東奔西走した二大ヒーロー終焉の地へ ルート概要
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東奔西走した二大ヒーロー終焉の地へ マップ

父である景行天皇の命に従って、
西へ東へと日本を駆け巡った日本武尊。
景行天皇から数えて五代の天皇に仕えたという忠臣・武内宿禰。
二人の伝説の人物が眠るとされるのが南葛城周辺だ。
数々の活躍が語り継がれる英雄たちの終着点で、
金剛山系を見晴らす
絶景の地をゆっくり堪能しよう。

国見山の丘陵谷間に造られた前方後円墳。案内板には5世紀後半築造、全長150mとある。南葛城地域では室宮山古墳に次ぐ大きさで、江戸時代の書物『山陵志』では五朝に仕えた伝説的廷臣・武内宿禰の墓ではないかとしている。

一方、『聖蹟図志』では日本武尊陵とし、他に孝安天皇陵説もある。発掘時には山に白い煙がたったとも、また笛の音が聞こえるともいい、不思議な話も語り継ぐ。

古く盗掘を受けており、江戸時代の文献には長持形石棺の存在が記されるが内部は未調査。出土したのは各種形象埴輪や琴柱型石製品他。遺物の一つ・水鳥形埴輪は日本武尊の“白鳥伝説”を彷彿とさせ面白い。

  • 御所市柏原字鑵子山
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日本武尊の御陵は亡くなった能褒野(のぼの・三重県亀山市付近)と、白鳥となった魂が降りた地に造られたとする。『日本書紀』の記述から「白鳥三陵」と呼ばれ、当地はその一つとされるもの。残りは旧市(ふるいち・大阪府羽曳野市付近)だ。

白鳥は天高く飛んでいったため、衣冠だけを葬り祀ったという。尊の遺品だけが埋まると伝わる御陵は今、田畑の中にひっそりとたたずんでいる。

皇子のまま亡くなった尊の埋葬地は本来「陵」ではなく「墓」のはずだが、『古事記』『日本書紀』は白鳥陵と記す。悲運のうちに生涯を閉じた尊への供養なのだろうか。

  • 御所市冨田
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巨勢山の丘陵に東西約3km、南北約2.5kmに800余基が存在する群集墳。5世紀中頃〜7世紀中頃にかけてのもので、ほとんどが円墳だ。分布状況から支群に分けられ、北先端に位置するこの条池支群には條庚申塚古墳、条池北古墳、条池南古墳の三古墳がある。ただ今は、なだらかな斜面に並ぶ緑濃い小森にしか見えない。

2002年には、北東向かいの「條ウル神(じょううるがみ)古墳」の調査結果が大きな話題になった。飛鳥の石舞台古墳に匹敵する巨大な横穴式石室、特異な家形石棺は大王墓に迫る力を誇った巨勢氏有力者の姿を想像させる。

  • 御所市條字スル加谷
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別名「室の大墓」と呼ばれる前方後円墳で全長238m。被葬者は葛城氏の祖・葛城襲津彦(かつらぎのそつひこ)が有力視されている。

襲津彦は『古事記』に曾都比古と記され、武内宿禰の子とある。『日本書紀』では神功皇后・応神朝にその名が見え、大陸との外交に奔走した。。その『日本書紀』に引用された『百済記』に「沙至比跪(さちひく)」の名が登場することから実在性が高いとされる。生没年は不詳だ。

古墳には竪穴式石室が2基。盗掘により副葬品の多くは失われていたが、残された遺物からその豊富さがうかがえた。築造は5世紀前半〜中頃。後円部墳丘上に埴輪列があり、盾、靫(ゆぎ・矢を入れて背負う道具)等の形象埴輪が出土した。中でも家形埴輪は、金剛山東麓で発掘された極楽寺ヒビキ遺跡の大型建物の復元のモデルに。埴輪や復元模型は奈良県立橿原考古学研究所附属博物館で見学が可能だ。

昔話も残る。古墳の頂にある石室の石を村はずれの野橋に使ったところ、通行人や牛馬が必ず腹痛になった。恐れをなして元の場所へ返したが、降ろす際にあれほど重かった石が楽々運べたという。麓の八幡神社境内から墳丘上へ登ると、その石室の一部を見ることができる。

  • 御所市室字ミヤ山
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