デング熱とは、デングウイルスによっておこる急性熱性感染症で、このウイルスを保有する蚊に刺されることによって感染します。ヒトからヒトへは直接感染しません。
近年は、媒介する蚊の多い熱帯・亜熱帯地域の海外で感染し、国内で発症する方が200例前後報告されている状況ですが、平成25年8月に日本を周遊した後ドイツに帰国して発症した事例が報告され、国内感染を疑わせる事例として厚生労働省が情報提供を行っていました。
平成26年8月、海外渡航歴のない10代の日本人女性がデング熱と診断され、国内での感染が約60年ぶりに確認された旨厚生労働省より通知がありましたのでお知らせします。
デング熱とは
デングウイルスというウイルスが、ネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介される感染症で、主な流行国はネッタイシマカの多い東南アジア、南アジア、中南米、カリブ海諸国ですが、アフリカ、オーストラリア、中国、台湾においても発生が見られます。
感染後3~7日後、突然の発熱で始まり、頭痛、筋肉痛、関節痛等を伴い、発疹の出現を経て1週間程度で軽快する「デング熱」と、出血傾向(鼻出血、消化管出血や皮下の点状出血等)やショック症状を伴う重篤な「デング出血熱」の二つの病態があります。
ヒトが感染しても、発症する頻度は10%から50%で、発熱、頭痛、筋肉痛や皮膚の発疹等が症状として現れますが、予後は比較的良好な感染症です。
『ヒト(患者) ―蚊― ヒト』 という経路で蚊を媒介して感染しますので、ヒトからヒトに直接感染することはありません。
日本では、輸入感染例(海外で感染し、日本で発症する事例)を含め、重篤となる「デング出血熱」の病態を示すことはほとんどありません。これは、一般的に重症化するのは、異なる血清型のウイルスに重複感染(あるいは追感染)した場合によることが原因であり、患者の少ない国内(あるいは常発生国における短期滞在)では重複感染する機会が少ないためと考えられています。
奈良県における蚊媒介感染症対策について
県は、国の「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針」(平成27年4月28日策定)に基づき、県内での蚊媒介感染症患者の発生時等に、迅速に対応し、まん延を防止することを目的に、関係者と連携し、必要に応じて平時から取り組みます。
なお、平成27年度の平時の具体的な措置は、県民等への予防方法の普及啓発とリスク地点の選定・評価です。リスク地点の選定に関しては、国土交通省公表「府県別 訪日外国人滞在者数マップ(平成27年年6月現在)」を参考に選定しました。リスク評価をするために蚊の生息状態調査を実施し、リスク地点の管轄である奈良市と協議のうえ実施しています。
詳しくはこちら↓
●奈良県における蚊媒介感染症対策(平成27年7月)
●奈良市保健所ホームページ(蚊の生息状況調査について)
デング熱Q&Aについて
厚生労働省がQ&Aを作成し、公開しています。
以下のリンクよりご確認下さい。
最新の情報について
厚生労働省及び国立感染症研究所が、それぞれ国内の報告数(感染症患者として医療機関から報告された患者数)や関連通知などを特集ページで公開しています。
以下の関連リンクよりそれぞれのページにリンクしていますのでご確認下さい。
県民の皆様へ
奈良県感染症発生動向調査では、平成18年~平成26年8月末までの期間に、13例の届出がありましたが、いずれも海外において感染した事例です。全国では、年間200例前後の海外での感染事例の届出があり増加傾向を示しています。
すべての蚊がデングウイルスを保有している訳ではありません。
また、国内の感染症例の場合には、現在のところ限られた場所での発生が疑われているところであり、蚊に刺されたからと言って、過分に心配する必要はありません。
蚊に刺されないための対策として、屋外で活動をされる場合には長袖・長ズボンを着用するなど肌の露出を減らすほか、忌避剤(虫除けスプレー、蚊取り線香等)を活用いただくなど虫除け対策を行ってください。なお、蚊に刺されて発熱などの症状がある場合には、かかりつけの医療機関等を受診してください。
※蚊に対する対策(防除)についてはこちらをご参照下さい。
(奈良県消費・生活安全課 営業指導係HP)
衛生害虫等蚊(ヒトスジシマカ、アカイエカ など)に関する事
⇒ http://www.pref.nara.jp/dd.aspx?menuid=14220
蚊に対する対策 蚊の防除について
蚊に対する対策 ~特にデング熱の原因となるヒトスジシマカにご用心!~(チラシ)
啓発ツール
デング熱対策についてご理解頂くためのポスターを厚生労働省にて作成しておりますので、情報提供します。啓発活動等にご活用下さい。
デング熱 用心編 [268KB]

デング熱 発生源編 [372KB]

関連リンク
厚生労働省:「デング熱について」
※平成26年10月31日以降、国内でのデング熱感染例が確認されていないため、定例での報道発表は中止し、今後は事案発生時に報道発表される予定です。
厚生労働省:「デング熱に関するQ&A」
厚生労働省検疫所:お役立ち情報「デング熱」
国立感染症研究所:「デング熱とは」
国立感染症研究所:「デングウイルス感染症情報」
国立感染症研究所:「注目すべき感染症『デング熱の国内感染症例について』」IDWR2014年第34号
届出基準 / 発生届け
厚生労働省:感染症法に基づく医師の届出のお願い
< 自治体、医療機関向けの情報 > (厚生労働省)
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