トップ

奈良の食と農ポータルサイト

トップへ トップページ 市町村一覧 特集 食と農の関連サイト ブログ お問合せ

 特集「農力のあるヒト」①


 風のように


 失われていく風を憂うヒトがいる。風土、風味、風景、風物、風情、風習、風俗、そのヒトは、風のつく七つのことばを、「農村」を存続させる重要な要因だと、いう。そしてそれは、人々がいつまでもイキイキと仲良く暮らすために欠かせない風だとも…

三浦雅之さん


TOP » 特集・オススメスポット一覧 » 特集「農力のあるヒト」①-風のように-

 

福祉と医療からのアプローチとは

もともと福祉の研究をしていたという三浦雅之さん、医療関係のお仕事をされていた奥様、陽子さん。
それぞれ福祉や医療の問題を解決するためにはどうすればいいか、というアプローチを模索されている段階で、
興味を抱かれたのが「伝統野菜が継承されている地域」だった。







伝統野菜が根づく地域は、健康で仲良し!!

伝統野菜が作られ、継承されている地域・コミュニティは、先人の知恵も文化も健在、風景もいい。
さらに生涯現役で働いていらっしゃるお年寄りが多く、世代間の文化継承がスムーズに行われ、ヒトのつながりも深い。
いわば家族や地域が元気で幸福で助け合いのネットワークがうまく活用されているというのだ。

▲トップへ戻る

  三浦雅之さん
粟のみなさん  

心豊かな相互扶助のネットワーク

かつて日本の農村地域で存続していた「結い」や「手間がリ、手間返し」といった相互扶助システムのように、伝統野菜がもっている物語や背景が人々をつなげ、心豊かなネットワークを構築できないだろうか。
そんな思いに駆られるように、三浦さんがまず1998年に着手したのが奈良県の伝統野菜である「大和伝統野菜」の調査研究だった。スローフード、コミュニティビジネス、地産地消、食育、ワークライフバランス、ダウンシフト、GNH(国民総幸福量)、クオリティオブライフ…、現在ではそんな言葉があふれているが、当時は言葉すらなく、語りづらく暗中模索でのスタートだった。

▲トップへ戻る


なつかしい日本の原風景が残る、清澄の里

三浦雅之さん夫妻が農業をはじめたのは、万葉の歌人たちに「清澄の里」と詠われ、
清酒発祥の地として知られる正暦寺に隣接する奈良市高樋町だ。万葉の歌通り、水も空気も清く澄んだこの里を、3年がかりで開墾したという。
いまでは、紫とうがらし、黄金まくわ、半白きゅうり、野川芋など40種類にものぼる奈良の伝統野菜が収穫できる。作付けの将来を考えて、エアルーム(Heirloom)と呼ばれる国内外の伝統野菜の在来種も年間約100種類以上、栽培・保存している。

▲トップへ戻る

  大和生姜 大和野菜

棚田と野菜  

好きなヒトが「食べたい」を作る、ぼちぼち農業がオススメ

考えてみれば、レタスやキュウリが一年中店頭に並ぶなんて、不自然ではないだろうか?
農産物は、旬をはずすと換金性が高くなるのだそうだ。
換金性が低くても、おいしくて、安くて、安心安全、好きなヒトが喜ぶ顔が見られる伝統野菜を作り続けられる(sustainability)秘訣は、ぼちぼちとやること。
大規模農家が少なく、中小農家や兼業農家が多い奈良は、日本的農業の典型、縮図でもあると、三浦さんは語る。

▲トップへ戻る


若い「農力」を生かすためにも「第六次産業」を!

これからの農業・農村は一次産業としての農産物を作るだけでなく、食品加工(二次産業)や流通販売(三次産業)にもかかわって 付加価値を創出し活性化させようという「第六次産業」というキーワードがある。三浦さんはこの方法論にも早くから取り組んできた。 [粟生]という和菓子が、そのひとつだ。五穀・粟の種類の中でももち米と見紛うほど白く、婿さんをだますという「むこだまし」で 創り出した和菓子[粟生]は、ストーリーも面白く、加工品としてのヒット作だ。


※東京大学農学部名誉教授 今村奈良臣が提唱
第六次産業=第一次産業×第二次産業×第三次産業

▲トップへ戻る

  粟生

清澄の里レストラン粟  

風習を楽しむのも、味わいのひとつ

お正月、ひなまつり、七夕、秋祭り…、かつて人々を楽しませた地域の風俗や風習、節句と呼ばれた年中行事などを大切にしているのも、 三浦さんたちのコミュニティの特色である。それらが、語り継がれた物語とともに連綿と受け継がれていることに改めて感動してしまう。
「清澄の里」に開かれた農家レストラン「粟」では、地域の人たちといっしょに風習を体得できる。野菜の味わいに、 人との繋がりというスパイスを加え、お料理にいっそうの深みをもたらせてくれる。
また姉妹店の「粟 ならまち店」では、さりげなく飾られた五月人形などが、季節の変化に応じた風習をあらわしている。
変化に気づくのは、常連客さんたちの楽しみでもあるようだ。

▲トップへ戻る


清澄の里レストラン粟風景  

風景が、野菜が、オブジェになるひととき

清澄の里の自家農園などで収穫されたばかりの野菜たちは、その旬の味わいが楽しめるばかりでなく、レストランのテーブルやカウンターにどっしりと鎮座して、 まるでオブジェのように飾られている。
それもそのはず、大和伝統野菜は、その個性的な姿、形、色が自慢なのだから。
大和の伝統野菜料理でもてなしてくれる癒しのスポット「粟」は、農家レストランという言葉よりも先に誕生し、青垣国定公園を背に奈良盆地を見下ろす絶好のビューポイントにある。
ヤギが遊ぶ農園を1枚のピクチャーにしてしまう大きな窓も魅力的だった。

▲トップへ戻る


レストラン粟店内 集合写真
サイトマップお問合せ個人情報の取扱いについてリンク・著作権・免責事項