|
|
吉野山の桜といえば、一目(ひとめ)千本。麓から下(しも)千本、中(なか)千本、上(かみ)千本、奥千本と世界遺産の山肌を染め上げていく、天下に名高い名所です。
その歴史は大層古く、約1300年前、修験道(しゅげんどう)(日本古来の山岳信仰が仏教に取り入れられてできた宗教)の開祖・役小角(えんのおづぬ)(のちの役行者(えんのぎょうじゃ))が桜の幹に蔵王権現(ざおうごんげん)を刻んだことから、ご神木として崇(あが)められ、祈りを込めて植えられるようになったと伝えられています。以来、修験道の聖地を豪華絢爛(ごうかけんらん)に彩ってきました。
徳川家康をはじめ、名だたる武将や茶人など5,000人をお供(とも)に豊臣秀吉が開いた大花見は、後世に伝わる語り草。今も見頃の時期は1日3万人、全国からシーズン延べ7,000台の観光バスが乗り入れ、40万人が絶景を楽しみます。
もちろん、吉野山は桜のみにあらず。蔵王権現を祀(まつ)る世界遺産の金峯山寺(きんぷせんじ)をはじめ、由緒ある社寺や史跡巡り、世界遺産登録後に人気が高まっている大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)など見どころは数知れず。今年は桜の時期をはさんで、国宝・金峯山寺蔵王堂の奥深く鎮座してきた秘仏本尊「蔵王権現像」が特別開帳されるのも見逃せません。吉野葛や柿の葉寿司、伝統薬の陀羅尼助(だらにすけ)など名物や特産品も目白押し。旅の疲れは吉野山温泉で癒やせます。
国立公園でもあり、圧倒的な歴史が積み重なる祈りの聖地、吉野山。四季折々の姿を見せる自然と文化が、訪れる人々を包み込みます。
|
|
「桜」
今年の開花予想は例年より少し遅め。4月上旬から開花が始まり、下旬にかけて花見が楽しめそう。
|
|
|
|
「金峯山寺」
金峯山寺蔵王堂・秘仏本尊特別開帳
3/31(土)〜6/7(木)
拝観料1,000円、中高生800円、小学生600円
(電車で)
近鉄吉野駅から徒歩約1.3km。
ロープウェイ吉野山駅から徒歩約500m。
(車で)
西名阪自動車道「郡山I.C.」から約1時間45分
* |
桜の時期は交通規制があります。公共交通機関をご利用ください。 |
|
|
|
|
「吉野山まちづくり協議会」
1300年の歴史ある世界遺産の吉野山。この地に暮らす誇りを胸に、かけがえのない景観が千年後も変わらぬようにと願いを込めて会を結成。景観保全に努め、主な活動は建造物や桜の保護、景観マップ作成など。地元住民を主体に環境省や県、大学関係者など約50名が未来に向けて活動しています。
(談:古澤 登会長・写真左、東 利明副会長)
|
|
|
|
「山の尾根沿いに建つ家々」
山の尾根に沿った、馬の背状の土地に広がる吉野山の町並み。通りからすぐ横が急斜面になっていることから、1・2階建てに見えても下に何階も建築されているところもある。 |
|