施業放置林の整備
豊かな森林は、環境資源として大きな価値を有し、人々の生活に貢献しています。しかし、近年の林業経営を巡る厳しい状況の下、森林整備が十分に行われなくなり、管理の不十分な森林が増加しています。整備されていない森林は、林内が暗く下草が育たないため、土砂が流出しやすく、保水力も低下しています。
このような森林を整備するため、奈良市、天理市、桜井市、御所市、葛城市、三郷町、高取町、明日香村の各市町村で施業放置林解消活動推進事業(平成30年度まで)、施業放置林整備事業(令和2年度まで)を実施しました。
令和3年度からは、新たに混交林誘導整備事業に取り組んでいます。
混交林誘導整備事業
令和3年度からは『混交林誘導整備事業』が始まりました。この事業では、施業放置林において数箇所の小面積択伐を実施し、地域の特性に応じた広葉樹等を植栽するとともに周辺の間伐を実施します。これにより、地上部は複数の樹種や高さの異なる樹木と草本類に覆われ、地下部は様々は根が張りめぐらされた崩れにくい防災機能の高い森林(混交林)へと誘導します。
施業放置林解消活動推進事業(旧名称奈良の元気な森林(もり)づくり推進事業)
森林整備の普及啓発を行う施業放置林整備マネージャーを任命し、森林所有者に対して、森林の持つ多面的機能の重要性の説明や、森林整備を支援する為の各種事業を紹介しました。
※平成30年度で修了。
施業放置林整備事業(旧名称森林環境保全緊急間伐事業)
本事業は、10年以上間伐されてないスギ・ヒノキの放置人工林に対して、森林所有者と県と市町村が三者協定を締結し、強度の間伐(早期の針広混交林化が困難な状況にある箇所については、強度間伐に併せて、広葉樹の植栽を実施)をすることで、針広混交林への誘導を図りました。「奈良県森林づくり並びに木材産業振興指針」に基づき「環境保全林」に区分された森林(施業放置解消林)が対象です。また、従来の景観保全上重要な自然歩道等や自然公園区域に加え、「安全・安心」の観点から人家周辺の山地災害危険箇所や集落水源の集水区域などの区域も対象です。
※令和2年度で修了。
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実施前(例) |
実施後(例) |
里山の整備
平成18年度から、『里山林機能回復事業』、平成23年度から令和2年度までは『地域で育む里山づくり事業・獣害につよい里山づくり事業』を実施しました。生駒市、大和郡山市、橿原市、桜井市、斑鳩町、平群町、上牧町、明日香村の各市町村で、ボランティア団体が熱心に里山の緑を守る活動を実施しました。また天理市、橿原市、桜井市、葛城市の各市において、獣害対策の森林整備を実施しました。
※令和2年度で修了。