発行/奈良県議会
編集/議会広報委員会
令和3年12月1日発行
〒630-8501 奈良市登大路町30番地
☎0742-27-8964
奈良県議会だよりは2、5、8、12月の年4回発行予定です
9月定例会の概要
347回目となる9月定例会を、9月16日から10月21日までの36日間の日程で開催しました。今定例会には、知事から補正予算案や決算認定議案など27議案が提出されました。
開会日には、荒井知事から提案理由の説明を受け、その後、4日間にわたって14人の議員が県政全般について代表質問や一般質問を行い、活発な議論をしました。
また、5つの常任委員会のほか、予算審査特別委員会及び決算審査特別委員会を開催し、付託議案の審査などを行った上で、一般会計補正予算などの議案について、いずれも原案どおり可決、承認、認定等しました。
予算審査特別委員会を開催
令和3年度補正予算案を審査するため、当委員会を設置し、10月1日から8日までの間に4日間開催しました。
委員会では、各委員からの活発な質疑に対し、知事をはじめ関係者から詳細な説明が行われ、付託議案については原案どおり可決又は承認しました。
予算審査特別委員会委員(定数9名)
委員長
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佐藤 光紀(日本維新の会) |
副委員長
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亀甲 義明(公明党) |
委員
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池田 慎久(自由民主党)/ 井岡 正徳(自由民主党)
奥山 博康(自民党奈良)/ 山村 幸穂(日本共産党)
中村 昭(自民党奈良)/ 田尻 匠(新政なら)
川口 正志(創生奈良)
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決算審査特別委員会を開催
令和2年度の歳入歳出決算などを審査するため、当委員会を設置し、10月11日から15日まで5日間開催しました。
委員会では、各委員からの活発な質疑に対し、知事をはじめ関係者から詳細な説明が行われ、付託議案については原案どおり認定等しました。
決算審査特別委員会委員(定数10名)
委員長
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清水 勉(日本維新の会) |
副委員長
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川口 延良(自民党絆) |
委員
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樋口 清士(自由民主党)/ 植村 佳史(自由民主党)
乾 浩之(自民党奈良)/ 阪口 保(創生奈良)
岩田 国夫(自民党奈良)/ 小林 照代(日本共産党)
藤野 良次(新政なら) / 森山 賀文(新政なら)
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9月定例会 議決結果
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項 目 |
件数 |
件 名 |
議決結果 |
知事提出の予算案件 |
5件 |
令和3年度奈良県一般会計補正予算(第4号) 等 |
原案可決 |
知事提出のその他案件
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3件 |
令和2年度奈良県歳入歳出決算の認定について 等 |
原案認定 |
7件 |
河川改修事業にかかる請負契約の締結について 等 |
原案可決 |
2件 |
人事委員会の委員の選任について 等 |
原案同意 |
1件 |
地方自治法第179条第1項の規定による専決処分の報告について |
原案承認 |
9件 |
公立大学法人奈良県立大学の経営状況の報告について 等 |
報告受理 |
※全ての議案等の件名及び議員別の表決結果は、ホームページに掲載しています。
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9月定例会 代表質問
新型コロナウイルス感染症対策について
小村 尚己(こむらなおき)議員 (自由民主党)
問
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県は、新型コロナウイルス感染症にかかる医療提供体制を確保するため、現在どのように取り組み、今後どのように進めていこうとしているのか。
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答
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重症者や死亡者を減らすことを最大の目標として、感染者全員の入院と宿泊療養を基本に、医療提供体制の充実に努めてきた。第4波や第5波では、感染者の急増により、一時、宿泊療養施設への入所をお待ちいただく方が増えたが、パルスオキシメーターの貸出や保健師による健康観察等により、健康管理や体調急変時の応急処置に万全を図ってきた。今後も、感染者全員の入院治療・宿泊療養を基本に、宿泊療養者や自宅療養者の重症化予防にきめ細かく対応するなど、医療提供体制の確保に全力で取り組んでいく。
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他の質問項目
●大和平野中央プロジェクト
●更生支援の取組
●滞在型観光の促進
●農業の担い手の育成・確保
●大規模広域防災拠点の整備
●県立高等学校の専攻科の設置
福祉人材の確保について
中村 昭(なかむらあきら)議員 (自民党奈良)
問
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人生百年時代を迎え、高齢者やその家族の安心した生活を支える、介護人材の確保・育成にどのように取り組んでいるのか、また、今後どのように取り組もうとしているのか。
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答
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県福祉・介護事業所認証制度により、安心して働ける環境づくりやキャリアアップ支援による人づくりに、施設・事業所自らが取り組む仕組みを構築している。また、若い世代への情報発信やシニア世代を対象とした研修などの取組も進めている。さらに、南和地域で、住民の困り事を聞き取り、適切に解決策につなげる仕組みとそれを担う福祉人材の検討も行っている。介護ロボットの導入に向けた研究が進むなど先進技術の進捗も見据えながら、働きやすい職場づくりが福祉人材の確保につながるよう、実効性のある施策を展開していく。
福祉・介護のお仕事魅力発見セミナー
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他の質問項目
●医療提供体制
●新たな森林環境管理制度
●公共交通の今後の維持・充実のあり方
●なら食と農の魅力創造国際大学校(NAFIC)を核とした周辺地域の賑わいづくり
●教室のICT環境
健康長寿に向けた取組について
藤野 良次(ふじのよしつぐ)議員 (新政なら)
問
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令和2年度なら健康長寿基礎調査では、新型コロナウイルス感染症の影響が県民の健康づくりに関する行動の減少や環境の悪化に繋がっているとの結果が出ており、今一度、県民に対して運動の実践や健診受診を促す必要があると考えるがどうか。
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答
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県が目標に掲げている健康寿命日本一を達成するためには、運動の実践や健診受診は大変重要であるが、コロナ禍における巣ごもり傾向により、県民が外に出て運動する割合や健診受診率が低下している。新型コロナウイルス感染症の収束がまだ見えない中ではあるが、過度に恐れて外出や受診を控えることのないよう、県民の皆さまに色々なツールを使って、正しい情報、正しく恐れて正しい行動をするということを発信していく。
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他の質問項目
●大雨・豪雨対策
●バリアフリー基本構想
●新型コロナウイルス感染症への対応
●物流の確保と支援
●県職員の労働環境
●教育問題
●通学通園路における安全総点検
鳥獣被害対策について
浦西 敦史(うらにしあつし)議員 (創生奈良)
問
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野生鳥獣による農業への被害は依然深刻な状況が続いている中、本県での鳥獣被害対策の状況と今後の取組について伺いたい。
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答
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狩猟者確保のための免許取得促進講習会等の開催や鳥獣の隠れ場所をなくす緩衝帯の設置、侵入防止柵整備の支援、シカ・イノシシの捕獲を行っている。また、侵入防止柵の点検やイノシシの隠れ場所をなくすための草刈などの集落ぐるみでの取組に対する支援も行っている。今後も、市町村や関係団体等と連携しながら、これまでの取組を継続・強化するとともに、現在実施している集落ぐるみの取組の成果を広く紹介することにより、新たな集落への拡大を図るなど、実効性を上げていきたい。
侵入防止柵
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他の質問項目
●新型コロナウイルス感染症への対応
●学校での新型コロナウイルス感染症への対策等
●奈良県における地域デジタル化
●県の公共施設への県産材の利用促進
●大和トウキの生産振興
●京奈和自動車道の供用済み区間の維持修繕
新型コロナウイルス感染症対策について
太田 敦(おおたあつし)議員 (日本共産党)
問
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新型コロナウイルス感染症を抑え込むためには、PCR検査をさらに拡充する取組が必要と考えるが、どうか。
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答
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感染拡大防止のためのPCR検査については、その重要性を十分に認識しており、全国に先駆けて、昨年の6月から、幅広く検査を実施してきた。具体に検査の対象となる方は、発熱や味覚・嗅覚障害、倦怠感、息苦しさなどの症状の有無に関わらず、感染リスクのある方すべてで、無症状の方も含まれる。本県では、発熱などにより、感染の心配のある方が、自宅に近い医療機関で検査を受けることが可能となっており、1日に5千件の検査ができる体制を整えている。今後とも、感染リスクのある方は全て検査につなぐという方針で、早期発見、感染拡大防止に努めていく。
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他の質問項目
●大規模広域防災拠点整備
●障がい者の工賃向上
●平群町のメガソーラー開発計画
●県産農産物の販路拡大
●子ども医療費助成制度
●県立高校のパソコン購入
西和医療センターの移転・再整備について
清水 勉(しみずつとむ)議員 (日本維新の会)
問
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JR王寺駅南側が候補地とされているが、事業用地の確保が非常に困難であり、用地費や移設補償費などが多額になると思われる。また、同地は洪水浸水想定区域であり、防災の観点からも問題があるため、候補地の見直しが必要ではないか。
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答
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移転候補地には、JR王寺駅南側の電車留置線基地や駐輪場などの公共施設を含んでいるため、代替施設の確保や費用負担は重要な検討課題である。また、浸水対策としては、洪水浸水想定区域にある他の災害拠点病院の対策も参考にしつつ、機械室の高層階への配置を行うなど、災害時でも医療機能が維持できるよう検討している。西和7町からは、交通至便なJR王寺駅南側への設置が要望されており、西和地域の住民が将来に渡って適切な医療が受けられるよう、今後さらに検討を深めていく。
現西和医療センター
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他の質問項目
●奈良県大規模広域防災拠点の整備
●総力戦で挑む防災・減災対策
低出生体重児の支援とリトルベビーハンドブックについて
亀甲 義明(きっこうよしあき)議員 (公明党)
問
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小さく生まれた赤ちゃんとその家族を励まし、少しでも不安を解消し、健やかな子育てを支援するため、県はどのように取り組んでいるのか。また、リトルベビーハンドブックを発行すべきと考えるがどうか。
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答
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全市町村に設置された「子育て世代包括支援センター」において、医療機関や保健所などの関係機関と連携し、家庭訪問などのきめ細かな継続的支援を行っている。しかし、低出生体重児に対する支援のノウハウの蓄積が十分でない場合もあるため、「母子保健運営協議会」の場で、情報を共有し、センター活動を支援している。ハンドブックについては、当該保護者の心情に寄り添った支援策として重要と考えており、発行に向け市町村とともに取り組んでいく。
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他の質問項目
●新型コロナウイルス感染症への対応
●医療的ケア児とその家族に対する支援
●県立医科大学新キャンパスの整備
●「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の世界遺産登録
●国民スポーツ大会の開催に向けた施設整備
●若年層の県内定着の促進
●全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた学習の質の向上
9月定例会 一般質問
飲食店等の新型コロナウイルス感染防止対策施設認証制度について
川口 延良(かわぐちのぶよし)議員 (自民党絆)
問
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5月より開始した飲食店等への認証制度の取得状況はどうか。また、これまでの取組を踏まえ、今後どう対応していくのか。
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答
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9月24日現在、申請1134店舗のうち609店舗を認証している。これまで、対象約7千店舗にチラシ送付や電話で働きかけ、さらに認証店舗の増加を図るため、商店街等を巡回して申請を促す取組を開始した。また、認証に必要な感染防止対策経費に対する補助金の申請期限を11月末まで延長した。今後も制度を浸透させ、感染リスクを抑えて飲食できる店舗を増やせるよう努めていく。
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他の質問項目
●奈良マラソン
●児童養護施設を退所した若者等に対する自立支援
●教育現場におけるワクチン接種の判断に資する丁寧な情報提供
●コロナ禍における学びの継続
事故の心配がない地域づくりについて
乾 浩之(いぬいひろゆき)議員 (自民党奈良)
問
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道路の白線表示の補修について、道路管理者(県など)が実施する区画線と、公安委員会(警察)が実施する道路標示を、一元化していく必要があると考えるがどうか。
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答
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区画線と道路標示について、これまでそれぞれの管理者が優先順位を定めて引き直しを実施していたが、近接する箇所の場合は、定期的な情報共有・調整により施工時期を合わせるようにする。また、同一交差点など効果が認められるものは、施工時期や費用負担の調整を行い、県の道路管理担当部局が一括して路面標示の工事を実施することも考えていく。
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他の質問項目
●安心して働ける地域づくり
●広域連携による地域力の発揮
●県内の献血確保
●安心して学べる学校づくり
都市計画区域区分の方針について
中野 雅史(なかのまさふみ)議員 (自由民主党)
問
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産業基盤づくりの推進には、企業の立地のタイミングを踏まえた柔軟な対応や、市町村による積極的なまちづくりの取組が必要だが、今後の区域区分の方針はどうか。
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答
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これまで区域区分の変更は一斉見直しを基本としていたが、個別に計画の実現性などを勘案し、適時変更するなど、柔軟な対応が必要である。一方、市街化区域内で未利用地が多い地区などは、市街化調整区域への変更も必要である。今後、このような考えのもと取り組むが、まちづくりは各地域で主体的に計画を立てることが必要なことから、市町村と意識を共有し、連携を図っていきたい。
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他の質問項目
●まほろば健康パークの機能強化
●奈良まほろば館の活用
●県道奈良大和郡山斑鳩線小泉交差点の渋滞対策
●通学路の安全対策
●中高生のSNSでの被害防止
新たな土地利用の仕組みの構築について
樋口 清士(ひぐちきよひと)議員 (自由民主党)
問
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新たな土地利用制度構築の進捗状況はどうか。特に、合理的な土地利用を促進するため、市町村との調整や施策分野間の調整などが重要だが、今後どのように取り組んでいくのか。
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答
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都市、農地、森林等の各分野の有識者が参画する懇談会にて、斬新な視点から意見を頂き、議論を重ねている。また、市町村の役割が重要であるため、市町村長サミットや地域フォーラムで議論を行ってきた。今後も、分野横断的で地域の関心に沿った議論を深め、土地利用に関する計画策定や条例制定にもつなげていきたい。
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他の質問項目
●新たな森林環境管理制度
●大和川流域の総合治水対策
山添村太陽光発電計画について
阪口 保(さかぐちたもつ)議員 (創生奈良)
問
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開発面積は、約81haで標高400m~500mの傾斜地での大規模開発である。地元住民は、土砂災害、水源の汚濁等の不安から反対している。地元の理解、協力がない現状では、計画の推進が困難ではないか。
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答
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許認可に先立つ事前協議を受けて示した指導事項に沿って、法令遵守や地元等に対して理解が得られるよう説明に努めているか、注視していく。今後、事業者が開発行為に必要な各種許認可にあたっては、土砂災害が発生するおそれがないか等、十分検討する。
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他の質問項目
●太陽光発電所に係る条例の制定
スポーツ指導のあり方について
尾﨑 充典(おざきみつのり)議員 (新政なら)
問
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地域のスポーツ指導者が体罰などを行わないよう、体罰や言葉の暴力を禁止する項目やメンタルヘルスなどを盛り込んだ(仮称)スポーツ指導者検定を新たに作成する必要があると考えるが、どうか。
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答
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スポーツの指導者には、スポーツに取り組む人や選手を主体に考え、楽しいものであることを伝えるとともに、選手が設定した目標を、選手自ら考えて達成できるように導いてほしいと願っている。このようなスポーツ指導者の養成は、施設整備以上に大事であるため、今後、指導者の育成や検定の必要性について研究していく。
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他の質問項目
●スポーツ大会開催のあり方
●熱中症対策
●各種スポーツ大会の日程
新型コロナワクチン接種について
植村 佳史(うえむらよしふみ)議員 (自由民主党)
問
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10代の子どもへのワクチン接種では、より慎重に適切な判断が可能となるよう、副反応のリスクについても保護者と本人に対して十分な情報提供が必要と考えるが、どのように取り組んでいるのか。
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答
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現時点での接種のメリットや副反応のデメリットに関する国や関連学会等の情報を集約した「12歳以上の若年者への新型コロナワクチン接種Q&A」を作成し、ホームページに掲載している。今後も、情報を随時更新し、本人や保護者が接種の可否を適切に判断できるよう、情報発信に努める。
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他の質問項目
●新型コロナウイルス感染症対策
●消防の広域化
質問・答弁の全文は
代表質問・一般質問とその答弁を掲載した会議録を、次の定例会開会までに奈良県議会ホームページに掲載します。
第15回紀伊半島三県議会交流会議が開催されました
第15回紀伊半島三県議会交流会議が、7月21日に三重県にて開催されました。
この会議は、紀伊半島三県(三重県、奈良県、和歌山県)の議員が一堂に会し、紀伊半島の振興及び発展に資するため、直面している共通課題について意見交換を行うことを目的として、毎年開催されています。今回の会議も、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期した上で進められました。
本県議会からは、荻田議長や和田副議長をはじめ7人の議員が参加し、ワーケーションの推進や紀伊半島アンカールートの整備促進による国土強靱化及び地方創生の推進、公共事業における木材の活用について、活発な意見交換を行い、今後とも情報共有するなど三県議会が連携して、国に要望していくことで合意しました。
会議の様子
大野将平氏にスポーツ特別功労賞を授与
第32回東京オリンピック柔道男子73kg級で優勝し、金メダルを獲得した大野将平氏が、9月16日県議会議長室を訪れました。荻田議長より奈良県議会スポーツ特別功労賞を授与し、その栄誉をたたえました。
吉野高等学校の生徒が作製した県議会議長・副議長の名札の贈呈式
7月20日、県立吉野高等学校森林科学科の生徒5名に作製いただいた県議会議長と副議長の机上の名札の贈呈式を行いました。名札は生徒らが、授業の中で、レーザー加工機を用いて作製したもので、生徒らから荻田議長、和田副議長に手渡されました。
可決した意見書
この定例会では、意見書4件を可決しました。
意見書は、内閣総理大臣のほか関係大臣などに提出しました。
意見書
●中華人民共和国による人権侵害問題の解決を促し、日本政府に必要な措置を講ずることを求める意見書
●新型コロナウイルス感染症ワクチンの安心・安全、円滑な接種の促進を求める意見書
●子どもの歯の矯正治療に保険適用を求める意見書
●出産育児一時金の増額を求める意見書
▶奈良テレビでは、本会議の代表・一般質問を生中継しています。
▶インターネット動画では、本会議の全日程や委員会の審議の様子をライブ配信するとともに、録画配信も行っています。
※感染予防のため、可能な限りこちらをご活用願います。
県議会では、公職選挙法を遵守し、虚礼廃止の実をあげるため、選挙区内の香典を一切行わないことで申し合わせています。