第11回奈良県教育懇談会討議の概要
 
 
◇日時  平成14年10月15日 9:30〜12:00
 
◇場所  奈良市法蓮町 「春日野荘」
 
◇発言のポイント
 
T意見交換
 
 
教育懇談会トップページへ
  
 

◇議事概要
 
T意見交換
 
※議事資料
 
 
【会長】それでは、只今から懇談会の討議に入ります。本日の議題は四つありますが、次第に従い進行します。
 まず、第1号の議題の「第10回教育懇談会討議からの課題について」の討議を行います。
 前回の第10回懇談会において、各委員から事務局へ投げかけていただいた主な課題に対する事務局からの書面説明(「第10回教育懇談会から事務局へ提起された課題に対する取組・今後の方向または見解」)を事前に送付しました。既にお目通しのことと思いますので、この書面説明に対しての質問とかご意見等をお聞きしたいと思います。
 第1番目の幼・小の接続に関連して、何かありましたらお願いします。
 特にないようでしたら、第2番目の子育て・教育支援ボランティアに関連して何かありましたらお願いします。
 これについても特にないようですので、第3番目の研究指定校における研究の進め方に関連して何かありましたらお願いします。
 
 
【委員】東京などでもよく行われているのですが、東大の教育学部の教授に学校へ来ていただいて、何年間かかけて一緒になって学校をよくするという取組をされています。このように3番の提案は、できるだけ責任を明確にするという意味で、例えば、A大学のB教授が担当されたのなら、その学校についてはB教授が英知を傾けてその学校の指導に当たり、その結果とB教授の責任を世の中にオープンにしていく。教育研究所が別の学校を担当されたのなら、それも同様に世の中にオープンにしていくという提案であったのですが、こういう方法で取り組んでいくことについてはいかがでしょうか。
 
(この大学の先生がこの研究学校のご担当と公表して取り組む形は、今後の課題。)
【学校教育課】県教育委員会指定の研究学校につきましては、それぞれの担当課名及び担当指導主事名を明
確にして、連絡協議会等で各学校にお知らせしています。ただ、ご提起いただいているように、この大学の先生がこの学校のご担当というところまではまだできておりませんので、今後そういう形も研究する必要があると考えています。
                                         トップへ
 
【教育研究所】何年か前には研究所でも、指定校を設けて研究を進めたことがありましたが、現在のところは指定研究員という制度があり、現場の先生方に研究所へ来ていただいて研究をしていただくことになります。この場合、その先生から在籍されている学校にお願いをしていただいて研究を進めていってもらうことになります。
 
 
(研究と実践とをつなぐことで実践研究の質を向上させるというのは、全国的な流れでありこれからの課題。)
【委員】教育大にかかわらず女子大も他の大学も含めて大学人が、個人的には学校に入って校内研修とか授業研究とかを行う場合がかなりあります。学校や教育委員会は、大学人と教師集団との連携の問題や、課題についての考え方の違いがあるというご懸念をお持ちであると思います。ただ今、全国的に研究と実践とをつなぐという大きな流れとなっています。また、そのようにしないと、実践研究が本当の意味での質の向上をしないと言われています。
                                         トップへ
 
【会長】有り難うございました。では、その次の4番目の課題である総合的な学習に関連してご質問やご意見がありましたらお願いします。私からも少しお伺いしたいのですが、教育委員会の研究指定というのに対する学校教育課と研究所の役割の違いというものがあるのでしょうか。
 
(教科等は学校教育課が、総合的な学習の時間については教育研究所が主体的に現場を指導するという一定の役割分担がある。)
【教育研究所】総合的な学習の時間の研究につきましては、学校教育課の方から研究校を指定しています。ただ、教育研究所と学校教育課とは、学校への指導について一定の役割分担をしており、教科等については学校教育課が主に指導に出かけ、総合的な学習の時間については教育研究所が主に出かけるということになっています。従って、教育研究所には指定校はないのですが、研究所の研究指導主事が各学校の指導に回っているので、その中ですばらしい実践であると判断したものをここへピックアップしています。
                                         トップへ
 
(総合学習の評価の問題をどう乗り越えるかが課題。)
【事務局】事務局を預かっている立場から役割分担ということの補足をすれば、ごく最近出てきた総合的な学習の指導を研究所が先に各学校現場に入ったという経緯もあるのです。
 ところで、この総合学習についての評価ということについては、非常に大きな課題だと思っています。現実にまだ評価システムというのは確立はしていないという認識を、私自身は持っています。つまり、子ども達に生きる力をつけるとか、自分で物事を考える力をつけるということの評価をどうするかということは非常に大きな問題であると思うわけです。もし現場の先生方で、「いや、やっているよ」と、いう取組がありましたら是非ご紹介をいただきたいと思います。
                                         トップへ
 
(総合学習の評価は、ねらいの中で作成していく作品のポートフォリオで。今後、生徒自身による自己評価の方法も検討していく。)
【委員】現場では、総合学習の評価について大変苦慮していることは事実です。ペーパーテストなどでは判断できませんが、例えば、自ら考えるとか学んでいくとかという大きなねらいがありますので、そのねらいの中で作成していく作品をポートフォリオという形で個人別に集めて評価をするという方法とっています。これから取り入れようとしていますのは、子ども達がやった後の自己評価及び友達の間での相互評価、そしてそれを教師が見るという方法を検討している段階です。
                                         トップへ
 
(総合学習の取組の現状は、子ども自身がまだまだ受け身である。「子どもの参画」という理論化されたものを指導者が学ぶべき。その理論では、子どもが自分自身で問題を認識し、分析し、実際に行動を起こす。そして子ども自身で自己評価をし、うまくいかなければもう一度最初に戻ってやり直すというサイクルで学習が進められる。)
【委員】総合学習ということについて、少し意見を述べさせていただききます。
 小学校3年生と中学校1年生の我が子が、総合学習を受けております。小学校の子は「町探検」というのに出かけ、郡山の旧市街の堀や商店街を見たり、古いお家を訪ねて回ったようです。
 中学校の子は、「バリアフリー」というテーマでの学習でした。まず、『五体不満足』の中の抜粋をクラスで読んだ上で、実際に車いすで生活しておられる方のお話を学校でお伺いし、そして、社会見学も兼ねて郡山にある施設を、どれだけバリアフリーが進んでいるかという目で見て回ったようでした。新しくできた郡山城ホールや商業施設としてはジャスコと西友があるので、各班に分かれて見て回りました。
 総合学習の取組を子どもから聞いて、「ああ、受け身だな」というのが私の印象です。バリアフリーを学ぶのは、すべて大人からの情報や知識を得るだけで、自分達は座って聞くだけなのです。ジャスコや西友がどれだけバリアフリー化しているかを見には行くのですが、それは知識を与えられた者が実際どうなっているかを最終段階で見に行っているだけで、決して発見ではないわけです。
 町探検にしましても先生達が大体お膳立てされておられ、この地域に子ども達が伺うのでよろしくお願いしますと、前もってお電話もされているようですし、子ども達があそこの家に行こうとか町を知りたいとかいうのではなくて、町を見たらどうという先生の提案に対して、じゃあ、授業だから行こうかみたいなところがあると思います。
 総合学習に限らず、子ども自身が興味を持ったこと、自分が知りたいと思うことは、放って置いても自分から勉強したり探究していくものであることは、先生方が一番よくご存知だと思うのですが。
 
 昨日、奈良県文化会館で「子どもの参画」というテーマの講演会に参加しました。「子どもの参画」というのは、1997年ぐらいから言われ出したことで、アメリカのニューヨーク大学の教授のジャー・ハートさんが実際に理論化されたものなのです。「参画」というのは「参加」とは違い、今、男女共同参画といわれることからでもご存知の方もおられると思うのですが、単にお膳立てされたものに参加するのではなくて、計画段階から子ども達が加わってつくり上げていくというものです。この「子どもの参画」ということを言われているハート教授の講演を少し紹介させてもらいます。
 第1ステップは問題の認識です。子ども達に問題を発見させる、自分達で見付けさせることです。
見付けた問題に対して、どのようにして取り組めばよいかという問題の分析をさせます。この問題の分析が、第2ステップです。分析手法として、ハート教授が提唱され、世界のいろいろな国で行われているようなのですが、マッピング、即ち地図づくりというのがあります。例えば、子どもの自分の遊び場に犬のおしっこやうんちがいっぱい落ちていて遊べないという身近な問題を子ども達が提起した。その問題の現状を正確に知るために、実際に自分達の地域を区切ってマッピングします。こことここには特に沢山の犬のおしっこがある、ここはうんちがあるといった感じで、地図が出来上がるわけです。それが分析ということになります。
 そして、次のステップ3ではアクション、実際の行動を起こします。実際の行動というのは、子ども達が書いた地図を、その地域のお店や人が集まるところに貼ります。こんなに沢山の犬のふんがいろいろなところに落ちていますというコメントを添えて貼らせてもらうわけです。さらにアクションを進めて、それでは、こういった犬のふんを処理するためにはどうしたらよいかということで、犬の糞を処理しやすいスコップを改良したような道具を子ども達で作って販売しようという動きになり、これをいろいろな方法で情報として出します。すると、地域の大人はそれを見て非常に恥ずかしい思いをするわけです。
 ここからがステップ4なのですが、問いかけていったことによって何かが変わり、社会が変わったということを子ども達は経験するわけです。つまり犬のふんやおしっこが減った、少なくなった。実際にスコップは売れなかったそうですが、そのスコップを買ってくださいという意思表示をしたことによって、大人達にアクションを起こしたことの評価を行うわけです。この自己評価が第4のステップとなるわけです。
 このように「子どもの参画」というものは、子どもが自分自身で問題を認識し、分析し、実際に行動を起こす。そして社会に対して何らかの変化が起きた場合、どこまでうまくいったかどうか、各段階がうまくいったかどうかを自己評価をするわけです。もし、うまくいかなかったら、なぜいかなかったのかをもう一度最初に戻ってやり直すという形で進めるわけです。いろいろな国の事例を紹介されていましたが、とてもうまくできているように思いました。
 これと対比して、うちの子ども達のを見ていますと、問題認識がまずないということです。つまり、バリアフリーは大事なのだと大人から言われて、車いすの方のお話を受け身で聞くというのではなく、例えば、現実にうちの子どもの学校には車いすに乗っている同級生のお子さんが在籍されているわけで、子ども達に気付かせるような形にもっていくのが理想ではないかと思います。そのためのサポーターに教師はなるべきです。
 今申し上げたように理論化された指導法があるのですから、現場の先生達にはもっとこのような情報が伝わるような研修なり学習なりをしていただければと思います。昨日も文化会館の小ホールが一杯で立ち見が随分出たのですが、教育現場の方というのはそんなにはおられなかったようでしたので、是非、先生方の手助けができるような研修を、教育委員会なり研究所で取り組んでいただけるとよいと思いました。
                                         トップへ
 
(総合学習は決して体験学習ではなく、何かの学力に結びつかなければいけない。また、「事実を見詰める→仮説→調査・観察→結論」の過程が総合学習の中で大事。)
【委員】私が現場の小・中学校に指導していますのは、総合学習は決して体験学習ではないのだということです。触ったり見たり行ったりしたりすることだけでは、総合学習ではない。やはり、今もお話されましたように、何かに対する事実、これを見詰める。それに対して、その事実が何であるのかを探求することです。例えば、月が満ち欠けをするというのは、私達が既成概念として知っている事実ですが、子ども達が満ち欠けする事実をしっかりと見詰める。そして、なぜ満ち欠けするのかの仮説を立てる。その仮説というのは、科学における芸術だと言われるぐらい非常にすばらしいことなのです。そして、自分の立てた仮説に対して、自分の方法で調べてみる、調査する、継続観察をする、そして結論を出す。こういう過程の重要性をかつては現代化の中で言われたわけですが、やはり総合的な学習の中でも非常に大事なことだと思います。
 そして最後に、調査研究をし、その結果をグラフ化するとか、あるいは統計処理するとか、そういう科学の方法を導入していくのが総合的な学習だろうと思います。従って、私は現場には何らかの学力に結びつけてほしいとお願いをしています。明日香学なら明日香学という学習の中で、調査したものを発表する力をつけることも一つで、その場合にどのようなグラフを用いて発表するかというグラフ化の手法や統計処理の手法が出てくると思います。このように何かの学力に結びつけないと、この総合学習はつぶれてしまうことになると思います。
 文部科学省は、総合学習の評価については数値的なものでなく文章で表現をするとしています。従って、先生方は、今申しました四つの過程をしっかりと見詰めて、そしてそれに対して的確な文章表現による評価をしていくべきだろうと考えています。
                                         トップへ
 
(皆さんが試行錯誤でやっておられるので、すばらしい取組や学習をもっと広報する努力を。)
【委員】いろいろすばらしい取組や学習をしておられるという報告を聞きましたが、みんな迷いながらやっておられると思いますので、県の広報誌や教育関係誌などで、すばらしい事例について県民にもっと知らせるという努力をしていただきたいと思います。詳しいことが全部書けないのであれば、詳しいことはインターネットの中に書くなどして、知らせる工夫をお願いしたいと思います。
                                         トップへ
 
【会長】それでは、最後5番目の課題である道徳教育に関連したご意見、ご質問がないようでしたら、次の議題に移りたいと思いますが、いかがですか。
 
 
(研究指定校の指導にはやはり指導主事が中心になってやるべきで、それで解決できないときには教育大の先生にご相談を、という形であるべき。)
【委員】3番目の研究指定校の課題に少し戻ってしまうのですが、学校教育課や教育研究所あるいは教育大というものが現場の教育実践研究に対して、どれもが非常に大事であると思うのですが、研究指定校の指導には私はやはり指導主事が中心になってやるべきではないだろうかと思います。そして、現場あるいは指導主事が迷ったり解決の方法を見出せないときには教育大の先生にもご相談をするというように立場を明確にしないと、指導主事の役割というものが非常に不安定になってくるのではないかと思います。
 それで、2ページの研究所の文章の下から5行目ですが、「研究所が協定を結び・・・」と書いておられますが、教育に関してどのような協定があるのかということを非常に疑問に思うので、少しご説明をいただければと思います。
                                        トップへ
 
【教育研究所】奈教大との「協定」についてですが、特に、いじめ、不登校等の教育課題の解決について、奈良教育大学の「教育実践総合センター」と連携を取りながら進めていくという協定を、2年くらい前に県教育委員会と奈良教育大学とで結んでいます。従って、特に、いじめ、不登校の問題については一緒に研究したり、あるいは奈教大の発表があるときには教育研究所から県内の先生方にお知らせをしたり、また、教育研究所の職員が奈教大へ話をしに行ったりという形で進めています。現在のところ教科指導についての研究は、この中には含まれないということです。
 
 
【会長】前回の懇談会に八つ課題がありましたが、後半のほうの議論の時間を十分取れなくて、もう一度時間を設けるということになっておりました。後半と申しますのは、5番目が、「思いやりのある人と責任感のある人を育てるにはどのようにすればよいか」ということで、それから、6番目と7番目は、これは「教員の資質に関する課題」であり、これは本日のメーンテーマともなっていますので、そこでご討議いただきたいと思います。それから8番目に、「土曜日や日曜日は家庭へ返す」という課題でした。このように5番目と8番目の二つが残っていましたので、これらについてご意見がありましたらお願いしたいと思います。
     (意見なし)
 それでは、特にご意見がないようですので、本日の2番目の議題の「小・中学校の教員の資質向上」に入りたいと思います。資料は、「教育懇談会中間提言に対する平成14年度事業の進捗状況」と書いたbPからbRまでの事前送付したプリントです。
 この資料のbQにある「5.県民から信頼される教員を目指して」の中の「教員採用試験の充実」、「教員の評価」、「指導力不足教員の処遇」について教職員課から、できるだけ具体的に分かり易く説明をお願いします。
              
 
(教員採用試験での模擬授業を含む面接を本年度実施して、概ね有効であった。教員の評価は、次年度の検討課題。指導力不足教員等の対応は、「教員の資質向上に関する検討委員会」から本年12月に最終まとめをいただく予定で、この報告を受けて平成15年4月人事に活かしていく。)
【教職員課】この懇談会でご提言いただいた項目のまず最初は、「教員採用試験の充実」です。平成15年度の公立学校の教員採用候補者選考試験の二次試験の合格者を、9月27日に発表しました。今年度は、従来と異なり第一次選考試験で採用予定者数の1.5ないし2倍を合格とし、第二次選考で模擬授業を含む面接を1人当たり約30分という時間をかけて実施しました。その後、面接官や担当者からいろいろ意見を集めたところ、面接時間を十分にとることができて、人物評価が確実にできるようになったということでありました。例えば、模擬授業の折、試験官を児童生徒と見なして授業してもらうといった場合、授業のときの教師(受験者)の表情を見ることができ、もし採用されたときに児童生徒と教師との人間関係がどうなっていくだろうかということがほぼ推定できるということでなかなか良かったということでした。さらに、二次選考の意味が従来よりも明確になって、受験者にも緊張感があったということで、概ね有効であったということであります。ただ、課題として、模擬授業等を導入したことによって、講師経験者とそうでない新卒予定者との間で授業展開にどうしても差ができやすい傾向があるということで、何年も同じ形が続けばやはり対策的になったりもしますので、そうならないように今後いろいろ工夫を重ねていく必要があるだろうと考えています。
 次に、二つ目の「教員の評価」についてですが、いただいたご提言は、勤務評定の充実と教員の待遇、すなわち、教員評価の検討とデータベース化、評価者の訓練、それから給与制度への活用の研究・検討ということでした。教職員課としても従来からの勤務評定自体に課題があると考えていますので、その見直しが必要であると考えています。
 それからその活用方法としては、海外派遣や国主催の中央研修等の教員研修あるいは人事異動などに活かしていますが、それ以上の活用にはなかなか至っていません。来年度以降、いただいたご提言に沿って教員評価の研究に入りたいと考えています。
 次に、3点目の「指導力不足教員の処遇」については、お手元の資料「『教員の資質向上に関する検討委員会』の中間まとめについて」をご覧ください。「教員の資質向上に関する検討委員会」を昨年の11月から実施し、本年の6月27日に中間まとめをいただきましたが、これについて説明します。
 次頁に、「『指導力不足教員等』の定義」という資料がありますが、これについて説明します。・・・(説明は省略。リンクの資料を参照。ただし、資料に補足された内容は、以下に箇条書きで示す。)・・・。
・指導力不足教員等というのは、まず、各学校で校長が中心となって指導を行うことが、基本的に非常に大事なことであるので、校内で継続的に指導を行っても改善が見られない教員と定義されている。・精神性疾患等が起因して子どもの教育に支障が起こっている場合は、やはり治療を優先した対応が必要になる。この場合には専門家の意見を参考にして、適切な対応を慎重に検討できるようにする必要があると考えている。
 
 次頁に、「指導力不足教員等への対応フロー図」という資料がありますが、これについて説明します。・・・(説明は省略。リンクの資料を参照。ただし、資料に補足された内容は、以下に箇条書きで示す。)・・・。
  • 校長は、早い時期に発見し解決を図るということが必要である。
  • まず指導力不足教員等を出さないということが大事なところであり、そういった教員がいる場合には、指導あるいは研修等で指導力不足教員を支援するということがまず大前提になる。それでも改善が見られない教員に対しては、職種換えであったり、あるいは分限処分等を含めた厳しい対応ができるシステムをつくるというのが基本的な考え方である。
  • 「(仮称)判定委員会」は、第三者を交えた客観的な判定機関である。
  • 「(仮称)健康審査会」は、専門医で構成する。
 
 「教員の資質向上に関する検討委員会」は、これまで8回開催していただき、只今説明しました中間まとめをいただきました。この後、さらに検討していただいて、12月の上旬ぐらいに最終まとめをいただく予定です。これに基づいて、来年の1、2月ぐらいに、「優秀な教員の表彰制度」の在り方についてもご検討をいただくことになっています。この検討委員会からの報告を受けて、具体的に平成15年4月の人事に具体的に対応していきたいと考えていますので、各市町村教育委員会あるいは各学校長に、その記録等をきちっととっていただくようにお願いしています。
                                         トップへ
 
【会長】有り難うございました。只今ご説明いただきました、教員採用試験の充実、教員の評価、それから指導力不足教員の処遇についてご質問やご意見がありましたらお願いします。
 
 
【委員】まず、指導力不足教員について、現時点での現場からの声がもう既に入っているのかどうかをお尋ねします。もう一つは、教師を目指される方はどういうことを動機として教師を目指されているのかということを、教員採用試験における面接等の事例から幾つか具体的に教えていただければと思います。
 
 
(子どもを指導する上で課題を有すると思われる教員は、トータルで216件の報告があった。教員志望者の志望動機で多いものは、「子どもが好き」「恩師の指導が忘れられない」である。)
【教職員課】まずご質問の1点目ですが、他府県とは違って奈良県での検討委員会は、実態を把握した上で検討を進めていくことが大事であると考え、昨年の12月に、各市町村教委、県立高校や盲・ろう・養護学校の実態を調べました。その時点ではまだ「指導力不足」の定義がまだ明確ではなかったので、「子どもを指導する上で課題を有すると思われる教員」ということで調査をしたのですが、トータルで216件の報告をいただきました。
 ただ、検討委員会でこの定義に従い、まず学校で対応でき改善が可能なケースなど様々に分類した結果、最終的に約30件ぐらいが今後この対応システムに乗っていくであろうと捉えています。
 次に、二つ目のどうして教師を目指したかという点ですが、採用試験の個人面接において志望動機を尋ねたときに、子どもが好きであるとか、あるいは自分が児童生徒のときに先生から受けたご指導が忘れられないという答えが多かったと思います。この質問については恐らく想定しているようですので、どうして教師を目指したかという動機ではあまり大きな差は出ていないようです。
                                         トップへ
 
(指導力不足教員の復帰を目指すのであれば、それなりの研修メニューがあるはず。その対応には、プロセスの透明性が大事。教師のライフサイクルの中で教員を育てていくこと。)
【委員】先週末に研究会があり、東京都の指導力不足教員のいろいろな報告を聞いて少し感じたことが三つあります。
 一つは、指導力不足ということで校内研修や校外研修を行った結果、東京都の場合は復帰された方の数は1けた程度で極めて少ないそうです。この報告に関わって、目的をどこに置いてどのような研修をするのかという指摘がありました。復帰を目指すのを目的にするのであれば、そのようなメニューがあるだろうと思います。
 二つ目に、そのプロセスの透明性についての質問がかなり出ていました。特に、指導力不足としての判断をするために、校長先生等々から観察記録が出てくるわけですが、非常に微妙な問題なので、それをどこまで関係の人にきちんと説明ができるのかという質問がかなりありました。
 三つ目に、教師のライフサイクルを研究している人の報告によると、若者は殆どすばらしい恩師との出会いによって教師になりたくなり、ポジティブな動機によって教師になってきているということです。しかし、その後の苦労やしんどさ、或いは努力とかいうものが殆どないままに歩んできてしまったために指導力不足等に陥っていることがあり、教師のライフサイクルの中で考えていくべき課題ではないかと思いました。
                                        トップへ
 
(先生の評価をするときは、広やかな目で先生を見ること。教師の仕事というのは、愛情の問題で情感の豊かな人に教職に就いていただくのが何よりも先決。)
【委員】教員の資質の問題は、「県民5,000人のアンケート」でも一番関心度も高く、やはり難しい問題をたくさん抱えている感じがします。僕自身も教職に長く関わらせてもらって、随分たくさんの先生方と出会ってきました。その経験の中で言えることは、やはりいろいろな持ち味の方々が
おられ、それが教育現場では非常に大事なことではないかと思います。例えば、自分自身が受けた教育の中でも、いろいろな先生に出会った中には反面教師的な先生との出会いもありましたが、それも非常に濃い思いの中で一つの意味を持っているわけです。また、子ども達の目からみる先生像と保護者達の視点と随分差異があることもあります。この場合、子ども達は先生方を案外よく見ているものです。だから、校長は、いろいろな角度からその先生の評価をキャッチし、広やかな目で先生を見、その良さをアピールしていくことが大切ではないかと思います。一旦不適格というラベルを張られれば、復帰が難しくなるように思います。
 教員採用段階での課題を考えると、先生になる人というのは、人に関わっていくことに非常に意味を感じ、この仕事に一生涯かけていきたいと考える人であるべきだと思います。これは、根のところでは愛情の問題だと思うので、情感の豊かな人に教職に就いていただくのが何よりも先決ではないかと思います。
                                        トップへ
 
【会長】有り難うございました。まだご意見も有るかと思いますが、次の「教員研修の充実」というところに入ります。これにつきまして、まず、人権教育課に「人権教育推進の今日的課題」という点にも触れていただきながら説明をお願いします。
 
 
(人権というのをどこまでも大切にする、すなわち、人間の尊厳をどこまでも大切にする教育の展開が非常に必要で、今後は、様々な取組を通しながら基盤となる人権意識の醸成、人間についての生き方、命の問題などにポイントを当てながら展開していく必要がある。)
【人権教育課】教育研究所でも人権教育に関わる様々な講座を開いていただいておりますが、人権教育課が主たるものと捉えている研修を、「平成14年度事業の進捗状況」のレジュメのNo2に記載させていただきました。
 一番目の「人権教育推進研修会」は、教職員全員を対象とする研修で、今年で「さまあセミナー」としては3年目、トータルでは13年目を迎えます。先程から子ども達に接するに当たっての大切なお話がたくさん出ていたのですが、子ども達に接する教員としての確かな人権意識、人権感覚の醸成を目指して行っている研修です。
 二番目の「県教育委員会事務局職員等研修会」は、教育行政を担う職員を対象とする人権教育推進のための研修です。
 一つ飛ばして四番目の「同和問題関係史料センター講座」は、同和問題の解決に向けて発掘されてきた地域の様々な史資料をつぶさに研究し、その結果明らかになってきた部落史等についての研修を具体化したものです。
 いずれにしても大切なことは、人権というのをどこまでも大切にする、すなわち、人間の尊厳をどこまでも大切にする教育の展開が非常に必要だということです。そのような観点で研修を進めています。
 最後に、只今会長から、「人権教育推進の今日的課題」についての説明のご要望がありましたので、現在、県が進めています人権教育の方向のお話をさせてもらいます。
 先程も申しましたように、人間の尊厳をどこまでも大切にするという教育は非常に大切なのですが、とりわけ現在のように社会が目覚ましく変化をしていく中では、人権を大切にしなければならない課題がたくさん存在しています。そこで、そういった課題を捉えながら憲法にある基本的人権の具体化、確かな人権意識の醸成、そして様々な人権に関する課題の解決を目指す教育の推進を図っていきたいと考えています。
 このことについては、奈良県新総合計画の後期実施計画の中に人権施策の推進で謳われていますので、その具体化を教育の中でどう進めるのかというのが今日的課題の一つだと思います。
 それから、もう一つは、1995年から2004年までの10年間において、人権教育のための国連10年の推進があり、奈良県の行動計画を策定しています。この中の教育の部分をどう具体化していくのかということも今日的課題の二つ目になると思います。
 只今、委員の皆様に「人権教育推進プラン全体概要図」という資料を配付させていただきましたが、これは今申しました県の総合計画や奈良県の行動計画の具体化を教育委員会として図っていくためのモデルとして作成した推進プランです。資料の2枚目「学校において大切にしたい内容例一覧表」は、それを保育所、幼稚園から高等学校までの学校の中で、どのように展開していくのかを一つの案として示したものです。
 1枚目の全体概要図ですが、人権教育を進めるための基本的な視点を一番上のピンク色の枠の中に三つでまとめました。その一つは、一人一人の可能性を伸ばすとう自己実現に係る視点です。二つ目には、国際化とか、先程のバリアフリーの問題も出ていましたが、一人一人の違いを豊かさとして捉える、いわゆる共生の視点です。三つ目には、一人一人のつながりを大切にする、いわゆる豊かな人間関係づくりを教育の中で具体化していく視点です。
 この三つの視点を捉えながら、人権教育の具体化を図っていきたいと思っています。そのためにも、これまでは個別の人権問題や差別問題の解決、また知識面だけが前に出ることが非常に多かったのですが、今後は、同和問題などの個別の課題の解決を目指すとともに、様々な取組を通しながら基盤となる人権意識の醸成、人間についての生き方、命の問題など、このようなところにしっかりとポイントを当てながら展開していく必要があるのではないかと捉えています。
 具体的には、黄色の枠の中に四つのポイントを示しました。これはよく言われる人権教育の4側面といわれるものに当たります。一つは、教育を受ける権利の保障を通して進めること。二つ目には、人権についての理解を深める教育として進めること。これは知識面が中心になります。三つ目には、人権を尊重する主体を育てる教育として進めること。つまり、大切にしていかなければならないものは子ども達の生き方なので、それの主体を育てる教育を進めなければならないということです。四つ目に、人権が尊重される教育として、学校の安全、環境、雰囲気などの教育環境及び個性や活動を大切にした教育内容を充実させていくこと。以上の4点をポイントにして、今後の人権教育の推進を図っていきたいと思っています。以上よろしくご理解をお願いします。
                                        トップへ
 
【会長】有り難うございました。次に、進捗状況の資料のNo3にある研修講座について教育研究所から説明をお願いします。
 
 
(教育研究所では、研修成果は参加した教員一個人のものだけにするのではなく、他の教員にも広まるようにすることと、授業づくりに関する講座の充実に特にポイントをおいて改革を行った。)
【教育研究所】資料のNo3の研修講座について少し詳しくした資料として、本日「10月15日の教育懇談会資料(県立教育研究所)」を一枚配布しましたので、それをご覧ください。
 中間提言をいただき、次のようなことを改善しました。まず1点目として、教育研究所での研修成果というものは、参加した教員一個人のものだけにするのではなく、それを学校内において他の教員にも広めていくことが必要であるという認識のもとに、校内研修を充実させていくための研修講座を実施したことです。
 2点目としては、教育改革を実践し教員の指導力を向上させるために授業づくりや評価に関する講座、教育改革に関わる管理職研修講座、LDやADHDなどの今日的な教育課題についての講座の開設とともに、受講しやすい部分受講制度、自主的な研修希望に応じて平日の夕刻や土曜日に実施するサポート研修の拡大など、研修講座の改革を行っていることです。
 さて、具体的な14年度事業の概要を「10月15日の教育懇談会資料(県立教育研究所)」に基づいて説明いたします。・・・(説明は省略。リンクの資料を参照。)・・・
                                         トップへ
 
【会長】只今の人権教育課と教育研究所からの報告について、ご質問、ご意見がありましたらお願いします。
 
 
(子どもにやる気を出させる教師、子ども達を感動させる教師、そして一緒に子どもと学ぶ教師を育てていくことが必要。)
【委員】先程、子ども達の目からみる先生像と保護者達の視点と随分差異があるというご意見に関連して、今の人権教育推進プラン全体概要図の説明を聞いた上で、意見を申し上げたいと思います。子ども達が先生を好きか嫌いかでかなり学力にも影響が出てくると思います。子どもが自らこの先生に何かを学びたいというような気持ちになる先生は、子ども達が先生を好きであるのですが、それが往々にして周りから見たときに少し問題があるのではないかということになったりします。人権教育推進プランの四つの側面から考えると、個性のある子どもにやる気を出させるためには、個性のある先生もときには必要ではないかと思います。個性のある先生が個性のある教育をするときには、周りの理解が必要ということです。同じような人間、同じような先生ばかりだとどうしても偏ってしまいますから、先生のマイナス面を捉えるのではなく、少し寛容に先生方を見ていただきたい。これからは、子どもにやる気を出させる教師、子ども達を感動させる教師、そして一緒に子どもと学ぶ教師を育てていく必要があると感じました。
                                        トップへ
 
【会長】有り難うございました。そのほかに、ご意見ありますか。それでは、No3の最後の「地域人材活用の促進」は、お読みいただけたら分かると思いますので、各課からの説明は省略させてもらいます。これから10分ほど休憩したいと思います。
 
 
(休 憩)
 
 
【会長】それでは、再開します。只今からもう少し教員研修についてと地域人材活用の促進についてのご意見をいただきたいと思います。
 
 
(よくできる教員をさらに伸ばす研修も大事。研修講座受講者の評価をすること。採用試験で模擬授業導入は良いことと思うが、講師経験者が有利になりはしないか。)
【委員】できない教員をどうするかという非常に暗い話ばかりが出ているのですが、よくできる教員をさらに伸ばすとい視点の研修も非常に大事ではないか思うのです。そのために一つは、研修の期間を長期化し、人的なアフターケアもきちっとしてやる。もう一つは、今の教育研究所の研修でも可能だと思うのですが、必ずテストをする。講師に対する評価はあっても、受けた受講生に対する評価というのはないように思います。だからしっかりとテストをする。その成績が地教委や学校現場に報告されれば、勤務評定の一つの資料にもなるだろうと思います。
 採用試験で模擬授業をされたというのは、非常に良いことだと思うのですが、事前にテーマを与え授業の工夫をした上での模擬授業なのか、それとも突然与えられたテーマで授業をするのか、その辺りの状況もお聞かせ願えればと思います。また、模擬授業で受験者の指導技術とともに雰囲気やパーソナリティーというのは見えると思うのですが、指導の技術ではどうしても講師経験者が非常に有利になってくると思うのです。しかし、フレッシュマンで技術は下手でもやる気がある場合もあるので、そういう若手を見付けることができるような工夫改善も必要だと思います。その辺の模擬授業のあり方についてのお考えを聞かせていただければと思います。
                                        トップへ
 
【会長】有り難うございました。模擬授業について教職員課からご説明お願いします。
 
 
(新卒の人達の中には単に技術だけではなく本当に原石に当たる人材が存在している。その光るものをどう見付けていくのかがこれからの改善の眼目と考えている。)
【教職員課】模擬授業のテーマの与え方につきましては、面接会場に入ってからです。その部屋に入ってから、私達試験官は児童生徒であると見なして授業をしてくださいと指示を与え、何分間か最初にその組み立て等を考えさせ、その後、模擬授業をやっていただきました。今、委員がおっしゃられましたように、新卒の人達の中には指導技術はもうひとつだが、原石に当たる人材がいるのは事実で、その中の光るものをどう見付けていくのかというのが、これからの改善の眼目であろうと考えています。先程の休憩時間にも大学で指導されておられる委員と少しお話しをさせていただいいたのですが、やはりその委員も同じお考えをお持ちですので、今後いろいろなご指導なりヒントなりをいただきながら改善に努めたいと考えています。
                                        トップへ
 
(優秀な先生や若手の先生がもっと大学院等で夕方や土日に受講し、レベルアップを図ることが大事。)
【委員】今の委員のご意見に私も賛成です。優秀な先生や若手の先生がもっと、例えば教育大学の大学院のコースを夕方や土、日に受講できることがあってよいと思います。実は私のたくさんの部下は、慶応とか一橋の大学院に行って、修士を終わったりドクターを取得したりしており、このように仕事しながら学んでレベルアップを図っていくということは大変大事だと思います。教育大学の先生にも頑張っていただいて、そういうコースをもっとつくっていただいて、そこで学べるようにご尽力をいただければと思います。それから、修士コースだけでは不十分で、ドクターコースをつくるということも視野に入れて、県内からよりよくできる先生が育つようにしていただきたいと思います。
                                         トップへ
 
(単に学問ができるだけが良い先生ではなく、子ども達とともに汗を流し、ともに泣き、ともに笑う中で子ども達を教育していくというのが一番良い先生。子どもと離れての教育はあり得ない。)
【委員】よくできる先生というのは一体何なのかということを十分に考えないといけないと思います。単に学問ができるだけがよい先生ではない。子ども達とともに汗を流し、ともに泣き、ともに笑う、そしてその中で子ども達を教育していくというのが一番よい先生ではないかと思っています。もちろん、先生には学力も持ってもらわないと困るし、また将来的なビジョンというものも十分に持った上で、広い視野に立った教育をしてもらわないといけないわけですが、特別に大学や長期にわたる一つの講座で勉強してもらうということ自体は、いかがなものかと思います。というのは、子どもと離れての教育はあり得ないわけです。そういう先生には自分で主体的に勉強してもらえる雰囲気を作るなどの条件整備をすることが、教育委員会の仕事ではないかと思います。私は、決して大学院で研修を積むのは悪いとは申しておりませんが、現場の学校は非常に忙しいわけですから、そこへもし行くとなれば、教育委員会としてはそれに対しての人的な補助を与えるという形の援助をしていただきたいと思います。
                                        トップへ
 
(教師は子どもによって教師になる。教職員課では海外派遣や中央研修を行い、教育研究所においては主体的に研修できるシステムが配備されている。)
【教職員課】教師は子どもによって教師になると言われています。今、委員がおっしゃられたのは、基本的にその通りだと思います。教職員課で行っている研修は、海外派遣や文部科学省での研修であり、これらは主体的にというよりも、私どもの方から派遣している形のものでありますが、教育研究所には主体的に研修できるシステムが配備されています。
 兵庫教育大、奈良教育大、それから奈良女子大学の大学院で研修する大学院大学研修については、以前から行っています。これは基本的にまず希望者を募り、その中から面接等で派遣を決めているのですが、人数的にはさほど多くはありません。
                                         トップへ
 
(一生懸命やる先生が子ども達への教育を続けながら研修ができるような条件整備を。)
【委員】何回も申し訳ありません。私は兵庫教育大なりで2年間の研修ができるのは承知しています。これは、希望者の募集があって試験を受け、優秀な先生がそこへ入っていくという制度ですね。これはこれで一つの形としてよいわけですが、私自身が考えているのは、一生懸命に頑張ってきて、その成果が校長先生や市教委なり県教委に認められ、この人にはもっと勉強してもらったらどうだろうかとなったときに、子ども達への教育を続けながら、研修ができるような条件整備をお願いしたいと申し上げているわけです。
                                         トップへ
 
【会長】今の点に関連して、教育研究所からお願いします。
 
 
(教育研究所に、1年間の長期研修員制度と学校で実践しながら教育研究所へ来て研究する指定研究員制度とがある。)
【教育研究所】教育研究所には、1年間の長期研修員という制度がございます。それについては、現場から研究したいという方を選考して、1年間研究をしていただいています。
 また、先程出ています現場から離れないでという研修システムもあります。それは、先程話した指定研究員制度というものです。これは、学校で子ども達に教育実践しながら教育研究所へ年間10回程度来ていただき、研究指導主事と一緒に研究し実践的な研究結果を発表するという制度です。
                                         トップへ
 
【会長】有り難うございました。関連してご意見がありましたらお願いします。
 
 
(会社や海外の小・中学校に行く等の教員の校外研修も教員資質向上には大事。)
【委員】今まで会社に行くなどの教員の校外研修もあるように聞いていたのですが、今回はそれが出てきませんので、その辺りはどうなっているのかを伺いたいします。私がなぜ校外研修のことを申し上げるかと申しますと、教員が教育現場だけに閉じ込められていますと、どうしても考える視点が限られてしまうのです。だから、例えば会社に行く、あるいは海外の小・中学校に行く等によって、いろいろな視点から物事を考えることができるという意味で、資質が非常に向上すると考えられるので、これからの教員の資格という意味でも是非考えていただきたいと思っています。
                                         トップへ
 
【会長】それでは、学校外の教員の研修について教育研究所にお願いします。
 
 
(企業等社会体験研修を5年ぐらい前から実施しており、重要な研修と考えている。)
【教育研究所】ご指摘いただきましたように、視野を広げ社会性を身につけた教員を育てていかなければならないということで、5年ぐらい前から、企業等社会体験研修ということで教員の研修を実施しています。本年度は、8名の教員を3カ月間、企業へ派遣をし、その教員が戻った後いろいろな講座等で他の教員に広げていくという形になっています。また、初任者研修と5カ年研修で、約200名程度が4日間の企業研修や事業所・施設等への研修を実施しています。先程は昨年の中間提言以降に変更した箇所を主に申し上げましたので、報告に入っておりませんでしたが、これらは非常に重要な研修と考えています。
                                        トップへ
 
(教員研修で今最も問われていることは、指導のノウハウも含めて『具体的にどう展開していくのか』を学ぶこと。)
【委員】先程の人権教育課と教育研究所の教員研修についてのご提案を、私は大変頼もしく聞かせていただきました。例えば、人権教育課長が説明された「従来は人権問題や差別問題の解決、また知識面だけが前に出ることが非常に多かったが、今後は、個別の課題の解決を目指すとともに、教育全体の中で基盤となる人権意識の醸成を」とおっしゃられた部分を、私は大変大事なことして受け止めました。
 教員研修については、私も教員の研修の一番の場は職場であろう思っています。私の大学の卒業生を見ていても、新採で配置された職場でその後が決まってしまうようなところがあると思います。
 教員研修で今最も問われていることは、子どもに様々な力を付けたり人権が尊重される教育をしようとするときに、『具体的にどう展開していくのか』ということだと思います。例えば、先程のバリアフリーの学習でも、子どもの主体性を大事にしようと思って計画したものの、受け身になってしまっていたということが往々にして起こってしまうわけです。そのあたりに教師の力量が問われてくると思います。また、総合的な学習においてただ体験で終わらせることなくきちっと子どもに力をつけるという授業展開は、そのノウハウも含めて具体的にどうすればよいのかということを先生方は学んでいく必要があると思います。さらに、「子どもが自ら学ぶ」とあっても、学びを子どもに全部引き渡してしまうということではなく、教師が主導するべき内容もあると思うので、それをも踏まえた指導の力を付けていただく必要もあると思います。
 現職の先生方はそれぞれ本当にご熱心で努力しておられるのを研修報告等でよく拝見するのですが、今申し上げている課題を解決してほしいと思います。このように考えてみると、本日教育研究所から示していただいた「確かな教科指導の力や生徒指導の力を身に付ける」というご提案に、大いに期待しています。
                                        トップへ
 
(子ども達には、今、道徳教育が必要。だから、熱血漢の先生、子ども達を一生懸命に育てるんだという道徳心を持った先生方を教育現場の中で育てて欲しい。)
【委員】子ども達には、今、道徳教育が必要だと強く思っています。だから、道徳心を持った先生方を育てなければいけないと思っています。子ども達に本当に大きな夢を持たせ大きく育てるためには、そういう気持ちになって指導してくれる先生が必要だと思います。我々が中学校や高校の時に、いわゆる本当に怒られた先生は今でもよく覚えていて、その先生のところを今でも頼って行くわけです。熱血漢の先生方はいつまでも子ども達の心に残っていくのではないかと思います。今も教育現場では、熱血漢の先生がおられます。例えば、私の娘が小学生の時に、夏のラジオ体操にその先生が遠いのにわざわざ朝6時半という時間に、ラジオ体操をやっている場所を回られました。しかし、残念なことにこういう先生は稀です。そういう意味で、熱血漢の先生、子ども達を一生懸命に育てるんだという道徳心を持った先生方を、教育現場の中で育てて欲しいと思います。
 私自身もこの6月議会でも、また昨年の議会でも、問題教員の件や教員の資質向上について質問させていただいたのです。先生方が子どもの立場に立って物を見、その上で引っ張ってくれる先生を採用したり育てたりできるように、何とか懇談会や教育委員会でお考えいただきたいと思います。特に、本県では今年、たくさんの先生方の問題が出たわけですが、その中で是非教員の資質向上、特に、道徳心を持った先生を育てていただけるような研究も是非お願いしたいと思います。
                                        トップへ
 
(気迫や感動を与えるプレゼンテーションの力がこれからの先生には一番大事。)
【委員】第10回懇談会からの課題のペーパーの5番目の道徳教育に関するところで、教育研究所から感銘を受ける言葉を書いていただいてます。生命の大切さについて語る県内の獣医師のお話だとか、あるいは奈良県出身のJリーガーの楢崎選手の話だとか、あるいは自分の夢の実現に向けて頑張り、ついにそれを実現させた奈良県初の女性消防士の話だとかを書いていただいているのです。これは、子ども達に聞かせることも大事だと思うのですが、私達大人にも聞かせていただけるようにご配慮を願えたら大変有り難いと思います。是非、聞かせてください。
 今日、教員研修についていろいろなお話がありましたが、私は気迫や感動を与えるプレゼンテーションの力というのが、これからの先生には一番大事なのではないかと思います。その意味では、例えばマルチメディアフォーラムなどの感動を与えてくれる場所へ先生方自身が踏み込んでいくということも必要だと思います。是非、こういうことを実行していただきたいと思います。
                                        トップへ
 
【会長】有り難うございました。まだまだご意見がおありと思いますが、議題の3番目が残っていますので、そちらに行かせていただきます。資料は、「平成14年度事業の進捗状況」のNo1の3番の「学校の経営改善に向けて」及び本日配布した「学校評価システムの確立に向けて」という補足資料1枚です。それでは、学校教育課から説明をお願いします。
 
 
(プラン・ドゥー・シー、さらにはアクションというサイクルで学校の教育内容を見直し、保護者あるいは子ども達にとって良い学校であるかどうかという見直しを絶えず重ねていくシステムを確立したい。)
【学校教育課】懇談会から「学校の経営改善に向けて」という内容のご提言をいただいています。これまでややもすると学校が閉鎖的であったということで、「開かれた学校づくり」ということが盛んに言われているわけですが、それを少しでも具現化するために学校の評価システムの確立に向けた事業に取り組んでいます。学校評価のねらいは、「学校評価システムの確立に向けて」という資料に書きましたように、学校の公開性を高めるために、学校の教育目標あるいは学校経営のあり方を地域住民や保護者の方々に説明をすることによって、ご理解をいただき協力や信頼を得ることにあります。
 それで、図には矢印で四つのサイクルを示してあります。まず最初に、学校としての年間指導計画、教育計画を策定して、それを公開する。その計画に基づいて学校では、実際に教育活動や実践を行う。その結果がどうであったのかという評価を、内部あるいは外部の声を聞きながら行う。その評価をもとにして、年間指導計画がそれで良かったのかどうかという見直しを行う。いわゆるプラン・ドゥー・シー、さらにはアクションというサイクルで学校の教育内容を見直し、保護者あるいは子ども達にとって良い学校であるかどうかという見直しを絶えず重ねていくというこのシステムを確立したいと考えています。
 この背景の一つには、今年度、4月に施行された小学校、中学校の設置基準という法令があります。その中には、努力規定ではありますが、学校の自己点検、自己評価、それの公開ということが明文化されています。これまで事務局の内部組織として平成13年10月に学校評価システム検討委員会を設置し、平成14年6月には学校評価システム調査研究会議を発足しました。本年度は、今後、評価項目、評価基準づくり、学校評価をいかに進めるか、そしてその体制づくり、なかなか難しいかと思うのですがその結果を公表していくその方法や在り方について研究をしていき、本年度内にそのアウトラインを固めて、来年度から実際に各学校で取り組んでいただけるように進めたいと考えています。 なお、この学校評価に関わりましては、学校評議員というシステムが制度化されていますので、これをうまく活用し、連携していくことも考えています。その現在の状況は、県立学校においては、県立学校43校中42校で設置いたしました。現在350名近い方々に評議員をお願いしています。残りの1校からも、只今申請の準備が整ったという報告を受けています。ただ、市町村での評議員の設置がなかなか進んでいないようであり、私どもが現在実施と聞いているのは、11市町村、小学校22校、中学校10校という状況です。只今検討中あるいは研究中という市町村が多いようですので、できるだけ早くすべての市町村で実施できるように、強くお願いをしていきたいと考えています。
                                         トップへ
 
【会長】有り難うございました。只今の説明にありましたように、自己評価等の公表が努力規定として法制定されたそうです。これは、この懇談会でも中間提言したところですので、大変嬉しいと思います。それでは、今の説明について、ご意見、ご質問等がありましたらお願いします。学校評議員ですが、高校のほうは進んでいるのに、小・中学校で進まないのは何か原因があるのでしょうか。
 
 
(学校管理運営規則の見直しに時間がかかり市町村の学校評議委員制度が遅れているのではないか。)
【学校教育課】進まない原因の十分な把握はできていませんが、一つは、学校教育法が改正され具体的にそれが明文化されたので、それに基づき各市町村の教育委員会では、それぞれに制定されている学校管理運営規則を見直し、一定の枠組みをつくるという作業にも時間がかかるのではないかと思っています。この点において、県のほうが一歩先んじて取り組んだということだと思います。従って、今は県の参考例も整っていますので、あとは市町村にご理解をいただくという努力を我々がしていく必要があるのではないかと考えています。
                                         トップへ
 
(町村では、教育委員や青少年健全育成連絡会等で学校評議員に代われるという考え方で評議委員制度が遅れているようだ。)
【委員】先月、町村の教育長の役員会でこの問題を話し合いました。一つは、やはり小さい規模の場合が多いので、「教育委員さんがおられるではないか」となるようです。つまり、教育委員さんは非常にそれぞれの学校の実情もよくご存知で、度々来てもいただけるということが1点挙がっていました。もう1点は、青少年健全育成連絡会などの協議会のようなものが既にあり、敢えて作らなくてもよいではないかというご意見があったと思います。このような理由で、数が増えないのだろうと思います。
 私の村では、管理運営規則を改正して、幼稚園や小学校の校長の意見を聞きながら教育委員会で、どういう仕事をするか、報酬はどうするのか、身分はどうなのかという要綱を作成し、そして9月1日に取りあえず3名で発足しました。児童委員、先程の青少年健全育成連絡会の方、企業の経験者、また音楽教室の先生などにお願いをし、小・中学校それぞれ3名ずつでささやかにスタートしました。
 先程、評価のところで、学校評議員の立場ということが出ていたのですが、私は決して評議員が評価するのでははなく、あくまでも評議員は校長の経営方針について意見を求めるということであり、学校の評価について評議員の力を借りるということではないかと考えています。
                                        トップへ
 
(小・中学校では評議員を見付けにくいのと、校長の主体性が損なわれるという危惧があるため評議員制が進みにくい。)
【委員】評議委員を設置した学校が、県立高校は多いのに市町村で少ないのはなぜかという質問があったのですが、今のお話以外にその理由として、評議員制についてはメリットもデメリットもあるからだと思います。その難点の一つは、県立の学校であれば委員を選ぶのに割合広範囲から選ぶことができるが、小・中学校となると、校区が非常に広いところもあるが殆どは狭い。その中から委員を選ぶとなると、中学校の評議員と小学校の評議員とが、同じ校区から選ばなければならなくなることもあり得るわけです。そうすると、小・中の学校で委員を取り合いしなければならなくなるということになってしまいます。
 二つ目に、やはり田舎での昔からの考え方として、委員さんは何か名誉職的な考え方をお持ちになってしまい、校長の主体性が損なわれるのではないかという危惧が非常に強いわけです。その辺りも十分に考えていかなければならない。
 逆に、メリットの面としては、学校が活性化する、あるいは教育が推進されるなど沢山あります。しかし、デメリットの面を先に乗り越えなければならず、早急に評議員制がよいから必ずやりなさいと、市町村の教育委員会が言ってよいものかどうかというところで進みにくくなっていると思います。
                                        トップへ
 
(年度変わりの忙しい時期にはどうしても去年通りの計画になってしまいがちになるからこそ、学校評価というものが是非必要。学校評価の項目を決めるのが大仕事で、県の指導も必要。)
【委員】学校評議員の問題を別にして、学校評価というものは非常に大事なことだと思っています。今まで毎年度初めに教育課程を教育委員会に提出して審査、承認をしてもらうという方式をとっており、それ以外にも学校では経営計画や学校要覧を作成します。しかし、人事とか進学とか抱える年度末の忙しい時期には、どうしても去年通りの経営計画や要覧になってしまいがちになってしまいます。だからこそ、この学校評価というものが是非必要になってくると思うのです。
 また、教育改革が進む中で一番痛切に感じることは、現場には「こんなに改革が進んでいる」という意識が非常に少ないということです。教育内容についても制度についても、こんなに変わるのだということを知らないので、せめてこの機会に自分達で学校の評価をし、それに基づいて来年度の経営計画を立てようというところへもっていくのも非常に大事だと思います。
 先日、地区の体育大会で校長の様子を見てますと、プログラムに従ってチェックしている校長がいました。このように体育大会の行事一つを取ってみてもそれを評価し、それらを積み重ねて、年度末の評価につなげていけるものと考え重要視しているわけです。この時、評価の項目を決めるのが大変な大仕事になりますので、学校現場と教育委員会とで力を合わせながら考えていかなければならないと思いますので、県の教育委員会の適切なご指導もまた、いただくことができればと考えています。
                                         トップへ
 
(「懇談会からのアピール」を作成する。)
【会長】有り難うございました。それでは、時間も残り少なくなりましたので、議題の4番の「その他」ですが、懇談会が発足してから3年目に入り、その間、中間提言や「県民5,000人アンケート」等を行いました。その後は、各課・研究所で進めていること等について、委員の方々からご意見をいただいてきました。このような今までの懇談会の歩みを盛り込んで「懇談会からのアピール」というものを作成すればどうかという提案をします。いかがでしょうか。(了解)
 それではご了解をいただけたようですので、その原案につきましては専門調査部会で検討したいと思いますが、何か是非このようなことを入れてほしい等のご提案がありましたらお願いします。
                                         トップへ
 
【委員】文部科学省の「学びのすすめ」アピールというのが出ているのですが、項目が5項目あり、文部科学省がやるべきこと、現場の学校がやるべきことという形になって非常に明確に示されています。長い文章ですが、私がまとめましたらA4で1枚ぐらいになりました。このように、視点とやるべき場所が分かるようなアピールを作成できればと思います。単に概論的なことではいけないと思いますのでそれをお願いしておきます。
 
 
【会長】分かりました。その他にありますか。
 
 
【委員】私も今のご提案は是非お願いしたいと思いますが、それ以外に目的と目標、それからやり方の三つを具体的に示すことが、一番迫力があり、しかも感動があると思いますので、そういうものを作成できればと思います。是非、お願いします。
 
 
【会長】有り難うございました。その他に、ありませんか。
 
 
【委員】教師の立場を離れ、あるいは企業の立場を離れ、一人の人間としての視点に立ったものを
お願いしたいと思います。
 
 
【会長】私も、抽象的な文言を並べるのではなく、できるだけ具体的に行動ができるようなものができればと考えています。また、何か思い付かれたら、事務局のほうへご連絡いただければ有り難いと思います。
 最後に、次回の懇談会の予定ですが、アピールの原案ができたころに事務局から日程調整の連絡をしていただき開催したいと思います。それでは、私の役目はここで終わらせてもらいます。
 
 
【事務局】司会進行、どうも有り難うございました。閉会に当たりまして、教育長から皆様に一言お礼を申し上げます。
 
 
【教育長】本日は、教育委員会事務局の取組や今後の方向に対して、いろいろとご意見やご指摘をいただき有り難うございました。ご指摘いただいた内容については、さらに中身が改善できるように取り組んでいきたいと考えています。
 さて、この4月から教育が大きく変わりましたが、改革のポイントを三つ挙げるならば、まず、完全週5日制が実施され、一つ目に枠が変わりました。次に、小・中学校の教育課程が新しくなり、二つ目に内容が変わりました。そして、三つ目に最も大きな改革に当たると思われるのは、学校評価だと思います。学校が評価を受けなければならないというのは、結局は学校が信頼をされていないということだと思っています。これは非常に大きな教育改革のポイントであり、これに対してはきちっと対応し各学校で円滑に実施できるように進めていきたいと思います。
 また、この度は懇談会からアピールをしていただくということですが、この1月に実施していただいた「県民5,000人アンケート」と同様に、奈良県らしい教育を進めていく上での後支えになるものにしていただければ有り難いと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 本日は有り難うございました。
 
【事務局】それでは、これをもちまして、第11回懇談会を終わらせていただきます。本当に長時間有り難うございました。
 
 
 
〔文責は奈良県教育委員会事務局〕
 
教育懇談会トップページへ