意見書第1号
配合飼料価格の高騰対策を求める意見書
本県の畜産業は、農業の基幹部門であり、安全・安心、高品質な畜産物を消費者に安定的に供給することを理念に、生産者と畜産関係団体・行政が一体となって、産地づくりに取り組んできたところである。
しかしながら、原油価格高騰を背景とした米国におけるバイオエタノール需要の増加により、飼料穀物価格の急騰と輸送費が上昇し、配合飼料価格が高騰するなど、畜産農家の経営は厳しい状況に陥っている。
一方、畜産物価格は少子高齢化や消費者の食の多様化により、消費の伸びが見られず低迷しており、畜産物の生産コストの上昇分が小売価格に反映されていない状況にある。
これまで畜産関係団体においては、飼料価格の上昇に対し、家畜の生産性の向上や自給飼料の増産等、畜産物の低コスト生産対策を推進しているが、生産者の経営努力によるコストの吸収は限界に達しており、さらに、今後においても生産資材の上昇が懸念されるなど、畜産経営の存続が危ぶまれる非常事態となっている。
また、本県の特産品である金魚をはじめとする内水面養殖業においても、世界的な需要増大による輸入魚粉の高騰とバイオエタノール需要の増加による穀類関係の急騰により配合飼料価格が高騰しており養殖現場では生産コストが増大するなど一段と厳しい経営環境にある。
よって、国におかれては、こうした配合飼料価格高騰の影響を緩和し、畜水産経営の安定と国産畜水産物の安定的な供給を図るため、次の事項について特段の配慮を要望する。
1 飼料価格の安定対策と飼料配合価格安定制度の一層の充実・強化を図ること。
2 国産飼料の研究開発及び安定確保を行うための各種施策の推進。
3 国産畜産物の安定生産を確保するため、一定の所得を保障し、再生産が可能となる畜産経営安定制度の創設を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年3月24日
奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
農林水産大臣