令和2年2月5日(水曜日)知事定例記者会見


新型コロナウイルス関連肺炎への対応について

司会:
 まず最初に、新型コロナウイルス感染症につきまして知事より報告がございます。

知事:
 登録が遅れましたが、お手元にこのような資料(電話相談窓口チラシ)を配らせていただきましたが、帰国者・接触者が、心配な方がおられるときの相談をどこにされるかということでございます。

 病院、診療所に行かれてもいいんですけども、その人たち向けの県庁での相談センター、相談窓口を設置いたしましたというご案内でございます。電話で相談できるということになりますので、(湖北省を)来訪されていて帰国された人々など、ご心配なときにまず電話で相談。電話の相談も、医療の場合よく効果があるケースが通常のときでも多いですので、このようなご心配が具体的な方の具体的な相談窓口ということで設置をいたしました。資料に書いてございますように、電話をしていただきます。県庁の電話になりますけれども、電話をしていただきますと相談を受ける人を配置しておりますので、県庁コールセンターということになりますけれども、ご紹介させていただきます。報告は以上でございます。

時事通信:
 新型コロナウイルスの関連で、奈良県から県内在住日本人第1号の感染者が出ましたけれども、それによる県内経済、特に観光への影響にご懸念あると思うんですが、そのあたりについて伺えればと思います。

知事:
 SARSのときもそうでしたが、感染の疑いがあるときは旅行を差し控えられるのが傾向です。当然だと思います。その旅行自身を差し控えられるのと、あの地域は危ないからやめようと、2つの種類があるんですけども、観光業界は常にそういうリスクに囲まれていますので、感染というのは広く出てきますので、この時期は旅行をやめようと思われる判断は合理的なところがあります。毎日旅行される人はないので、年間何回か旅行される。いやこの時期はやめておこうと、また年間何回か行くときは、この時期を避けて別の時期にしようとか、あそこに行くのはやめて別のとこに行こうと、そういう判断は必ずありますので。どこの観光地がそういう需要の減少に見舞われるのかというのは、観光地としては不合理な選択ということにも、観光地から見ればそういうことにもなる場合もあるんですけど、それは観光地がいつも対面しているリスクでありますので、今までもSARSとか、そのようなケースがありました。

 今回のコロナウイルスの観光への影響というのも調査いたしましたが、減少していることは確かでございますけれども、いろんな減少、各地が減少、そもそも旅行を差し控えられるというので、全体に発のほうで抑制がかかりますので、日本人の発の方の、この場合、この際旅行に出るのは差し控えよう、中国の発でありましたら、中国の方がどこに行くのも差し控えよう、奈良をキャンセルされるというよりも、発の、とにかく旅行を差し控えようと言われるのは、大きく発生するのが常でございます。旅行に行かれることは、奈良をやめてどこかほかにしようということもあるんですけど、その大きな2種類の量的なのは最初のほうが圧倒的に大きいと思いますが、だからどれだけ差し控えられたかというのは、統計がないから記事にもならないわけなんですけれども、観光地は着地の実績と減った実績がわかるから、それが大きく記事になると観光地の需要の動向というのは大きく記事になるというのが、もう観光産業の通例の報道体制であります。それは統計がそのようにとれないからということであります。

 しかし、その需要全体の波があるということも、ほかの製造業もそうですけども、観光では常にありますので、その常を克服して観光業がずっとこう来てますので、予想される、まあこのケースの予想はなかったかもしれませんが、全体の発の波がある、そこから受け入れ先の波があるというのは、もう常に観光産業の宿命といいますか、そういう構造になってますので。

 それと今回の場合は、奈良が観光地としてウイルスに襲われたわけじゃないんですよね。選択の場合に観光地として、この観光地に蔓延するわけではない、今度のケースはそうですけど、観光地にウイルスが蔓延するわけじゃないんですよね。発生源とまた違いますので、発症された方が奈良公園のバスの中に駐機できるバス停留所の中で1時間滞在されたというのと、その中国人の観光客の人が1時間足らず奈良公園を歩かれた。まちの中じゃないんですね、まちの中は歩かれたわけじゃない、奈良公園を歩かれただけなんですけども、それが第1号ということで大きく喧伝されて、控えようという行動になる、行動経済学の分野でありますので、そのようなことを皆さんどう報道されるかという、皆様の考え方というふうに思いますけど、実態を観光経済の分野からいうと、そういうことだと思います。

 観光地の被害減少というのは、多少減少している数字も出ておりますけれども、それが常にあるリスクの一つだと私は思っています。また、通常この波は、波ですから、本当の構造だとずっとこうなるんだけど、波だからこう上がったり下がったりするいっときだというふうに思っています。

時事通信:
 いっとき上がったり下がったりするもの、観光業界というのは常にリスクがあるものということだから、特段今回のコロナの心配はしていないということでよろしいですか。

知事:
 そうです。観光産業というのはそういうものだと、もうずっと昔から言ってます。

時事通信:
 わかりました。とはいえ今回コロナ、結構終息まで長期化、長引くんじゃないかという懸念もありますし、また夏場はちょっとおさまるというようなことも言われてますけれども、冬場にまた発災する懸念というのも。

知事:
 この感染症というのは、人類の歴史の中で必ずおさまっています。

時事通信:
 必ずおさまるとはいえ、それがいつになるかということになりますから。

知事:
 いつもあります、必ずおさまっています。もう歴史を勉強するとすぐにわかります。

時事通信:
 歴史上はスペイン風邪ですとか、黒死病とかいうのもありましたから。

知事:
 もうあらゆることが、皆忘れてしまっているでしょう、SARSも忘れているでしょう。皆おさまっている。人類の行動経済だと、もう頭の中に入ったので行動するというのが経済の大原則になっていますので。製造業もそうなんですけどね、そういう経済は常にこう波の中で生きているというのがもう原則ですので。

時事通信:
 波の中で生きている中で、特段観光業界への支援ですとか、そういったものをお考えとかはございませんか。観光業界の観光事業者への支援ですとか、また奈良県として風評被害について、県はそういったものは何かありませんか。

知事:
 波の中でね。業界の風邪ということになりますけども、体力の弱っている旅館とかは、売り上げが落ちると病気になっちゃうという業界もあるかも、それには金融支援をしてちょっと薬をあげると、金融支援の薬ですけども。体力のあるときはその間乗り越えられる、落ちても波があるので乗り越えるのが普通ですけども、もうかつかつで営業してるという人はお客が減ると資金繰りがいかない、経済は資金繰りからもっているわけですけど、温度が下がってくると大変だと。それには金融支援をするというのが通常のやり方ですので、金融支援はいたします。

時事通信:
 具体的に、いつ、どのような支援を。

知事:
 もうしてるはずですけども。

時事通信:
 我々の報道では、中小企業に対する制度融資とか、それから制度とかということは伺ってますが、旅行業界への支援というのは。

知事:
 旅行業界、普通の金融支援ありますけど、旅行業界の金融支援ももう開始していると聞いておりますけど。

担当課:
 7日から受け付けを開始します。昨日、発表させていただいた制度融資の関係でございます。県内企業さんを中心に支援ということであります。

時事通信:
 あちら、何か旅行業界という頭がなかったもので、あれは旅行業界に対しても支援されるということなんですか。

知事:
 ああ、そうですね。

担当課:
 県内企業さんであれば、業種は問いません。

知事:
 特化したというのであれば、別に同じですから、ここからはしてるけどここからはしないという類いの手法じゃないからということですね。

時事通信:
 わかりました。我々報道が、奈良、奈良とおっしゃるので。

知事:
 どうもありがとうございます。

時事通信:
 いえいえ、その辺の風評被害の払拭とか、そういったことはありますか。

知事:
 だけど、それしか、もうそのフィールドがないからですね。皆さんは、ここで取材して報道しろというミッションがあるから、それはしようがないんじゃないですか。

時事通信:
 しようがないですけども。

知事:
 しようがないという言い方は変だけども、そういうお役目だから。

時事通信:
 奈良県知事として、そういった風評被害ですか、奈良は危ないんじゃないかということを払拭するようなメッセージ、お考え、施策等々ありますでしょうか。

知事:
 全くないです。

時事通信:
 全くないですか。

知事:
 今、全くないです。この観光産業は、こうなっているから頑張りなさいよというメッセージですからね。今までも乗り越えてこられたじゃないですかと。

時事通信:
 わかりました。ありがとうございます。

日経新聞:
 まず、第一報は知事はいつご存じになって、それでどのように感じられたか。

知事:
 ちょっと具体的な日時は忘れました。報道の前日か、直前か、前日じゃなかったかと思いますけども。

担当課:
 28日に確定しましたので、28日に知事、両副知事にはお知らせしております。

知事:
 それで、その日は発表なかったのかもしれないですね。

担当課:
 発表しました。

知事:
 ああ、その日だった、ああ、そうかそうか。

担当課:
 発表の前に。

知事:
 そうそう、発表する前に聞いて、鶴田医療政策局長が発表して、その明くる日に、それ夕方じゃなかったかと思う、午後だったっけ。

担当課:
 その前には、一応ご一報は入ってました。

知事:
 発表されて、聞いて、対策本部をその日にするかどうかとか考えたのでしたか。

担当課:
 そうですね、本部のことも。

知事:
 その明くる日にしましょうと、朝一番で、したという記憶がございます。だから、対策会議の前日に聞いたということですね。その陽性だとわかった直後に聞いたというような記憶があります。

日経新聞:
 そのときのご感想は、驚きというか。

知事:
 最初の発見が奈良だということだけなので。唯一の患者さんが奈良だとすごいニュース、私の感じだとニュースになるんだけども、初物に皆さん飛びつかれるからね、飛びつかれるだろうなとは思ったんだけど、別にそのとおりだったですけども、別にそれが感想でも何でもない、通常それが行われていることだから、もう何度もそういう経験してますので、そういう報道体制、風習があるということで、それは悪いことと批判しているわけじゃない。そういう皆さんのフィールドが、ここでするミッションだから、そうなるのはこれもわかってましたから。

 だからそのときの感想というのも、対策を感染拡大防止をやるのがもう最大のミッションですから、それだけを思いました。それでどうするのか、感染拡大防止というのをどうするのかというだけを思っただけですので、それ以外の感想はあんまりないです。とにかく僕のミッションは、感染拡大防止をやるだけというふうに、そのようにでき上がっているんだから。

朝日新聞:
 先ほど時事通信さんの質問の中でありましたけど、被害の数字が多少出ているというふうにおっしゃったと思うんですけど、観光業とかへの被害の数字が多少出てるっておっしゃった。

知事:
 被害と呼ばないと言っているじゃない、だって聞いてると被害と呼んだことないじゃない。被害だというふうに、そんなの言葉を決めない方がいいですよ。被害と言ったかな。

朝日新聞:
 それは、じゃあそれとして。

知事:
 したんだったら、訂正しなければいけないです。被害じゃないですよと、その波がある中での減少ですよと言っているんだから、被害といういい方を決めるのもちょっと変だなと思いますけど、私から見ると。

朝日新聞:
 わかりました。じゃあ、もう被害という言葉は使いませんけど。

知事:
 やめてもらったら、ありがたい。

朝日新聞:
 減少の数字が出ているということを先ほどおっしゃいましたけど、それは具体的に何か調べた数字としてあるんですか。

知事:
 ありますよ、ええ。

朝日新聞:
 それを聞かせてもらえますか。

知事:
 それは、さっきそういうキャンセルですね、キャンセルを被害と呼ぶかどうかということになる、キャンセルは僕の感じだと通常あるんだよということをさっき言ってるわけなんだけども、キャンセルは調べないとわかんないから、さっき聞いたんですけれども、奈良の旅館・ホテル生活衛生同業組合があり、そこから照会あるいは電話照会を個別にした結果、回答していただいたのが23施設ございます。その宿泊キャンセル人数の合計は、中国人、日本人、その他の国籍を含め、総数で約1万500人という報告を受けました。キャンセルは1万。

 通常もキャンセルはありますけど、通常のキャンセルと比べて多いと思われます。通常こういうような事象があるとキャンセル量が拡大するのは通常ですけれども、通常のキャンセルが幾らあったかということは、営業の関係ですからあんまり聞いたことがないし、統計もありませんので、通常のキャンセルと今回の特別キャンセルとの増嵩状況はわかりません。ただ、数字として今回の1月31日現在の発症以来の宿泊キャンセル量は1万500人ですと。28日報道ですか。だから、これも何日間のということになりますけど、そういうスポットの数字があるというのが一つの数字です。

 それから、教育旅行の数字も把握しております。1月は既に教育旅行、中国からの学校交流は5件205名の受け入れを行っています。2月は予定の282名。だから、205名実績があって、2月の予定が282名の修学教育旅行があるということは実績と予定でわかるわけですけど、その2月の学校旅行は全て中止になったと聞いております。これはそんな学生さんだからキャンセルされて合理的なご判断だと思います。これは私のターミノロジー(術語)では被害と呼びません。観光産業にとってはいつも被害という言い方はされるんですけど、言い方をされるからそれが正しいとか正しくないって、見方の違いですけども、そういう傾向がある産業ですからねと言いたいぐらいなんですけど、先ほどの理屈で言いますと。今のことは外からの23施設のキャンセル量が、これだけ出ました。通常のキャンセルと多いか少ないかは量的にはわかりませんが、多いと思われますという程度はわかる、これ想像ですけども言えると思います。訪日の中国からの教育旅行については、1月の実績が5件205名ありました。2月は7件282名の予定がありました。それは、こういう時期ですのでキャンセルされましたというご報告になります。

 それをどのように思われるか。私は先ほどのご質問で、被害というわけではありませんと、質問じゃなかったけど、ちょっといちゃもんつけてお答えした形になりましたけども、それは、こういうことはしょっちゅうは起こらないけど時々起こりますので、今まで観光業界はどの地域でも必ず乗り越えてこられたのが実態ですと、励ましのつもりで申し上げたいと思います。

時事通信:
 宿泊客の1人当たりの観光消費額では、奈良の場合たしか1万円とか1万2,000円だったと思うんですけど。1万掛ける1万で、単純にこの短期間で1億円の減少が見られるわけですけど、泊まっていかない人も多いでしょうから、こういった影響が1万500人にとどまらないと思うんですけど、それは被害ではないと。

知事:
 ないですね。

時事通信:
 ないですか。

知事:
 全くないですね。考え方ですけど、自然災害の被害とまた違いますよね。よく風評被害と言う人もいるけど、風評を出したからと被害意識を持たないほうがいいですよと先ほども思っているぐらいですけども。売り上げについていえば、奈良で発症された方の行動パターン、バスターミナルの議論があったのでよくわかったんですけど、中国から来られた旅行というのは、東京から数日かけて大阪に行って、その間観光地に滞在して、多分関西空港から帰られるという行程を、そのときの旅行費用とか決済とか、どこでお金が落ちているんだろうかなと思ったんですけど、多分どこか各地に泊まられても、中国でもグループ旅行だから振り込まれて、どこかで買い物されるときは円に替えたり、クレジットで買われるんじゃないかと思うんですけど、バスも中国で決済されて、日本のランドオペレーターといいますけど、地元に払われるという経済、それがどこにどう落ちるのかということ、地方消費税の配分はどこでどのようになっているのかなと思いますね。実消費地は、例えばどこかに泊まられた観光地のホテルや旅館は後でその支払いは回ってきますので、実消費が発生します。

 今度のケースで奈良の実消費はなきに等しいですよね。1時間滞在で、多分鹿煎餅は買われたかと思うんですけどね。大仏殿まで参れないんじゃないかと。1時間ですよ、本当に。1時間で大仏殿へ行って帰ってくるのも大変だから、拝観料も払われたかどうかというような。関心を持ってたから多少聞いたら、あまり場所を言ったらいかんけど、どこか泊まられて奈良公園の中で、駐機場所というのは限られている、駐機をされて運転手は中で1時間いたと。お客さんはおりて、そのあたりを散策されて、多分鹿煎餅は買われた人もいるかもしれない。そういう消費があった実態ですので、奈良の観光地としての消費の、今度の例えばそういうパターンの観光行動、バスのそういう来訪は減っていると思いますので、それによる観光産業被害、この場合は被害という言葉を使いますが、鹿煎餅のそのパターンの観光産業被害はごくわずかですと。鹿煎餅の消費が落ちるぐらいではないでしょうかと申し上げたいぐらいで。それが、奈良は全体の発で抑制されたところは、被害と申しませんけれど、抑制されて波があると申し上げたところです。

朝日新聞:
 東大寺の参道とか、奈良公園周辺のお店で話を聞いてみたんですけど、お店の人は、売り上げが減っているという感想を僕は聞きました。それについては、今のお話だとどう受けとめますか。

知事:
 今の発症したというのと、直接直結的な感想はないけど、先ほど申し上げましたように、発地はこういうときは、感染すると嫌だから全体抑えられるとこだから、皆さんの取材のパターンは、そこで聞かれて、そこでの声はこうだということは報道されるんだけど、全体の中じゃ観光産業への影響はどのように報道するかって、これは皆様の報道のご見識になるわけだけども、もっと広く、何も発生していないところも今多分、需要が減っているんじゃないかと思いますけどね。だって、中国から来られるお客さんが何割も減ってるから、大阪のほうの減り方激しいんじゃないですか、と想像しますけどね。買い物の実需要があるからすごく減ってるんじゃないかと思いますけどね。だから皆さん、大阪の被害の減少と奈良の被害の減少を比べてという、そのフィールドが違うから、そういう報道は日本ではめったにないわけなんだけど、今度の発の抑制された減少というのは、どこかで誰かが書くこともできるわけでね、発の影響という。今度は、発の影響が大きいように思いますけどね。

朝日新聞:
 観光業全体としてどうこうという話もあるとは思うんですけど、個人でお店をやっている方とか、経営されている方からすると、いきなり中国の方々が来られなくなり、コロナの影響かわかりませんけど、お客さんが随分減っているという中で商売が大変だとおっしゃっているわけですよ。これについては。

知事:
 だから、それはいつものパターンだなと思っているだけだと、別に悪口じゃないんだけど。

朝日新聞:
 わかりますけど、そういうお店をやられている経営者の方々に対して、知事としてはどう受けとめて支援していく、発信していくか。

知事:
 いつもあることだから頑張ってくださいねというのがさっきのメッセージですよ。どこかのテレビでしてましたけども、東向きの人が、彼の言葉だから使うわけだけど、こんなの風評被害だと。奈良が大変だと報道してくれるから東向きの客も減ったというのを、テレビで報道されてましたね。新聞では風評被害だとめったに書かれないじゃないですか。それは書く必要もないんだけど。しかしテレビではそう叫ぶ人がおられるのも見たから、申し上げるんですけどね。テレビでは報道されてましたよ、インタビューでたまたま言われたのを。そういう気持ちも入ってますけどね。私からのそういう気持ちを持っておられる方へのメッセージについては、時々あることだからめげずに頑張ってくださいねというのが先ほどのメッセージですということですね。必ずおさまりますから、人類はそれで生きてきたんだから、感染を拡大防止というのは、先ほどのご相談ごとも含めて一生懸命してますというのが私の立場ですので、ご理解をいただけたらと思っています。

産経新聞:
 拡大防止のために知事は県民に対する呼びかけ、感染予防のためにこうしなさいという呼びかけをしたかと思うんですけども、それ以外にされたことは。

知事:
 先ほど私どもの仕事はこれだと申し上げましたけど、実際にかかられた方を治療せないかんと。これは検査をして治療するというのが、どこでも奈良県もそうですけど、全国的に医療検査体制を明確にする。そのときに、やっぱり行政の保健所というのは大きな役割だなと改めて思いました。保健所というのは、鳥インフルのときもだけど、すごく頑張るんですよね、こんな感染のときは。日本の公衆衛生っていう保健体制は、こういう感染症のときに対応するためにも整備されてきたのがよくわかります。保健所の人は、これ県の行政組織ですけど、物すごく頑張られます。休日、夜間もやりますよ、保健所はですね。24時間できる体制もとってますよと。

 これはとても大きなことで、医療機関は24時間ばかりじゃありませんが、院内でうつって感染するのを防止しますと、これは医療検査体制が第1。3つの分野があるわけですけども、2つは、先ほど言われた県民や関係施設、団体への注意喚起というのが、私どものメッセージで強く出ますので、呼びかけというのは大きなこと。繰り返しになりますが、単純に言えば、普通のほかの風邪と同じですと、防御されるやり方というのはね。マスクをしたり、手洗いをしたり、感染の仕方はウイルスが付着して、それが体内に入ると感染しますから、よく洗って、のどもうがいして、感染しやすいところを防止、注意をしてくださいということを県民の人、旅行の人、福祉施設、弱者になり得る人、あるいは学校の子供たちに呼びかけて、公衆衛生の分野ですけども呼びかけるのが2つ。それから、ちょっと発熱したと、中国にも行ってないけど、近所にそういう人がいたのかという類いの心配ごとが発生する可能性が常にありますので、たくさん聞くと、そうじゃありませんよということが相談でわかるのと検査でわかるのと2つありますけども、先ほどの相談体制は帰国者などへの特別相談体制になりますが、通常の相談体制を開いております。3つ目は相談。繰り返しますが、1つは保健所を中心にした検査体制が県としては最重要な事項だと頑張ってもらっております。2つ目が県民の注意喚起。注意喚起以外に何かしたのかというご質問ですので、相談体制も大事だと。これが定番の3つの体制です。保健所の相談件数は、3日現在でこれまで発生したのが約1,000件あります。954件の相談事例が保健所に来ています。3つ目の相談も大事だという。

 それから、1番目の医療検査ですけど、実際に検査される病院は全ての病院じゃありません、限られてます。それの帰国者・接触者外来を分離して設置してます。相談があると、ここに行ってくださいと違うところから入って、分離して検査をしてくださいという誘導をしてます。だから相談していただくのは、ほかにも結果はセーフなことが今まで圧倒的に多いんですけど、分離して扱いをするというのが定番です。定番は皆報道されないし、皆さんもあまり知らないのかなと今思いましたけども、改めて聞いていただいたので、報告をさせていただきます。帰国者・接触者・ご心配者の相談の窓口をとって、相談を受けて、疑いのある人は検査に誘導する。誘導するのは分離した専用外来窓口で特別の医療機関で検査してもらうという体制です。ありきたりのことをやってますので、殊さら聞かれもしないケースが多いんだけども、そういう取材体制だから、きょうは聞いていただいてありがとうございました。

産経新聞:
 発覚したのが28日にわかってから、例えば隔離する病床……。

知事:
 隔離というのはあんまり使いたくない。隔離というのは歴史的に差別的な意味があるので、分離というほうが私はいいかと思います。

産経新聞:
 その分離した病床数を増やしたりとか、具体的な数字はありますか。

知事:
 分離病床は増やしたんだっけ。

担当課:
 いえ、特に増やしてないですけれど、現在そこに入院されている方は1人ですので、現在の病床で全然問題ないと。

知事:
 そういう分離した病床が用意されてますので、日本の公衆衛生の体制、やはりすばらしいところがあるなと改めて思いましたけどね。中国も公衆衛生の体制があれば、またこういう感染の展開は違っていたかも。ほかの国もヨーロッパでペストが大流行し、人口が半減したような時期があって、やっぱりそういうのがあるとすごく公衆衛生が発達しますが、日本は島国だし周りが清潔だから、そもそも公衆衛生上いい環境なんだけど、公衆衛生にすごく清潔感が強くて、体制は日本はすごくすぐれてきたと思います。その行政上の対応は保健所だと私は思います。保健所は行政機関として津々浦々にあって、いろんな新しいのが出るけども、保健所を信頼してくださいよと私からは言いたいですけど。それと、保健所の職員はこんなときはすごく頑張ります。知ってほしいぐらいだけどね。

産経新聞:
 その保健所の話なんですけど、バス運転手が28日に最終的に発覚しましたけど、17日に診療所に行って、武漢に行ったと、心配だと。多分保健所の職員もそのことは把握していると思うんですよ。なのに、その時点では検体を送らなかったと。

知事:
 送らない、適切だと思います。

産経新聞:
 これは厚労省の基準だったということだと。

知事:
 それもあるけど、まだ陰性か陽性かわからなかった。

産経新聞:
 いや、だから要するに陰性か陽性かを、多分その時点で検体を出すような措置をしていれば。

知事:
 いや、そんな必要ないと思いますよ、分離してるんだから。

産経新聞:
 その後、バス運転手は、ほかのツアーにも行っているわけですよ。それはね、中国人……。

知事:
 だから、陽性になればもちろん発表しますということになってきているわけで、陰性だけど検査した人、今随分多いじゃないですか。検査してる人たくさんいるじゃないですか。発表の仕方はどうすればいい、またその知恵……。

産経新聞:
 いや、発表の仕方というんじゃなくて、結果論であってね、今別に責めているわけではなくて、もう少し何かやり方があったのかなと。

知事:
 今の知恵じゃ、なかったんじゃないかと思いますけどね。こうすればよかったというのは、また議論になると思いますけど、後を振り返ったらね。

産経新聞:
 今の段階では、ないかもしれないですけど。

知事:
 何かなかったように私は思いますけどね。

産経新聞:
 僕は、検証の余地はあるのかなと。だから、あまりこう……。

知事:
 検証の余地はないけど、意見の余地はあると思いますよ。

産経新聞:
 まあいいです、わかりました。

知事:
 検証の余地はないと思うんだ、僕はこれがよかったと思っているから、こちらのほうでね。だって、帰国して検査を受けたという人は結構いるでしょう。

産経新聞:
 いや、だからね、バス運転手は、武漢にね、コロナウイルスを体内に取り込んでいる可能性があることを認識している後に、また中国人を乗せたツアーに行っているわけですよ。

知事:
 だけど、武漢から帰ってきて、検査を受けている人どのくらいか知らないけども、物すごくおられるじゃないですか。それどう報道するんですか。

産経新聞:
 それが、たまたま中国人の旅行者だったからよかったと言えば語弊があるけども、日本人の旅行者だったら、20人、30人。

知事:
 そういう人だってあるかもしれない、今、検査を受けている日本人の旅行者もいるかもしれない。だって、検査どんどん受けておられるじゃないですか、飛行機で帰ってきた人とか、船で帰ってきた人、水際対策でどんどんされているじゃないですか。今の水際対策で、日本人で行って帰ってきた人はある程度公衆衛生の検査対象になり得るわけです、今みたいにね。今度の人は行ってないんだけども、中国人の武漢の人と濃厚接触の可能性があるから、うつられたのかなと想像できるわけですけども、このグローバル化で旅行が多いからね、そういうこともあり得るわけですよね。何か調子悪いというので検査されて、それがコロナウイルスかどうかわからない状況での公表、報道というポイントですからね。私は別にいいと思ってますけども、検証の余地はこちらからはないんだけど、どうか考え方があったんじゃないかというご意見であれば、また相談しましょうと。それは、これだけじゃなしにほかもどう扱うか。

産経新聞:
 今話したのは生産的な話じゃないので、すみません、いいです。

NHK:
 先ほど相談体制の話の中で、疑いのある方は専門外来へとご説明されたかと思うんですけれど。

知事:
 誘導しますよ。

NHK:
 厚労省からの通知で、二次医療圏に帰国者・接触者外来というのを近く設けられると聞いてたんですけど、それはもうできているという理解でよろしいですか。

担当課:
 本日、設置です。

NHK:
 きょう設置ということですか。

担当課:
 はい。相談センターと同時に、外来も設置ということです。

NHK:
 なるほど。わかりました。

読売新聞:
 情報公開の仕方ですけども、各都道府県によってかなりばらつきがあるみたいですが。

知事:
 あるの。ああ、例えばルートとかということ。

読売新聞:
 奈良県の場合も、当初は公表しないということだったんですけども、翌日、知事が奈良公園に立ち寄ってたよということをおっしゃって、各都道府県の知事も、どこまで公表すべきかということをかなり悩まれていると思いますが、知事の間でばらばらになってる現状について、国がある程度基準みたいなものをはっきり示すべきだというようなご意見の知事もおられるようですけども、例えば今回の経験を踏まえて、荒井知事が国に対してこうすべきだという要望なり、そういったことを今後されるお考えはありますか。

知事:
 ありません。

読売新聞:
 ないですか。

知事:
 ありません。各地域で判断されていいんじゃないかと思います。それは、先ほどの被害かどうか、被害認識とのあれで、観光産業の人が風評被害だと叫んでおられるのと、報道内容との関係がある。最初というのにわっと集まるわけですよね。それが風評被害という結果になる。皆さん、そういうことを意図して、もちろんされてないのはよくわかってますけれども、そういう結果になるのを皆恐れているから。他の知事も、行ったところを多少知ってますけど、あそこに行ったよと言うとね、あそこに行ったのを余計なことを言って、それがまた取材が集まって、どこに行ったか、何時間とまったか、必ず取材が現地支局の記者に指令が出るのではないかということを他の知事は恐れておられるんだと思います。それは風評被害発生の引き金になることを観光地は恐れていて、その引き金を発表でしたくないと他の知事が思っておられるのではないかとは思います。

 それは、奈良の現地での後、私の一番の目的は感染被害拡大を防ぐということですので、感染被害拡大の見地からは、本当に行程がわずかだったということはむしろ発表して、安心してもらうためにも必要かというように判断をしました。風評被害になるかどうかというのを心配はもちろんありますが、これは皆さんの分野の発表しての話ですから、やめてくださいと言うのもなかなか、もう長年培った風習だからそうもいかないだろうとは思ってましたので。ただ、先ほどのメッセージで、観光地を激励するのは、「いつもこういうことに襲われますから、必ずおさまりますから」というメッセージをもう随分、僕が観光行政してたときからの姿勢で発信してますので、知事になっても、観光地としてうちだけ助かると皆思うわけだけど、こういうときは需要のもとが抑えられるのが常だし、どこに行くかというのも多少のばらつきがある。それでもゼロにはならないわけですよね、禁止をしないから。それでも来ていただいて、また徐々に必ず回復するんですよね。だからそれが遅いとか短いとかという見方もあるけども、必ず回復するのが常ですから。

 それと、常に衛生に気をつけると。来ても感染症だから、公衆衛生に気をつけるというので観光業の人にも、マスクするとか、衛生に気をつけていることを表現してくださいねということをアドバイスしました。この地域は、そういうことがあっても衛生に気をつけている地域だなというので、実は日本の観光地が選ばれている、この流れで、きれいな観光地だなと。お水一つとってもそうじゃないですか。水道水を飲めるところは世界でふえてきたけども、下痢も全くしませんよというのが日本の観光地の売りでありましたので、衛生状態の維持というのは観光では一番大事ですので、その基盤の条件を維持、整備するというのが、この際余計に大事ですので、観光産業の人には、とりわけ衛生に気をつけて、それを表現していただくのが売りといいますか、ありがたいことだと思って、お願いをしたりしている状況であります。

読売新聞:
 振り返られて、奈良公園と公表したことは、今でも正しかったと。

知事:
 正しいとか、大げさな話でなくて、この発表は、発表してもいい、余計な被害がでないとか、必要なところはできるだけマキシマムで公表するというのが基本原則ではないですか。あらゆるところの基本、全て発表しろよと、いや、全て発表すると差しさわりがあると思われるところは控えさせていただくというのが発表側の姿勢だと私は認識してますので、各地で控えられると判断されるところもあると思います。それはいろんな理由で判断されると思いますので、それが目的地としての影響があると判断される場合もあるし、疑われて検査を受けているのに取材に襲われると迷惑だと思われる方もおられるかもしれない。そういうものは控えるというような発表姿勢もあるでしょうし、それがいいとかおかしいとか、これはバッティングする可能性はあるけども、吟味をして、そのようなケースはこうすればよかったのではないかということは、また議論させていただいてもいいですけど、そもそもおかしかったのではないかと言われたら、そうかなということもありますよと。これは常にケースケースで出てくる話かと私は思っています。

読売新聞:
 私は、別に奈良公園と公表されたことをおかしいという意味でなくて、もっと公表すると。

知事:
 ああ、ほかでもということを最初の質問でおっしゃった。私の立場から、他の知事はいろいろ考えておられるでしょうからというので、国で一律というのも難しい類いの話かと思ったから、ケースケースの判断があることが多いのではないでしょうかということで、国に要求しないということの言いわけをした感じがします。すみません。

毎日新聞:
 先ほどの質問に関連しますが、29日の対策会議で知事がおっしゃられたことですけども、奈良公園に立ち寄られたことだとか、バスの運転手はバスの中にずっとおられて降りていないということをお伝えされたわけですけども、前日の28日夜に緊急記者会見があって、局長以下は風評被害があるからという形で、具体的なことをおっしゃられなかった上で、知事があえて言及されたという。

知事:
 それは私の判断、朝聞いて判断したと思います。前日の記者会見は、事務方の会見でしたので、内容はあらかた報告受けておりましたけど、そこで知事会見という手もありますが、対策を講じて私の姿勢示すのが知事会見だと認識しておりましたので、事実の発表は事務方でも大丈夫だろうと。陽性でしたということを中心に、前日速報で発表させていただきました。陽性でしたということを私が発表しても別によかったけども、それは事実だけで、対策は一晩置いて、明朝、対策会議をしようと決めました。そのときに私から言うことはそのときで決めようとしましたので、朝の対策会議直前に、こういう状況ですというので、経路について発表をしようと決めました。

毎日新聞:
 それはどうしても正確な情報、例えば運転手が降りていないということを、知事としてメッセージとして発せられたかったという思いがあったからでしょうか。

知事:
 思いはよくわかりませんけども、先ほどの原則に戻ると、こういうときは、知ったことはなるべく公表しましょうというのはずっとしています。そのとき、個別の利害、被害を受けられる方とか差しさわりがあるというのは、それぞれの発表側の公的情報の発表に差しさわりがあるから控えようというのは、個別の判断が発生すると思ったわけですけども、基本的な情報で経路を公表するというのは、差しさわりあるという人がすぐに思いつかなかったから、そのまま言ったという、原則に戻ったと私は認識しております。意図があって発表したのかという質問の含意であれば、そういうことではありません。先ほど私の発表の原則を言ったのは、そういうことです。そういう質問は予想していたかどうかわかりませんが、基本的なことを申し上げる方がいいと思って、先ほど申し上げた次第です。

毎日新聞:
 なるほど。

知事:
 なるほどとおっしゃっていただいてありがとうございました。

毎日新聞:
 そうしますと、運転手の情報については一切、個人の特定につながる情報なので発表しませんということを貫かれておられますが、そちらに関しては知事はどのように。

知事:
 どのようにということは、どのようにですか。それで当然だと。今の原則に照らして考えてください。判断できるでしょう、原則を述べたんだから。公表すべきはなるべく公表しますと。差しさわりあるときは公表しませんと。差しさわりあるのではないかと思ったのではないかというぐらいは察していただければありがたいと思います、運転手の情報については。

毎日新聞:
 わかりました。

産経新聞:
 関連ですけど、発表の仕方で、28日の段階では、鶴田局長は経路については一切言わなかったんですよ、経路。

知事:
 ああ、経路。

産経新聞:
 運転手の経路については一切言わなかったんです。そして、翌日の朝に知事が空港の話をしたので、僕らは、「えっ、やっぱりそうなんだ」みたいな感じで、空港へ行ったんだと。今、知事は経路については、あまり支障がないという判断したと思うんですが、いまだに、バスの運転手はどこの県を回ってきたのかということは、いまだに発表されてないんですよ。そのことについて、僕はそのぐらいは発表してもいいんだと、例えば具体的にどこの道の駅で買い物をしたとか言うと風評被害になるというのは想像つきますけど、県ぐらいは、全体像がわかった上で、例えば奈良県に寄りましたと言ったら、奈良県の風評被害というのも薄められると思うんですよ。

知事:
 そんな意図はないということです。私のできることは、他県の発表を知った情報でして、あそこにも行ったよ、こちらにも行ったよといって奈良県の風評被害を抑えるというような意図は、そういう権能はありませんというので言ってるわけです、だから。

産経新聞:
 もちろんその意図はない。でも、経路ぐらいは言ってもいいのかなと思うんですよ。

知事:
 誰かに言ってくださいよ。私は、それぞれの発表はそれぞれ、私の考え方だから発表はできるだけ公表するのが原則。そのときに、情報源といいますか、持っておられるときの発表をどのようにするかというのは、差しさわりあるというのを感じられる方が抑えられる権能はあるのではないか。

産経新聞:
 少なくとも鶴田局長と知事との間でも基準が違うわけです。

知事:
 いや、基準じゃない。それは鶴田局長が、知事に判断を委ねようと思って、一晩差し控えられただけだと思います。

産経新聞:
 そうなんですか。

知事:
 私はそう思います。

産経新聞:
 その辺の話は、内々であまりやらないものかなと。個人の判断に任されているものなのかというのを。

知事:
 そうでもないんだ。たしかその前日は、陽性になったというぐらいしか聞いてなかったか、はっきりわかりません。

産経新聞:
 あそこまで、我々にしてみれば過剰なほどに言わないというのは、何かやはりきちっとした、方針みたいなものがあって言っているのかなと思ったんですが。

知事:
 それは、今の原則があると、基本的に公表すべきだと言っている中で、差しさわりがあるかという判断は、このケースでは私に判断を委ねようと事務方が思ったのではないかと。前日は、経路の情報はたしか聞いてなかった。陽性だというのは前日で一番大きな情報じゃないですか。陽性だということは発表しましょうということで報告受けて、ではそうしてくださいと。発表は事務的にしようというので、よろしくということでその日は終わった。翌日は、対策会議でいろんな、さっき言った3つの対策などを示して、県民への報告、周知というのは、注意喚起はとにかく大事ですからというので、翌朝から対策会議でエンジン、ギアをぎっとかけたというのが実態ですから。そのときの内容、なぜ奈良で患者さんが発生したのかというのは、特に奈良でうつったのか、奈良でうつらなかったのかというのは、地域としての重大関心事項かと私は思ったから、奈良でうつらなかったように思われますよということは報告しようと、朝に判断して。何か避けるとか、そういうのではなく、差しさわりと報告すべき情報価値との判断というのは、情報源の持っている私に委ねられているのかなと思ったので、朝に判断したということです。それは、事務的な判断を超えていると私は思いますので、鶴田局長は、知事に判断を委ねたというのは、それはそれで正しかったと思います。そのように思われるような意図はあまりないですよ。原則に照らすとそういうことになりますということを繰り返し申し上げたいと思います。

 ほかも一律に基準にすべきじゃないかと、皆さんからは……。

産経新聞:
 いや、一律にすべきというのではなくて、そのくらいは、常識的に言ってもいいのではないかと思うわけです。

知事:
 だから、それは、いつも起こる情報源と報道主体との調子というのは常にあるわけだから、それはいつもケースで、この場合はどうかというような議論を重ねたほうが、私の感じではいいかと思います。そのようにしないと、そもそもというような類いの話でもなさそうですよ、ケースケースの緻密な判断が、実際にえらい目に遭ったと、観光地としても風評被害だと叫ぶ人もいる。これは実際どうかはわからない。実際、風評被害と言うかどうかは別にして、アテンションがあると全体減っている中で、奈良の特化係数というか、減り方が大きいよというのが数字で出れば、風評被害ということに言って、それは僕はいっときだと思いますので、目くじら立てる被害というほどのことはないはずですよというのが、先ほどのご質問に所感を述べただけです。

産経新聞:
 わかりました。どこまで発表するかというのは、割と局長なり、個人個人に委ねられているということが何となくわかったので、もうそれでわかりました。

知事:
 なるべく下のほうは、事実は発表しましょうという方針ですから、基本的に。

産経新聞:
 だから、何で言わないのかなというのがすごい疑問で。

知事:
 ああ、そちらから見ると。

産経新聞:
 何かそういう基準、厚労省のほうから、強くお達しがあるとか、そういうものがあるのかなというように思ったので。

知事:
 それは発表によってはある、差しさわりのある人への配慮ということだと思います。

産経新聞:
 差しさわり全くないですけどね。

知事:
 それは皆さんから見れば、あばいてくれ、俺たちはそこに突っ込んで取材するから、こう。

産経新聞:
 いやいや、そういう意図は全くないです。

知事:
 ないの。

産経新聞:
 どういうルートで回ったとか、そのぐらいのイメージは明らかにしたいです。バスガイドが男性か女性かとか。

知事:
 だけどそれは、そのルートを回ると、そこに取材に行かれて迷惑をこうむると思われる人は、それは本当の……。

産経新聞:
 個人の特定にも至らないし、風評被害にもそんなにならないと思うんです。

知事:
 立場は、情報源と違う面。

産経新聞:
 そういう基準でやっていきながら、奈良公園ということを言ったので、「えっ、ここは言うんだ」というのは思いましたけど。

知事:
 そうか。先ほどの原則みたいな、と原則というほど大きな理屈でもないけど、公表をなるべくしましょうというのが私どもの必要な姿勢だということは繰り返し言っておきますが、そういう姿勢でやっているつもりですけども、差しさわりがある人が、殊さら、他県のルート情報もそうだけど、差しさわりがある人のことを、知ってるから言いふらすという言葉も余り、言いふらすということではないけども、言うのは、それも差し控えたいというのが、発表、公表の考え方ですと私は思っているということだけですので、全体のルールや、どのようにすればいいのかというのは議論がある話だとはもちろん思いますので、個別をいろいろ重ねて、いい発表・報道カルチャーができればいいといつも思います、こういうケースだけじゃなく。

 昔の、大本営発表にトラウマが我々にはあると。我々と言ってもいいぐらいあると。大本営発表をみんな信じる体制になっていた。あれはみんな同じですよ、大本営発表しかないと思っていたから。あのとき戦地に行って、負けてるぞといって報道すると国賊だと言われたような、世論のプレッシャーに押された方が多かった、皆さんの先輩には、と私はそう思うんだ、歴史はね。

 今は随分、情報の大きなのは、スマホのツイッターですね、そこで映像を撮って世界にSNSで出るじゃないですか。だから大本営の秘匿は中国でもできないぐらいだから、どんどん出るような時代になっているから、大本営が秘匿できるという体制では、SNSとか、あのような電子媒体のおかげでなくなってきたのかなと思います。個別情報がそうやって出ていくということです。

 しかし、元手を、あそこにああいう検査を受けている人がいるぞということで、そこに行って、家の前でスマホを撮って、これだというようなこともあり得ますから。皆さんが取材に行かなくても、世の中あり得るので、いろんなケースがあるので、なるべくあらぬ被害と、被害を受けた人が思うようなケースが発生をするリスクは避けたいとは思ってますよと。それはケースケースの判断になると思いますが、繰り返しで恐縮ですけども、そのようなことで今のところ対応していきたいと思っています。

毎日新聞:
 新型肺炎の話ですが、今のところ県のコンベンションセンターをはじめ、何か会議関連でキャンセルというのは特に入っていませんか。

知事:
 まだ聞いてません。

毎日新聞:
 わかりました。

 それから、7日から始められる制度融資のことなんですが、想定をどれぐらいされているのかということと、予想以上に申し込みが来た場合、例えば、来年度の当初予算に計画される、あるいは額を拡大するなりというお考えがあるのか。

知事:
 拡大しなくても大丈夫だと思います。そんなに限度はないぐらいに用意できると思います。

毎日新聞:
 結構規模が大きいということなんですかね。

知事:
 まだ申込みがあるかどうかわからないので、あれば全面対応したいということです。

時事通信:
 予算額としては、どれぐらい確保されているんでしょうか。

担当課:
 融資枠としては15億円を限度に。

時事通信:
 15億円、結構大きな。

知事:
 小さな零細企業が多いですからね、宿泊は。だからそれが今、足らなかったらどうするのかというご質問で、足りなければ増やしますと。そんなに限度をつける意味がないからとは思います。だけど、そんなに殺到するかどうかもわからないので、その程度にしてあるということですね。

毎日新聞:
 わかりました。それから、来年度の当初予算で、新型肺炎を受けた観光振興みたいな、例えば昨年の秋のラグビーワールドカップのときにインバウンドの宿泊割引をされましたが、そういった面についてものせるようなお考えは。

知事:
 だから、観光政策は、時々の波がありますから、そんなのに一喜一憂しないでというのが私のポリシーだから、そんなことよりも基本的なことが劣ってたじゃないですか、奈良の観光人はと、こういうことをもう10年間叫び続けているんだから、基本を底上げすると強くなる。実際そうなってきているんですが、強くなっているでしょうと。それに引き続き邁進しましょうよというのがメッセージです。

毎日新聞:
 それが県としての役割だということですね。

知事:
 そうです、そうです。

毎日新聞:
 わかりました。

朝日新聞:
 ホテルJWマリオットや、奈良ふふも4月以降に開業予定ですが、今回の新型肺炎の関係かはっきりわかりませんが、宿泊者数も減っている中、これら2つの新しいホテルの開業についてはどう思っていますか、不安とか。

知事:
 全くありません。あまり影響ないんじゃないかなと想定しています。ハイエンドの人は、どんな感じになるのか、ハイエンドの人の旅客需要の動向というのはあまり調査もないのでね。思いつきとか思い込みで判断できない分野だと思います。だから根拠もないから心配もしていません。楽観しているのかと言われたら、いや、わからないということですね。高畑のホテルも、マリオットもね、奈良にはない、初めてのハイエンドの宿泊施設だから、ハイエンドの人はこういうときにはどんなふうに影響されるのかというのはちょっとよくわからない。ハイエンドの人は、いつでも旅行をやめたり、行ったりできるし。遠慮されるのか、私たちの泊まるところは関係ないもんと思って旅行されるのか、旅行動向はよくわからないですね。だから、ハイエンドの旅行の行程というのは、あまり調べたところはないのでわからない。

 それと、スペインに行ったりしても、行事もあるしホテルで宿泊していると、おもてなしが完璧なんですよね。たまたま街を歩く時間はありませんでしたが、ハイエンドの人は街をちらっとは見られるけども、バスで来て1時間奈良公園、はい次、というようなお客さんじゃないですよね。だからもう観光客数には数えるんだけど、全く行動パターンが違うのが通例で、奈良市、奈良県のどこでもハイエンドの方を受け入れる施設は全くなかったのが、今度のことですから、受け入れのパターンがこれからどうなるか、一つ注視はしていきたいと思いますが、あまり思い込みで影響あるかどうかわからないという感じです。

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奈良市宿泊税導入時期の延期について

毎日放送:
 先ほど来、観光業界の影響であったり、宿泊業界の影響というところのお話もあったんですけれども、かねてから奈良市が宿泊税を取るという話があったと思うんですけども。

その点で、今回のこのコロナウイルスの件を受けて、奈良市がかねてから導入しようとしている宿泊税の導入時期を延期するということで発表されたんですが、知事はもともと宿泊税はどうかという話もあったのでどうかと思うんですけども、この延期されたというご判断、奈良市の判断について何か思うとこがあれば教えていただきたいなと思います。

知事:
 いや、中止すればいいのにというのが私の意見ですので。延期されたことがどうかというのは、もとからここでも、奈良市の宿泊税というのはあんまり意味がないというのを言っておりましたので、ということがまだ変わらない所感です。それはなぜかということですが、もとの宿泊税を取って、外から来てる人から取るから、業界の人以外に県民が納めるというよりも、外来者が納めるから、取りやすいという面があるんですよね。目的税になるのが普通ですから、使うのは外来者に観光のおもてなしをするのに使うという構造のもと、宿泊税のもとになっていて、それを思うと、奈良の観光の施策は県が圧倒的にしてるんですよね、宿泊税も取らずに、数字を上げてみると。奈良市がしてないというわけじゃないんだけども、奈良市は財政が厳しいのに宿泊税に頼ることは、これは原則じゃないと思います。

 財政が厳しいのは、税源涵養で経済活性化して固定資産税とか上げたり、歳出を抑えるのが一番。奈良市は財政規模が大きいから、一番頑張ってもらわなきゃいけないと。仲川市長、頑張っておられるんだけども、ずっと培った財政基盤の脆弱さというのは克服できてない。財政が悪いから宿泊税取るという理屈はありませんよということが1つ。観光政策の役に立てたいということで取るのが普通ですけれども、それは県が頑張ってるから、僕から言えば、県に「やっといてな」と言うて県にさせるのが得策じゃないですかというふうにアドバイス、今まで県はそんなに奈良市の観光についてもしなかったですけど、今は、予算で見ていただくとわかりますが、ものすごい量でやってますので。だから施策のために取るという目的税の思想からも、余り市が頑張ることないですよというのが2つ目の理由と。3つ目は、税源のもとというのは、奈良市は宿泊がそもそも少ないから、それから取って役立つという発想はちょっとそんなに迫力ないんじゃないか、その3つの理由で私は賛成しませんということを繰り返し言ってきましたので、コロナどうこうという理由じゃない、そもそも構造的に余り必要ないんじゃないかという意見は変わりませんので、延期されたことにどうかというご質問でありますので、延期じゃなしに中止にされたらどうでしょうかというふうには、もうこれはかねてからのことだからちょっとくどいみたいですが、改めてどうかということに対しては、そのように申し上げたいと思います。

毎日放送:
 今回のコロナウイルスがどうこうという以前の話ということですね。

知事:
 そう、それ関係なしにと。

毎日放送:
 わかりました。ありがとうございます。

産経新聞:
 ちょっと関連して、この前ね、ゲストハウス、安い小規模宿泊業者、24事業者が、この宿泊税にちょっとこれ何とか反対しないといけないということで協議会をつくって、市役所の担当者を呼んで説明をしてもらったということがあったんです。そのときに奈良市の説明では、財源が少ないから、宿泊税が必要なんだというような説明だったんですよね。今、財政が脆弱だから取るというような理屈はありませんよというふうにおっしゃいましたけども、もうそんなのは論外と、そういうことですかね。

知事:
 いや、論外というのはちょっと乱暴な言い方ですけども、この宿泊税で、財政が厳しいというので、財政回復の道は目的じゃありませんよということをまず言って、財源が厳しいから観光の施策ができないということであれば、観光の施策は県でも民間でも市でもできるわけです。実態を見ると、県が抜きん出てしてるじゃないですかと。だからそれをもっとしてくれというふうに言うほうが、施策の展開には有効でしょうと、県の立場からは申し上げられますねということなんですよね。

産経新聞:
 じゃあ、もうそんなに頑張らなくてもいいよというのは。

知事:
 いや、頑張ってもらったらいいんだけど、財政面からしんどいでしょうから、県はそれも念頭に置いていろいろやってます。奈良モデルが大体そうですから、奈良県の市町村の財政が全国で一番悪いですから、どういうわけか。その財政をじかに回復する役目は県にはないんですけれども、事業を展開しないと将来がないので、それは県が投資的経費、観光も投資的経費中心に力を入れてますからということです。そんなに宿泊税取っても何億取れるのか、基盤が小さいことも関係するんだけども、基盤が小さいからそんな税収が大きく上がらないですよね。

 しかも、4つ目の理由になるけども、(宿泊税)取って、ホテルの建設とか観光をこれから伸ばすというのに水を差さないかという心配もあります、4つ目の理由はですね。そんなので、県としては賛成ですかと聞かれて、それはありませんということを繰り返し言っているのに変わりありませんということになります。

時事通信:
 今のご発言に関連して、ホテルこれからつくっていこうというのに水を差さないかということですけれども、それは知事さんがこれまで長いこと進められてきたホテル誘致、客室数をふやそうということだと思うんですが、それはある種知事さんの考え方、奈良の観光戦略と、仲川市長の考え方、宿泊税を取るというのがちょっとバッティングというか、ぶつかるというような認識でしょうか。

知事:
 いやいや、ホテル誘致をして観光振興させようというのは、仲川市長も同じだと思いますよ。

時事通信:
 いや、それはそうですね。

知事:
 反対されてるわけじゃないから。そのホテル誘致の牽引力として、ならまちの中の奈良市の市有地があるんだけど、県と同じように売却してならまちの中だからホテルにしたらどうですかとお勧めしたんだけども。宿泊税取るよりもよっぽどそれを売ってホテルにできたら固定資産税も入るし、お客が増えるからいいじゃないですかという政策アドバイスは、宿泊税取るよりもよっぽど常套手段でしょうと、こう言っているんだけど、それには乗り気じゃないから、それは市長のお考えだなと思って、余り賛成してないんですよね。普通なら、こんなにインバウンドが特に増えてるときはね、奈良市は、奈良県はと言ってもいいけども、観光資源があるのを、観光産業に特化するのは、宿泊がないと観光産業として成長しないし、税収も伸びない。みんなその競争してるわけだから、奈良県は、奈良市は宿泊業者の人が新しく新規参入を、商工会議所を舞台に反対していた歴史がある、それはよく知っているので、30年間ホテルが全然伸びなかった時期がある。ああいう時期が二度と来てはいけないと私は思う。あんなに自分で首を縛っている観光地というのは見たことないですね。それをやめるというのが大きな目標。

 スペインのバスクに行ってきました。バスクは工業都市でもあるけど、バスク州というのは奈良県と規模は変わらないんだけど、サン・セバスチャンという市は18万人だから、奈良市の半分ぐらいだと。そこに地下鉄を引くといって随分にぎわって、ホテルもきれいだし、有数の観光地になっています。あれは長年そういう方針で努力すると、あんなに世界に名のとどろくサン・セバスチャンになるんだなと。18万人ですよね。グルメも世界のトップクラスで、そのサン・セバスチャンにBCCという、バスクカリナリーセンターというのがあって、バスク州が出資してカリナリーセンターをつくっているんですよね。それが奈良県のNAFICと同じような体制で、歴史も規模も全然違うんだけども、NAFICと連携しようという話もありましたので、校長先生にも会いました。ことしは日本に行くから、場合によっては奈良に行って連携協定をしたいという話を校長先生されてましたけども、その話を詰めるのが一つでバスク州に行ったんです。

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スペインバスク州訪問について

産経新聞:
 (バスク州には)ガストロノミーツーリズムの誘致のために行かれたと。

知事:
 誘致ではマドリードのUNWTOの事務局長のところに行きました。FITUR、フィチュールという世界最大の旅行の見本市みたいな、もうすごい驚くような見本市だったですけども、それに奈良県も出しているからそこも訪問した。日本のブースもあって、韓国がすごい、日本に負けないような大きなブースで派手にされてましたね、観光の誘致はね。中国も大きいんだけども、日本のほうがそれよりややちょっと小さ目でしたが。しかし、日本のインバウンドというのはすごい伸びてますけど、これは先ほどの衛生とか受け入れの体制がずっと評価されて、それとグルメが何といっても大きいこと、日本全体のグルメが大きい。奈良も、観光地として生き残って勝つには、グルメというのは大きな要素で、ガストロノミーツーリズム・ワールドフォーラムというのは日本で初めてですけども、その招致の候補地を観光庁が奈良一本に絞ってくれたので、今、ミラノとかね、有力な競争相手があるんだけど、この6月ぐらいまでには決まるというふうに話をされてました。

産経新聞:
 手応えはいかがでしたか。

知事:
 まあいい感触のように思ったんだけど、最後までわかんないけどね。この際、そのFITURという大きな見本市があるので、行ってその事務局長、ポロリカシュビリというジョージア、グルジア出身の事務局長なんですけど、奈良にも来られて懇意にはしてるんだけども、よろしくと、こう売りに行ったということ。ついでにバスクまで行って、バスクの観光のもとは、グルメというのがもう大きな、農産物がいいんだけども、農産物だけじゃなしに、それをグルメ化したというのが作戦で、随分長年かかってバスク料理というカルチャーをつくった。すごいそういう根性といいますかね、あると思います。人口が奈良県と変わらないバスク州でされたというのがおもしろいと思います。

 それと、観光じゃないんだけど、バスク州の政治というのはおもしろいなと思いましたね。知事にアポをとれたんだけど、ちょっと急用ができて副知事クラスの長官という、役所の長官が来られたんだけど、みんな議員なんですね。議院内閣制だと。それが議院内閣制で、しかも連立政権なんだよね。すると、連立政権、来た人はバスク国民党という最大会派の人なんだけど、連立組んでるから、共産党を除いた連立か。興味あったので、連立はどうして、どのように組むんですかと聞いたら、地方政府の連立は、日本は連立というのは自社さ連立があったけども、みんなでわさっという自社さ連立だったけども、向こうの連立は、この分野はこの党に任すというふうに決めてるんだそうですよ。だからバスク国民党の、その日本でいったら大臣で、その長官はインフラを持っているんですね。だからホテルとか道路とか。18万人のサン・セバスチャンに地下鉄をつくる計画があるというような話しで、びっくりしました。そういうまちが18万の都市で地下鉄。ヨーロッパは30万の都市でも地下鉄あるのが多いですけど、日本の地方都市と全く様子が違うという、18万でも物すごい元気で、風情がいいんですよね。だから観光客も多いし。観光客は波打つけど、ああいうとこにはずっと定番的に来られるから、そのような安定した観光地をつくるというのも長年かかってされて、奈良はでき得ると思うんですけどね。それを目指して宿泊施設の整備と、そのアメニティーの向上というのに力を入れてます。そのモデルとなる地域は世界中いろいろあるなという例になったと思います。

産経新聞:
 今、ワールドフォーラムを誘致するのに、ライバルになっているのはミラノとペルーでしたか。

知事:
 ペルーだったかな、あと2カ所ぐらいあると聞いています。

産経新聞:
 2カ所という、ミラノ以外に2カ所ですか。

知事:
 ミラノに、もう1カ所かな、日本の奈良と、3カ所の競争になっていると思います。

知事:
 ちょっと後で報告(※)します。

※イタリアとコロンビア

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徳勝龍関の幕内初優勝について

時事通信:
 大相撲で、徳勝龍関がこのたび、奈良県出身の力士で98年ぶりに優勝されたという、大変めでたいことがあったんですけども、ご所見がありますか。

知事:
 徳勝龍関、本当に優勝されるとは思わなかった、十両と行ったり来たりだったですからね。ずっと関取から三役にはだめかな、難しいなと。化粧回しを贈ったことがあるんですよね。

時事通信:
 せんとくんの。

知事:
 せんとくんの化粧回しを贈って、それは何年か前に関取になられたときかな、十両になられたときか、幕内に入られたときか、後援会の人が化粧回しをつくられて知事から贈ってくださいというので、贈った。今日から近鉄の駅にせんとくんの化粧回しをしたお祝い看板をぶら下げ始めました。県としてはせんとくんが助けてくれたんじゃないのと、こういったせんとくんが四股を踏んでいるのが化粧回しに刺しゅうされているんですよね。せんとくんが四股を踏むと、幕尻でも優勝できるんだと、奈良県も幕尻クラスだから、幕尻が一回ぐらい優勝できるかなと思って精進せないかんなと、こう思ったですね。

時事通信:
 わかりました。

 ちょっとまた一方で残念なことも伺っていて、奈良県は年間6場所ある中で、3場所には奈良県知事賞というのを出されているんですよね。年末の九州場所では出されていて、知事直接優勝力士に賜杯を渡せたらしいんですけども、たまたまそれが今回なかった。

知事:
 徳勝龍関に奈良県知事賞を贈りたかったですね。

時事通信:
 ですよね。

知事:
 ちゃんこ大和づくし300人前ということを表彰状で入れて読むんですね。何回か表彰状読み上げていれば、ちゃんこ大和づくし300人前を贈呈しと読むと、そのときわっと館内が盛り上がるんです。そのときはもうNHKも放送入ってないんだけど、その前のNHK杯で終わってしまうんだけども、館内に残っておられる方がおられるので、そのくだりを読ませていただくとわっと盛り上がるんですよね。奈良県でよかったのは稀勢の里が優勝して横綱に上がったとき大阪場所だった。そのときはたまたま私が行って渡そうと、大阪場所も行ってないからというので行ってたら、稀勢の里に渡せた。今度は、たまたま国技館の場所は3場所だけだから入ってなかったので、優勝するなら大阪場所でしてくれたら渡せてたなとは思いますけども。しかし、2場所連続優勝は難しいかもしれませんので。そうですね、改めてちゃんこ大和づくし300人前をね、表彰状では言えないけども、できたら受け取っていただければ贈ろうかと思います。

時事通信:
 今回、残念ながら賞は出せなかったけど、今回の優勝を受けて300人分、また渡そうかと。

知事:
 300人分をね、部屋に贈らせていただくように折衝したいと思っています。

時事通信:
 できれば、自分の手で、今回98年ぶりに優勝を徳勝龍に渡したかったという、そういう気持ちがおあり……。

知事:
 そうですね、あのとき、海外出張最後の日なんで、渡す予定にはなってなかったんだけど、その番組も、ああいうのを見るとちょっとどきどきするので、気が弱いですので、あんまり勝負どきはテレビ見ないほうが多いんだけども、優勝したのはすぐに、テレビを見てた家内が言ってくれた。だからすごいびっくりするような話だったんですけど、最後の結びの一番で勝って優勝ということで、よく優勝されましたね。幕尻でも優勝できるんだと、奈良県も頑張らなきゃと。

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平城宮跡南側の公園整備について

産経新聞:
 平城宮跡の南側のセキスイ跡地について、もう整地されてきれいに今なってますが、あそこは奈良県が全体を公園化するという方針だと思いますが、そうするとあまり大きな建物を建てることは今のところはないのかなと。そうすると、発掘調査というのはどうされるのかなと。

知事:
 発掘します。

産経新聞:
 もう全体的に。

知事:
 全体的にね。

産経新聞:
 それはもちろん学術調査としてやっていくということですか。

知事:
 そういうことですね。発掘中、平城宮跡の前だからね、何か屋敷跡などがあると思いますが、遺跡ということになりますので、遺跡の発掘はできるだけ調査するようにと言っています。県有地、公有地になれば、できるだけ調査するようにと。遺跡の発掘調査で大事なのは、後の保存の仕方になります。3つの保存方法があり、これは圧倒的に数は多いんだけど、記録保存。写真を撮ったり、あるものを取り出して保存するというのは記録保存。その次は、もしその場所に病院が建つとかなら、そのまま移設保存というやり方。もう一つは、現地保存、そのままそこで保存するという、その3つの遺跡の保存の仕方がありますが、現地保存というのは数が少ないです。その必要性があるのかどうかをよく吟味しなければいけない。平城宮跡のように、ここは現地だという、これは値打ちがとても高いので、あそこだと現地保存しやすいわけですが、平城宮跡の中はそんなにないかもしれません。木簡は埋まっているけどね。そのほかの古墳などやちょっとした作業場についての、現地保存か移設保存か記録保存という仕分けの基準をつくろうかと思っています。

 この平城宮跡の南側は発掘調査をします。現地保存の必要性があればしますが、数はめったにないのが実情です。それから記録保存も、保存という意味ではとても値打ちがあります。記録がわかれば、あそこにあったということが特定されることと、その内容が特定されることが、後の学術研究者のためになりますので、そのようなことを常にすると。記録保存はしましょうということはいつも言っています。だから同じことをあそこでもすることになると思います。

 記録保存で、後を埋めて壊すことが多いから建物も建つんですが、あそこはたまたま公園になると大きな建物は普通は建たないので、公園としては現地保存のオープンではなく、そのまま埋め立てても大丈夫かもしれない、何か遺跡が出てくればですね。それは記録保存の中の単なる埋め立てという、建物が建たなければ埋め立てということでもできる、公園をつくるとか駐車場をつくるだけでできる可能性はあると思います。これから県が購入して公園化する事業を来年度予算から、今、会派説明から始めたいと思いますが、方向としては公園化のための買収に踏み切りたいと思っています。

産経新聞:
 今年は藤原不比等の没後1300年ということで、思い入れも大きいのかなと思いますが。

知事:
 ああ、そうですね。1300年祭の前の前の年だったかな、知事になった年に国営公園の陳情に行って、香川俊介という、2015年に財務事務次官を退任され亡くなりましたが、当時財務省主計局の担当次長だった。よく知っている人なので、たまたまよく陳情に行った。彼がその年に決めてくれたんですね。予算折衝といいますか、大臣折衝の格好でしたが、あとはこれで決めるからということをもう大分前に言ってくれて、決めてくれた。その後次官になって亡くなられました。彼がたまたまそのポストにいたから、財務省というのは恐ろしいところで、その次長が国営公園化というのを、もう地元にとってはばかでかいことなんだけど、ほかに誰も陳情しなかったのでばさっと決めてくれて、ありがたい。

 それの延長がずっと続いて、国営公園が本体国営公園になっていると、南側も国営公園の関連事業で補助が出るんです。今度も南側は国営公園の関連事業になってなかったんですが、公園補助が出る可能性がありますよと示唆されたので、公園補助が出るなら全面公園補助つきで買うのが得策だというのが、あそこを公園化する大きな判断要素です。実際に公園補助が半額ほど出るんですが、出てくるのは後にしても、国の予算の枠があるので順番に出すけど、内諾というか、予算だから内諾というのはないんですが、出そうだというと、あそこはセキスイハイムが建て売りするというのを排除して、積水化学にやめたと言っていただいたのが、これが一つは大きかった。

 今度は、市役所の移設をどうかと言ったんですが、仲川市長に排除されて、これは行かれた方がよかったと今でも思いますが、財政的にも行ったほうがよっぽどいいんだという思いはありますが、それは権限が向こうにありますので、残念だと思いますが、財政難で宿泊税というのは、こちらのほうが圧倒的に大きな財政支援のつもりだったんだけども、何かちょっと違うなと思いました。

 3つ目は、それがなくなって南の方は民間施設でもいいかと、ちょっとした親和性のある施設があればと思っていましたが、それもまだ引き合いは続いているんですが、まだ全部を公園としても補助も出る可能性が高いと思って。あそこは全体的に防災機能もある公園というコンセプトにするとね、あそこまでずっと突き抜けて見られるというのは平城宮跡にとっても大きなことで、西側だけでもまず朱雀大路の風情を残す。東側も、所有者がおられますのでまだ言えませんが、その理解が進めば、いずれ朱雀大路が三条通りまでずどっとできればすごいなと思っています。

 国営公園の事業の展開の中で、ほかの地域にない話だから、それは平城宮跡という現地であるという値打ちが、ほかの古都には場所がないんですね。長安も、京都も平安宮も、場所はわからないですよね。奈良はたまたまひなびてしまったから残ってたというのがすごい値打ちだと、世界遺産の対象にもなって、それを大事にしなきゃと、文化庁にも国交省にも思っていただいて、国営公園の整備が進んできています。

 南門が、あれは令和4年の完成かな、夏前には棟上げ式があるように聞いています。これも棟上げがあると、年末に見に行きましたが、立柱式で4本の柱を立てて今、18本の柱が皆立って、2階の整備をされていますので、そこを棟上げができたら棟上げ式、皆さんも内覧していただくことになると思います。日はこの夏前になるかなと思いますけど、一つまた弾みになりますよね。平城宮跡の国営公園の整備というのは、奈良にとってはとてもありがたい、大きな話だと思います。今度の大宮通りのコンベンションセンターなどの向こうの方の、南の方の整備というのも、公園のほうが平城宮跡の展開にマッチするのかなと思います。商業施設は、そういうものがあると周りにも建つ可能性がありますので、あとは近鉄線の移設が南に来れば、朱雀門駅ができればね。サン・セバスチャン(スペインバスク州の都市)は人口18万の都市で地下鉄と。町がすごくきれいなんですよね。奈良は広告で汚い面があるけれども、だんだんきれいになればと願っています。

産経新聞:
 朱雀門を、地下に近鉄を通して朱雀門駅をつくるということですね。

知事:
 つくると。で、あそこは地下になると木簡の水を阻害するということなので、平城宮跡の南側は高架で来て、途中から大宮通りの地下に入るという構想です。大宮小学校の前あたりに新大宮駅。それから、県の希望は油阪駅に復活してもらって、JRと接続して、リニアの駅がどこかに来ても、やっぱりJR関西本線とどこかで交差するから、近鉄が接続するポイントも大きなポイントになるんじゃないかということで、近鉄にお勧めはしています。

 で、近鉄は、奈良駅から奈良春日野国際フォーラム甍の前というか、春日大社まで一線延ばしてもいいかという感触はあったんですが、それは我々が事務的に議論している夢みたいなものですが、鉄道としては十分あると。すると、春日大社方面の県庁東からの渋滞は相当解消されるかもしれないし、インバウンドで遠くから来る人はやっぱり相変わらずバスで来られるから、近鉄から歩いて上られる方がいて、興福寺前で鹿煎餅を買って配られるお客様は減るかもしれない、地下鉄が向こうに行くと。しかし、帰りにまた配られるかもしれないというような、風情が変わってくることを想像、想定しています、県としては。だから奈良市の骨格整備、それはほとんど県の財産でするんだから、宿泊税を取るとかというのとは、もう全然規模が違うでしょうと。こうやっていることから言うと、私も言いたい面もあります。ちょっと言いわけみたいなことばかりで恐縮ですが。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集し、質疑テーマごとにまとめています)

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