意見書第10号

意見書第10号

   地域公共交通政策の推進を求める意見書

 現在、国土交通省では、すべての国民が健康で文化的な最低限の生活を営むために必要な移動する権利を保障するため、新たな法律の枠組みづくりを目的に、交通基本法(仮称)の制定の準備が進められている。
 移動権の保障に加えて、少子・高齢化、過疎化など厳しい社会環境の変化の中、福祉や環境、まちづくりに配慮した持続可能な社会づくりに、鉄道やバス、タクシーなど公共交通が果たす役割はますます重要になっている。
 政府においても、こうした分野への予算の重点配分を更に進める必要があるが、厳しい財政状況の中にあって、今ある資産の有効活用は非常に大切な政策課題であり、その一つとして、鉄道建設・運輸施設整備支援機構内に存在する「剰余金」の存在が注目されている。
 地域公共交通を維持・再生し、活性化していくことはあらゆる活動の基盤であることから、この剰余金については、国民の移動を保障し、福祉・環境にやさしい交通政策を推進するための資金として活用されるべきものである。
 よって、国におかれては、この資金の重要性を踏まえて、地域交通環境整備のための施策充実に有効活用を図ることを要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成22年10月1日

                           奈 良 県 議 会

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
国土交通大臣