令和5年5月26日(金曜日)知事定例記者会見

【発表案件】
○県庁の働き方・職場環境の改革について

【質疑応答】
○予算執行査定について
○関西広域連合への全面加入について
○大阪・関西万博への参画について
○高校授業料の無償化について
○知事の職務について
○副知事の人事について
○国道168号助人トンネル死傷事故の対応状況について

 

 

司会:

 おはようございます。ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 本日の記者会見は、ユーチューブ、奈良県公式総合チャンネルで生配信しております。

 初めに、知事から発表案件が1件ございます。発表案件の内容は、「県庁の働き方・職場環境の改革について」でございます。

 それでは、山下知事から発表いただきます。知事、よろしくお願いします。

 

 

【発表案件】県庁の働き方・職場環境の改革について

 

 

知事:

 5月8日の就任式におきまして、昨年5月31日に奈良地方裁判所から出た判決について言及させていただきました。それは、県職員の過労自殺に関してでございます。こうした非常に悲しい、痛ましい事件を二度と起こさないというために、私は、県の職員の働き方、そして、職場環境の改革が絶対に必要であるというふうに考えまして、就任式の当日にサービス残業は一切禁止するということを表明させていただいたところでございます。その後、今日に至るまで、職員のメンタルヘルスの状況について、県の担当課からヒアリングをさせていただいたところ、かなりゆゆしき事態になっているということが分かりましたので、今般、そのゆゆしき事態を改善するために、県庁内に新しい会議体を設置したいというふうに考えまして、それについて発表させていただくものでございます。

 お手元の「県庁の働き方・職場環境の改革について」というA4横の資料をご覧ください。

 まず、1枚めくっていただきまして、メンタルヘルス不調による長期病休者の割合について、長期病休者というのは30日以上を示しておりますが、平成30年から令和3年度まで奈良県の長期病休者の割合は、平成30年度から令和2年度は全国ワースト1位、令和3年度はワースト2位ということで、全国平均と比べて非常に数値が悪いことが判明いたしました。奈良県の長期病休者の割合、そして、都道府県及び政令指定都市の平均は、資料に記載したとおりでございます。ざっくり大体、都道府県及び政令市の平均の2倍ぐらいで、平成30年度、令和元年度、令和2年度は推移してきたということでございます。

 2枚目、一般行政職の退職者数と退職割合についてですが、これは49歳までの中途退職者の数とその割合を示した表でございます。奈良県の平成24年度と令和2年度を比べましても、中途退職者の割合は、中途退職者の数は、17人から38人と、数で約2倍、率で約2.5倍に増えております。都道府県全体の平均と比べますと、30歳から39歳の中途退職者の割合が都道府県全体の平均の約2倍、40歳から49歳に至っては約3倍ということになっておりまして、中途退職者の数が大変多いということが見てとれます。

 それから、その次の資料ですが、こうした数値を、県庁を志願する人が知ってか知らずか分かりませんけれども、最近はそういう情報というのは、いろんなネット上のサイトで結構流布してまして、大学生なんかはそうしたものを結構見てますので、こういう数値を知ってなのかもしれませんし、口コミ等を見てのことかもしれませんが、警察官を除く奈良県の職員採用試験の競争率は、平成24年度は7.1倍だったんですけど、令和3年度は3.0倍となっております。都道府県全体で見ましても、若干倍率は低下しているんですけれども、それでも都道府県全体の平均が5.2倍ですから、奈良県は顕著に倍率が低いということになっております。

 こうした事態を改善するために、先ほど9時10分から知事、副知事、部局長が構成メンバーの庁議というものを開催いたしまして、そこで、こうしたゆゆしき事態を改革するための(仮称)県庁の働き方・職場環境改革推進会議を設置するということを表明させていただいた次第でございます。この会議の構成メンバーは、庁議と同じく、知事、副知事、部局長等となっております。初回の開催時期は、令和5年6月を予定しております。この会議体を中心として、具体的にどんな取組をしていくのかということは、これから煮詰めていくことになりますが、全部局長が集まる先ほどの庁議でも、こうした会議体を設置することについては、全参加者が前向きであったというふうに私は受け止めております。

 それで、県庁の職員一人一人が仕事にやりがいを持って、伸び伸びと働くということが、県民の幸福の増進につながるとともに、奈良県の発展にもつながることは明らかだと思いますので、こうした問題は、奈良県庁という組織、あるいは県庁職員一人一人の問題にとどまらず、奈良県全体の大きな問題であるというふうに考えておりまして、県庁がこうした問題を是正するために不退転の覚悟で取り組むということを、これは県民の皆様にもお示しする必要があるだろうというふうに判断をいたしまして、今日この場で記者の皆さんに発表をさせていただく次第でございます。

 私からは以上です。ご質問がありましたら、どうぞお願いします。

 

 

司会:

 ありがとうございました。

 

 

司会:

 ただいまの発表案件につきまして、ご質問がございます方は、挙手にてお願いをいたします。

 朝日新聞さん。

 

 

記者:

 このメンタルヘルスの不調について、いろんなデータがあると思うんですが、メンタルヘルスの不調の原因というのはどこにあるとお考えでしょうか。

 

 

知事:

 その究明もこれからしていくことになりますが、恐らく残業時間が長いというようなことは大きな要因の一つだろうと思いますし、その職場の雰囲気ですよね。上司と部下とのコミュニケーションが十分に図れているのかといった問題もあるんじゃないかとは想像しております。

 

 

記者:

 ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございませんでしょうか。

 共同通信さん。

 

 

記者:

 はじめに担当課からヒアリングを行ったということだったんですけれども、具体的にどちらの担当課からヒアリングを行われたのでしょうか。

 

 

知事:

 総務部です。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 時事通信さん。

 

 

記者:

 この働き方改革の推進協議を通じて、例えばチャットGPTを導入するとか、そういう具体的な考えは何かありますでしょうか。

 

 

知事:

 それは職員の業務量を軽減させるためにという意味ですか。

 

 

記者:

 はい、そうです。

 

 

知事:

 そうしたことも多分テーマになるとは思いますが、チャットGPTを県庁の業務でどう使っていくかということについての検討もまだ始まったばかりですので、具体的にどうするかというのはまだ決まっておりません。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 毎日新聞さん。

 

 

記者:

 長期病休者の割合のところなんですけれども、奈良県が第1位というのは、ほかの都道府県と政令指定都市の職員の長期病休者の割合を並べたときに奈良県が一番多いということでしょうか。

 

 

知事:

 そうです。

 

 

記者:

 分かりました。

 それと、一般行政職の退職者数の話と採用試験の話で、これは平成24年との比較になっているんですけれども、平成24年と比較したというのは何か理由があるんでしょうか。

 

 

担当課:

 比較といたしましては、現在と10年前との比較ということで、資料として整理させていただいております。

 

 

記者:

 分かりました。

 これから推進会議で検討されていくと思うんですけれども、何か目標のようなものはありますでしょうか。

 

 

知事:

 目標の設定もこれからですね。ただ、なるべくスピーディーに取り組んで、スピーディーに結果を出していきたいと思ってます。

 

 

記者:

 分かりました。

 この推進会議は、公開で行われるのでしょうか。

 

 

知事:

 ちょっとそれもまだ未定です。

 

 

記者:

 分かりました。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 読売新聞さん。

 

 

記者:

 県では既に働き方改革に関する条例が制定されたかと思うんですが、その条例と、この新しく設ける会議との折り合いといいますか、その辺りはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。

 

 

知事:

 令和5年の2月議会で条例を制定して、本年4月1日からその条例が施行されたということでございまして、これまで有識者から、本県の状況や最近の労働安全衛生の動向を踏まえて、ヒアリングをしてきたというふうに聞いております。その有識者からのご意見といたしましては、まず、勤務時間管理の在り方に関して、退勤時間の正確な管理が大前提であると。退勤管理を業務用パソコンの使用時間をベースとした客観的なものへと速やかに見直すことが必要といったご意見をいただきまして、これは既に、ご案内のとおり、実施しているところでございます。また、パソコンにより上限を超える超過勤務を遮断する仕組みを速やかに導入することが必要という意見もいただきまして、これも既に実施している状況でございます。それ以外にも、有識者から様々なご意見はいただいているんですけれども、具体的に、そのご意見をどう実行に移していくかということについては、まだ決まっていなかったので、それをこの会議体を中心として実行していく。そうした体制を今般整えたと、そういうことでございます。

 

 

記者:

 では、条例に基づいて具体的な施策を打っていくのがこの会議だという認識でよろしいでしょうか。

 

 

知事:

 はい、そういうふうにご理解いただいて結構です。

 

 

記者:

 分かりました。

 この会議の構成メンバーですけども、出席者はいわゆる幹部クラスになろうかと思うんですが、こういった問題を考える上で、要は、実際にメンタルヘルスに不調を訴えて休まれている職員の方のヒアリングというのも欠かせないと思うんですが、その辺りはいかがお考えでしょうか。

 

 

知事:

 おっしゃるとおりかと思います。ですから、この会議体の下にいろんな部会とか、ワーキングチームなんかを設置して、具体的な取組を進めていくということになると思います。その中で、おっしゃったようなヒアリングはしていく必要があると思ってます。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 毎日新聞さん。

 

 

記者:

 残業時間に関して、それが長いことを示すような何か具体的な数字はありますでしょうか。

 

 

知事:

 具体的な数字はございます。令和4年度で、職員1人1日当たり51分と聞いてます。

 

 

記者:

 例えば全国と比べて長いとか、そういった感じでしょうか。

 

 

知事:

 ちょっとそのデータは私の手元にないですね。分かりますか。残業時間の他の都道府県の平均との比較みたいなもの。

 

 

担当課:

 すみません、他の自治体等との比較につきましては、ちょっと今手元に数字がございません。確認を必要とさせていただきます。

 

 

記者:

 分かりました。

 それと、民間出身の知事個人として、残業時間を減らすための、何かアイデアみたいなものはありますでしょうか。

 

 

知事:

 そうですね。これは何となくの感覚ですけど、私は、やらなくてもいい仕事を結構やっているところがあるんじゃないかと思っています。ですから、必要以上に何か精緻な資料を作るとか、そうした必要は、私はあまりないんじゃないかと思ってまして、今回、予算執行査定をさせていただいて、本当に短い時間ですばらしい資料を作っていただいて、その職員の資料作成能力の高さには舌を巻いたんですけれども、私が判断する上で、こんな細かいところまで調べていただかなくてもよかったのになといったところもありまして、その予算執行査定に必要な資料の量と質について、特段、私が指示してなかったので、よかれと思って詳細な資料を出してくれたのはありがたいとは思ってるんですけれども、ですから、今回については、特段、私のほうから指示してないので、やむを得ないと思いますが、やっぱり作成する資料をもうちょっと簡素化するというようなことは、これから検討課題に上るのではないかなと思います。やっぱり資料の作成に割いてる時間って、すごい多いと思うんですよ。あとは、議会答弁の調整に関してのステップが、かなり緻密だというようなことも聞いてるんですけれども、もうちょっと簡素化できる部分もあるんじゃないかなとは思います。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。発表案件についての質問でございます。

 朝日新聞さん。

 

 

記者:

 10年前からこれだけ数値が悪化しているというのは、その間に例えば人員の削減とか、何か事業が急に増えたとか、何かそういう思い当たる理由はありますでしょうか。

 

 

知事:

 どうですか。

 

 

担当課:

 職員の定数につきましては、この知事部局におきましては、ここ10年間につきましては、大きな変動というのはございません。

 

 

知事:

 職員数に変動はない。

 

 

担当課:

 はい。定数自体に大きな変動はございません。以前は、定数の削減というのも行っておりますけども、ここ10年につきましては、大きな変化はございません。

 

 

司会:

 読売新聞さん。

 

 

記者:

 ちょっと知事の民間の目といいますか、弁護士としての目で見ていただきたいんですけども、このメンタルヘルスの割合とか、人数とか、退職者の数も含めてですけども、この数字に対して、率直にどういう思いを抱きましたか。

 

 

知事:

 いや、もう全国1位が3年間続いて、ようやっと令和3年度は2位になりましたけど、要するにまずもって、この1位とか2位とかいうことにすごくびっくりしたということと、多分、4月1日に施行された条例は、昨年5月31日の奈良地裁の判決があったから条例が制定されたんだろうと思うんですけど、なぜそれまでこうした問題の改善が放置されてきたのかなというのは率直に言って疑問に思いました。

 

 

記者:

 分かりました。

 対策等はこれからという面もあろうかと思うんですが、相当な意識改革も必要になるんではないかという中で、先ほどのワーキンググループの中で、例えば実際の病休者、休んでる方のヒアリング等も検討しているということですが、ほかに、例えばいわゆる上司に当たる方の講習だとか、何か現時点でそういった考えというのはございますか。

 

 

知事:

 管理職の意識改革のための管理職に対する研修とかいうのは必須だと思いますね。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 日本経済新聞さん。

 

 

記者:

 知事は生駒市長時代に職員の募集採用の斬新なポスターとか作成するなどされてますが、まず、この会議では、データを改善することによって学生さんとかにもアピールをしていくということになると思うんですが、その他、攻めといいますか、そういう職員の魅力を発信するような取組というのは、この会議の中で検討するのか、それはまた別で改めてやっていくのか、その際のアイデアというか、何か考えているようなことがあれば教えてもらいたいんですが。

 

 

知事:

 まず、県庁が組織を挙げてこういう問題に取り組むという姿勢をアピールすることが、もちろん県庁内の職員に対しても、今いろんなメンタルヘルス等で悩みを抱えている職員に対しても非常にいい影響を与えると思いますし、これから奈良県庁に就職しようと志す学生さんに対しても、いいアナウンス効果があるとは思っておりますが、この会議体での取組を適宜適切にオープンにして発信していくことで、奈良県庁を受けようとする大学生の皆さんにも、ああ、職場環境をよくしようとトップがリーダーシップを取ってやっているんだなというふうに思ってもらえれば、少し志願者も増えるのかなとは思ってます。ただ、職員採用試験の応募者を増やすための取組というのは、またちょっとこれとは別に人事委員会のほうで積極的に取り組まなきゃいけないテーマかなと思ってますので、それは切り離してやろうとは思ってます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。発表案件についての質問はよろしいでしょうか。

 

 

予算執行査定について

 

 

司会:

 それでは、その他のご質問がございます方は、挙手にてお願いをいたします。

 NHKさん。

 

 

記者:

 まず、就任以降されている予算の執行査定について、結果を公表される、そのスケジュールですけれども、いつ頃、どのような形でされますでしょうか。

 

 

知事:

 6月12日の定例記者会見で公表することを予定しております。

 

 

記者:

 実際にこれまでこの査定、視察などをやってきて、どのように感じていらっしゃいますか。また、一旦停止している21項目については、どのように考えていらっしゃいますか。

 

 

知事:

 言葉を選ばずに言えば、前知事の思いつきで行われてきた事業が非常に多いなという、これは選挙戦のさなかから言っていましたけれども、その思いを改めて強くしました。事業を実施するに当たっての基礎的な調査ですね、まず、その事業そのものが必要なのか、費用対効果がどうなのか、他の自治体で同様の取組をやっていて、失敗しているのか、成功しているのか、そうした調査があまりなされないまま、知事の思いつきでトップダウンでそうした事業が進められてきたという感を強くしました。また、いろんなハード事業を実施する場所の選定についても、客観的に他の候補地との比較というものを行って、実際に決めた位置が最も適切であるというような、そうした検討もなく、もう何となく、知事がここがいいと言っているから、ここだよみたいな、何かそんな感じで候補地が決められていったというような印象を強く受けております。

 

 

記者:

 やっぱり知事が最初想定されていたように、21項目については、基本的にはもう執行しないというような感じですか。それとも、実際に中に入って見てみて、執行するものはあり得るかなという考えですか。

 

 

知事:

 ソフト事業については、執行するものも結構あります。ハード事業については、執行しないもののほうが多い。一部執行するものもございます。執行する場合でも、もともとの計画どおりに執行するのではなく、規模を縮小するなりして、執行するというハード事業が多いです。ですから、元の計画のまま全面的にそのまま実施するハード事業というのは少ないと思っています。実施するにしても、内容を見直して実施するということです。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 毎日新聞さん。

 

 

記者:

 予算執行査定のことで、ハード事業はしないものが多いという話でしたけれども、これは、23年度の話なのか、事業としてそのままでは実行しない、今後、来年度以降もやっていかないものが多いということでしょうか。

 

 

知事:

 そうです。ハード事業は、今回、中止すると決めたら、もうずっとしません。もうその事業自体をしないので、令和6年度以降、新たな予算を組むということはないです。

 

 

記者:

 それは、荒井前知事が立てたような計画自体を、もう事業停止ということでいいのでしょうか。

 

 

知事:

 その事業自体を中止するということです。

 

 

知事:

 ハードに関しては、事業自体を中止するものが多いと思います。

 

 

記者:

 分かりました。

 

 

司会:

 共同通信さん。

 

 

記者:

 査定に関してですが、本日の時点で、査定はもう全て終了しているということでよろしいでしょうか。

 

 

知事:

 全事業について1回目の査定は全て終わっています。その1回目の査定で積み残した課題がありますので、今その積み残した課題について、再度査定をして、どうするかを決めていっている状況です。

 

 

記者:

 では、6月12日までにはもう、この今積み残しているものも終わっている状態であるということでしょうか。

 

 

知事:

 はい、そうです。

 

 

記者:

 分かりました。

 では、現段階ではおおむね終了しているという理解でよろしいでしょうか。

 

 

知事:

 まあ、おおむね。

 

 

記者:

 分かりました。

 あと、一部執行するものもあるということですけれども、予算規模は縮小方向になるかと思いますが、6月議会でその部分を補正した予算を提案されるかどうかというのは、検討していらっしゃいますか。

 

 

知事:

 予算の執行権というのは知事にありますので、令和5年度の予算のうち、これとこれとこの事業を執行しないということについては、令和5年度予算の減額補正の予算を出すというのは考えてございません。

 

 

記者:

 では、決算の剰余金として扱うということでしょうか。

 

 

知事:

 そういうことですね。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかにご質問はございませんでしょうか。

 産経新聞さん。

 

 

記者:

 査定の中で、ソフト事業については、執行するものが結構あるとおっしゃられていたかと思いますが、これは、どういった理由から執行するものが結構あるということでしょうか。

 

 

知事:

 そうですね、ソフト事業については、手元の資料だけではどういったことがなされているのか分からなかったので、ひとまず話聞いた上で判断しようという意味で、一旦停止ってしたものが結構多いです。話を聞いたら、しっかり取り組んでいるなという印象を受けましたので、そうした事業については、予定どおり実施していただくという判断に至っています。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 読売新聞さん。

 

 

記者:

 何点かありますが、まず、予算査定をめぐる件で、映像作家の方がバスターミナルにおける事業のことで、非常に遺憾の、SNS等で中傷を受けたというような、そういった出来事がありましたけども、まず、それに対する知事の所感といいますか、受け止めと、やはり事業を停止することによるハレーション、影響、そういったものをどのようにお考えか、お話しできる範囲でお願いいたします。

 

 

知事:

 映像作家の保山さんのイベントにつきましては、私が5月8日に予算執行の一旦停止を指示するに当たって検討した資料の中では、奈良公園バスターミナルイベント実行委員会で幾らというだけの資料を見て、取りあえず、奈良公園バスターミナルイベント実行委員会でどんなことをしているのかということを聞いて、個別の事業をね、その上で執行するかどうかを判断しようと思っていたので、そもそも保山さんのイベントが含まれているというのは、5月8日の予算執行の一旦停止の指示をした時点では、正直、知らなかったんです。それについての査定をしたのが5月12日の金曜日だったと思いますが、そのときに、保山さんのされているイベントも含めて、全てのイベントについて担当課から説明を受けまして、私から質問も幾つかさせていただいて、いずれも担当課も熱心に取り組んでいるなという印象を受けたので、その時点で、もうこれは全部執行していいですよというふうに申し上げました。ですから、執行するか、執行しないかの頂いた基礎資料には限りがありましたし、基本的に就任前に全部に目を通していたので、資料の量、あるいは、検討する時間に限りがあったので、詳細、全部を見た上で判断したわけではないので、今回の本当はやったほうがいいようなイベントについてまで予算執行の一旦停止の対象に含まれてしまったことについては、遺憾だなというふうには思っています。ただ、そのことも含めまして、やっぱり前知事がされてきた事業を全体的に見直すというタイミングは、私はこの就任直後しかないというふうに判断していました。というのは、既にその令和5年4月1日になった時点で、前知事が作成した令和5年度予算は執行できる状態になるわけですね。そうすると、私が選挙で、いや、これは見直すと約束したことを、その予算がずっと執行されたら止められないんですよね。例えば10月とか11月に止めたとしたら、その間使っちゃったお金って無駄になるじゃないですか。ですから、もう止める止めないの判断は、なった直後しかできないし、後からやったら余計混乱が大きくなるし、お金も無駄になるということですから、私は、前知事の政策の見直しを掲げて当選した知事が見直しを実行に移すタイミングというのは、もう就任直後しかないと思っていたので、そうしますと、その資料とか、時間が限られますから、ある程度、広めに見て、1個1個丁寧に査定していくという、そういう形態を取らざるを得ないというふうに思っていますので、その結果、実際に事業を実施することになった、その対象の事業の関係者には、非常に不安な思いを抱かせることにはなってしまったと思いますが、選挙で知事を選ぶという民主主義が機能しているという証拠だとも私は思いますので、知事が替わっても、やる事業が変わらないんだったら選挙する意味ないですから、民主主義というプロセスを実行する上で、多少ご迷惑をかけた部分はあろうかと思いますが、そこはご理解いただきたいというふうに思っています。今回、6月12日に最終的な結果を発表させていただくわけですけれども、中止するという事業の関係者は落胆される方もおられるかとは思いますけれども、4年に一度の選挙で知事を選ぶという仕組みがある以上、これは致し方ないかなと。繰り返しになりますが、民主主義が正常に機能している証左であるというふうに私は受け止めています。

 

 

司会:

 ほかにご質問はございますでしょうか。

 時事通信さん。

 

 

記者:

 先ほど減額補正案は出されないということでしたけども、議会とこれからどのように向き合っていかれるとか、どのように説明されていくとか、何かお考えを教えていただきたいです。

 

 

知事:

 それは常々申し上げているとおり、今日、記者の皆さんからいただいているようなご質問が議会でも出てくるだろうと思われますので、それに対して丁寧に真摯に説明を尽くして、ご理解を得ていくと、もうそれしかないかなというように思っています。

 

 

記者:

 減額補正案以外で、何か案みたいなものも出される予定ということですか。

 

 

知事:

 はい。物価高に対する対策などについては、国のほうで地方公共団体が割と自由に使える交付金が措置されていますので、それを使った物価高対策、そうしたものを含む増額の補正予算は出すことになろうかと思います。

 

 

記者:

 ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかにご質問はございますでしょうか。

 毎日新聞さん。

 

 

記者:

 ハード事業についてはそのまま実行するものは少ないという説明でしたけれども、21事業の中でそのまま実施するようなハード事業もあるんでしょうか。

 

 

知事:

 ちょっと間違ったこと言ってはいけないので、6月12日に資料とともに説明させていただきます。

 

 

記者:

 知事自身が選挙戦の中で見直しを掲げた事業の中で、そのまま実施するようなものもあるんでしょうか。

 

 

知事:

 見直しを掲げた事業というと、近鉄奈良線の移設、それから、関空までのリニア、大規模防災拠点、それから、大和平野中央田園都市構想ですよね。そうしたものについては見直しをしていくことになろうかと思いますが、関係自治体への説明とか、議会への説明ということも必要でございますので、現時点で、それをしないまま、記者の皆さんに先行して発表するということは、ご容赦いただきたいと思います。

 

 

記者:

 関係自治体への説明というのは、これからなんでしょうか。

 

 

知事:

 はい、そうです。

 

 

記者:

 12日以降。

 

 

知事:

 いえいえ、その12日の前に。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかにご質問ございませんでしょうか。

 朝日新聞さん。

 

 

記者:

 すみません、さっきの事業査定の見直しのことも含めてですけども、今まで市町村長さんたちと直接お会いしてご意見を交わされたりという機会はありましたでしょうか。それは、これからそういう機会、予定されてる機会ありますでしょうか。

 

 

知事:

 見直しの対象となった大規模プロジェクトに関わりのある自治体の首長さんには、副知事のほうにご説明とご意見を伺うために行っていただきました。あと、結構いろんなパーティーとか行事で、他の市長さんとかと会うことって結構あるのですよ。今まで奈良市長さんとか、天理市長さんとか、橿原市長さんとか、五條市長さんとか、その他、町長さんといろんな行事で一緒になったことはありますので、そのときに、いろいろとご挨拶をさせていただいた上で、意見交換をさせていただいたということはありますが、予算執行査定に関して、こういうようにしていきたいという方針を伝えるための協議はこれからです。

 

 

記者:

 そういう市町村長さんたちと恒常的に意見を交わすような場所というのは、これから持っていかれるというおつもりあります。

 

 

知事:

 もちろんです。挨拶に行きたいという申出はすごくたくさんの首長さんからいただいていたのですけれども、先ほど来、申しているとおり、この予算執行査定というのを何としても最優先で取り組まなければいけないと思っていましたので、ちょっと挨拶に来ていただくのを、6月12日のこの発表以降にしてくださいということで遅らせていました。今後、順次、そういう面会の申出のあった首長さんとはお会いするアポが既に6月12日以降で入っていますし、あとは、市長会とか、町村会という首長さんの集まりに私が顔を出して、そこで意見交換をするということも予定していますし、前知事が行ってきた市町村長サミットというのがございますので、それは私も続けていきたいと思っていますので、そのサミットの場でも意見交換ができるのではないかと思っています。また、具体的に、それぞれ今言った市長の皆さんとの集まりとか、市町村サミットの日程とかいうことについて、取材してもいいですよというように他の首長さんがおっしゃられるものについては、また具体的な日時とか場所について、記者の皆さんに発表していきたいと思っていますが、これは県の事業、県単独の事業ではないので、記者の皆さんに取材していただけるかどうかは、他の首長さんの意向も聞かなければなりませんので、オーケーが出れば、またそうしたことも周知していきますので、よろしくお願いします。

 

 

関西広域連合への全面加入について

 

 

記者:

 昨日、鳥取に行かれました。関西広域連合について、2点ほどお伺いしたいんですが、まず、知事が全面加入したいということを表明されました。改めてですけれども、奈良県が今の部分加入から全面加入にすることで、奈良にもたらすメリットというのは何だというふうにお考えですか。

 

 

知事:

 既に防災と観光については加入をしておりますが、それ以外の5分野について新たに今回参加するということでございます。例えば広域産業振興の部分に関しては、関西広域連合自体でいろんな取組を既にしています。それは、関西に既に立地をしている企業をバックアップするとか、そうした企業の強みを生かして、さらに関西に企業を誘致するといった取組をしていますので、そうしたところに参画することで、いろんな有益な情報が得られるのではないかというふうに思っています。ただ、関西のどこに立地するかということになると、これはまた今度は各府県と政令市で利害が異なってまいりますので、そこは切磋琢磨してということになろうかと思います。それから、広域医療の分野につきましては、特に災害時の医療連携ということが本県にとって大きな意味があるのではないかなというふうに思っています。環境保全に関しても、地球温暖化対策について、関西広域連合で積極的な取組をしていますので、本県もそれに加わることで、今の全世界、そして、我が国にとって喫緊の課題である温暖化対策に奈良県としても貢献できるのではないかというふうに思いますし、鳥獣被害対策ということにも関西広域連合で取り組んでいますので、鳥獣被害というのは、都道府県域を越えて発生しますので、これは広域で取り組むメリットがあるのではないかというふうに思っています。それから、調理師免許とか、准看護師の免許なんかに関する資格試験ですね。これについては、試験問題を共通で、共同で作成することで、県の事務負担が軽減されるのではないかというふうに思っています。それから、広域職員研修という分野があるのですが、これは、加入団体の採用後10年目、または、30歳代の若手職員を対象として、政策立案演習などを実施しているんですけれども、ここに参加することで、県の職員が他府県や他の政令市の先進的な取組に触れることによって、それを奈良県でもやってみようとか、あるいは、他府県や他の政令市の職員のスキルとか、やる気とか、そういうのに若手職員が触れることで、若手職員がやる気を出してくれるというような効果も期待できるんじゃないかなというふうに私は思っています。以上でございます。

 

 

記者:

 逆に奈良がメンバーに加わることで、広域連合全体としてのメリットというのは、どういうふうなものが予想されますか。

 

 

知事:

 そうですね、奈良県は、観光とか、文化の点では、京都と並んでかなりポテンシャル、アドバンテージがある県だと思っていますので、そうした分野で、奈良県が、特に観光、文化、そうした面でいろいろリーダーシップを取れるところもあるのではないかなとは思います。例えば、この前、なら歴史芸術文化村で見させていただいたような文化財の補修とか、奈良県が他府県と比べて秀でている分野というのもあると思いますので、そうした取組を他府県に紹介することで、関西広域連合構成府県、構成政令市に貢献できることもあるのではないかなとは思っております。

 

 

記者:

 具体的な全面加入のスケジュールはいつ頃だというふうにお考えですか。

 

 

知事:

 いつ全面加入できるかという、その時期は、まだ分からないんですが、まず、全面加入するためには、各構成の府県、政令市も含めてですけど、議会の議決というのが必要になります。もちろん奈良県での議決も必要となりますので、それを最速でやっていただくように、各構成府県市に、お願いをしていきたいというふうに思っています。その上で、奈良県が全面加入することについては、総務大臣の許可が必要だということですので、それは各構成府県市の同意、議決が得られれば、総務大臣が認めないということはないと思いますが、いつをめどに加入できるのかというのは、現時点では何ともお答えできないというのが率直なところでございます。

 

 

記者:

 奈良県に関しては、6月議会とかで関連議案は提案されますか。それとも、次の議会になりますか。

 

 

知事:

 6月議会での提案は予定してないです。9月以降になると思います。

 

 

記者:

 ありがとうございました。

 

 

大阪・関西万博への参画について

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 奈良テレビさん。

 

 

記者:

 昨日の鳥取の会議の中で、関西・大阪万博について、山下知事は、奈良県独自のパビリオンは諦めて、関西全体の展示スペースでできる範囲でというようなことをおっしゃっていたかと思いますが、今からでも間に合う、できる範囲のことというのは、具体的にはどのようなことを想定されていますでしょうか。

 

 

知事:

 大関西広場という共通の展示スペースがありまして、そこで展示をしていくということになると思いますが、すみません、具体的なことはこれからでございます。

 

 

記者:

 就任のときには、できることを、奈良県独自の展示もというようなことをおっしゃっていたと思いますが、なかなか就任したら、想定していたこととは違うことというのも現状多いような感じでしょうか。

 

 

知事:

 そうですね、奈良県以外の都道府県の展示スペースの設計が結構進んでいるということは就任してから分かりまして、ですから、奈良県のスペースがない前提で、もう各府県がスペースを取っていて、そのスペースを前提に展示物等の設計とかを既にしているということなので、さすがにそれを変えてまで、奈良県のスペースを設けてくれと言うのは厚かましいお願いなので、それはしなかったということです。そういったことは、就任前には分からなかったです。就任後、県の担当部局から大阪・関西万博の事務局に問い合わせしてもらって、そういったことが分かったということです。

 

 

高校授業料の無償化について

 

 

記者:

1期目の目標といいますか、それについて伺いたいなと思っておりまして、選挙中、やはり知事も、そのときはまだ知事でなかったので、県の現状、予算等が詳しく分からないということで、なかなか方向性は示せても、詳しい詳細は示すのは難しいというお話だったと思うんですけども、まだ時期尚早かもしれませんが、例えば公約に掲げられた高校の授業料無償化とか、それをもう所得制限なしまでやるのかとか、1期目でここまでしたいなというような具体的なものがもし現在おありでしたら、教えていただけないでしょうか。

 

 

知事:

 私立高校の授業料無償化については、これは1期目の間に何らかの形で必ずやります。

 

 

記者:

 それは所得制限も設けないのでしょうか。

 

 

知事:

 そこまで踏み込めるかどうかは、財源見合いだと思いますし、いわゆる大阪でやっているキャップ制の弊害みたいなことも、今日、どこかの新聞にも出ていましたけれども、そうしたことも指摘されていますので、そのキャップ制の是非というようなことについてもやっぱり慎重に検討する必要はあろうかと思います。所得制限を設けるか否かについては、これは、奈良県として経常的な財源をどこまで確保できるか、この問題に尽きますので、それについては、やっぱりなかなか令和6年度の予算編成をする段階で、じゃあ、政策的なことに使える予算、これぐらいありますよという、それが見えてくるのが令和6年度の予算の編成時期だと思いますので、その時期にならないとちょっと分からない。例えば令和6年度予算の中で、部分的にでも教育無償化できるのであれば、もう部分的にでも令和6年度からできるものはしていきたいとは思っていますが、ちょっとそのどれぐらいの財源を新たに確保できるか、それは分からないので、いつからどういう形でやるのかということは今お示しはできませんけど、何らかの形で1期目の間にはできると思います。できると思いますし、していきたいです。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

知事の職務について

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 NHKさん。

 

 

記者:

 間もなく、知事は就任してから3週間を迎えることになりますが、実際にこの知事のお仕事をやってみて、今率直にどのように感じていらっしゃいますか。

 

 

知事:

 いや、もうすごくやりがいがあるし、もうやる気満々という感じですね。

 

 

記者:

 具体的にどんなところがやりがいがあって、就任する前に思ってたイメージどおりに動いているのか、それとも、やっぱり、ああ、これだけ違うのかなというようなことも結構あるのか、どうでしょうか。

 

 

知事:

 そうですね、やはり県民の皆さんから税金をお預かりして、それを県民の皆さんに行政サービスとして還元すると。また、いろんな災害時等におきましては、県民の皆さんの生命、財産を守るという、本当に職責の重い仕事であることは間違いございません。しかしながら、私自身のこれまでの知識や経験を生かし、また、もちろん他の有識者とか、県職員の知恵とか経験も借りながら、奈良県という県をこういうようにしていきたい、もちろん、それは独断になってはいけませんので、県民の皆さんや県議会の皆さんのご意見を踏まえてでございますけれども、こういう奈良県にしていきたいということのかじ取りをできるというのは、本当に責任も重いけれども、やりがいもあるし、それが結果としてちゃんと出てくれば、達成感ということも感じることかできますので、本当に非常にやりがいもあるし、責任も重いけど、本当にこういうポジションで仕事させていただけるということは、そういう機会を県民の皆さんからいただいたということについては、本当に私自身もうれしいし、一票を投じてくださった県民の皆さんに対して感謝の気持ちでいっぱいでございます。何か思っていたのと違うとかいうことは特にないですけれども、やっぱり県の職員の皆さん、優秀だなとは思いますね。

 

 

副知事の人事について

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 共同通信さん。

 

 

記者:

 人事についてなんですが、特別職の人事について、教育長だったり、副知事といった特別職の方について、公募などで募集するようなことは、今後にはなるかと思うんですけれども、今の段階で何か検討されてたりするでしょうか。

 

 

知事:

 今の段階で、公募するということは考えておりません。

 

 

記者:

 今のところは白紙というか、特に検討はしていないということでしょうか。

 

 

知事:

 まあ、大体、副知事については、こういう方向でというのは決まってきましたけれども、やっぱりこれは議会の同意が必要な案件でございますので、まず、議会に対してご説明をさせていただいた上で、記者の皆さんに発表すると、そういう順番になろうかなと思います。

 

 

記者:

 分かりました。

 

 

国道168号助人トンネル死傷事故の対応状況について

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 中島みなみ事務所さん。

 

 

記者:

 昨年5月に発生した助人トンネルのケーブル垂れ下がりのオートバイ転倒事故について、死傷事故なんですが、改めてこの事故が起きたことについての受け止めを、新しい知事なので、お願いをしたいと思います。それから、今年2月に、その事故に対する県の調査報告書が出ました。この内容と警察の判断を重ねて、不足はあるとお思いでしょうか。この点をお願いします。

 

 

知事:

 ちょっとまず、一つ一ついきたいと思います。この事故の受け止めですね、まずは。

 

 

記者:

 はい。

 

 

知事:

 県管理のトンネルでこうした事故が、死亡者を伴う事故が発生したということについては、大変遺憾に思っております。

 

 

記者:

 遺憾というのは、どういうことですか。

 

 

知事:

 非常に残念なことであるというように受け止めています。

 

 

記者:

 先ほど知事は、県民の財産とか生命を守ることだというようなフレーズをおっしゃいましたが、これは大阪の人だったから遺憾に思ってるだけなんですか。

 

 

知事:

 ということではなくて、そもそも事故が起きた理由ですけれども、被害に遭われた方の前に走っていたトラックがトンネル内のケーブルを引っかけて、そのケーブルが垂れ下がって、それに接触して転倒されて死傷されたというように聞いていますので、その事故の原因者というのは、先行したトラックのドライバーであるというように考えておりますので、基本的に、奈良県に特段、刑事上、民事上の法的責任はないと思っておりますので、遺憾であるというように申し上げた次第でございます。

 

 

記者:

 分かりました。

 取材を重ねると、この事故というのは、周辺で行われている国土強靱化対策などの土木工事で大型車両がたくさん通っていたことが誘因になっていると考えられます。そこで、公衆災害を防ぐための警察との協議が有効に機能していたのかというお話を伺いたいんですけれども、そもそも道路管理者と交通管理者がそれぞれの現場に応じた対応ができるようにすることが大切だったんだと思います。具体的に申し上げれば、ここの交通管理者は五條警察だったわけですけれども、捜査も五條警察が行います。その協議が適切であったのか、捜査する団体と、交通協議を行った団体が同じであれば、責任を取るというような話にはならないと思うんですよね。お分かりになりますか。

 

 

知事:

 まず、おっしゃっている交通協議というのは、具体的には、この事故の起こったトンネルを通行する車両の種類とか、あるいは、時間当たりの台数とかを制限すべきじゃなかったということをおっしゃっているのですか。

 

 

記者:

 制限するというよりも、そもそもこの協議自体が形骸化していて、看板をどういうふうに立てるとか、あるいは看板の内容をどうするとかいうのは、ほぼ工事施工者に任されていて、その中で、こういうことがあるから、こうすべきだという交通管理者の意見というものがほとんど出てきていない。

 

 

知事:

 ごめんなさい、交通管理者というのは警察のことを言っておられますか。

 

 

記者:

 警察のことです。それでは、公衆災害は防げないと思うんですよ。

 

 

知事:

 そうすると、中島みなみ事務所さんは、何か看板さえ、通行注意みたいな看板を掲げていれば、事故が防げたのに、その看板を掲げなかったことが事故の要因の一つであって、その看板をかけなかったことは、道路管理者である県の県土マネジメント部と五條警察署との協議が不十分だったことに、看板を掲げなかったことの要因があると、こういうご質問の趣旨でしょうか。

 

 

記者:

 他のところでもトンネルの工事はやっているんですけれども、狭いトンネルはたくさんあります。そこのトンネルでは、どういう車両が何メートルの基準のものがこういうふうに通ると危ないんですというような具体的な記載があったんですけれども、事故のあった助人トンネルでは、ほぼどういうようなことを注意してるのかという看板がそもそも分かりにくかったんです。だから、そういう違いがなぜ起こるのかというと、それは工事施工者にその判断が任されていて、丸投げされているからなんです。本来であれば、道路管理者と交通管理者が公衆災害を防ぐために協議をしていかなきゃいけなかったはずだと思うんですけれども、そうした形跡があまりないんです。

 

 

知事:

 ただ、その看板を掲示していなかったことが、今回の事故の発生につながったのだという、そういう因果関係があるとは私は思っていなくて、やっぱり先行して走っていたトラックのドライバーの運転とか、具体的に言うと、ドライバーに求める注意義務に違反したということが直接的な事故の原因だと思っていますので、助人トンネルに看板がなかったということをもって、何かこの事故の発生に結びつけるような、ちょっとご質問の趣旨は私としては理解致しかねるところでございます。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかにご質問はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 幹事社さん、よろしいでしょうか。

 それでは、以上をもちまして、知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

 

 

知事:

 ありがとうございました。

 

 

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。

また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

お問い合せ先:奈良県広報広聴課 報道係  TEL 0742-27-8325

お問い合わせ

広報広聴課
〒 630-8501 奈良市登大路町30
報道係 TEL : 0742-27-8325
広報制作係 TEL : 0742-27-8326 / 
FAX : 0742-22-6904
デジタル広報係 TEL : 0742-27-8056
県民相談広聴係 TEL : 0742-27-8327 / 
FAX : 0742-22-8653
相談ならダイヤル TEL : 0742-27-1100