意見書第6号

痴漢被害への対策を求める意見書

 

 痴漢は最も身近な性暴力の一つであり、性犯罪である。これまで痴漢は「ささいな問題」、あるいは「女性が注意すれば済むこと」とされ、多くの被害者が泣き寝入りをさせられてきた。

 2019年1月21日に「#We Too Japan」が発表した、10代~40代を対象にした調査結果によると、電車や道路などの公共空間で女性の7割が「加害者から体を触られる」「体を押し付けられる」などの被害に遭っていた。また、同調査によると、電車内における過去1年間の痴漢被害経験率は10代が最多である。痴漢は「子ども・未成年への性暴力」でもある。

 被害の後、「電車に乗ろうとすると過呼吸になり仕事を辞めた」「頻繁なフラッシュバックに苦しみ続けている」など、被害者はその後の人生に深刻な打撃を被っており、多くの場合は被害を訴えることもできないでいる。

 よって、政府においては、次の対策を実施するよう、強く要望する。

                                       

1.痴漢被害の実態を調査すること。

 

2.性暴力ワンストップ支援センターの増設を行うなど相談窓口を充実し、広く知らせること。

 

3.痴漢加害根絶のための啓発や加害者更生を推進すること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

   令和4年7月1日

                           奈 良 県 議 会

 

(提出先) 衆議院議長

      参議院議長

      内閣総理大臣

      内閣官房長官

      法務大臣

      文部科学大臣

      国土交通大臣

      国家公安委員長

      内閣府特命担当大臣(男女共同参画)こども政策担当

 

痴漢被害への対策を求める意見書(pdf 91KB)