意見書第15号
トンネルじん肺根絶の抜本的な対策に関する意見書
じん肺については、予防対策、健康管理の充実等、国においても各種対策が講じられてきたところであるが、トンネル建設工事におけるじん肺の発生は、いまだに社会問題になっている。
こうした中、全国11地裁において審理が進められてきたトンネルじん肺根絶訴訟の中で、東京・熊本・仙台・徳島・松山の五地裁において、いずれも「国の規制権限行使義務」の不行使を違法とする司法判断が示された。
また、これらの判決を受けて、昨年6月には、国とトンネルじん肺根絶に関する集団訴訟原告団との間で、じん肺政策の抜本的転換を図ることを主な内容とする「合意書」が調印された。この合意内容に基づき、係争中の4高裁11地裁全てで和解解決が図られることとなり、今後のトンネルじん肺対策の飛躍的な進展に、期待が寄せられている。
特にトンネルじん肺は、そのほとんどが公共工事によって発症する職業病であることなどから、早急に解決が図られるべき重要な問題である。
よって、国におかれては、「合意書」に基づき、トンネルじん肺根絶のための対策を速やかに講じるとともに、基金制度の創設など被害者救済のための制度の充実に努められるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年12月8日
奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
防衛大臣