平成20年度 東和圏域マネージャーコラム バックナンバー
平成21年3月
4月に圏域マネージャーになり、ア~っという間にもう3月。
1年過ぎるのは早いものですね。ばたばたと動いていて、ふと後ろを振り返ってみると、な~んにもできていませんでした。
人が歩いた後には道ができると聞きましたが、どんな道ができたのでしょうか?
もともと、振り返る事はしない人生を過ごしてきた50年なので、これからも前だけ向いて突っ走っていこうと思います。
まだまだ走り続けて倒れる時には前向きに倒れます。(By 坂本龍馬)

平成21年1月
前回のコラムで少し紹介させて頂いた、冤罪の控訴審の判決公判の傍聴に行きました。
期待していたこととはまったく反対の「有罪判決」がでました。弁護側が提出した事実認定を却下して、淡々と主文を読み上げる裁判官をみていると、空恐ろしさを覚え身震いがしました。ご家族、弁護団は即時、最高裁に上告しました。
被害者の方の心情を思えば、心についた傷の深さははかり知れません。しかし、無実の青年がいわれ無き罪をきせられて、何百日も拘留されることは人権侵害です。このようなでたらめな裁判が行われていることを目の当たりにして、日本はいつから国民を守れない国になってしまったのか?と思いしらせれてしまいました。
これからも、彼とご家族の苦しい闘いは続きます。私は支援をし続けていきたいと思っています。
また、この事件に関してたくさんの方から、署名をいただきました。この場をお借りして深く御礼を申しあげます。今後もご支援をよろしくお願いいたします
平成21年1月
最近ニュースを見ていると、知的障害者が事件を起こし、実名で報道される事があいついでいます。
それを見るたびに、しっかりと取り調べが(知的障害者の支援の専門家が同席して)行われているのかが、とても気になります。中には、警察が犯人を特定して、きちんと証拠を集めず自白重視で、起訴して検察もそれをうけ、裁判所も間違った判決を下しているのではないか?と感じることが多いです。私もいま、一件の裁判に少しだけですが関わらせてもらっていますが、これは明らかに冤罪だと思います。
犯罪を起こす人もいますが、起こしてもいない罪を背負い、罰を受けることは間違っているとおもいます。みなさん、この事件について興味がありましたら、是非東和圏域マネージャーの村山までご連絡ください。
声をあげても取り上げてももらえず、人権を傷つけられ、その傍らで真犯人はほくそ笑みながら、次の犯罪を引き起こしているかもしれません。
平成20年12月
かりいほがきた!
みなさん覚えていますか?9月号で紹介した、栃木県大田原市にある入所更正施設「かりいほ」のことを。
そのかりいほが、11月19日から22日まで、利用者21名職員8名総勢29名が車4台に分乗してはるばる15時間かけて、ひまわりの家に交流にきてくれました。
目的は、入所施設から出て社会生活をしている仲間の暮らし方を見に行こうと、
石川恒施設長の提案に利用者みんなが「いきたぁ~い」といったからです。
ひまわりの家やもちつもたれつさんで宿泊体験や、県庁にごあいさつにいってもらいました。その報告です。
☆かりいほ報告はこちら
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平成20年11月
2008人権講演会と交流会
10月9日~10月11日まで、長年交流を続けている「横浜市食肉市場 人権推進連絡協議会」と「横浜と場労働組合」から、「2008人権講演会と交流会」の講師依頼を受けて、ひまわりの家のメンバー、スタッフと一緒に横浜に行ってきました。
横浜と場は長い歴史のなかで、劣悪な環境の職場で賃金無し現物支給で、それを自分達で販売をして生活費に変えるという労働を続けさせられていました。その流れを、職人さん達がみんなで団結して労働組合をつくり、長い年月をかけて自分達の身分の安定を勝ち取って今に至っています。
その横浜と場から、ピープルファースト活動で障害者であるまえに人間であると、当事者活動を続けているメンバー、スタッフに話しを聞かせてもらい、これからも共に協力していこうということで横浜まで出かけていきました。
講演会は夜からで、その前にと場を見学させていただきました。
そこは、想像していたものとは全く違う世界でした。生産者が丹誠込めて育て上げた牛や豚などを、いかに大切に立派な商品として、安心して消費者が買えるようにと、職人さん達が、真剣に仕事に向き合い、お互いに連携を取り、次の人が働きやすく、短時間で作業して行く姿は、これまでの人生で見てきたさまざまな仕事の中で、これほどに崇高で、気持ちのこもった仕事を見たことがありませんでした。
メンバーもスタッフも食い入るようにひとつずつの作業を見入っていました。「生きる」ということと「食」という間に「人」が介入して、まるで神聖な儀式のような仕事をしている人達がいて、自分達は生きていけるのだと思いました。
後日談ですが、見学からもどったメンバーさんたちが、急に就労を目指したり、責任を持って作業に取り組んだりしています。
平成20年10月
てっさ
2回も続けて私事ですみません。
9月17日で満50歳になりました。子供の頃に見ていた50歳の人達は貫禄があって落ち着いていて、なんとも言えない風格がありましたねぇ。
なぜ僕にはないのでしょうかねぇ?お腹はバッチリ出ていて体型だけは貫禄あるのですがやはり、人間が軽いのでしょうねぇ。
実はこんな僕にも連れ合いがおりまして、結婚して24年がすぎました。恐ろしいですねぇ。
そんでもってという訳でも無いのですが、たまには夫婦二人で旅行でも行こうかと9月13日・14日に小浜市の阿納という町に行ってきました。旅行にいく3日前くらいから、『ケンカしてはダメだ旅行に行けなくなる』妙な雰囲気が家中に蔓延していました。まあ何とか当日を迎え、電車にのり、民宿の人に駅まで迎えに来てもらい、夕食は河豚づくし、翌日も天気に恵まれ、小浜の放生祭り(ほうぜまつり)という京都の祇園祭りに似た祭りを見てきました。
民宿の若女将が言った「子育てが終わって一息ついてお二人で旅行なんてうらやましいですね。」と言われまんざら悪い気持ちがしませんでした。
家に帰りつくと、きれいさっぱりと旅行のことなど忘れてしまい。「毎日、毎日何時に帰って来たら気が済むのよ!!」「うるせー、こっちは仕事なんだよぉ~」とやりあっています。
あの、美味しかった河豚の「てっさ」は夢だったのでしょうね。
平成20年9月
「かりいほ」全景
「いつでも、お気軽に声をかけてくださいね。」といいつつ、夏休みをいただいてしまいました。申し訳ありません。
休みを利用して、栃木県にある、旧法の知的障害者入所更正施設「かりいほ」にお邪魔しました。山林に囲まれた涼しくて静かな場所にある「かりいほ」はちょっと見には、コテージがあるキャンプ場の様でした。みんなが、あたたかく迎えてくれ、農作業や、日帰り旅行、買い物、外食、宴会と、たくさんの人と、話し、食べ、飲み、笑い、楽しい5日間でした。
しかし、このように楽しく、安心で充実した環境の整った「かりいほ」で生活している人達が、みんな「元の所に戻りたい。」「他の場所で新しい暮らしをしてみたい。」「かりいほを卒業したい。」と言っていました。
石川施設長は、「どんな事をしても、みんなを社会生活に復帰させる。」と言われています。実際に1979年に開設して以来29年間で142人を社会に送り出しています。地域で暮らせなくなって、「かりいほ」に来た人達が社会に復帰する為に自信を取り戻し、社会生活を支える仕組みを作る。自分と同じ考えを持った先輩に会えたことと、それを実現しようと頑張っている利用者に会えて、本当に気持ちのいい夏休みでした。
その「かりいほ」の仲間達が、11月19日から21日まで奈良旅行にきます。
平成20年8月
みなさんは奈良県広陵町で起きた「大橋製作所事件」をご存じですか?すでに新聞やテレビなどで報道されているので、知っておられる方も多いかと思いますが。
家具製造をしていた大橋製作所は、障害を持った人達を雇用しておきながら、仕事が遅いと言って殴ったり、賃金をきちんと支払わなかったり、本人達がしらない間に障害基礎年金を申請してそれを勝手に使ったりしていました。そんな社長と監査役に対して、奈良地方裁判所は懲役2年の実刑判決を言い渡しました。
原告団の一人の篭谷英次さんは、今、ひまわりの家のケアホームに住んでいます。彼を含めた10人の被害者たちは長い人で30年も大橋製作所で働いていました。判決を聞いて篭谷さんは「2年間は短すぎる」と言っています。暴力を振るわれ、賃金も支払われず、年金まで盗られていた篭谷さんたちは、今でも社長をみると、怖くて体が金縛りにあったようになります。
それでも、やっとみんな自分の口で「社長はお金を返して欲しい」「30年は刑務所にいてほしい」と口にだせるようになりました。たくさんの仲間に応援されて、彼らはやっと人間らしい生活をできるようになりました。障害者の人権侵害は他にも沢山起きています。自分たちの身の回りでも起きています。みなさん、もし人権侵害に気が付いたら彼らを助けてあげてください。そして、その人権侵害を自分自身が起こしていないか、じっくりと考えてみてください。
平成20年7月
あさざの花
三宅町の花は「あさざ」です。小さくて、1cmくらいです。あさざは万葉集にも出てくる花で、その昔三宅は湿地帯で、一面にあさざが咲き誇っていたそうです。それが、近代になり、絶滅してしまいました。ひまわりの家の先代の理事長が、奈良県農業試験場にあった、あさざを一株ゆずり受けて、田原本農業高校(現磯城野高校)の裏庭の泉水を借り、少しずつ、少しずつ増やしたあさざを 三宅町の家々一軒、一軒に配って回ったそうです。今では、三宅町のあちらこちらであさざの花を見ることができます。
あさざの花が咲くのを見るたび、麦わら帽子をかぶり、自転車に乗ってひまわりの家にこられ、にこにこと僕達を見守ってくださっていた、故中上理事長の笑顔を、想い出します。
平成20年6月
ふれあいコスモス
田原本町にあるイベント広場(コミュニティホール)では毎週水曜日、ボランティアサークル「ふれあい“コスモス”」というサロンが開催されています。高齢者・障害者・児童だれでも参加できます。「会員登録なし、参加費なし、だれでも来たい時に来たい人が来てくれたらいいんです。」とにこにこと代表者の外園宏子さんはお話されていました。
伺った日は6月4日に創立10周年イベントを開催する為の練習をされていました。主に高齢者が40名程参加されていて、ボランティアさんも色んな方達がおられ、着物姿で三味線をひいたり、参加者と一緒に踊りを踊ったり、知的障害の男性が音響係をやっていたり様々な役割を楽しげにされておられました。ボランティアは特別お願いした訳ではなく、知らないうちに集まっていたと外園さんは笑っていました。
平成20年5月
山添村の高齢者の
野菜市場
山添村は人口4,364人(2008年4月1日現在)高齢者の人口比率が20%を超えています。山間地の為、夏・冬の気温が低いのですが、そのおかげで美味しい野菜が沢山採れます。
しかし農業従事者に高齢の人が多い為に、出荷が出来なくなってきたそうです。そこで精神の作業所で働いている人達が、高齢者に代わり、野菜を収穫し、大阪に店を出して、直接販売で収入を得る事を考えました。
高齢者が栽培し障害者が出荷・販売を受け持つことで、お互いを支え合い、地域で共に暮らしていく。これからの地域生活のあり方のお手本が山添村にありました。