第20回奈良県教育懇談会(議事速報)
◇懇談会日時
平成17年7月4日(月) 13:30 〜 16:30
◇場 所
奈良市登大路町38 中小企業会館
◇議事概要
(1)討議されたテーマ
「規範意識の向上と社会性の育成について」
(2)主な意見は次のとおり
<戦後の社会、教育の流れと現在の子どもたちの状態について>
・自分の経験から、束縛されるものが無くなると、人はよほど強い意志がないと自分を律する
ことが難しいということ。昔に比べて、今の子どもたちは、いろんな場面での自由度が大き
い。子育て中の親は、子どもとって、この自由は今与えるべきか、否かということについて
もっと注意を払うべきだと思う。
・教育は、社会の動きや状況に合わせて変化してきたことがよくわかった。ただ、現在は「知
の大競争時代」と呼ばれるような時代であるが、思春期の子どもが起こす痛ましい事件等を
聞くと、学校教育では、基礎的学力も大切だが、感性の部分についても見直しが必要ではな
いかと思う。
・日本では宗教的タブーに変わるべき倫理面での何か束縛が必要なのではないか。また、教え
ることに対してもっと厳しさをもつことが必要だと思う。
・観念的なことだけでなく、あいさつなど具体的な行動規範等をきっちりさせるべきではない
か。
・現代の子どもたちを、ややマイナスでとらえすぎてはいないか。厳しい指導は否定しないが、
子どものプラス面を信じる指導が必要ではないか。夢やロマンを子どもに示せる教師が必要
だと思う。
・TVゲーム等の映像による悪影響は、やはり何とかしないといけない。
<社会性について>
・社会の形成者として必要な資質・能力を身につけることを「社会性を育成すること」として
良いのではないか。
・子どもに、社会に役立つことを自ら考えてやらせてみることも大切である。ただ、その後、
やりっ放しではなく、やったことについて発表し、効果や課題について検証させると、表現
力や行動についての評価の力もつくだろう。
・勤労や奉仕も社会性の概念としてとらえるべきではないか。
・幼児から高校生までの各段階における目標を設定することについては、画一的な基準になら
ないか危惧する。
・例えば思いやりの心の基本は、他人の事を思い描けるイメージ力だと思う。
・最近は、家での子どもの役割(仕事)が無くなってしまい、「小さいけれどみんなの役に立
っている」という感情が持ちにくくなっている。これが、社会的役割を獲得する事の障害に
なっている。
・生活の中で、恥じる心(恥の文化)が崩れてしまっているのではないか。
・「誇り」を子どもの心の中に育てる必要があると考える。
◇今後の予定
社会性の育成について議論を更に深めていきたい。
◇備 考
初回からの懇談会の議事概要をHPにて公開中
奈良県教育懇談会へのご意見も募集中
教育懇談会トップページへ