令和5年7月7日(金曜日)知事定例記者会見

【発表案件】
○奈良県こども・子育て推進本部の設置及び知事のこどもまんなか応援サポーター就任について
○全国植樹祭の開催招致について

【質疑応答】
○安倍元首相の一周忌について
○自治体情報システムの標準化について
○広域防災拠点について
○高校授業料の無償化について
○感染症への対策について
○人事について

 

 

【発表案件】奈良県こども・子育て推進本部の設置及び知事のこどもまんなか応援サポーター就任について

 

 

司会:

 おはようございます。ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 本日の記者会見は、ユーチューブ、奈良県公式総合チャンネルでライブ配信しております。また、本日配付しております記者会見資料は、奈良県のホームページに、ライブ配信と同時に掲載しております。

 本日は、知事から発表案件が2件ございます。それぞれの発表後に質疑応答の時間を取らせていただきます。

 まず、1件目の発表案件は、奈良県こども・子育て推進本部の設置及び知事のこどもまんなか応援サポーター就任についてでございます。

 それでは、山下知事から発表いただきます。知事、よろしくお願いいたします。

 

 

知事:

 まず、1点目でございます。奈良県こども・子育て推進本部の設置及び私のこどもまんなか応援サポーター就任についてということで、お手元のA4の資料をご覧いただけますでしょうか。

 1枚目は少子化の状況でございまして、奈良県の合計特殊出生率は、全国平均が1.26に対しまして1.25ということで、0.01ポイント下回っているということでございます。赤字で書いていますが、直近10年間の減少スピードは、全国よりも速いという状況にございますので、県としても本腰を入れなければならないという認識をしております。

 資料の2枚目、これは国の動きでございまして、皆さんご存じかと思いますので、ご覧いただければ十分かと思います。6月16日の骨太の方針2023で、こども未来戦略方針の要旨がそこに記載されたということでございまして、令和5年の秋頃、こども大綱が策定の予定をされておりまして、令和5年中にはこども未来戦略方針を具体化して、こども未来戦略を策定するということになっております。

 そうしたことを受けまして、奈良県こども・子育て推進本部の設置を本県で考えているところでございます。趣旨といたしましては、先ほどご説明した状況を踏まえまして、本県におきましても、少子化対策に力強く取り組む必要があるということ。それから、子育て支援というのは、様々な部局にわたる事業でございますので、県庁の関係部局が情報を共有して、一丸となって取り組んでいかなければならないということで、こういう組織横断的な本部が必要ではないかと考えた次第でございます。本部の構成でございますけれども、本部長が私、副本部長が2人の副知事、それから、関係部局長が本部員ということになります。第1回の開催時期は、令和5年7月31日を予定しております。第2回は、こども大綱、こども未来戦略を踏まえ、年度内に開催を予定しております。その他、必要に応じて開催をしてまいります。目標は、奈良県こども未来戦略の基本方針を策定するとともに、その基本方針に基づいて、来年度の当初予算にその政策を反映していくということでございます。

 引き続きまして、こどもまんなか応援サポーターということでございますが、これは、資料の4枚目ですが、こども家庭庁長官が4月に宣言をいたしました。どういう宣言かといいますと、こどもたちのために何が最もよいことかを常に考え、こどもたちが健やかで幸せに成長できるような社会を実現すると、こういう趣旨で、こどもまんなか宣言というのを出されたわけでございます。現在、こども家庭庁のほうで、そうした趣旨に賛同するこどもまんなか応援サポーターというのを地方公共団体、それから、各種団体、それから、民間企業のそういうトップに、こどもまんなか宣言の趣旨に賛同するこどもまんなか応援サポーターというのを募っておりますので、今般、私がそれに就任したいというように考えた次第でございます。サポーターに就任するといっても、象徴的な意味合いがあるにすぎませんが、そういうこどもを真ん中に置いて社会の仕組みを考えていくという趣旨のサポーターに私が就任することが、県としての姿勢を県民の皆さんにお示しすることになるのではないかと考えておりまして、こういうものに就任したということをインターネット、あるいは、報道機関の皆様のご協力をいただきながら、県民の皆さんに周知していきたいと、そんなふうに考えている次第でございます。

 それから、最後が、県の主なこども・子育て支援ということでございまして、左側から説明しますと、高校授業料の無償化、教員の負担軽減、これにつきましては、令和6年度予算に反映する方向で、今検討を進めているところでございます。保育士の処遇改善についても同様でございます。それから、右側の子育て支援アプリの構築、これは現在も構築の取組中でございます。ヤングケアラーの支援については、6月の補正予算でヤングケアラー支援室設置費等をつけたところでございます。子ども医療費の助成につきましては、6月補正予算でご議決をいただいたところでございます。不妊治療への支援、これも6月補正予算で調査予算を組んだところ、発達障害の子どもへの支援も同様で、6月補正予算で調査費の予算をつけたということでございます。

 これは、あくまで主な施策を記載したものでございまして、この奈良県こども・子育て推進本部におきまして、これ以外の事業についても、関係部局から提案を募り、推進本部で協議のうえ、来年度予算に反映するという形で進めていきたいというように思っております。

 

 

司会:

 ただいまの発表案件につきまして、ご質問ございます方は、挙手にてお願いをいたします。

 奈良テレビさん。

 

 

記者:

 知事自身がこどもまんなか応援サポーターとして就任されるとのことですけれども、サポーター自身が考えるこどもまんなかアクションを実行するとは、どういったことをされようと思われていますか。資料4ページです。

 

 

知事:

 資料の4ページ。

 

 

記者:

 はい。

 

 

知事:

 先ほども言いましたように、こどもまんなか応援サポーターというのは、象徴的な役割でございますけれども、具体的には、県の予算ですね、この令和6年度予算で施策を実行するということで、このアクションを実行していきたいと思っています。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 朝日新聞さん。

 

 

記者:

 3ページの県こども・子育て推進本部の中の目標のこども未来戦略の基本方針の策定、6年度当初予算への反映ということですから、時期的なものも大体定まっているのかなと思いますが、基本方針の策定がいつ頃になるのかということと、基本方針ができるまでのプロセスというのは、どういうことがあるんでしょうか。

 

 

担当課:

 今後のスケジュールにつきましてご説明をさせていただきます。まず、国の動きですけれども、9月、10月、秋口に、こども大綱が発表されるということになっております。これを参考にしまして、同時期ぐらいですけれども、その国の大綱をつくるまでに、国の審議会の協議内容、審議内容を参考に、こちらのほうで県の基本方針を秋口につくりたいと思っております。9月に県の基本方針を策定いたしまして、その基本方針を基に来年度の取組について検討をしてまいりたいと考えております。よりまして、秋口に第2回のこの推進会議を開催ということにいたしまして、今後の取組内容について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

 

記者:

 ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 読売新聞さん。

 

 

記者:

 よろしくお願いいたします。子育て推進本部ですが、この有機的に連携という、具体的に知事の中でどういうふうな連携をイメージされてるのか、ちょっと教えていただけますか。

 

 

知事:

 具体的なイメージはこれからですけれども、どちらかというと今までは知事部局のこういう児童福祉に関わるセクション、それから、女性活躍推進課、奈良っ子はぐくみ課、そうしたところが中心になっていたのと、あとは教育委員会だったと思うのですけれども、私の先入観かもしれませんが、市長をやっていたときの経験からすると、教育委員会と知事部局の連携というのがどこまでできているのかなというところについては、生駒市では当初あまりできていなくて、僕が市長になって、それを結びつけるべく、ちょうどその頃、幼保連携などあって、保育園と幼稚園を統合してこども園にするというような事業もあったので、そういうことに取り組んできたのですけども、県庁でも施策が就学前と就学後で分かれているのではないかと、そんな危惧を持っています。そうしたものを取っ払っていきたいなというようにも思っておりますし、あるいは、いろんな申請手続のデジタル化というようなこともこれから必要になってくると思っていますので、そうしたことであれば、デジタル戦略課というのも関係あると思いますし、雇用ということであれば、やっぱり子育てしやすい雇用政策というものを県が企業等に呼びかけていかなければいけませんし、まだ具体的にどういう課題があるのかは、やってみないと分からないのですけれども、それぞれの、同じ県庁でもほかの課が何をやっているかというのはよく分からないことが多いと思うのですよね。ですから、ほかの課が何をやっているかを知るだけでも、うちの課ではこういう形で連携していこうとか、生かしていこうとか、そういう気づきがいろいろあるのではないかと思いますので、そういった意味で、情報共有をすることで必然的に有機的な連携というのは進んでいくのではないかなと思っております。具体的にどう連携していくかというのは、これからです。以上です。

 

 

記者:

 分かりました。

 教育委員会は、入られるのは教育長ですか。

 

 

知事:

 教育長だけなのか、次長とかも入るのか、今調整中です。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

【発表案件】全国植樹祭の開催招致について

 

 

司会:

 それでは、2件目の発表案件に移らせていただきます。

 2件目は「全国植樹祭の開催招致について」でございます。知事、よろしくお願いいたします。

 

 

知事:

 お手元の資料に記載してますとおり、全国植樹祭というのは、国土緑化運動の中心的行事として、昭和25年度以降、毎年春に、天皇皇后両陛下ご臨席の下、全国各地で多数の参加者を得て開催されています。奈良県におきましては、1981年、昭和56年に平城宮跡におきまして、第32回の全国植樹祭が開催されているんですけれども、このたび、令和9年に2回目の開催となる第77回全国植樹祭を招致することとした次第でございます。

 概要でございますけれども、主催は、公益社団法人国土緑化推進機構と奈良県ということになります。主な出席者は、資料に記載のとおりです。行事といたしましては、両陛下にご臨席いただいて、お手植え、お手播きをしていただき、それから、県内外から多数の招待者が来て、植樹をします。それから、緑化功労表彰などが執り行われます。

 2枚目が今お話ししたことを写真等で説明させていただいているものとなります。

 近年の開催状況は、2枚目の3というところに書いてございまして、本年は岩手県、来年は岡山県、再来年は埼玉県ということで、奈良県は令和9年でございます。国民スポーツ大会と同じように全国都道府県の持ち回りでやっておりまして、2順目が奈良県にも回ってきたということでございます。ただし、令和9年に奈良県で開催するというのを正式に決定するのは、国土緑化推進機構でございますので、今回は、それを招致するということでございまして、内定は8月頃に出るというふうに聞いております。以上でございます。

 

 

司会:

 ありがとうございました。

 ただいまの発表案件につきまして、ご質問がございます方は、挙手にてお願いします。

 朝日新聞さん。

 

 

記者:

 会場はどこを予定されてますでしょうか。

 

 

司会:

 会場はまだ決まっておりません。

 

 

担当課:

 式典の会場につきましては、今後、内定をいただいた後に準備委員会というものを設置いたしまして、そこで基本構想をつくりました後に、今度は正式な委員会を設置して、その中で決めたいと思っております。大体、令和6年度中には正式な会場の場所が決まるというふうに、前例ではそうなっております。

 

 

記者:

 ありがとうございました。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 読売新聞さん。

 

 

記者:

 この招致の目的といいますか、あるいは、今回の植樹祭のテーマとか、そういったものは既にお決まりでしょうか。

 

 

知事:

 招致の目的は、前回の開催から40年以上が経過しているということで、共催者である国土緑化推進機構から、そろそろまた奈良県でどうですかというような打診があったということと、奈良県森林組合連合会、奈良県木材協同組合連合会、公益財団法人奈良県緑化推進協会等県内の関係団体から招致に関する要望がございましたので、令和9年の開催を目指して招致に取り組むことにした次第でございます。テーマについてはどうでしょうか。

 

 

担当課:

 テーマにつきましても、今後、準備委員会や実行委員会の中で検討して決めていきたいと思っています。

 

 

記者:

 ありがとうございます。

 

 

安倍元首相の一周忌について

 

 

司会:

 それでは、その他のご質問も含めて、ご質問がございます方は、挙手にてお願いします。

 朝日新聞さん。

 

 

記者:

 明日7月8日は安倍元首相の銃撃事件から1年を迎えるということで、コメントをいただきたいんですが、1年前、私たちもすごい衝撃を持って受け止めて報道をしたわけですけれども、そのときは、知事はまだ知事ではなかったですけれども、どこかのタイミングで事実を知って、いろんな思いはおありだと思うんですが、今日、知事として、銃撃事件から1年を迎えるに当たっての今の思いと、県、あるいは、知事として何らかの弔意を示す対応はされるのかどうか、この2点を教えてください。

 

 

知事:

 本当に志半ばで凶弾に倒れられたということで、本当に元総理ご本人、そして、ご遺族は本当に無念な気持ちだったと思います。山上容疑者の動機がどうであれ、言わば逆恨みということであることは間違いないと私は思っておりますので、そうした動機に基づく犯行で、志半ばで命を断たれたということについては、本当に痛ましい事件であったというふうに認識をしております。私も同じ政治家として、そういう暴力で何か自分の政治的な思いを達成しようという行為は絶対に許されるものではございません。それが一個人の犯行であれ、あるいは、組織的、集団的なテロリズムであれ、同様でございまして、やはり民主主義の世の中ですから、様々な形で意見表明をする、選挙で一票を投じるといった平和的な方法で政治には参画していただきたいと思っております。安倍元首相の襲撃事件の後、和歌山県で岸田首相の演説会場で爆弾が投げつけられるというような事件もありまして、今後もそういったことが起きる可能性があるのかというのは、政治家である一員として、非常に危惧しているところでございますが、本当にそういったことは許してはならないという強いメッセージを政治家としては発信していかなければならないと思いますし、あと、警備体制については、警察庁及び各都道府県警で、事件の教訓を基に、万全の体制を構築されているとは思いますけれども、予算面は知事の所管でございますので、そういう警備体制に関して予算が足りないということであれば、予算措置をすることも含めて検討していく責務があるのかなというふうに思っております。

 弔意ということにつきましては、明日、献花台が大和西大寺の駅前に設置されるということでございまして、午前中は公務があるんですが、その前に立ち寄って、お祈りをしてこようかなというふうに思っております。以上です。

 

 

記者:

 大和西大寺駅へ行かれるのは何時頃になりそうですか。

 

 

知事:

 8時半から8時40分ぐらいには着くかと思います。

 

 

記者:

 ありがとうございました。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 時事通信さん。

 

 

記者:

 半旗の掲揚とか、そういうことはしないということでしょうか。

 

 

知事:

 半旗の掲揚は予定しておりません。

 

 

記者:

 知事が個人としてではなくて、公務というか、知事としてお祈りに行かれるという認識でよろしいでしょうか。

 

 

知事:

 ご質問を受けるまで、そういう区別は考えてなかったですけれども、奈良県知事として行くということになるんじゃないんでしょうか。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 毎日新聞さん。

 

 

記者:

 細かいことで恐縮なんですが、明日、8時半から大体40分くらいの間に行かれるということで、献花台の設置は9時からになるんですけれども、明日は献花をされるのか、立ち寄って手を合わせるだけなのか、どちらのご予定ですか。

 

 

知事:

 最初は献花をしようと思ってたんですけど、選挙管理委員会に担当職員から問い合わせをしたところ、寄附に当たる可能性がなくはないというようなことで、僕はそんなの大丈夫じゃないかと思ったんですが、選挙管理委員会がそう言っている以上は、やめとこうかなということで、ご冥福をお祈りするということにとどまると思います。

 

 

記者:

 現場に行って、手を合わされるということですね。

 

 

知事:

 はい。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

自治体情報システムの標準化について

 

 

記者:

 今、政府が各市町村にデータの標準化を急いでくださいということをしていますけども……。

 

 

知事:

 何のデータですか。

 

 

記者:

 システムの標準化を一元的に取りまとめてくださいみたいなことを……。

 

 

知事:

 システムといっても、いろんなシステムがあると思いますが、福祉関係とか、住民情報系とか、医療系とか。

 

 

記者:

 クラウド上の基本の情報システムです。

 

 

知事:

 ちょっとご質問の趣旨がよく分かりにくいです。

 

 

司会:

 担当課さんでお答えできますでしょうか。

 

 

担当課:

 基幹システムの選挙人名簿とか、子育てとかのシステム、20業務に関してのシステムの標準化のことでよろしいですか。

 

 

記者:

 そうです。

 

 

担当課:

 国のほうで、市町村で持っている20業務のシステムを標準化するように進められていることに関してです。

 

 

記者:

 25年度末までに標準化するようにというふうに政府は言っており、無理だという市町村の声がありますが、広域行政、奈良県として、各市町村に何か支援される予定とか、そういうお考えとかありますでしょうか。

 

 

知事:

 それは、各市町村のそういう電子システムの会社が違うからということですか。

 

 

担当課:

 デジタル戦略課です。会社が違うのは、もともと違いますが、基本的にどこの市町村もやっている業務について標準化を図ろうというのが国の方針でして、標準化の仕様とか、そういったものが国から徐々に出てきて、標準化を図っていくことになっているんですけども、実際業務をするのは市町村になりますので、市町村で取り組んでおられるのですが、県としては、昨年度、外部人材の方に来ていただいて、そういう標準化に関しての市町村支援ということで、市町村を回って支援をしていただいている方を採用しております。

 

 

記者:

 分かりました。すみません、ありがとうございます。

 

 

広域防災拠点について

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 読売新聞さん。

 

 

記者:

 先日の紀伊半島知事会議で、知事は大規模広域防災拠点として南紀白浜空港、伊丹空港、それから八尾空港と、代替施設として上げられていましたけども、ある意味、この紀伊半島全域という意味では複数県にまたがる話ではあると思いますが、言わば財布の違う他県に対して防災拠点整備をお願いするというのは、どのようなロジックで今後進められていくのか、その辺り、お伺いできないでしょうか。

 

 

知事:

 財布が違うというか、そもそも前知事のやろうとしていたことは、奈良県が国の支援も得て防災拠点をつくると。それは、何が目的かというと、奈良盆地東縁断層帯における直下型地震、これは主に県内での被害が想定されていますが、それと南海トラフということですよね。南海トラフが起きたときの救援活動というのは、当然これは、その大規模防災拠点から県内しか支援、救助しないということではなく、和歌山県とか大阪府とか、被害を受けた近隣各県に行くのは当然想定されていますので、そもそもどうして近畿各県にわたる災害発生時の支援を奈良県単独の予算でやらなければいけないのかと、そもそも僕はそっちのほうが疑問なわけですよね。ですから、東日本大震災のときも、阪神淡路大震災のときもそうでしたけれども、当然災害というのは県境をまたいで発生するし、医療とか、物資とかいうのは当然県境をまたいで支援、救援するわけじゃないですか。ですから、私は広域で取り組むのがむしろ当然であって、これまでのやり方がおかしかったのではないかということです。さらに、わざわざ新しく造るわけではなく、既にある空港をそういうときに運用するため、大規模な防災拠点として位置づけて運用していこうということですから、新たに何らかの投資が要るのかもしれませんけれども、それは位置づけるわけで、別に新たな負担は、例えば一から空港を造るのと比べると、費用負担の金額は変わってくるわけですよね。ですから、私の認識としたら、単に位置づけるということですし、もともと近畿で取り組むべきことを近畿でやりましょうと言っているわけですから、私は、前知事の方針がおかしくて、私の方針が正しいと思っているので、それを近畿の各府県の知事に呼びかけようと言っていることなので、むしろ当たり前のことをやろうとしているという認識です。

 

 

記者:

 例えば新たな投資や整備が必要な場合、南紀白浜を例にしますけども、南紀白浜空港でそういったものが必要である場合に、関係する県、奈良県を含めて、広域で予算を出し合うとか、そういうスキームを検討することもあり得るということでしょうか。

 

 

知事:

 南紀白浜であれば和歌山県、ただ、八尾空港は大阪府が運営している空港ではないし、伊丹空港は関西エアポート株式会社かな、がやっているところで、そういった費用負担を、都道府県がするのか、空港の運営会社が出すのか、国から補助をもらうのかとか、あるいは、何か広域で費用負担の仕組みをつくるのかとか、それはこれから議論すべきことかなと思っています。

 

 

高校授業料の無償化について

 

 

記者:

子育て推進本部の発表の中にありました、高校授業料の無償化については、大阪では、いわゆるキャップ制で私立高校が反対しているという声もありますが、キャップ制を検討している段階ではあると思いますが、今現在の知事の考えというのはいかがでしょうか。

 

 

知事:

 それにつきましては、現段階では、大阪での議論の推移を注視しているという状況で、県としてどうするかというのは、まだ決まっていないです。

 

 

記者:

 例えば、条件について、補償、支援を受けられる金額であるとか、制度であるとか、大阪と足並みをそろえるとか、そういったことはお考えでしょうか。

 

 

知事:

 別にそれは各府県で制度が違うというのは当然あり得ることですから、必ず大阪に合わせると、そんなことは考えていません。奈良県の実情に合った形にしていくということでございます。大阪での議論を注視はしていますけど、それに合わせるという必要があるとは思っていないです。結果的に同じになるかもしれませんし、同じにならないかもしれませんが、奈良県は奈良県で、大阪のやり方を参考にしつつ、独自に考えるということになると思います。

 

 

記者:

 年度内に制度設計をということですけども、具体的な動きといいますか、例えば既にもう検討チームをつくっているとか、有識者を招いて会議を開くとか、何かそういった動きは今お考えでしょうか。

 

 

知事:

  いや、今は特にそういうのは考えてないです。

 

 

記者:

 私個人的には、子供にお金を投資していくというのは、非常に賛成ではあるんです。その立場から申し上げたいんですけども、知事が公約の一つであった事業見直しに関しては、非常にスピード感を持って対応されたと思います。もう一つの、公約の目玉であった高校授業料無償化について、私も子供を持つ親ですので、子供を持つ親御さんからしたら、一日でも早く、これが1年でも延びてしまえば、恩恵を受けられない家庭も出てくるかと思うんですよね。だから、非常に皆さんスピード感というものに期待しているのではないかと思うのですが、その辺り、知事のご認識というのはいかがでしょうか。

 

 

知事:

 本年度中に制度設計をするというのは、令和6年度当初予算に何らかの形で反映していくということなので、それが最速かなと思います。

 

 

記者:

 かなり完成されたような制度設計、もうそこで十分なものがある程度出来上がるのではないかと考えられていますか。

 

 

知事:

 既に基本となる国の制度があって、それについて、各都道府県が上乗せで助成をしているというのがある。ただ、いわゆるキャップ制というのを採用しているのは大阪府だけなんですけれども、制度を一から構築するということではなく、既にある制度の中で、どこまで助成額を増やすかということですよね。つまるところ、財源が確保できるかというだけの話なんですよ。だから、そんなに調査・検討に時間を要するわけではなくて、財源が確保できるかという問題ですけど、財源が確保できるかというのは、令和6年度当初予算の概要が分からないと、どれだけ政策的経費に回せる予算が出てくるのかが分からないんですよ。だから、12月とか、1月ぐらいにならないと、どれぐらいの教育無償化に回せる予算が出てくるのか分からないので、どうしても令和6年度の当初予算からにならざるを得ないというのが1点と、あとキャップ制は私学の意向というのが重要になってきまして、キャップ制をはめることによって、際限なく都道府県の助成額が増えるということを避けられるというのはあるのですが、いや、60万では無理ですよと、80万、100万、うちはかけたいんだと、だから教育無償化の枠組みからは学校ごと外れますというふうになってしまうと、そこの学校の子供全体に影響が及ぶわけですよね。ですから、学校ごとその制度から外れるというのは、生徒さんや親御さんが恩恵を受けられなくなるから問題があるというふうに思います。かといって、どんどん授業料が高くなっていった場合に、助成し続けるのかということと、あるいは、上限額を超える分は親御さんのほうで負担してもらいましょうと、もうキャップ制をはめないということですけど。そういうキャップ制のメリット、デメリットというのもあるので、そういったものを見極めつつ、私学団体の意向も聞いて、大阪の議論の状況も注視するということになると、それはどうしてもやっぱり12月、1月ぐらいになるじゃないですか。だから、令和6年度当初予算が最速だと私は認識していますし、学校は年度単位で動いていますので年度途中からやるような事業ではないと思うんですよ。お気持ちは一保護者として分かるんですけれども、最速で令和6年度当初予算というのは、ご理解いただきたいと思います。

 

 

記者:

 分かりました。考えはすごく分かりました。

 私学の関係者と面談されたりとか、あるいはされる予定はございますか。

 

 

知事:

 現時点では予定はないのですが、報道によれば、私学団体がキャップ制に反対だということを表明されたのは、大阪の私学の団体だけじゃなかったと思うんですよ。近畿圏全体の私学の団体が入っていたと思うので、奈良県の私学の団体も同じような意向なのかなと思っているのですが、今後、大阪府と近畿圏の私学の団体との間で開きがあるのが、何らかの着地点で埋まっていくかもしれないじゃないですか。そしたら、その着地点を奈良県も採用できる可能性もありますし、今は奈良県独自で動くよりも、大阪と関西の私学団体の話合いを注視していたほうがいいのかなというふうに思っています。

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

感染症への対策について

 

 

記者:

 感染症のことでお伺いしたいのですが、昨日、ヘルパンギーナが警報レベルになったことや、新型コロナも第9波に入ったというようなことも言われております。また、RSウイルスの感染が拡大しているというのなど、感染症の状況がまた拡大傾向にあるのもあるかと思うのですが、これから夏休みに入り、人流の増加も考えられるかと思うのですが、感染対策で呼びかけていきたいことだったり、今、感染対策で取り組んでいることなどありましたら教えてください。

 

 

知事:

 マスクの着用というのは個人の任意ということでなったわけでございますけれども、やはり電車とか、バスという乗り物に乗るときとか、その他、非常に密閉されたような空間では、引き続きマスクの着用ということを心がけていただきたいということを、知事としては、県民の皆さんにアピールしていきたいというふうに思っております。ですから、第9波と言われることがないように、まずは県民の皆さん個々人で、マスクの着用、手洗い、そうした形で、感染症にならないための対策を講じていただきたいと思っているのと、県の担当部局、県内の各保健所におきましても、今やっている定点観測の情報は毎週必ず把握しておるわけでございますので、今後、定点観測における感染者数が爆発的に増えるというような状況になるのであれば、県としても、より強力な体制や施策を講じる必要が出てくるのかなと。ただ、これにつきましては、国の政策というのも大きく関わってきますので、国とも情報を密に交換しながら、もし感染者数が爆発的に増えるようであれば、県としても速やかな対応を講じていきたいと思っております。

 

 

人事について

 

 

記者:

 10日付で湯山さんが副知事になられて、次の総務部長に、もともと県職員で、ずっとたたき上げでやられてた方が就任されるんですけども、今まで国からの人事で来られてたと思うんです。それはもう一旦途絶えるということになるんですか。

 

 

知事:

 総務省から来られる西村高則さんがこども・女性局長に就任する予定です。

 

 

記者:

 総務部長ということにはこだわらないということなんですか。

 

 

知事:

 あくまでこれまでの慣例ですけども、退任された土屋副知事も最初から総務部長だったわけじゃなくて、観光局長をやって、総務部長をやって、副知事になっているんですよ。ですから、西村さんも、いきなり総務部長じゃなくて、こども・女性局長というところにまず就任していただくというのは、これまでの慣例というか、前例どおりということです。

 

 

記者:

 分かりました、ありがとうございました。

 

 

 

 

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。

また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

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