古事記ゆかり地マップ

火遠理命・豊玉毘売

二柱の神が国を生む/黄泉国に妻を追う

兄の火照命(ほでりのみこと)は海佐知毘古(漁師)として、弟の火遠理命は山佐知毘古(猟師)として暮らしていました。ある日、弟がお互いの仕事を交換したいと望みましたが、兄はうんといいません。やっと四度目に承知してもらい、弟は釣りに行きますが、兄の釣り針をなくしてしまいます。兄に釣り針を返せといわれ、困ってしまった弟は、塩椎神(しおつちのかみ)の教えに従い綿津見神(わたつみのかみ/海神)の宮殿に行きます。そこで海神の娘豊玉毘売と結婚して三年間暮らし、海神に釣り針を見つけてもらい、鰐(わに)に乗って陸へ帰りました。海神に教わった呪いを釣り針にかけて返したので、兄は魚をとることができずに困って攻めてきました。弟は海神にもらった玉から水を出して溺れさせ兄を従えました。その後、豊玉毘売が子を産むため、火遠理の許にやって来ました。産むところを見ないでほしいという禁を火遠理が破ってのぞき見をしたところ、豊玉毘売は鰐の姿をしていました。そして子を夫の許に残して海の国へ帰ってしまいました。

火遠理命・豊玉毘売挿絵

火遠理命・豊玉毘売に関するゆかり地

番号 府県 市町村名 名称 ゆかり地説明
82 宮崎 宮崎市 青島神社と鬼の洗濯岩 綿津見神の宮殿から戻った火遠理命(山佐知毘古)が宮を構えたとされる
83 宮崎 日南市 鵜戸[うど]神宮 火遠理命(山佐知毘古)と海神の娘豊玉毘売の子の鵜葺草葺不合命[うかやふきあえずのみこと]誕生の地と伝えられている
84 宮崎 日南市 潮嶽[うしおだけ]神社 火照命(海佐知毘古)を主祭神として祀る
85 鹿児島 指宿市 豊玉姫神社 豊玉毘売命を祭神とする
86 鹿児島 南九州市 豊玉姫神社 豊玉毘売命を祭神とする。安産の神様とされている
87 福井 小浜市 若狭彦神社・若狭姫神社 若狭彦神社は火遠理命(山佐知毘古)、若狭姫神社は豊玉毘売命を祭神とする