在化したときの次の手、あの手この手を考えるチャンスかなと思っています。この際考えるべきは、インバウンド観光客減が襲ったときの次の対策は地域で考えなければいけない、これは奈良県も考えなければいけないと思います。

 普通は、これだけ大きく襲う時期というのはそんなにないことを期待いたしますが、東のお客さんが来なければ西のお客さんを招くということが普通であります。SARSが発生したときは、中国のお客さんが来ないとヨーロッパのお客さんを招く観光地はリスクヘッジができるというような発想ですけど、今度は観光地そのものを襲うと。日本で発生しなければ大丈夫だよと言えたんですけれども、コロナウイルスが日本を襲っているというのがちょっと深刻だというふうに思いますので、観光地のリスクヘッジはなかなか難しい面がある。

 生産のほうのリスクヘッジは、中国のサプライチェーンができなければ、どこで生産をアップするか、代替措置というのが常に普通は用意されているはずなんですけれども、ここの生産が落ちたら次にここで生産を上げてサプライチェーンを確保するというのは、生産のほうが容易にできるわけでありますので、日本は器用だからそのように考えられるんじゃないかというふうに思います。その回復力、反発力が、生産、観光で試されているのかなと思います。

 奈良の生産のサプライチェーンが影響を受けているかもしれないんですけれども、まだ情報が十分ではございません。奈良の企業は割と小さなサプライチェーンの供給のほうですので、中国の代替生産地であれば商売はやるわけでありますけども、それほど素早い動きではないんじゃいないかと思います。今申し上げましたようなことを勉強してこの危機に対応する、というのが基本姿勢になろうかと思っています。またもう少し状況を調べ、かつ勉強したいと思いますが、観光地、観光客の減とサプライチェーンの減、これは奈良をどのように襲っているかちょっとわかりませんが、もう少し勉強したいと思います。

時事通信:
 ありがとうございます。引き続いて財政の話ですが、今年度、県債管理基金を活用した臨財債の繰り上げ償還を、前年度までの100億円規模から150億円規模に積み増しされました。そのおかげもあって、伺っている限りでは平成21年度に初めて県債残高1兆円を超えた後、来年度初めて1兆円を割る9,910億円になる見込みだということです。この繰り上げ償還を積みましされた考え方、コンセプトと、それから初めて1兆円を割るということの成果に対する思いも伺えたら。

知事:
 県債管理は、財政の一つの大きな分野でございます。先ほど4ページ目で説明いたしました交付税措置のない県債管理と総額管理ということになりますが、総額のほうは県債管理基金を積み上げておりました。国からは20年の交付税措置で返ってくるんですけども、奈良県は返すのを30年にしてたんですね。そういうことのないように交付税措置が20年だったら返すのもできるだけ20年に合わそうというのが、この3年前、平成30年のときにわかってやり始めたことでございます。だから繰り上げ償還は、その返済をなるべく交付税措置に合わせていこうということが一つの目標になってきております。

 それはテクニカルな部分でございますが、県債管理基金に積み上げておいて、返済を30年の債券発行でできますので、30年にするということは資金の余裕が出るわけですけども、資金の余裕をこのような形でとらなくても、全体の交付税あるいは国の補助金・交付金を活用して資金の余裕がありますので、できるだけ債権は前倒しで返そうというのが1つでございます。それと、交付税措置のない債権はできるだけ減らしていこう、これは小まめに吟味をして、わずかでも交付税措置のあるほうを選んでいこうということを、この10年間続けてきましたら、700億円もの減額が達成できた。これは細めさだと思っております。この交付税措置のない県債残高というのは、大きな団体あるいは市町村もこのような債権管理をしてくれるといいんですけれども、なかなか余裕がないのか、このようなやり方をしてくれませんが、交付税措置のない県債残高は将来の県民負担に直結しますので、私はより重要な債権管理だというふうに思ってきておりました。それが10年たつとこのような債務の減少につなげることができてうれしいなと思っていますが、一方、先ほどの戦略の予算をいろいろつけておりますので、私の言葉ですけども、お金を使えば借金は減るんだというような言い方で、うそだろうと家では言われますが、そのようにして投資財源に回して、借金、財政マインドということになりますが、そのように努めてきたつもりであります。

時事通信:
 ありがとうございます。もう1点だけ。今度は組織改編の話で、今年の組織再編は大変大きく、4部を廃止して後に4部をつくる、特に大世帯の地域振興部を解体するかなり大きな組織改編になると思うんですけれども、今回この組織改編のコンセプト、どういう狙いでこういった組織再編をされたのかを教えていただけますか。

知事:
 変わった組織改正だと思われる面があろうかとも思いますけれども、このきっかけになりましたのは森林環境管理制度ですね。国の組織はすごく縦割りです。森林環境管理というのは、森林環境の基本法というのがあるんです。基本法は要注意ですね。キャップ法と言われますけど、基本法があって森林法とか自然公園法とか自然環境保全法などがそれぞれぶら下がっているんですけども、森林法と自然環境法というのはリンクしていないんですね。国の制度は本当におかしいですね。屋根があって縦割りでビルが下まであって、横に通路が全くないというような建築方式であることがわかりました。だから基本法があるところは要注意だ、かねてからそんな気配があるなと思っていたんだけども、森林環境制度をつくるのに森林法というのをつぶさに条文を見て勉強すると、国の基本法、日本の政府はずるいなと思って見たところであります。地方はそんなことはしてられない。地方は国の制度を見習ってつくろうというメンタリティーが強いので、やはり現場に沿ってやろう、水循環という現場があると水循環で統一しようというような発想をしただけであります。国はそのような組織を見習ってつくるというのはなかなか難しい。もうビルはビルで、上から下まで横につながらないという、最近はその横つながりをするのが内閣府がやっているという状況ですね。臨時の橋をつくってつなげると、こう言っている。法制度として組織法としてつながってないのは、よく調べると明白になると思います。そのようなことを地方でまねする必要はないというのが基本的な考えであります。

 このような奈良の組織について、ネーミング、単なるネーミングですけども、地域デザイン推進課というのをもう随分前につくりましたが、地域デザインという国の組織がなかった。最近は地域デザインという名前の組織が出始めています。国のほうが後だったなと思いますけども、これは単なるワーディングですけども、そのような国の動き、後追いの国の動きにも勇気を得て、地方のイニシアチブでしても現場志向であればできるのかというふうに思ってしたものでございます。

 もう一つは、例えば奈良っ子はぐくみ課というのは、就学前教育ということで、教育で小さな子は育めない、教え込みはだめだと、引き出し、育みしかだめだという哲学でございます。子育て支援を超えて、就学前教育というのをどうつけるか。就学前教育課というふうにしても真っ当なんですけども、保育園と幼稚園と、組織類型は官庁組織で分かれていますので、奈良県の組織は官庁組織の分類にこだわらない、奈良っ子はぐくみ課の仕事は、例えば幼稚園の就学前の教育要領を出すときは保育園も幼稚園も一緒に出そうというふうに考えて、この文化・教育・くらし創造部に奈良っ子はぐくみ課を置いたという考え方であります。一々説明するとうっとうしいことだと思いますけれども、そのようなとこまで考えて組織改正をするようにいたしました。

時事通信:
 ありがとうございます。

産経新聞:
 投資的経費の額の大きい項目を並べていきますと、今年度はコンベンションセンターがかなり目立っていたかと思うんですが、来年度を見ると砂防施設、護岸工事、あるいは貯水施設といったものが非常に目立っているというか、上位を占めているような状況があるんですけども、要するに防災に力点が結果的に置かれているのかなと感じられるんですが、そのあたりのコメントをいただけますか。

知事:
 大規模投資財源が必要な大規模プロジェクト、奈良はこれからどうなるのというタイプの質問だというふうに理解をいたしますが、これから大物が出てまいります。それは大規模防災拠点の整備であります。1期、2期、3期に分けましたが、どれだけ予算が要るのかというようなことにもなりますので、できるだけ圧縮してつくりたいと思いますが、大規模な投資額にはなると思います。

 そのようなことへの備えということで、今年の予算で第二阪奈で投資をした、あのときは300億を出資をしたんですけれども、森道路局長に返してくれということをしつこく言って、277億返ってきまして、そのうちの253億を地域・経済活性化基金に積み立てました。この積み立てはまだ使用先は決めておりませんが、例えば大規模防災拠点の必要額に充てるということも念頭に置いております。253億だけでは間に合わない可能性はあるかと思いますけれども、地域・経済活性化基金にできるだけ積み上げて、将来の大規模投資に備えようと。大規模投資の大きいのは、防災拠点でありますし、もしリニア新幹線に手をつけるとまた大きな投資になると思います。これは投資額との関係はその時点でよく考えないといけないと、国の財源との関係ということにもなります。

 大規模防災拠点の整備については、まだ国との折衝ということが確定しておりませんが、1期、2期ぐらいまでは緊防債、緊急防災・減災事業債が延長になっておりますので、単なるもくろみでまだ折衝を始めておりませんけれども緊防債の活用ができたらと願っています。緊防債がありますと、事業費の半分近くは交付税措置がありますので、これほどの大規模な事業に緊防債が適用されるかというのが一つの試金石でありますけれども、それを願いますと大規模防災拠点の1期、2期については専ら防災機能でありますので、緊防債の趣旨には合いますけれども、このロット、大きさについては、今まで例がないというふうに聞いておりますので、一つの狙い目だと考えております。

 それと、緊防債が適用されても地元の負担がありますので、それは第二阪奈、返ってきたお金なんかを地域・経済活性化基金に積み上げて備えようというようなパターンを考えておりますけども、どんな工事費、整備費、賄う財政算段ができたかというと、まだ少しできてないところはあると思っています。

産経新聞:
 すみません、大規模防災拠点ですか、五條市にできた、あれについては来年度はそれほど大きな額が入ってなくて、来年度実際に入っている砂防とか護岸などが結構大きな額を占めているんですが、その辺の狙いについて一言いただけますか。

知事:
 来年度予算ということで大変失礼いたしましたが、国のほうの防災・減災、国土強靱化の予算が随分ついてきております。それは北のほうの大水害が台風15号、19号などで起こりましたので、それを防ぐために、今まで考えられなかったところで堤防決壊が起こって、その被害が甚大だということに国が目をつけておられます。奈良県は、大和川がそんな可能性はあると。同じ量の雨が大和川の上空に降ると確実に大洪水になるというふうに認識をしておりますので、たまたま来なかっただけだというふうに思っています。だから必ず来る可能性はある、備えをしなければいけないということで、内水対策も含めて数年前から準備を始めておりましたので、他の関東地方での大水害を待たずに予定はして、用地取得に向かったりスキームをつくっておりましたので、この際、防災・減災、国土強靱化の国の予算がつくときはチャンスでありますので、それに呼応した予算をつけると。それがまだ続いているということでございます。

 令和元年度で交付税措置のない県債を割と多く発行いたしまして、交付税措置のない県債残高が増えた経緯がありますけど、それはそういう事情も反映しておりますので、国の予算が出るときにはやはり呼応してやっておかないと、国の予算が出ないと県単でやるのはとっても大変でございますので、そのように思って来年度も国の防災・減災の予算が割と大きく出てくる予定でございますので、それにマッチングした、奈良でもやりたいですと積極的に手を挙げていこうと思っています。同種の事故が起こったところだけではなく、これから起こり得るところは奈良は割と有力候補地ですよ、というようなことで、手を挙げて予算要求を陳情している状況でございます。

産経新聞:
 わかりました。ありがとうございました。

奈良テレビ:
 奈良マラソンの開催場所を南のほうで提案されることを考えているというお話がありましたけど、奈良マラソンの参加者が多いのは、世界遺産の多い場所で走ることに魅力を感じている方が多いのかなと思っているんですけども、そこに対しての思いと、あと南のほうでとは、具体的にどちらかの市町村かをお考えなのか、教えていただけますか。

知事:
 奈良マラソンの昨日の経緯を突如報告してまことに申し訳ございませんでした。奈良新聞にも一部出ておりましたし、昨日橿原市長が別の地域伝統芸能の会に来られていましたので一応報告したという経緯もあります。地域マラソンを年2回するという構想は、まだそんなにやった地域はないと思いますけども、2回やっちゃいかんという法律もありませんし、検討課題として昨日の実行委員会ではセットしたんですけども、世界遺産ということであれば、南のほうでも世界遺産が新たにできる可能性もあります。飛鳥・藤原ですけども、3年以内に申請書をつくろうかと思っています。申請書をつくるのが必要条件ですので、申請書を、今年度から文化庁との調整に入りたいと思ってます。すると世界遺産候補地として登録されて、ユネスコに申請があって、世界遺産登録、という段取りで時間がかかりますけども、世界遺産のこんな3つもある、平地に3つ目が、法隆寺を入れてできる。法隆寺も世界遺産ということではマラソンができればいいですけど、周りがそういう立地環境ではありませんので、世界遺産めぐりということであれば南も可能性があります。

 具体的なルートとかは、まだ全く検討しておりません。もしかしたら南は難しいとおっしゃるかもしれませんが、北よりは道路混雑は少ないのかなと予測しますし、検討することを提唱しまして、検討はしようという意見もあります。ボランティアが出ないよという団体の意見もありましたけども、だから検討をやめるというのでなしに、検討課題の一つとして取り上げていけばいいかと思ってます。事務的な検討ですので、これからどう進むかわかりませんが、昨日そういう話が出たばかり、予算には計上してませんし、来年度の奈良マラソン2回目ってすぐにできるわけじゃないと思いますけども、その次ぐらいにできるかどうかという検討課題になろうかと思いますので、昨日そういういきさつがあって、この奈良マラソンの予算が入ってますので、ご報告させていただいただけですが、お騒がせして申し訳ございませんでした。

NHK:
 奈良県がとりわけ力を入れてきたコンベンションセンターが4月に開業されると、また平城宮跡の周辺のにぎわい整備が本格的に始まるということで、改めて新年度への期待を一言いただきたいのと、先ほどもコロナウイルスの件が出てましたけども、コンベンションセンターはイベントや国際会議の大規模な人が集まる施設だと思いますので、やはり一部不安があるのではというところもあると思うんですが、観光振興への期待と、今の不安といったところをお聞かせいただければと思います。

知事:
 コンベンションセンターは、コンベンションって、MICEという名前で最近呼ばれてますけども、コンベンションは大きな観光の時期を選んで誘致できるという、待ってる観光と違って積極的に誘致をできる観光マーケットです。奈良は国際会議をすると割と評判がいいわけです。文化財があるところは評判がいいわけです。周りを見に行ける、エクスカーションできるというのはいいんですけども、文化財は文化財で見に来なさいと分けてコンベンションはしませんよみたいな観光地でしたので、ホテル併設コンベンションセンターというのは願いでしたが、経緯を経て一つできました。それをどう活用するのかという期待と懸念は何かというご質問だと思います。

 期待は、今までにないマーケットですので、先進観光地、例えばパリなんかでは、パレ・デ・コングレというコンベンションセンターがSNSFという国鉄が持っている組織がありまして、そこを訪ねたことがありますが、世界の大コンベンションの開催を南米でする、アジアでする、アメリカでする、ヨーロッパですると、都市を狙って、そこの組織に売り込みをかけるという大きな活動をされてました。それはパリだからできる、パレ・デ・コングレという大きなコンベンションセンターがありますので、世界でコンベンションって、そのときに聞いた話は、パリでは観光の素材もあるし、グルメが多いし、会議場がある。だから世界で例を見ないコンベンションをするんだ。コンベンションの中でファッションのパリコレクションになるとパリのホテルは全部なくなります。出張者のホテルを探すのに、とても難しいという状況でした。

 そのような大コンベンションシティーにはもちろん奈良はたどり着かないんですけど、そのマーケットがあるということを、奈良は小規模でもマーケットの割といい評価を得られるということは思いますので、それを狙ってMICEの拠点になるという期待です。そのような期待と、懸念は当座、コンベンションも波があるでしょう、コロナウイルスがあるでしょうということはそのとおりですが、今のところキャンセルということは聞いてませんけども、様子を見ておられると思います。

 それと、ACIといったかな、東アジアの世界空港長会議という、割と大きなコンベンションが4月20日からあるんですかね、それは開催されるんじゃないかと思いますけども、最初の大会議になりますので、まだコンベンションのほうはどちらかというと閉じ込め型ですので、やる場合にはイベントの開催については気をつけてやりなさいよというガイドラインが厚生労働省のほうから間もなく出されるということですので、やる場合でも地域で慎重な公衆衛生体制を整えてやるということを心がけたいと思ってます。万が一にも感染の場所にならないように心がけたいと思っています。ある程度心がければできるという感じはありますので、いろんなイベントを開催する場合も慎重にと思っております。開催自身ももちろん慎重にということになりますし、主催者のご意向もあると思いますが、当座の懸念ということであれば、まだ現実化してない状況ですけど、油断はもちろんできないと思ってます。将来的には、先ほどご質問もありましたが、いつも忘れると言うと変だけど、解決できるんですね、この波はですね。だから解決したときにできるだけ反発力、爆発力が出るように心がけて力を蓄える方向で準備をしていきたいと、懸念があっても、それに向かっていきたいと思います。ご質問ありがとうございました。

毎日新聞:
 新たに統合、集約される東京のまほろば館とときのもりですけど、規模も大きくなって立地もよくなるという形で、支払うお金も従来よりも増えるということなんですが、やるからにはやっぱりにぎわいの拠点というか、どんどんお客さんが来て奈良をPRできる拠点になればと思うんですが、従来のレストランのほうも売り上げが目標には達しなかったとも聞きますので、そこら辺はどのように活用していくのか、思いも含めてお願いできますか。

知事:
 東京の拠点というのは、各県、各大きな市が割と最近増えているように、東京マーケットはすごく大きいと。農産物も東京で値段が決まるという、しかも東京で売ること自身が高値で売れるという、千疋屋だけじゃないというのが各県のアンテナショップの狙いです。アンテナショップが増えてきている、また力を入れてきているような。アンテナショップの一番の売り上げは、北海道アンテナショップで年間10億円売り上げておられます。農産物中心で、すごい売り上げだな。それには及ばないんですけど、奈良県のアンテナショップ、レストランも健闘してきている面があると思います。

 例えばレストランのときのもりは、県の各地方の公設アンテナレストラン、都道府県のアンテナレストランが今27あるそうです。前13だと聞いた、えらい増えて27あるそうですが、ミシュランの一つ星をとっているのが奈良のときのもりだけなんですね。自慢げに言いますけども、優秀なレストランだなと自慢してます。また、190を超えるメディアに取り上げていただき、働きものだと思ってますが、それが人繰りの関係でやめるとおっしゃったので、残念ですけど、同程度のレストランを今度は立地のいい、銀座に近い新橋のほうへレストランも出ることができたらと思います。それから、物販のほうも、これまでのまほろば館もいろんなものを売り出して割と伸びている面がありますので、大和野菜なんかアンテナショップで初めて売り出して、ほかにも持って行きましたけども、ちゃんと量ができるんかと、スーパーに置くからと言われて、なかなか量が出ないんですけども、アンテナショップだとその出る量を並べて置くとこも可能ですので、売り上げを伸ばしていきたいと思います。

 そのやり方ですけども、例えば2階でレストランでちゃんこ大和づくしって大相撲で商品を出して、ちゃんこ大和づくしおいしいよといって大和牛、大和ポーク、大和野菜などを上で食べて、下でそのセットを買うとかね、大和牛を買って帰ってもらうとかのような抱き合わせ販売を、私のアイデアですけど、そんなこともしたらどうかと。レストランとショップを一緒にしたらどうかと言ってます。

 それから、特定農業振興ゾーンでつくってますが、いいものをつくろうと若者が張り切ってイチゴとか、そこでできたイチゴは高級で、東京で勝負するからといって特定農業振興ゾーンで東京販売をする志のある人は、東京販売所に、あれは毎週トラック便も出てますので、今度のレストランで奈良県の特定農業振興ゾーンでいいものができたら販売するよということで、プレミアムセレクト店を展開すると。それから、昨日ビジコンがありましたけど、いろんな加工食品とかグッズがありますけど、それをこのアンテナショップでコンペをして、とにかくミニエキスポをしましょう。それで人気の高いとこはもう少し長く並べたらどうですかというふうに、奈良県でディーラーを養おうという構想でしています。銀座松屋の7階で、N・A・R・A T・E・B・A・Nというショップを銀座松屋がしています。若者が随分きて、小さな店ですけども、Bose(ボーズ)とかWEDGWOOD(ウェッジウッド)と並んで活躍してきてます。そんなことで、奈良県の若者のアンテナショップを東京で展開するというコンセプトも入れて、完成が来年の春ですので、約1年間検討の時間がありますので、どのような販売戦略をとるかはこの1年間検討していきたいと思ってます。お金がかかってますので、その値打ちのあるように販売を、奈良のPRができるように力を入れていきたいと思ってます。

毎日新聞:
 吉田教育長にですが、県立高校の耐震化だけでいうと、来年度当初予算で30億円と過去最大の規模になっています。債務負担行為について、令和3年度にはさらに大きな金額をつけていただいている状況ですが、一連の耐震化の問題があったのでこうなった面もあろうかと思うんですが、そうしますともうこれは結果論なんですが、もう少し前からきちんと計画立てて、県の当局のほうにもきちんと説明して予算をいただくということをしておくべきではなかったのかなと思いますが、その点をまず一つ伺います。

教育長:
 やはりその反省はございます。平成27年度までに県のほうでは耐震化が国庫補助を通じて促進してきた中で、教育委員会がその耐震化の計画に遅れたことは事実でして、反省をしております。

毎日新聞:
 あと2年後ですか、耐震化完了という形で、奈良高校が平城高校のほうへ入る形になるんですけども、去年の予算会見のときもそうですし、これまで過去7回のインタビューのときでも申し上げてきたんですが、やはり一番に大事な方たちと向き合っておられないという点は、このままでいくと2年後ってどうなんだろうと、納得が得られるのかなと、不測の事態も起きるのではないかという心配も持っています。全てが吉田さんに責任があるとまでは申しませんが、やはり組織として、起きた面もありますし、再編の対象でもぎりぎりまで水面下でされていきなりぼんと出されて議会通しちゃった。でも、進め方なり、あるいは耐震化にしても、その情報提供の出し方、公表の仕方含めて、さまざまな問題点があったかと思います。奈良高校、平城高校ときちんと向き合って、やはりまずおわびしてから、その後統合される旨をきちんと説明してご理解をいただくというのが本来のあるべき姿と思うんですけども、それが全くうかがえないというのが非常に問題なわけです。そこら辺、改めてどうお考えでしょうか。

教育長:
 議会のほうでも、そういった説明責任を果たすと申し上げてますし、今おっしゃったことはごもっともだと思ってます。今、大変学年が減っていく中で新しい学校がつくられて、そして旧の学校が、学年が減るといったことも起こってますので、まず教職員のほうに私から説明をして、そして教育活動の充実面を含めたお願いをしてます。そういう姿勢は私自身は持ってます。

毎日新聞:
 議会でおっしゃるのはいいんですけど、やはり直接お会いして、みずからの言葉で説明されるというのが必要なんじゃないかと思いますが、いかがですか。

教育長:
 今、会議の場で私が時間をいただいて、教職員に直接説明をし、そして今後の教育活動の充実も含めてお願いをしております。

毎日新聞:
 教職員さんは当然ですけど、保護者さんなり、あるいは地域の方、やはりこれは県教委としてきちんと説明会を開いて進めていく、方針へのご理解を求めていただくという作業をしないといけないんじゃないかと思うんですが、その気がないというふうに感じているんですけども、それだったら申し訳ないんですが、教育長として不適格ではないですか、いかがですか。

教育長:
 ご意見としてお伺いをしておきます。私は、まず教職員に出向いて説明をし、お願いをしているところでございます。

司会:
 よろしいですか。
 ほかにご質問はどうでしょうか。ございませんか。
 幹事社さんも、よろしいでしょうか。ご質問ないようでございます。
 それでは、これをもちまして知事記者会見を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

このページのトップに戻る

(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

お問い合せ先:奈良県広報広聴課 報道係  TEL 0742-27-8325

お問い合わせ

広報広聴課
〒 630-8501 奈良市登大路町30
報道係 TEL : 0742-27-8325
広報紙係 TEL : 0742-27-8326 / 
FAX : 0742-22-6904
デジタル広報制作係 TEL : 0742-27-8056
県民相談広聴係 TEL : 0742-27-8327
相談ならダイヤル TEL : 0742-27-1100