昨年、県下全域で大きな被害を出したトビイロウンカですが、5月17 日から5月20 日にかけて桜井市池之内の予察灯で、トビイロウンカの断続的な誘殺が確認されました。
これは多発した昨年より飛来開始が約1ヶ月早く、飛来量は平年より多い状態で、こ のことにより病害虫防除所より病害虫発生予察注意報が出されました。
1.防除について
○中山間地域(5月移植)
(1)発育シミュレーションによると、第1世代若齢幼虫期は6月中旬と予測されます。田植え時にトリフルメゾピリムを
含む箱粒 剤(フルスロットル、スクラム、ゼクサロンなど)を処理していない場合は、下記の表を参考に6月中旬に
防除してください。
○平坦地域(6月移植)
(1)トビイロウンカの飛来は、田植え期以降も続くと予想されますので、効果の長いトリフルメゾピリムを含む箱粒剤
(フルスロットル、スクラム、ゼクサロンなど)を田植え時に処理して下さい。
(2)箱粒剤を処理する場合は、規定の薬量をまんべんなく処理し、軽く散水して十分になじませてから移植を行って下
さい。
(3)トリフルメゾピリムを含む粒剤を処理しなかった場合は、7月に防除が必要になる可能性があります。7月以降の防
除については、6月の誘殺状況を踏まえて、改めて情報提供します。
表 トビイロウンカの主な防除薬剤(移植後に使用できる薬剤)
薬剤名
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IRAC
コード
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希釈倍率または使用量
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収穫前
使用期間
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使用回数
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MR.ジョーカーEW
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3A
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2,000倍
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収穫14日前まで
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2回以内
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16倍(無人ヘリ0.8L/10a)
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トレボンEW
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1,000倍
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収穫14日前まで
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3回以内
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トレボン乳剤
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1,000~2,000倍
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収穫14日前まで
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なげこみトレボン
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10個(500mL)/10a
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5葉期以降
収穫21日前まで
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スタークル/アルバリン粒剤
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4A
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3kg/10a
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収穫7日前まで
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3回以内
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スタークル豆つぶ
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250~500g/10a
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収穫7日前まで
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エクシードフロアブル
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4C
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2,000倍
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収穫7日前まで
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3回以内
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16倍(無人ヘリ0.8L/10a)
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エミリアフロアブル
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-
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1,000倍
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収穫7日前まで
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2回以内
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8倍(無人ヘリ0.8L/10a)
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※令和3年5月25日現在の登録状況です。
2.農薬安全使用上の注意事項
(1)農薬の使用時には、ラベルに記載された登録の有無、収穫前使用日数や使用回数を確認するとともに、止水期間を
遵守して下さい。
(2)水面施用粒剤やなげこみ剤を使用する場合は、湛水してから処理し、散布後7日間は落水、かけ流しをしないで下さ
い。
(3)ほ場周辺への薬剤飛散防止に努めて下さい。風の強い日は散布を控え、散布する場合であっても風向きに注意し、
収穫期に近い他作物へ飛散しないようにして下さい。
3.トビイロウンカの情報について
〇病害虫防除所ホームページ 注意報 奈良県 1号
また、下記のリンク先で登録すると情報が配信されます。
〇奈良県LINE(スマホ)
・普段はコロナ情報やイベント情報 https://line.me/R/ti/p/%40688bjyqz
・注意報発表時に配信
〇携帯緊急情報配信システム(携帯のみ) http://www.pref.nara.jp/10687.htm
・注意報発表時に配信