奈良県自然環境保全審議会自然保護部会(平成22年1月21日開催)
議 事 概 要
●会議の成立について
・8名中6名出席、県自然環境保全審議会運営要綱第4条第4項の規定により会議は有効に成立
●会議の公開・非公開の取り扱いについて
・「奈良県自然環境保全審議会の会議の公開等の取り扱い」で原則公開と規定
・本日の議事は、公開原則の例外規定に該当しないことから、公開で議決
なお、希少野生動植物の生育地情報については一定の配慮を確認
●部会長・部会長職務代理者の選任
・部会長(委員の互選):相馬委員
・部会長職務代理者(部会長の指名):北口委員
●議事:議事進行=相馬部会長(運営要綱第4条第3項の規定による)
(1) 会議録署名人の指名
部会長より、部会長職務代理者の北口委員を指名
(2) 諮問案件:特定希少野生動植物の指定について
知事より奈良県自然環境保全審議会に諮問され、運営要綱第5条の規定により、直ちに当自然保
護部会に付議された案件「特定希少野生動植物の指定について」について審議
審議の結果、事務局案について特に異議はない旨答申することを決議
<主な委員意見とそれに対する事務局の回答>
・候補種を12種にした根拠は。それにより絶滅寸前種の何パーセントをカバーできたのかという観
点も重要であるがいかがか。
→ 先進他都道府県の平均指定種数が22種。今後、県民等の提案制度、科学的知見の集約等
を受けて追加指定される余地があり、他都道府県平均をひとつの目標に、取りあえずの1次指
定として12種を選定。
確かに絶滅寸前種290種に比して少ないが、他の法令等で捕獲・採取規制が既になされてい
るものは候補から除外した。また、絶滅寸前種であっても現実には既に絶滅していると思われる
もの、近年確認されていないものなどは、規制をかける意味がない。そのような背景もあることに
理解を。
・選定に当たっての留意事項で、現に保護活動がなされている等の基準は、実効性を確保するう
えで必要なことだが、無意味であっても、県としての決意を示すうえでは、希少性の高いものを選定
する必要があると考える。
→ 県としては、昨年度に自然環境課が設置され、希少野生動植物保護に着手したばかり。このよ
うな状況のなかでは、当面の施策の効果をより求められるところ。
・保護の必要性を教育的に広めていくことを考えると、県民に判りやすいものを選ぶという考えもあっ
て良いと考える。
→ わかりやすいものを候補とすることについては、専門員会議でも同様に議論した。一般的にわか
りやすい種は、園芸種が広く出回っている。野生種とそれらの違いについて、県民や警察当局等
に対し説明を行うことは非常な労力を要するところ。結果として候補から外すこととなった。
・里山保全が必要との県の考え方が、随所に出ている。ただ、県有地等を保全することはいざ知ら
ず、民有地を保全することは、権利侵害・行為規制などが伴い、なかなか難しい。この点、民有地は
保全行為を一切あきらめるのか、それとも県として何らかの働きかけをしていくつもりなのか。
→ 当条例に生息地等保全地区を指定する規定がある。県の施策の方向としては民有地であっても
同様であり、所有者の理解を求めるため普及啓発に努めて参りたい。
・選定理由に、国道拡幅により生育地が消失したとあったが、今後はこのようなことがなくなるとの理
解でよいか。
→ なくなるとの断言はできないが、本条例に基づき、事業主に保護への配慮を検討していただく。
また、条例制定に当たって立ち上げた庁内連絡会議を、将来的にも継続していき、この組織を活か
した連携を図っていきたい。
・県ないし県民等が協働で保護施策を進めていくなかで、その効果検証はどのようにされるつもりか。
→ 条例に基づく巡視員等によるモニタリングなどや、行政施策に伴う一般的な事業評価などを進め
ながら、将来的にはレッドリストの改訂も念頭に入れて進めて参りたい。
(3) 当審議会に関連する今年度の今後のスケジュールについて
特に委員より質問・意見なし。
(4) その他
[委員より要望]
・審議会は原則公開とのことだが、傍聴者がいない。関心のある県民はいる。関心のある県民に必
要な情報が届くよう努めるべき。例えば、関心の高い県民等のネットワークを構築し、それを活用す
る等。
・生物多様性の認知度は、市民レベルではまだまだ低い。全体会議で配付されたリーフレットなども、
関係者だから知り得ているとの認識。小中学校へ配布等行っているのだろうが、もう一歩踏み込んだ
普及啓発を進めていただきたい。例えば、大学などで種々の野外教室が開催されている。情報を収
集して、そこでの活用を検討してはいかがか。
[事務局より報告]
県立自然公園条例の一部改正について、法令審査等を踏まえて、最終案を次回提示説明させて
いただく。
●閉会
答申