第 1 1 9 号


    ▲   ■ ▲     ◇ 奈良県教育委員会メールマガジン ◇  
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        発行:奈良県教育委員会事務局 総務室
         http://www.pref.nara.jp/kyoiku/
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                  「E−夢 はっしん!」第119号html版
    http://www.pref.nara.jp/kyoikuk/mailmaga/html/no119.html
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【 巻 頭 言 】
 ○「わかること」と「できること」 (奈良教育大学教職大学院 教授 吉田明史)

【 教育委員会の動き 】
 ○ 家庭教育の歌「わが家のマーチ」の「出前合唱・出前合奏」に登録していただける
  「合唱団・吹奏楽団」の募集について (県立教育研究所)
  ○  リーフレット「教育改革 進行中! 2008」を作成!  (総務室)

【 今、学校では・・・ 】
 ○ 地域の底力に支えられて (大和高田市立磐園小学校長 寺尾律子)
  ○  創立30周年を機に新たなステップへ  (県立西の京高等学校長 藤岡 明)

【 お知らせ 】 【 新着情報 】 【 県政公開ニュース 】

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【 巻 頭 言 】
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             「わかること」と「できること」
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              奈良教育大学教職大学院 教授 吉田 明史

 大学に異動してから授業を見る機会が圧倒的に増えた。題材が同じであっ
ても、同じ授業に出会うことはない。授業は生きており、授業を見ることで
学ぶことや考えさせられることは無限にある。

 ある算数の授業で、「みなさん、わかりましたか?」という問いかけに、
「先生、わかったよ。こんなん簡単や。」「そう、偉かったね。」…という
やりとりがあった。はじめは、先生と児童とのほほえましい会話だと思って
いたが、先生の発した「わかりましたか?」に少し疑問をもった。何につい
て「わかりましたか?」と問われたのか、考えてみたがよくわからない。
 「計算の意味」「計算の方法」「計算の考え方」など、わかってほしいこ
との対象はいろいろあった。はたして先生がどのような意味で問いかけたの
か。どうも児童は「計算できたこと」で「わかった」ととらえているようで
あった。

 阿吽の呼吸でやりとりされる授業光景を見て、「わかること」と「できる
こと」について実践的に考えることの意義を見出した。どの学校段階でも概
念の導入などで「わかること」を意識して指導がなされる。しかし、いつし
か「わかること」よりも「できること」に評価の重点が置かれ、児童たちは
計算できることに関心を向け、その方法だけを獲得していく。その結果、「
わかること」の対象が曖昧になる。

 たとえば、小学校では、(小数)×(整数)の計算の意味を理解し計算で
きる児童に、(整数)×(小数)の計算をどのように教えればよいのかとい
うことについて教材研究がなされる。そこでは、単に計算の方法を指導する
のではなく、数学的な考え方を踏まえ、具体物を用いて計算の意味理解を大
事にした指導が考察される。しかし、児童たちはいつしか(整数)×(小数)
を、小数点の位置を無視して(整数)×(整数)で計算し、その答えに小数
点の位置を定めるという方法だけを獲得し積が求められるようになる。時間
が経つにつれて、当初の計算拡張の意味を忘れ、もはや中学校で(整数)×
(無理数)の計算の意味を理解する際に、「小学校で学んだことを活用でき
る!」と思う生徒は少ない。

 児童たちは「わかること」を問う問題にどれほど出会えてきたのだろうか。
また、私たちは、「わかること」と「できること」をどのように考えてきた
のだろうか?「わかればできるというのは本当か?」「できればわかるのか
?」「わかったことの証拠は何か?」等々、課題は次々と生まれる。

 今年度からスタートした本学の教職大学院で、このような課題に対して実
践的に取り組み、説明できる教師の養成を考えてみたい。

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 【 教育委員会の動き 】
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   家庭教育の歌「わが家のマーチ」の「出前合唱・出前合奏」
   に登録していただける「合唱団・吹奏楽団」の募集について
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                                          県立教育研究所

 県教育委員会では、「出前合唱・出前合奏」に登録していただける合唱団・
吹奏楽団を募集しています。
 この事業は、平成16年度に制作した「わが家のマーチ」を多くの県民の方
々に知っていただき、親しんで歌っていただくために、県内で行われる様々
な行事に合唱団あるいは吹奏楽団のいずれかを派遣しているものです。
 平成19年度は16団体の登録があり、「ふれあい人権ひろば」、「なら食と
農のフェスティバル」等の6つのイベントに「出前合唱団・出前吹奏楽団」
を派遣し、のべ27,231名の方に好評を得ました。今年度は、8回程度派遣す
ることになっています。
 詳細については、県立教育研究所までお問い合わせください。
  また、県立教育研究所のホームページからもご覧いただけます。
  http://www.nara-c.ed.jp/katei/index.html

 ○ 家庭教育の歌「わが家のマーチ」の制作目的
   子どもたちの明るい未来と健やかな成長を願い、家庭教育の大切さを
  県民に啓発するために制作しました。

 ○ お問い合わせ先
   家庭・幼児教育部家庭教育係 (0744-33-8901)

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     リーフレット「教育改革 進行中! 2008」を作成! 
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                              総務室

 今年度も、県教育委員会や学校等が進めている教育改革の現状や改革の方
向性を、分かりやすく県民の皆さんにお知らせするため、リーフレット「教
育改革進行中!2008」を作成しました。

 これまでから、県教育委員会が推し進めている「子育てや子どもの教育に
責任をもつ社会づくりを」、「子どもを自立した社会人に育てるために」と
いう2つの柱のもと、6テーマ、23項目にわたって、教育改革にかかわる、
県教育委員会や学校、地域の取組を紹介しています。

 今年度は、「子育てや子どもの教育に責任をもつ社会づくりを」という柱
のもと「県民参加の教育改革」、「家庭や地域の教育力の向上」の2テーマ
を、また、「子どもを自立した社会人に育てるために」という柱のもと「確
かな学力の育成」、「豊かな人間性の育成」、「たくましい心身の育成」、
「教育環境の整備」の4テーマを示しています。
 また、各テーマの中で各項目の取組状況等の数値をできるだけ掲載し、現
状の教育的課題を明確にしたうえで改革の方向性を示しています。今年は、
特に「平成19年度学力・学習状況調査」の結果をもとに、様々な取組につい
て紹介しています。

 裏表紙には「参観から参画へ」と題した県民の皆さんへのメッセージを掲
げ、「学校サポート体制」と「学校支援地域本部事業」へのご協力をお願い
しています。

詳しくは、次のページをご覧ください。  
 http://www.pref.nara.jp/kyoiku/
担当:企画法令グループ(0742-27-9830)

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【 今、学校では・・・ 】 
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┃小学校┃         地域の底力に支えられて
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                          大和高田市立磐園小学校 校長 寺尾 律子

 本校は、今年度創立 134周年を迎えます。平成14年に西校舎が改築され、
特別教室が新しくなりました。広い「いわそのホール」は総合的な学習や学
年集会、ランチルームAとして多目的に利用しています。地域の方へも開放
して、大いに利用していただいています。児童数は、508名。PTA活動も
熱心に行われ、校区補導会や子ども会等の地域活動も盛んです。校区は各町
の総代さんを中心にまとまり、学校行事や学校教育支援ボランティアにも積
極的に参加していただいています。まさに地域の底力をひしひしと感じさせ
られる校区です。以下、その活動の一端を紹介します。

1 学校教育支援ボランティア
 ・児童の安全下校支援ボランティア
     平成16年9月より、校区総代会と学校が連携し、児童の安全下校を見
  守っています。現在、96名のボランティアさんが活動してくださってい
  ます。見守りをしていただいているおかげで不審者の出没や大きな事故
  もなく、安心できる地域になりました。先日のボランティア活動報告会
  で、ボランティアさんと子どもたちの会話が弾み、交流も増えていると
  の報告を受けました。地域の子どもたちを温かく見守ってくださってい
  ることをありがたく思っています。
  ・学校図書館ボランティア
     保護者や地域の方にお願いして、図書室の本の整理や児童の調べ学習
  のアドバイス等をしていただいています。また、年2回のお話の会も催
  しています。

2 学習のゲストティーチャー
    5年生の米作り、4年生の地図の見方、3年生の習字教室・社会科(む
 かしのくらし)、2年生の手話教室等々、学習のゲストティーチャーとし
 て、地域の教育力をフルに利用させていただいています。地域の方々の努
 力を知る意味でもよい機会となっているように思います。また、特別活動
 の全校集会「いわその祭り」は、校区老人会の方々にゲストとして来てい
 ただいていますが、13年前から続けられ、本校の伝統行事になりつつあり
 ます。

3 福祉作業室との交流
  地域にある福祉作業室が催す「福祉まつり」に2年生の児童とボランテ
 ィア委員会が参加しています。2年生はダンスを披露し、ボランティア委
 員会はゲームの店を出店して福祉作業室との交流を深めています。

 以上、取組を紹介いたしましたが、このように地域の方々に見守られ、育
まれ、豊かな体験をさせていただいて、子どもたちはのびのびと育っていま
す。これからも、地域の底力をいただいて、「学校を愛する、地域を愛する」
子どもたちを育てていきたいと思います。

※磐園小学校のホームページは、こちらへ
 http://www.asm.ne.jp/~tiwasono/

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┏━━━┓   
┃高 校┃        創立30周年を機に新たなステップへ
┗━━━┛      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄       
                                 県立西の京高等学校 校長 藤岡 明
  
 本校は、薬師寺、唐招提寺の甍を望む緑豊かな丘陵に建ち、校地内には弥
生時代の遺跡である住居跡があります。昨年度創立30周年を迎え、本校独自
の「地域創生コース」を開設して今年で5年目になります。「地域創生コー
ス」は体験や活動を通して、自分の可能性を追求するコースです。選択肢を
幅広く持ち、多様な進路を応援する「文理コース」に対して、日本史、英語、
国語の授業に重点が置かれ、「奈良の歴史と現状」「地域学入門」「観光学
入門」「課題研究I・II」などの学校設定科目と、大学や寺社、地域の方々
など校外とかかわる多彩な体験や活動がカリキュラムに組み込まれています。
それらの体験や活動は学校外の学修単位として認定され、多くの生徒が修得
しています。

 「課題研究I」の集大成が第2学年の終わりに行なわれる「地域フォーラ
ム」です。班に分かれての情報収集やフィールドワークを通して地域の課題
を発見、探求し、外部講師のアドバイスを仰ぎながら共同研究に取り組みま
す。インタビューやアンケート調査、整理、課題の解決策の検討を重ね、高
校生の視点から、よりよい街づくりへの提言を地域住民や専門家もお迎えし
た「地域フォーラム」の場で発表します。地域と協力したこの取組の成果の
一つとして、昨春に長年の念願だった近鉄学園前駅から本校までのバス新路
線が開通しました。

 体験や活動の中から、生徒たちにも積極的な探究心が芽生え、地域社会の
一員としての自覚を深めています。「地域づくり」という課題の中で自分た
ちが描いた理想像に向けて努力したことは、「自分探し」「自分つくり」と
いう人生の課題の中で、自分の夢に向けて「生きる力」を育んでいると確信
しています。

※西の京高校のホームページは、こちらへ
 http://www.nishinokyo-hs.ed.jp/

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 【 お 知 ら せ 】
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■ 「はにわ 人と動物たち−大和の埴輪 大集合−」
                 県立橿原考古学研究所附属博物館 ■
■ 「自慢のワンシーン」「感動のエピソード」を募集  総務室 ■

*「お知らせ」の詳しい情報は、次のページをご覧ください。
http://www.pref.nara.jp/kyoikuk/mailmaga/html/no119.html#oshirase

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 【 新 着 情 報 】
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◎県教育委員会ホームページに次の情報を掲載しました。

○県立高等学校の入学料・授業料一覧表 (学校支援課)
○高等学校等奨学金について  (学校支援課)
○「人権教育の推進についての基本方針」を策定しました  (人権・社会教育課)
○ニュースとトピックスのページを更新 (全国高校総体開催推進室)
○総合開会式式典アナウンサー募集について (全国高校総体開催推進室)
○我が国の伝統文化を尊重する教育実践モデル事業推進校の取組  (県立教育研究所)
○「幼児教育と小学校教育をつなぐために」  (県立教育研究所)
○「奈良県幼児教育推進計画」 (県立教育研究所)

*「新着情報」の詳しい情報は、次のページをご覧ください。 
http://www.pref.nara.jp/kyoikuk/mailmaga/html/no119.html#shintyaku

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 【 県政公開ニュース 】      ◇ 3月31日〜4月13日 ◇
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■4月3日 リーフレット「教育改革 進行中!2008」を作成しました (総務室)

*「県政公開ニュース」の詳しい情報は、次のページをご覧ください。
 http://www.pref.nara.jp/kyoikuk/mailmaga/html/no119.html#kensei

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 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします! ◇
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 *読者登録のページ  http://www.pref.nara.jp/c_etc/mailmag.html

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 【 編 集 後 記 】
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 読者の皆さん、こんにちは。鮮やかな桜の見頃は一夜の夢のように去り、
いよいよ新緑へ衣替えの季節となります。新しい職場や新しい仲間と出会い
緊張の日々を過ごされていることでしょう。新緑の芽生えとともに夢と希望
をもっていきましょう。

 さて、先号の【教育委員会の動き】でも紹介したように、新しい年度の始
まりに当たって、昨年度の調査などで見えてきたことを今年度に生かして取
り組んでいきます。「E−夢 はっしん!」で、皆さんと教育委員会が一つ
になって前進できるよう努めますのでよろしくお願いします。また、年度が
変わったこの時期に、まだこのメルマガを受け取っておられない方に、是非
登録していただくようお勧めいただければ幸いです。

  *奈良県教育委員会メールマガジン 読者登録のページ
 http://www.pref.nara.jp/kyoikuk/mailmaga/index.htm
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◎「E−夢 はっしん!」ウェブページは、こちらへ。
 http://www.pref.nara.jp/kyoikuk/mailmaga/eyumeweb/mailmagaweb1.htm

◎本県の教育に関するご提言、ご意見をお寄せください。
 http://www.pref.nara.jp/kyoikuk/message31.htm
 *お寄せいただいたご提言、ご意見は今後の教育行政の参考にさせていた
  だきます。 
 *原則として、返信はいたしませんので、あらかじめご了承ください。

◎ご覧になるコンピュータの環境によって、文字がずれて表示される場合の
 対処については、こちらへ。 http://www.mag2.com/help/r116.html

◎このメールマガジンは、「まぐまぐ」を利用して発行しています。
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 こちらで解除できます。 http://www.mag2.com/wmag/

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        発行:奈良県教育委員会事務局 総務室
          〒630-8502 奈良市登大路町30番地
         TEL 0742-22-1101(代表)内線 5353
           0742-27-9830(直通)
         mail:kyoikuk@office.pref.nara.lg.jp
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