教育長メッセージ

 教育長のメッセージ
  
 皆さん、こんにちは。このページでは、奈良県教育の現状や課題、それらに対しての取組や今後の方向性などについての思いを、県民の皆さんにご紹介いたします。

平成28年 仕事始め 職員への挨拶

 新年を迎え、皆さんには、心新たに仕事始めの日を過ごしておられることと思います。

 昨年12月には、県立学校において大変痛ましい事故が起こりました。一つの尊い命が失われたということを教育委員会全体で重く受け止め、学校は何よりもまず子どもたちの安全、安心を守る場所であるという原点に立ち返り、二度とこのようなことが起こらないよう、再発防止に向けて真摯に取り組んでいきたいと決意している次第です。

 さて、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正にともない、知事主宰による総合教育会議が昨年より開催され、奈良県教育振興大綱の策定に向けての検討が進められています。大綱では、本県教育の方向性とともに、教育体制の在り方や教育課題への対応方法などが、「縦軸」と「横軸」という連続性を重視しながら示されることになります。
 子どもの発達段階を見通した連続性のある学びを追究するため、学校では、学年間の連携はもちろんのこと、異校種間の接続を意識した取組が必要になります。本年度より中学校区内の小学校と中学校が合同で行う授業研究に指導主事を派遣していますが、これは、小学校と中学校の教員が共に課題を共有し、地域の子どもたちの成長を見守ることは何より大切だと考えているからです。今後は、就学前教育との接続や学校教育を終了し社会に出てからも学び続けることができるような力をどう付けていくか、更に先を見通した教育が必要になってくると考えています。
 方向性を一にした縦の連続だけでなく、子どもたちを取り巻く横の連携も大切です。学級間、学校間はもとより、家庭や地域と連携した取組を推進していく必要があります。早い時期から家庭での学習や生活の習慣を大切にしてもらうため、「家庭学習の手引き」を作成し、本年度中に小学校4年生の全保護者に配布します。一方、教育行政の面では、知事部局との連携や市町村との連携が今後ますます必要となってきます。奈良県教育サミットでは、各市町村長、市町村教育長に本県の子どもたちの現状をお示しし、課題の共有をしています。大学等の関係機関との連携も推進していきたいと考えています。現在、教職員の研修体制の充実に重点的に取り組んでいますが、その中で、奈良教育大学及び県内小学校と連携して採用2年目の小学校若手教員の研修を行うことができました。今後もこのような取組を様々な分野に広げていくことができればと考えています。
 皆さん自身の仕事は縦横にどのようなつながりを広げていくことができるのか、今一度想像していただきたいと思います。

 「最高の教師は子どもの心に火をつける」という言葉があります。教育に携わる皆さんがつながりを深め、子どもたちにより多くの学びの火をともすことができる実り多い一年になることを心から祈念申し上げ、新年の挨拶といたします。


 平成28年1月4日
                                                      県教育委員会教育長 吉田 育弘