奈良新聞掲載記事集

令和4年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和3年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和2年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成31年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成30年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成29年度 奈良新聞掲載 「農を楽しむ」

金時ニンジンについて

 新年、明けましておめでとうございます。お正月ですので、皆さん、おせちやお雑煮を召し上がってらっしゃるかと思います。
 おせちやお雑煮に入っている正月野菜と言えば、雑煮ダイコン、サトイモ、金時ニンジンなどが思い浮かびます。その中で今回は料理を赤く彩る金時ニンジンについてお話しします。
 ニンジンには、東洋種と西洋種の2種類があります。ニンジンの原産地はアフガニスタン周辺と言われており、シルクロードを通って東に伝わってきたものが東洋種、トルコからヨーロッパに伝わったものが西洋種のニンジンの祖先とされています。
 現在栽培流通しているほとんどの品種は西洋種で、東洋種は金時ニンジンのみになります。東洋種のニンジンは、西洋種よりも早く日本に伝わり、江戸時代には栽培されていたとされ、戦前までわが国のニンジン品種の主体をなしていました。
 しかし、食生活の変化や生産性向上を図るため作りやすい西洋種に移り変わっていき、金時ニンジンは現在では近畿や四国などで栽培されている程度です。
 金時ニンジンは夏に種をまき、秋から冬の涼しい時期によく肥大します。普通のニンジンに比べて、細長く鮮やかな赤色が特徴で、おせち料理の煮しめや雑煮の具にかかせません。
 また、金時ニンジンはトマトやスイカ等と同じくリコピンを多く含みます。リコピンはカロテノイドの一種で、強い抗酸化作用による生活習慣病の予防効果が良く知られています。
 ニンジンは様々な品種があり、多様な作型で年間を通じて供給されていますが、金時ニンジンは晩生でトウだちが早く出荷時期はお正月を含めた11~3月頃になります。
 この季節、スーパーなどでオレンジ色のニンジンの中で赤く目立って並んでいるかと思います。ニンジン臭さが少なく、肉質の柔らかい金時ニンジン、ぜひご家庭でもご賞味ください。

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             紅白なます

【豆知識】
紅白なますの作り方
干し柿を加えたダイコンとニンジンの紅白なますは正月のおせちの定番の一つです。紅白の色がおめでたいさっぱりした料理です。簡単に短時間で彩り鮮やかに作ることができますので、ぜひおせちの一品に加えてみてはいかがでしょうか。
材料:ダイコン、金時ニンジン(普通のオレンジ色のニンジンでもOK)、干し柿、酢、砂糖、塩
 (1).ダイコン、ニンジンは皮をむき、5cmくらいの長さにせん切りする。
 (2).(1).に塩をふって10分ほどおく。
 (3).しんなりしてきたら水気をきる。
 (4).干し柿は種をとりのぞき、手で細長くちぎる。
 (5).酢と砂糖をお好みの分量で混ぜ合わせ甘酢をつくる。
 (6).甘酢であえて器に盛る。
   ( お好みで刻んだ柚子の皮を盛り付けてもいいでしょう。)



奈良新聞で第2日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
※過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。