9月 定例会の概要
356回目となる9月定例会を、9月15日から10月20日までの36日間の日程で開催しました。今定例会には、知事から補正予算案や決算認定議案など23議案が提出され、議員からは1件の条例改正案を提出しました。
開会日には、山下知事から提案理由の説明を受け、その後、12人の議員が県政全般について代表質問や
一般質問を行い、活発な議論をしました。
また、5つの常任委員会のほか、予算審査特別委員会及び決算審査特別委員会を開催し、付託議案の審査などを行った上で、一般会計補正予算などの議案について、いずれも原案どおり可決、承認、認定等しました。
予算審査特別委員会を開催
令和5年度補正予算案を審査するため、当委員会を設置し、9月29日から10月3日までの間に3日間開催しました。
委員会では、各委員からの活発な質疑に対し、知事をはじめ関係者から詳細な説明が行われ、付託議案については原案どおり可決又は承認しました。
予算審査特別委員会委員(定数9名)
委員長
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亀甲 義明(公明党) |
副委員長
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永田 恒(自由民主党・無所属の会) |
委員
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芦髙 清友 (自由民主党・無所属の会)
山田 洋平 (日本維新の会)
若林 かずみ (自由民主党・無所属の会)
伊藤 將也 (自由民主党・無所属の会)
福西 広理 (日本維新の会)
中川 崇 (日本維新の会)
荻田 義雄 (自由民主党・無所属の会) |
決算審査特別委員会を開催
令和4年度の歳入歳出決算などを審査するため、当委員会を設置し、10月11日から17日までの間に5日間開催しました。
委員会では、各委員からの活発な質疑に対し、知事をはじめ関係者から詳細な説明が行われ、付託議案については原案どおり認定等しました。
決算審査特別委員会委員(定数11名)
委員長
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井岡 正徳 (自由民主党・無所属の会) |
副委員長
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小村 尚己 (自由民主党・無所属の会) |
委員
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星川 大地 (日本維新の会)
疋田 進一 (自由民主党・無所属の会)
斎藤 有紀 (自由民主党・無所属の会)
西川 圴 (自由民主党・無所属の会)
大国 正博 (公明党)
小林 誠 (日本維新の会)
佐藤 光紀 (日本維新の会)
清水 勉 (日本維新の会)
藤野 良次 (改新なら) |
9月定例会 議決結果 |
項 目 |
件数 |
件 名 |
議決結果 |
知事提出の予算案件 |
3件 |
令和5年度奈良県一般会計補正予算(第2号) 等 |
原案可決 |
知事提出の条例案件 |
3件 |
奈良県手数料条例の一部を改正する条例 等 |
原案可決 |
知事提出のその他案件 |
3件 |
令和4年度奈良県水道用水供給事業費特別会計剰余金の処分及び決算の認定について 等 |
原案認定 |
4件 |
消防防災ヘリコプターの取得について 等 |
原案可決 |
1件 |
地方自治法第179条第1項の規定による専決処分の報告について |
原案承認 |
9件 |
公立大学法人奈良県立大学の経営状況の報告について 等 |
報告受理 |
議員提出の条例案件 |
1件 |
奈良県議会委員会条例の一部を改正する条例 |
原案可決 |
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▼全ての議案等の件名及び議員別の表決結果は、ホームページに掲載しています。
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9月定例会 代表質問
大規模広域防災拠点について
荻田 義雄(おぎたよしお)議員(自由民主党・無所属の会)
問
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「防災目的を含めて」、また「多角的に再検討」ということをどのように進めていこうとするのか、改めて大規模広域防災拠点の整備に向けた考えを伺いたい。 |
答
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南海トラフ地震は広範囲に被害が及び、広域的な災害対応が必要なため、大規模な広域防災拠点は、近畿圏での必要性や、既存空港の位置付けなどを関西広域連合等で議論すべきと考えている。
一方、県内での災害対応としては、紀伊半島大水害の検証や、大規模地震等を想定し、既存施設を活用して、応援部隊の活動拠点や支援物資の集積拠点が確保できないか、改めて検討している。
発災時の広域連携も含め、今後、近隣府県等と様々な可能性を検討し、買収したゴルフ場用地は、防災目的を含めて整備内容の検討を進めていく。
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他の質問項目
●今後の県政運営
●知事のコンプライアンス
●国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会
●近鉄大和西大寺駅の高架化及び近鉄奈良線の移設
●リニア中央新幹線
●関西広域連合への全部参加
●農業の振興
大学における奨学金制度の周知について
原山 大亮(はらやまだいすけ)議員(日本維新の会)
問
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大学生対象の給付型奨学金制度や自治体による地域枠での大学受験など、経済的負担が少なくなる制度を県内高校生に積極的に周知することにより、大学を選ぶ際の選択肢が広がると考えるが、現状と今後の取組はどうか。 |
答
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県教育委員会では、各県立高校に対し、日本学生支援機構が実施している高等教育の修学支援新制度等を紙ベースで周知し、各校で説明会を開催するなど、生徒への発信は基本的に学校に任せている。来年度には全日制全学年で1人1台の端末利用が可能となるため、修学支援新制度だけでなく、学費がかからず、国家公務員として給料を受け取りながら学べる省庁管轄の大学校など、経済的支援となる情報について、広く高校生にメルマガでの配信や奈良テレビ枠での放送も検討する。 |
他の質問項目
●大規模広域防災拠点の用地
●大和平野中央田園都市構想の計画用地
●国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の施設整備
●自主財源の確保に向けた施策
●奈良県の成長戦略
●令和5年度全国学力・学習状況調査
「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の世界遺産登録について
森山 賀文(もりやまよしふみ)議員(改新なら)
問
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「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」については、国の文化審議会からの意見を受け世界遺産登録の目標年が一年延期となったが、現在の進捗状況と今後の取組について伺いたい。 |
答
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令和5年中の国内推薦候補の選定は行わないことが本年7月に発表され、同時に文化審議会世界文化遺産部会から、構成資産の史跡追加指定など保護措置の充実や、関係省庁・自治体等による連携体制の構築、顕著な普遍的価値の更なる精査など5点の課題が示された。
今後も、様々な機会を捉えて飛鳥・藤原の価値を発信すると同時に、示された課題を解決し、令和6年の国内推薦選定に向けて、文化庁の技術的支援を受けながら加速度的に取組を進める。また、現状で最短となる令和8年度の世界遺産登録を目指す。 |
他の質問項目
●県内高等教育の充実
●国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催
●関西広域連合への全部参加
●県内公共交通網の確保
●特殊詐欺対策
●自転車における傘スタンドの使用
橿原市の児童死亡事案について
亀甲 義明(きっこうよしあき)議員(公明党)
問
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橿原市の児童死亡事案を知事はどう捉えているのか。また、県の児童保護の体制や、関係機関との連携、こども目線に立った対策など、児童の虐待防止対策に早急に取り組む必要があるが、今後どう取り組んでいくのか。 |
答
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二度とこうした事件がおきないよう、県と橿原市の対応を検証し、問題点の改善に取り組む。当事案では、母親の発言を鵜呑みにしたことや虐待に至らないとの判断が早計でなかったかなども検証対象になると考える。
今後、県と橿原市が共同で第三者的見地による検証チームを立ち上げ、要因解明と再発防止に向けた提言を受けた上で、養育支援が必要な家庭に関わる県・市町村職員の対応力向上、体制の充実、関係機関との情報共有や連携強化などにしっかり取り組んでいく。 |
他の質問項目
●国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会
●発達障害児者への支援
●今後の認知症施策の進め方
●道路の安全対策や誰もが安心して通行できる歩道整備
●横断歩道上の交通事故の防止
●特別支援学校施設の整備
9月定例会 一般質問
医療的ケア児支援について
工藤 将之(くどうまさゆき)議員(日本維新の会)
問
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県重症心身障害児者支援センターは、機能強化や市町村等との連携を行う必要があると考えるが、医療的ケア児支援の県の理想の姿や役割を踏まえ、今後目指すあり方を伺いたい。 |
答
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医療的ケア児とその家族が身近な地域で適切な支援を受けられることが理想であり、各地域ごとに支援拠点を設置し、相談や支援を受けられる体制を構築していく。センターは、専門的な相談支援や県全体の相談支援体制のサポートを行う総括的な支援拠点となることを目指していく。 |
他の質問項目
●南部東部への観光客誘客
●奈良県らしい子育て政策
大和高田市立病院の移転整備について
福田 倫也(ふくだとしや)議員(日本維新の会)
問
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県と大和高田市は、市立病院の移転整備について、県産業会館の敷地活用に関する協定を締結したが、山下知事就任後の市との議論の状況等と今後の取組について伺いたい。 |
答
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7月に市長と面談し、「市の負担が少ない案が他にもあるのではないか」と伝えたところ、市長から「最善案を検討したい」との回答があった。その後、市の9月定例会で建替え候補地の検討予算が可決され、今後、市から検討結果が示されると考えており、その内容によっては、連携・協力して対応していく。 |
他の質問項目
●既存事業の見直し
●建設工事等における県内業者の受注機会の拡大
●奈良登大路自動車駐車場の来庁者利用
●不登校対策
県域水道一体化について
芦髙 清友(あしたかきよとも)議員(自由民主党・無所属の会)
問
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知事は水道広域化の必要性は認めつつ、事業統合等の基本的事項等に疑問を呈し、再度論点整理し協議する旨発言されたが、県域水道一体化をどのように考え、どう進めるのか。 |
答
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県域水道一体化は大きな変革であり、見切り発車することなく、統合前にきちんと議論しておくことが必要である。基本的方向性を変える考えはないが、将来に憂いを残さないよう、幾つかの論点について現在整理中。整理した論点など、今後も引き続き、関係28団体間で協議を進めていく。 |
他の質問項目
●知事の行政運営における説明責任
●子ども達の未来を創るスポーツ施設の整備
●教員の未配置への対策
中央卸売市場の再整備について
関本 真樹(せきもとまさき)議員(日本維新の会)
問
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再整備後に場内事業者が支払う使用料は上昇すると聞いているが、経営状況が厳しい事業者も多いなか、新市場への移行に向け、負担をできるだけ軽減する必要があるがどうか。 |
答
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大規模な整備であり、整備費も多額になるので、使用料は上がらざるを得ないが、新市場への移行期において、市場事業者の経営が安定するよう、一定の支援は必要と考えている。事業者にどのような支援を行うことが適切か検討し、再整備後の使用料(案)の提示にあわせて、支援策の確定作業も進めていく。 |
他の質問項目
●まほろば健康パーク機能強化
●県営都市公園の効率的な運営管理
●県産農産物等の輸出促進の取組
大和平野中央田園都市構想について
伊藤 將也(いとうまさや)議員(自由民主党・無所属の会)
問
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磯城郡3町で予定されていた拠点整備は予算が執行停止された。人材育成や産業・雇用創出等を進めるのであれば、当初の構想は有効と考えるが、今後どのような代案を地域に示すのか。 |
答
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雇用創出や産業活性化に向け、企業誘致や産学官連携を含む土地活用の方策について、民間のニーズを確認しながら磯城郡3町と協議を進める。また、人材育成も見据え、奈良国立大学機構が立ち上げ予定の「なら産地学官連携プラットフォーム」への参画等、さらに県内高等教育機関との連携に取り組む。 |
他の質問項目
●中央卸売市場の再整備
●職員の派遣に関する協定
民間企業との連携・協働について
松木 秀一郎(まつきしゅういちろう)議員(日本維新の会)
問
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県民の暮らしをより向上させるには、民間の力の活用が重要であり、中でも包括連携協定を推進すべきと考える。企業からより提案を得やすくするため、今後どう取り組むのか。 |
答
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県はこれまで包括連携協定を14社と締結し、政策の充実、県民の暮らしの向上に寄与する様々な取組が生まれている。今後も、県と企業の双方に利点が見込める場合には積極的に協定締結を進める。そのため、協定の成果をHPなどでPRするとともに、県政課題等について積極的な情報発信を行う。 |
他の質問項目
●小規模事業者の存続・発展
●関西広域での観光
●道路・河川の維持管理に関する県民からの通報
行政文書の適切な作成及び管理について
永田 恒(ながたゆづる)議員(自由民主党・無所属の会)
問
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予算執行査定において議事録が作成されていないが、行政運営における透明性の観点から、今後は議事録を含む行政文書を適切に作成、管理することが重要と考えるが、どうか。 |
答
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行政文書の適切な作成、管理は重要であり、それにより、行政が適正かつ効率的に運営され、県の諸活動を現在及び将来の県民に説明する責務が全うされる。そのため、これまでも行政文書を適切に作成、管理するための取組を行っており、引き続き、適切な作成、管理に務め、県民への説明責任を果たす。 |
他の質問項目
●南海トラフ巨大地震等に対する災害対応体制
●若者の県内定着に資する企業誘致の推進
●近鉄大和西大寺駅周辺の渋滞対策
西和医療センターの移転・再整備について
若林(わかばやし) かずみ議員(自由民主党・無所属の会)
問
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西和7町から、候補地となり得る土地の情報提供はあったのか。また、JR王寺駅南側とその土地の比較検討など、令和13年頃の開院に向け、今後どう取り組んでいくのか。 |
答
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鉄道駅から徒歩圏内など候補地になり得る条件を提示し、情報提供を依頼したところ、平群町、三郷町、斑鳩町、河合町から計8カ所の情報提供があった。まずは移転・再整備先の決定が重要なため、早急に調査・検討を深め、王寺駅南側を加えた9カ所の中から確定し、早ければ12月定例会にて報告したい。 |
他の質問項目
●結婚支援
●ギャンブル依存症
●主要地方道天理王寺線長楽工区の整備
質問・答弁の全文は
代表質問・一般質問とその答弁を掲載した会議録を、次の定例会開会までに奈良県議会ホームページに掲載します。
可決した意見書
この定例会では、意見書3件を可決しました。
意見書は、内閣総理大臣のほか関係大臣などに提出しました。
意見書
▶生涯を通じた国民皆歯科健診の実現を求める意見書
▶ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)に対する適正な診療上の評価等を求める意見書
▶こども医療費助成に全国一律の医療費助成制度の実現を求める意見書
高校生議会を開催しました
8月18日、今年で11回目となる高校生議会を開催し、県内の8校から36名の高校生議員が参加しました。
開会に当たり、岩田議長から激励の言葉があった後、本会議では、高校生議長の議事進行で会議が進められ、参加した高校生議員からは、私立高等学校の授業料の無償化や災害に関する情報発信などの質問がなされたほか、小・中・高校生による魅力ある地域づくりや、奈良県南部・東部における廃校をリノベーションした地域活性化などの提言が行われ、すべて満場一致で可決されました。
本会議終了後には、「若者の政治への参加」をテーマに、議員体験の感想などについて、県議会議員との意見交換を行いました。
第17回紀伊半島三県議会交流会議を開催しました
第17回紀伊半島三県議会交流会議が、8月8日に和歌山城ホールにて開催されました。
この会議は、紀伊半島三県(三重県、奈良県、和歌山県)の議員が一堂に会し、紀伊半島の振興及び発展に資するため、直面している共通課題について意見交換を行うことを目的として、毎年開催されています。
本県議会からは、岩田議長をはじめ7人の議員が参加し、紀伊半島における観光振興や、林業従事者の育成・確保を図る取組などについて、活発な意見交換を行い、今後とも情報共有するなど三県議会が連携して、国に要望していくことで合意しました。
議会の様子をテレビやインターネットで視聴できます
●奈良テレビでは、本会議の代表・一般質問を生中継しています。
●インターネットでは、本会議の全日程や委員会の審議の様子をライブ配信するとともに、録画配信も行っています。
県議会では、公職選挙法を遵守し、虚礼廃止の実をあげるため、選挙区内の香典を一切行わないことで申し合わせています。