森林の適切な保全と活用シンポジウム

top  奈良県の森林は県土の77%を占め、私たちに多くの恵みをもたらしています。この豊かな森林を県民みんなの環境資源として未来に引き継ぐため、「奈良県森林環境税」を導入し、森林を守り育てる取組を進めています。
 税の導入から9年目を迎える今年度、森林環境税による事業の取組状況や効果を報告し振り返るとともに、これからの取組について考える場を設けるため、去る平成27年1月10日、橿原文化会館にて「森林の適切な保全と活用シンポジウム」を開催いたしました。

講 演 内 容

 

取 組 報 告

奈良県農林部森林整備課
sinrin
森林環境税を用いた取り組みとその状況・結果について、
県より報告させていただきました。

 
 報告書については こちら からダウンロードが可能です。



★上記リンクよりダウンロードしていただけます事業報告書は
 報告内容を網羅した【完全版】です。
 概要版をお持ちの皆さまもどうぞご覧ください。





基 調 講 演

 

未来社会での森林資源利用


長谷川 尚史 (はせがわ ひさし)

hasegawa京都大学准教授
(フィールド科学教育研究センター森林育成学分野、和歌山研究林長)
森林資源を持続的に利用しながらうまく付き合っていく社会の仕組みづくりについて、林業工学的見地から研究を行っておられます。

基調講演では、日本の森林がたどってきた歴史や現在さらされている状況について詳しく解説していただき、さらに未来の社会と森林との関係性について、様々な視点からその可能性やあるべき姿をお話しいただきました。


  未来社会での森林資源利用 No.1 (PDF 3.2MB)
  未来社会での森林資源利用 No.2 (PDF 4.4MB)

 


事 例 報 告


 

奈良県立青翔高等学校 森林環境教育の取り組み


生田 依子 (いくた よりこ)

ikuta奈良県立青翔高等学校教諭
奈良県の森林環境教育の研修を修了し、現在は講師として研修に協力していただく一方、学校教育の現場において、森林環境教育を実践していらっしゃいます。

事例報告では「教育部門」として、スーパーサイエンスハイスクールの特性を生かしたユニークな森林環境教育の様子についてお話しいただきました。



  奈良県立青翔高等学校森林環境教育の取組 (PDF 400KB)


 

きなりの郷 下北山村


上平 一郎 (かみだいら いちろう)

kamidaira下北山村村長
地域の自然の魅力を活かした村の活性化に取り組んでおられます。

事例報告では「利用部門」として、豊かな森林と隣り合って暮らす人々の生活や活動について、たくさんの事例をご紹介いただきました。





  きなりの郷 下北山村 (PDF 823KB)




よしの木の駅プロジェクトの取り組み
森林整備と地域経済の活性化を目指して


中井 章太 (なかい あきもと)

nakai中神木材代表
よしの木の駅実行委員会副委員長、吉野林業研究会会長、吉野町議会議員
若手後継者として、吉野町を中心に積極的に林業に取り組んでおられます。

事例報告では「整備部門」として、手入れが行き届かない放置林の現状とともに、それらを打開すべくスタートしたプロジェクトが地域を巻き込んで成長している様子についてお話しいただきました。



  よしの木の駅プロジェクトの取り組み (PDF 3.5MB)




森林生態系の保全
生物多様性保全と森林環境の再生に向けて


濱﨑 伸一郎 (はまさき しんいちろう)

hamasaki株式会社野生動物保護管理事務所 関西分室室長
奈良県における野生動物の保護管理について、多岐にわたり協力いただいています。

事業報告では「生態系部門」として、クマやシカといった野生の大型獣が人里や自然の環境に与える影響、またそれら大型獣の保護・管理などについてお話しいただきました。




  森林生態系の保全 (PDF 2.8MB)




ならやまプロジェクト
里地、里山の景観づくりと活用


藤田 秀憲 (ふじた ひでのり)
hujita奈良・人と自然の会会長
奈良市奈良阪町の景観に配慮すべき県有地において、里山整備に力を注いでおられます。


事例報告では「里山整備部門」として、身近な里山を整備・活用することの大変さや大切さ、またたくさんの人と協力しあい活動を続けることの面白さややりがいなどについてお話しいただきました。




  ならやまプロジェクト (PDF 4.3MB)  ※準備中





パネルディスカッション

 

パネルディスカッションでは長谷川尚史氏をコーディネーターに、これからの社会と森林とのかかわり方について、パネリストの皆さまにそれぞれの視点から課題点や展望などをご指摘・ご提言いただきました。

discussion

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プログラム


12:00 開場・受付開始

13:00 開会

13:05 取組報告『奈良県森林環境税使途事業の取組報告』

13:25 基調講演『未来社会での森林資源利用』
         長谷川 尚史 氏

14:25 パネルディスカッション
      『森林環境税を活用した取組を振り返り、これからの森林を考える』

16:30 閉会

ご意見・ご感想

ご来場の皆さまからアンケートを通じてお寄せいただきましたご意見・ご感想を
一部紹介させていただきます。


森林環境税による取組内容について

 

○山林を守るために最も重要なのは間伐であり、今これをしないと奈良の山林はダメになる 
(県内在住70代男性)

○あまりに過密な放置林では間伐の効果も数年で薄れてしまう。皆伐して自然林へ誘導する方策もとるべきでは?
(県外在住60代男性)

○さらに間伐が進むように、また、間伐材が有効に利用されるように、
 伐採した木材を搬出する費用の支援をすべきではないか。
(県内在住50代男性) 

○学校で森林教育を行い、木を「使う」文化を教えることが大切
(県内在住50代男性)

○森林環境税の取り組みがもっとたくさんの人に知れ渡るようPR強化を!
(県内在住60代男性)

○森と人、人と人のつながりやふれあいが増える機会を設けてください。
(県内在住60代男性)

○県民全体への還元につながる施策に注力してほしい
(県外在住40代女性)

パネルディスカッションについて

 

○長谷川先生のお話は分かりやすく、とても興味深かった。もっと詳しく聞きたかった。
(県内在住50代男性)

○パネリストの活動報告がどれもおもしろかった。この活動の多様さこそがそのまま森林の多様さなのだと感じた。
(県外在住50代女性)

○青翔高校の取組は素晴らしい。高校生に戻って入学しなおしたいと思った。
(県内在住50代男性)

○中井氏の報告は地域が活気づくことで森林が元気になるひとつの例として的を射た良いものであった。
(県内在住60代男性)

○初めて知ることが多く、勉強になりました。
(県内在住40代男性)

○シカの管理を強力に推進すべきだと改めて感じた。
(県外在住70代男性)

○藤田氏の話には強い「生きがい」を感じる。
(県内在住60代男性)

○事例報告が少し多いように感じました。もっと少人数に絞って、
 その分ひとりひとりの報告を深めていただきたかったです。
(県内在住50代女性)

そのほか

 

○パネリストの報告はどれも興味深かったが、少し時間をかけすぎている。
 ディスカッションが軽く、本題に入らないまま終わってしまったように感じた。
(県内在住60代男性)

○ディスカッションをもっと深く聞きたかった。時間が短く残念!
(県外在住60代男性)

○小規模な林家の多い奈良にとっての根本的な林業のあり方についてもお聞きしたかった。
 トータルで森林経営をできる企業体が育つことを願う。
(県内在住60代女性)

○こういった場をもっと頻繁に設けていただけるとありがたい。
(県内在住70代男性)

○改めて森林の大切さがわかり、子に孫にまで伝えていきたいと思いました。
 もっと若者が参加してくれればいいのに。
(県内在住60代女性)



たくさんのご意見ご感想、誠にありがとうございました。
今後の活動の参考とさせていただきます。
 

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農林部 森林整備課 森林環境管理係


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