意見書第3号

森林環境譲与税の譲与基準の見直しを求める意見書

 

 我が国の森林は国土の7割を占め、地球温暖化防止や国土保全、水源涵養等の公益的機能を有しており、国民全体に様々な恩恵をもたらしている。

 これらの機能を十全に果たすべく、間伐などの森林整備を着実に実施していくための財源として令和元年度に森林環境譲与税が創設された。

 

 現在、地方公共団体では、森林経営管理制度等に基づき、管理が行き届いていない森林の整備のため、森林所有者への意向調査等に取り組んでいるが、所有者不明や境界未確定森林の存在、担い手の不足等により、想定以上のコストがかかっているところ。

 また、近年多発する豪雨によって起こる土砂崩れや洪水、浸水といった下流部の都市住民にも被害が及ぶ災害から国民を守るためには、様々な課題に対応した森林管理を進めていくことが必須となっている。

 

 こうした山間部における様々な課題に早急に対応し、森林整備や人材育成・担い手確保といった取組を今後本格化させていくには、多くの森林を抱える我が奈良県では、今の譲与基準のままでは森林整備の費用に不足が見込まれ、さらなる財源が必要となっている。

 

 以上のことから、次の実現を強く要請する。

 

 森林の多い市町村が必要な森林整備をより一層推進することができるよう、譲与基準を見直すこと。

 

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

  令和5年7月4日

                               奈良県議会

 

(提出先) 衆議院議長

      参議院議長

      内閣総理大臣

      内閣官房長官

      総務大臣

      財務大臣

      農林水産大臣

 

 森林環境譲与税の譲与基準の見直しを求める意見書(pdf 90KB)