脳卒中の取り組み状況(奈良県脳卒中地域連携パス)

~取り組み状況~

 奈良県保健医療計画では、地域の医療機関が役割分担し、連携して患者を治療する「しくみ」をつくることとしています。
 このうち、脳卒中については、脳卒中地域連携パス検討委員会を設置し、医療関係者が議論を重ね、行政と協働して、病院間で連携・協力して治療するしくみとして「奈良県脳卒中地域連携パス」を作成し、県下全域を対象地域とし運用しています。

地域連携パスとは

 急性期病院から回復期病院や維持期病院を経て、早期に自宅に帰れるような診療計画を作成し、治療を受ける全ての医療機関で共有して用いるものです。
 また、診療にあたる複数の医療機関が、役割分担を含め、あらかじめ診療内容を患者様に提示・説明することにより、患者様が安心して医療を受けることができるようにするものです。

目的
  •  回復への早道
     脳卒中を発症したら、発症直後の「急性期」、リハビリテーション中心の「回復期」、病状が落ち着く「維持期」、の各段階で専門の医療機能(得意分野)をもつ病院で連携して治療を受けることが回復への早道です。
  •  治療の向上
     医療機関が患者の情報を共有することで、いつでもよりよい治療をおこなえるようにします。

奈良県脳卒中地域連携パスの運用について

 平成24年2月末に北和地域を対象に先行運用を開始し、平成25年4月に対象地域を県下全域に拡大しました。令和4年10月現在43医療機関がパスに参加しています。
 運用の状況や結果について、定期的に委員会で検討し、奈良県全体での脳卒中治療の向上に努めています。

 [参考: 急性期登録 14 回復期登録 29 維持期登録 17 (複数登録を含む) ]

  

概要 

【地域連携パス適応症例】
 地域連携パスの適応症例は、外傷性を除く急性発症の脳梗塞、脳出血、くも膜下出血とし、転院・退院基準により急性期病院から回復期・維持期病院などへ転院となる症例とします。具体的には、入院された急性期病院の担当医が選定します。

【目的】
 奈良県における脳卒中疾患について、奈良県保健医療計画で設定した、急性期医療を行う医療機関と回復期医療を行う医療機関と維持期医療を行う医療機関の連携体制を構築し、関係医療機関間の連携を強化することにより、患者にとって必要な医療を、確実に受けられる体制の整備するとともに、可能な限り治療の標準化を行い、地域全体での脳卒中治療の向上を目指します。

【しくみの内容】
病院間が「パス様式」で、患者さんの情報を共有します。
急性期病院と回復期、維持期病院が連携し患者さんの治療経過に最適な治療を共同しておこないます。

【対象地域】
 県下全域

【参加医療機関】
 脳卒中治療をおこなう、奈良県内の医療機関及びそれと連携する医療機関のうち、手引きによる連携パスの運用に同意し、「登録票」を事務局へ届出した医療機関を、参加医療機関としています。
 令和4年10月現在で43医療機関が参加しています。

【パス適用期間】
  (1)急性期病院→回復期病院→維持期病院
  (2)急性期病院→回復期病院(上記(1)を除く)
  (3)急性期病院→維持期病院
(1)、(3)の場合・・・維持期病院を退院または維持期病院への転院から1年経過まで
(2)の場合・・・・・・・回復期病院を転院まで

【検討体制】
  脳卒中地域連携パス検討委員会
   事務局:奈良県福祉医療部 医療政策局 地域医療連携課