過去の「今月の質問」

過去の今月の質問
平成26年1月
  (質問)ほ場でハクサイの先端をひもでくくってあるのを見ますが、何のためにしているのですか。
(回答)ハクサイを畑に植わったまま保存しているのです。強い霜の降りる前に外葉で結球を包み、ひもでくくって霜や寒さで傷むのを防いでいます。中山間の寒い地域ではこの方法でも外側から凍傷を受けて腐ってしまう場合もあるので収穫して貯蔵します。収穫して貯蔵する場合は、良く結球したハクサイを収穫後3~4日陰干しして新聞紙2枚重ねで包み、屋内の冷所で立てて保存すると良いでしょう。

平成25年12月
(質問)収穫したニンジンの色が薄いのですが?
(回答)カロテンの生成不足が原因だと思います。カロテン生成の適温は、16~17℃と言われています。また、カロテンの生成は播種後60~100日の間に盛んに生成されるので、この時期に少しでも長く色素発色 の適温にあたるよう、は種の時期を考えてください。土壌水分が過湿の場合も着色が悪くなります。適湿となるよう排水対策をしっかり行って下さい。
 また、肥大着色時期に地上部が過繁茂だと根部の肥大や着色が遅れる場合もありますので適正な施肥に努めて下さい。

平成25年11月
(質問)ダイコンの肌が汚くなります。なぜですか。
(回答)ダイコンの肌が汚くなる原因には病害、虫害、センチュウ害等があります。また、複数の要因が重なりはっきりわからないものもあります。

 主なダイコンの肌が汚くなる病害は、そうか病、円形褐斑病、黒しみ病、根腐病などです。また、その症状から亀裂褐変症、横しま症として呼称されることもあります。土壌病害は一旦発生すると、翌年も発生する可能性が高いので、栽培場所を変えるか、土壌消毒をするのがよいでしょう。

 虫害ではキスジノミハムシの幼虫食害が知られています。食害を受ける生育段階、傷跡からの二次感染などで症状は異なってきます。こちらは成虫を見つけ次第駆除する等して産卵させないようにすることが大切です。

 センチュウ害ではキタネグサレセンチュウの害が知られています。薬剤による防除のほかにも、マリーゴールドの植栽によりセンチュウ密度を低減することもできます。


平成25年10月

(質問)サツマイモの収穫時期はいつ頃ですか
(回答)サツマイモの収穫期は比較的長いです。植え付け後100~120日(9月上~中旬)で収穫開始となりますが、試し堀りをしてイモの肥大を確認してから収穫すると良いでしょう。また、収穫の終了は初霜の前まで(10月下旬頃)です。収穫が遅れ、低温や霜に当たると品質、貯蔵性が低下するので気をつけてください 。

平成25年9月
(質問)ハクサイが毎年巻きません。

(回答)一番作りやすい秋どり(年内から1月どり)栽培について説明します。

 ハクサイを結球させるには結球開始時期までにある程度の葉面積、葉数の確保が必要です。播種が遅すぎると結球に必要な葉面積や葉数が確保されないまま低温にあい、花芽分化が起こり、そこで生育が止まってしまいます。また、早すぎると害虫や病気が発生しやすいので、種子袋等で品種特性を確認しながら、適期の種まきを心がけましょう。また、順調な生育のため、適期に追肥を行うことも必要です。

 苗を購入し植える場合は生育が停滞しないよう、スムーズに活着するよう心がけて下さい。

平成25年8月
(質問)オクラの果実にブツブツがでます。

(回答)いぼ果といわれるものだと思います。いぼ果は草勢が強すぎても弱くても発生することがあるので、適正な樹勢を保つように心がけて下さい。樹勢が弱いときは灌水と追肥で樹勢の回復を図って下さい。樹勢が強すぎる場合は下葉の摘葉を行い、樹勢の安定を図るとよいでしょう

 また、樹勢に関する他の症状として、強すぎると曲がり果が増え、弱すぎると果実ののびが遅くなって果皮が硬くなることがあります。 

(質問)モロヘイヤの種子は有毒だと聞いています。花が咲いた頃のモロヘイヤを食べても大丈夫ですか。
(回答) モロヘイヤの種子には強心配糖体という毒成分が含まれています。強心配糖体は成熟した種子に最も多く含まれますが、未成熟の種子や成熟種子の莢や成熟期の茎等にも含まれます。

 一般的にモロヘイヤは花芽が形成されると新芽の発生が止まってしまうので、その時点で収穫を終了します。そうすると上記の部分が混入する心配はないと思いますので、家庭菜園においても花が咲く前に収穫を終えた方がいいでしょう。

 また小さいお子さんのいる家庭などにおいては種子の保管にもご注意下さい。


平成25年7月
(質問)トマトの果実下部が腐ってきます。
(回答)尻ぐされ症だと思います。トマトの尻ぐされ症は病原菌によるものではなく、カルシウムの欠乏によって起こる生理的障害です。尻ぐされ症は開花10数日後、果実の急速な肥大に伴い、果実の乾物当たりカルシウム含量が急激に減少することから発生するとされています。また、一旦発生した果実への対策はなく、これから肥大していく果実への予防策しかありません

 カルシウム欠乏は土壌中にカルシウムが不足しているときはもちろんですが、土壌中に存在している場合にも起こります。たとえば夏期高温時の乾燥条件によりカルシウムの吸収が抑制されること、土壌溶液中にカリウム・マグネシウムなどが多く、拮抗的にカルシウムの吸収が阻害されること、生育が旺盛なため吸収されたカルシウムが果実に移行するのに時間を要すること等が原因です。

 防止策は果実へのカルシウム供給を安定的・継続的に行うことですそのためには活力ある根群の維持、急激な草勢の変化を避けることなどです。また被覆硝酸カルシウム肥料を用いること、開花後の果実肥大期に塩化カルシウム0.5%溶液を葉面散布することなども効果があるといわれます。


平成25年6月
(質問)スイカの追肥について。

(回答)スイカは栄養生長と生殖生長が同時に行われます。栄養生長に傾くとつるぼけとなり着果率が低下しますので、着果までは肥料の効きをやや抑え、果実肥大期に効きが現れるようにするのが基本です。そのため、元肥はやや控えめとし、つるが50cmくらい伸びた頃に、1回目、第1果が着果した頃に2回目の追肥を行います。それぞれ1株あたり化成肥料を50g程度つるの先端付近に施すとよいでしょう。
 スイカの根はつるの先端付近まで伸びています。追肥はつるの先端付近にしましょうというのは若い根がつるの先端付近に多いからです。

(質問)スイカの受粉について
(回答) 開花から時間が経つと花粉の発芽力が落ちてくるので、朝9時くらいまでに、開花した雄花の花びらをとった雄しべを開花した雌しべに直接つけます。受粉できた雌花は2~3日後に果実部分が膨らんでくるのが確認できます。開花からの日数が収穫日の目安となりますので開花日がわかるように果実の横にラベルをたてておく等しておくとよいでしょう。 収穫の適期は大玉スイカで開花後45~50日くらい、小玉スイカで開花後約35日です。


平成25年5月
(質問)ニンニクの収穫時期について

(回答)順調に生育した場合は、葉全体の3分の1~2分の1が黄色くなった頃が収穫期です。

病気や肥料不足等で早く枯れ上がることもあるので注意して下さい。試しに収穫して球の肥大状況を調べ、球の底部が平らになれば収穫期と考えていいでしょう。収穫が遅くなると土中で裂球することがあります。

 収穫したニンニクは風通しの良い軒先につるして乾燥させると良いでしょう。


(質問)トマトの追肥について

(回答)トマトは元肥を多量に入れると変形果や着果不良の原因になります。元肥は少なめにして追肥により樹勢を維持するとよいでしょう。

 具体的には一回目の追肥は、一段目の果実がピンポン球くらいの時期に一株あたり化成肥料20gを穴肥で、二回目以降は樹勢を見ながら奇数段果房の開花時に穴肥施用して下さい。

平成25年4月掲載
 (質問)キャベツの球が割れます

 (回答)結球肥大過多は、早春暖かくて降雨が多いときに、球の肥大が急激にすすむことでこります収穫の遅れや、冬期の止肥がおくれたり多かったりすることで起こりやすいので注意して下さい。時期的に言えば春~秋に収穫するものに多く,生長が衰える秋~初春に収穫する型ではあまりみられません。

 

質問)トマトやナスを植えようと思いますが苗選びのポイントを教えて下さい。
(回答)
全般的には徒長していない、栄養状態の良い苗を選ぶことです。(徒長とは、日照不足や肥料不足、密植等のため、植物がひょろっと伸びた状態のことをいいます。)

具体的には以下のとおりです。

1若い苗であれば双葉が残っている。

2茎が太く、節間が詰まり(葉と葉の間が短い)、全体的にがっちりしている。

3病害虫におかされていない。

4葉は厚く、葉色は薄すぎず、適度であること

 また、定植するときの苗の大きさですが、トマトでは本葉7~8枚、第1花房開花はじめ頃、ナスは1番花開花直前頃です。定植の適期は遅霜の心配がなくなり、夜温が15℃以上になった頃、5月の上中旬ですので、植え付け時期を考慮の上、苗の準備をして下さい。


平成25年3月掲載
  (質問)マルチの色による効果の違いについて教えて下さい。

(回答)うねの上に稲わらやもみ殻、黒色ポリエチレンフィルム等を敷くことをマルチングといいます。

   マルチングは乾燥防止、雑草の発生抑制、泥跳ね防止(汚れや病気の防止になります)や果実、株元等の地面接触部の汚れを回避する効果があります。ポリエチレン製マルチの効果としては、地温上昇効果、肥料の流亡抑制効果(反面、追肥等はしにくくなります。)などがあります。

   ポリエチレン製マルチの色による効果の違いの主なところは次のとおりです。

   透明マルチ:地温上昇効果が大きい。夏場は地温が上がり過ぎる。光を通すので、雑草抑制効果はない。

   黒マルチ:光を通さないので雑草抑制効果は高い。マルチ自体の温度が上がり、株元の温度が上昇するので、夏期は黒マルチの上に敷わらをして昇温を防止する。

   白マルチ:光を通さないので雑草抑制効果がある。地温上昇抑制効果があるので夏期に使用する。

   シルバーマルチ:アブラムシの忌避効果がある。地温上昇抑制効果がある。

 緑色マルチ:地温上昇効果が透明と黒色の中間であり、雑草の抑制効果もある。   

(質問サトイモの植え付け時期について教えて下さい。
(回答) 種芋の植付けは、サトイモが出芽後に晩霜に合わない時期になってから行うことが重要です。定植時の温度条件は地域差が大きいことから、平均気温がほぼ15℃になる時期を目安として、4月中旬~5月上旬くらいに定植するようにします。

また、植付けの深さは、種芋の芽の位置が地表から5~10cm程度になるよう植え付けます。植付け位置が深くなるほど出芽が遅れるので、あまり深植えにしない。あまり浅植えにすると日焼けや形の悪い芋ができやすくなるので注意して下さい。 


平成25年2月掲載
(質問)タマネギの追肥について教えて下さい。
(回答)植え付け後、3週間~1ヶ月と3月の2回にわけて、化成肥料を1平方メートル当たり50gずつ条間に施用し、中耕、土入れをしておきます。

追肥は遅くならないよう、3月上旬には終わらせるようにします。遅くなると玉は肥大しますが、品質低下と玉の日持ちが悪くなります。
   

(質問)野菜の種があまりました。来年も使えますか?
(回答) 種の寿命は品目や保存条件によって異なります。品目によっては保存状態が良ければ来年も使えます。

種を保存したい場合は、種を温度、湿度の低い状態に置きます。例えば、密封できる容器の底に乾燥剤を入れ、その上に種を置き、容器を密封し、冷蔵庫に入れ保存すると良いでしょう。

また、ネギ、タマネギ、レタス等は、種の寿命が短いので古い種は使わない方がいいでしょう。


平成25年1月掲載

(質問)タマネギが分球しましたが、なぜですか?

(回答)タマネギが生長点分岐を起こすのは,11月下旬と4月中~下旬頃です。11月下旬に生長点が分岐したものは,完全に分割した球になります。

4月中~下句頃に生長点分岐をしたものは,球の内部で分球して外面からは分球が分かりにくいものとなります。

 生長点分岐は,苗の素質や気温などの影響であり、播種後60~70日で葉数が7~8枚の大きさのもの,平均気温14~15℃のつづく暖冬に発生が多く認められるといわれています。

      

(質問)ジャガイモの種芋について教えてください。
(回答) 収穫した芋を種芋として使用することもできますが、ウィルス性の病気に感染している等で生育が悪い場合があります。生育が悪くなったり、できる芋が小さくなってきたら種芋の更新を図りましょう。その際は植物検疫所の発行する合格証票のあるものを使用します。
 入手した種芋が密閉状態なら速やかに開封し、通気を良くしてください。

植え付ける種芋の大きさは35~40gになるよう植え付けの1~2日前に切断し、日陰で乾燥させます。切断は原則縦向きに行い、1片に芽が2~3個残るようにします。小ぶりな芋は切断せずに植え付けてください。

春作の植え付けの時期は平坦地では2月中旬から3月中旬、中山間では3月中旬から4月上旬が目安です。また、植え付けの際は切り口を下向きにしてください。


平成24年12月掲載

(質問)ダイコンの内部に褐色に変色した部分があります。なぜですか?

(回答)病気による場合と生理障害による場合とが考えられます。
 病気による場合は 萎黄病、黒点輪腐病、黒腐病等々複数の病気があります。病 気の発生したほ場での連作は避けてください。生理障害による場合は微量要素欠乏、高温による発生等が知られています。ホウ素欠乏はダイコンの内部が赤褐色に変色し、ひどい場合は空洞化します。ホウ素は過剰症の発生しやすい要素なので施用する場合は気をつけてください。
 このようにダイコンの内部変色は色々な要因で起こります。

      

(質問)サトイモがごりごりしておいしくない部分があるのですが、なぜですか。
(回答) 水晶症という生理障害が疑われます。根いたみ、茎葉のいたみ等により同化作用が十分でない場合、子いもの養分が孫いもに取られることなどが発生の原因です。発生は品種による差が大きく、石川早生、石川早生丸などの子いもに発生することが多いです。

対策としては水晶症の発生の少ない品種を選ぶ、適正な水分管理に努める、収穫遅れにならないようにすること等が考えられます。


平成24年11月掲載
(質問)エンドウを連作してはいけないのですか。
(回答)エンドウは連作障害が激しく、5~6年は栽培しない方がいいと言われています。
 エンドウの連作障害の特徴的な症状としては次の3つがあげられます。

(1)発芽障害:芽が地上部に達するまでに立枯れとなる。

(2)株元褐変:発芽しても、地際部の茎の周囲が褐変してくる。

(3)根の腐敗:生育とともにしだいに根系全体が褐変腐敗する。    
  このように特徴的な症状は出なくても草丈が短くなったり、収量が減少したりというような場合もあります。
 エンドウの連作障害についてはまだはっきりとした原因が特定されていませんので、連作を避けることが最も有効な手段です。
    
(質問)サトイモの種いも貯蔵について教えてください。
(回答)」

 

(1)できれば晴天の続く頃掘り上げる。株を掘り上げてから親いも、子いもなどを切り離なさずにしばらく乾かす。

(2)保存方法を選択する

 ・親いもから切り離す方法:株から子・孫いもを外し、種いもを選別する。種いもは50g程度の卵形のものが良い。選別した種芋は十分乾燥させた後、貯蔵する。
・親いもをつけたまま貯蔵する方法:株を十分乾燥させてから貯蔵する。子いもと孫いもは親いもから分離せず株のまま貯蔵する。 乾燥が不十分だと貯蔵後に湿度が上昇し庫内が結露して貯蔵率が低下することがあるので注意する。

(3)貯蔵場所について

・家庭で貯蔵する場合
   温度変化の少ない場所、5℃以下にならない暗所(8℃±1℃くらいがよい)    
   でたとえば発砲スチロール製の箱を利用するなどして貯蔵する。  

・ほ場で貯蔵する場合

ほ場で貯蔵する場合は、地下水位が低く、排水良好で日当たりの良い場所を選ぶ。畝の上に種いもを積み上げる。種いものまわりをわら等で被覆しその上を約20cm厚さに覆土する。その上に防寒、雨よけのビニールを被覆し、畝間に排水溝を作る。


平成24年10月掲載
 


(質問))収穫したサツマイモが甘くありません。

 (回答)サツマイモは収穫したてより、少し時間が経った方が甘くなります。保存中にデンプンが糖分に変わるためです。品種間差はありますが、どの品種も一ヶ月間くらいは甘みが増加するようです。また調理法によっても甘みが違ってきます。甘みを引き出す調理のポイントは65℃~70℃の温度を長く保つことです。イモの大きさにもよりますが、一時間程かけてじっくり焼くとおいしく焼けます。
 次回栽培されるときは以下の点に気をつけてください。サツマイモ栽培に適する土壌は,やわらかくて通気性がよく,適度な土壌水分が維持できることです。粘土含量が多く地下水位の高いところでは,いもの肥大が劣るほか,皮の色や甘みがのらない等食味が低下しやすいです。高畝にして排水対策をしっかりしてください。また窒素分が多いと甘みが劣ってきますので注意してください。あまり地温が高くならないようにすることも大事です。

 

(質問)イチゴの植え付けについて教えてください。
(回答)イチゴは肥料濃度障害が発生しやすいので濃度障害の防止、持続的な肥効のため緩効性の肥料を主体とし、9月末頃に作付け準備をしておきます。定植は10月下旬に、畝幅1~1.2mの畝を立て、条間40cm、株間25~30cmの2条千鳥植えにします。植え方のポイントは
・ランナーの切り離した跡を内向きにして植える。
 (そうすると蕾は外側に出てきます)
・蕾を伸ばしたい方向にやや傾けて植える。
・深植えは絶対にしない。

 イチゴの根は浅根性で、乾燥に弱いので,土壌水分を適正に保つことが重要です。こまめな水やりを心がけてください。

 

平成24年9月掲載
(質問)ダイコンが二股になります。二股にしないための注意点は何ですか。

(回答)(1)根の伸びる先の土中に硬い土や石があるとき、肥料や未熟な堆肥等があるとき股根になります。対策として、堆肥は前作でほどこして、ダイコン栽培時には施さないようにします。
(2)深く丁寧に耕しましょう。耕土が浅くて深く耕すことができないような畑なら「聖護院」等の短根のダイコンを選びます。

(3)線虫などが生育初期に根を食害すると、変形が多くなります。土壌消毒やマリーゴールドの活用で線虫等の密度低減に努めてください。

 

(質問)タマネギの育苗について教えてください。
(回答)タマネギは早まきをして大苗になるとトウ立ちや分球になりやすく、逆に遅まきすると収量が上がらないので適期の種まきが大切です。(概ね9月が播種時期ですが、品種ごとの播種適期の幅は狭いので注意してください。)

 播種量は育苗床1平方メートルあたり5mlくらいです。育苗床では草丈5~10cmになったら間引きを行い、1.5cm間隔にします。

 育苗日数は早生種で50~55日ほど、晩生種で60日ほどです。良い苗は根張りのよい若苗、丈は20~25cm、直径5~6mm程度のものです。

 また、タマネギは酸性に弱いので、定植する畑には前もって石灰を施して土壌を中和しておくことが必要です。また、石灰の不足はタマネギの貯蔵に当たっても悪い影響が出てくることがあるので注意してください。

植え付けが早すぎたりあまり株間を取りすぎると苗が大きくなりすぎる可能性があります。タマネギは大苗で低温に一定期間あうことでとう立ちしやすくなります。定植時期と苗の大きさに注意して育苗を行いましょう。


平成24年8月掲載
(質問)シシトウが辛くなるのはどうしてですか。

(回答)生理障害ではありませんが、天候が不安定になる6月と10月には,辛味果が発生することがあります。乾きぎみの土壌で,急激な水やりや雨水などで土壌水分が著しく変化すると15~20日後に辛味果率が高くなるといわれています。

しかし、栽培管理のみで辛味の程度を低くすることは困難であり,辛味の程度が低い個体を選抜して採種する必要があると考えられます。

辛味の成分はカプサイシンで,すべてのトウガラシ品種には多少なりとも含まれています。無味無臭なので収穫した果実の辛さを匂いで推測することはできません。

(質問)キュウリが苦くなるのはどうしてですか。
(回答)キュウリは品種により,果実中に苦味物質ククルビタシンを生じます。特に濃い緑色の果実の頭部に生じることが多いですが、食べても毒ではありません。

同一株でも苦い果と苦くない果が発生したりすることがあり、苦味の完全な除去は簡単ではありません。水分不足,低温,一時的窒素過剰,日照不足,温度や土壌水分の急激な変化などの場合に苦味を生じやすいといわれているので、苦み防止のためにも適切な栽培管理に努めてください。


平成24年7月掲載
(質問)トウモロコシの先端部分に実が入っていません。
(回答)トウモロコシは株の先端に雄穂が着き、ここから花粉が出ます。雌穂は葉腋に着き、1粒1粒からヒゲ(絹糸)が出て、風媒によりこのヒゲに受粉し稔ります。

受粉期の多雨による花粉不足、異常高温による花粉の能力低下、家庭菜園では植え付け本数が少ないので花粉がかかりにくい、低温や乾燥による雌花の開花遅延で受粉できる期間が短くなる等の理由で不稔の部分が発生します。

また、雄穂や雌穂の形成時期は本葉5~8枚前後です。適切な管理により初期生育の促進に努めてください。

 適期に栽培する。乾燥したら水やりする。植え付けは1列にではなく数列にする。以前はわき芽を除外する「除げつ」という作業をしましたが、今はしないで葉面積を拡大した方が倒伏しにくくよいトウモロコシができると言われています。

(質問)ゴーヤの実がなりません。
(回答)結実不良の原因は交配不良、樹勢低下(根痛み、日照不足、栄養不足)、温度低下などが考えられます。
 ゴーヤの花は最初雄花ばかりが咲くことが多いです。雌花は子づるや孫づるにつくことが多いので親づるの先を切って子づるを出させるようにすると雌花が咲きやすくなります。

 樹勢が低下していてはせっかく受精しても立派な実がなりませんので樹勢を見ながら2週間に1回程度の追肥を行い樹勢の維持に努めてください。


平成24年6月掲載 

(質問)キュウリの果実が曲がります。
(回答)葉を摘みすぎたり、草勢が弱かったりして曲がることが多いです。
 キュウリはネットにからまったりする物理的要因で曲がることもありますが、一般的には葉で作られた養分が順調に果実に転流できなかったりする生理的な要因により曲がります。
一度に多くの摘葉を行ったりして草勢が弱ると果実どうしで養分を奪い合い、負けると曲がり果になります。
 また、開花時に子房の小さいものは養分の分配が少なくなり、曲がり果になります。草勢が弱ってくると小さい雌花が多くなってきます。明らかに曲がり果や変形果になるものは早めに摘果しておくと良いでしょう。
 また、整枝や追肥をきちんと行い、健全な株に育てるよう心がけましょう。

(質問)春ジャガイモの収穫適期を教えてください。
(回答)植え付け後100日程度、晴天の続いた梅雨入り前が収穫適期です。

 探り掘り)をして新イモの味を楽しみながら完全に肥大した頃に収穫すると良いでしょう。
 ただし、疫病の発生や梅雨に入り、気温が28度以上の高温になりそうなときは収量がやや少なくても早めに掘り上げるのが良いでしょう。

 収穫したジャガイモは日陰で乾かした後、暗黒で貯蔵します。

(質問)スイカの果実がなりません。
(回答)肥料の効き過ぎでツルボケ状態になっているため雌花が咲いていない可能性があります。
 今後の対策として勢いの良いツルを摘心して樹勢を抑えるのも一つの方法です。ただし、樹勢を弱らせすぎたりしないよう注意して行ってください。
 雌花が咲いても、日照不足によって雌花の生育が悪かったり、降雨により受粉が充分にできなかったり、肥料不足による落果等、他にもいろいろな要因が考えられます。