意見書第2号

 

性的指向・性自認に関する差別の解消を求める意見書

 

 

 近年、性的少数者に対する認知が大きく進む一方、日常生活や、就職活動を含む職場や学校などの社会生活においては、性的指向・性自認を理由とする差別的な取扱いを受けることが少なくないため、多くの当事者が本来の自分を隠して生きている現状があります。性的少数者は差別や偏見に晒され、周囲に悩みを相談しづらいことから、自殺リスクが高いことも指摘されています。

 性的少数者は、性的指向・性自認をカミングアウトした場合や、意図せずに知られた場合、差別や偏見、ハラスメントに晒されるという困難に直面します。また、本人の性のあり方が同意なく第三者に暴露されるアウティングも大きな問題となっています。性的指向・性自認を理由とする差別の解消は喫緊の課題です。

 海外では、国や地方公共団体、企業等において役職を有する者が性的少数者であることを表明したとしても、差別的な取扱を受けることなく、その者が持つ能力を十分に発揮することが歓迎される社会を既に形成している国も数多くあります。多様な性のあり方や、それぞれの違いを当然のこととして受け入れ、多様な生き方を認め合う社会を実現することは、一人ひとりが個性と能力を十分に発揮することができる、活力ある社会の形成に寄与するものです。

 よって、国においては、性的少数者が日常生活や社会生活において、また、同性パートナーと生活をともにする場合にも、差別的な取り扱いを受けることがないように適切な措置を講ずるとともに、社会全体が性のあり方の多様性を受け入れていくことを目指し、性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進や、性的指向・性自認に関する差別の解消を目的とした環境整備を行うよう、強く要望します。

 

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

   令和3年3月24日

                                                                奈

 

 

(提出先) 衆議院議長

      参議院議長

      内閣総理大臣

      内閣官房長官

      法務大臣

                  文部科学大臣

 

 性的指向・性自認に関する差別の解消を求める意見書