令和6年度第16回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)
概要
<開会>
令和7年3月24日
14時00分
<閉会>
令和7年3月24日
15時00分
<会議場所>
教育委員室
<委員出欠>
伊藤忠通(出席)
田中郁子(欠席)
伊藤美奈子(出席)
三住忍(出席)
橋本昌大(出席)
議案及び議事内容
<議案>
議決事項1 教育評価支援委員会委員の委嘱について(可決)
議決事項2 令和7年4月教育委員会事務局人事異動について(可決)
報告事項1 令和7年度公立学校・園の設置・廃止等について
(承認)
<議事内容>
○大石教育長 「伊藤忠通委員、伊藤美奈子委員、三住委員、橋本委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和6年度第16回定例教育委員会を開催いたします。本日は、田中委員が欠席ですが、定足数を満たしており、委員会は成立しております。」
○大石教育長 「議決事項1については、各種委員の委嘱に関する案件のため、議決事項2については、人事に関する案件のため、当教育委員会においては非公開で審議すべきものと考えます。委員の皆様にお諮りします。いかがでしょうか。」
※各委員一致で可決
○大石教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、本日の議決事項1及び議決事項2については、非公開で審議することとします。」
○大石教育長 「報告事項1『令和7年度公立学校・園の設置・廃止等』について、ご報告をお願いします。」
○𠮷中義務教育課長 「公立学校及び幼稚園の設置・廃止等について、報告いたします。本年度、届出があったのは、廃止5件、休園4件、二部授業3件の計12件となります。まず、5件の廃止についてご説明します。廃止される幼稚園は、奈良市立鳥見幼稚園、奈良市立二名幼稚園、大和郡山市立昭和幼稚園、天理市立櫟本幼稚園、橿原市立真菅北幼稚園の計5園です。次に、4件の休園についてご説明します。休園となる幼稚園は、御所市立秋津幼稚園、御所市立大正幼稚園、香芝市立志都美幼稚園、香芝市立関屋幼稚園の計4園です。これらのことにより、令和7年度に園児が在籍する公立幼稚園は、本年度より6園減少し、81園となります。公立小学校は178校、公立中学校は94校です。なお、この94校には県立青翔中学校、県立国際中学校を含めております。義務教育学校は本年度と同じ9校です。最後に、3件の二部授業についてご説明します。二部授業が実施される中学校は、奈良市立春日中学校、天理市立北中学校、橿原市立畝傍中学校の3校です。以上です。」
○大石教育長 「ただいまの件につきまして、ご意見、ご質問はございますか。」
○伊藤忠通委員 「休園の期間はどのくらいですか。」
○𠮷中義務教育課長 「秋津幼稚園だと令和5年4月1日から休園の報告をいただいており、令和7年度につきましても、令和7年4月1日から令和8年3月31日までの報告を受けております。」
○伊藤美奈子委員 「中学校の二部授業というのはどのような形態ですか。」
○𠮷中義務教育課長 「いわゆる夜間中学のことです。」
○伊藤美奈子委員 「今、不登校の対応で二部授業や夜間学校の見直しが随分進んでいます。二部授業が実施されるのはありがたいことだと思います。」
○三住委員 「廃止・休園の予定がある幼稚園が県教育委員会に事前相談などすることはありますか。」
○𠮷中義務教育課長 「廃止・休園については設置者である市町村が決めますが、相談があればお伺いしております。」
○大石教育長 「休園の園については、今後、一つの園が維持できるほどの子どもが入ってくる見込みはあると考えていいのですか。」
○𠮷中義務教育課長 「見込みはないと推測しています。」
○橋本委員 「長い間、休園されている幼稚園に関して、県教育委員会としてどこまで関与できるのでしょうか。」
○𠮷中義務教育課長 「設置者は市町村となりますので、設置者の判断になると考えております。」
○大石教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、本件について承認してよろしいか。」
※各委員一致で承認
○大石教育長 「報告事項1については承認いたします。」
○大石教育長 「その他報告事項について、ご報告をお願いします。」
○辻人権・地域教育課長 「人権を確かめ合うアンケートの結果について、報告いたします。資料1ページに示しておりますような目的、方法で12月に実施しています。実施した学校数は計314校、回答した児童・生徒数は計90,679人でした。Googleのフォームを活用し無記名で実施しており、回答結果については、即時かつ随時、内容を確認できるよう各学校、各市町村教育委員会とデータを共有しております。結果については、2ページ以降に4つの内容に分けて提示しております。また、各グラフには参考として昨年度の結果についても併記しています。それぞれの結果の詳細については資料をご覧いただくとして、本日は特徴的な結果や傾向について3点にしぼって報告させていただきます。まず1点目、インターネットに関わることについてですが、資料2ページをご覧ください。ここでは、嫌な気持ちになったことに関する結果を示しています。問1で、嫌な気持ちになったことが「ある」と回答した児童・生徒の割合は、学校段階が進むにしたがって減少していますが、問2(2)を見ていただくと、ネット上でされたことが「含まれている」と回答した児童・生徒の割合が、学校段階が進むにつれ増加しています。また、資料3ページには、相手を嫌な気持ちにさせたことに関する結果を示していますが、問3で、相手を嫌な気持ちにさせたことが「ある」「あるかもしれない」と回答した児童・生徒の割合は、学校段階が進むにしたがって減少していますが、問4(2)を見ていただくと、ネット上でしたことが「含まれている」と回答した児童・生徒の割合は逆に増加しています。これらの結果は、スマートフォン等の所有率と関係があると考えられ、相手の気持ちに十分配慮せず軽い気持ちで発信したり、相手が嫌な思いをするとは考えずに発信したりしていることが窺われます。ネットの画面の向こうには人がいるということを認識し、人権に配慮したICT等の使い方を考えさせる取組が今後も引き続き必要であると考えます。2点目、相談に関わることについてですが、資料2ページをご覧ください。問2(4)を見ていただくと、嫌な気持ちになったことが「ある」と回答した児童・生徒のうち、2割程度がそのことを「誰にも相談していない」と回答しています。また、問2(5)を見ていただくと、誰にも相談していない理由については、今年度新たに追加した質問項目ですが、小学校では「他人に知られたくない」や「家族に心配をかけたくない」などの回答が多く、中学校・高等学校では「相談しても解決しない」や「自分で解決しようと思う」などの回答が多く見られました。資料3ページの〈クロス集計1〉をご覧ください。資料2ページの問2(3)で、嫌な気持ちになったことが「今も続いている」と回答した児童・生徒は「続いていない」と回答した児童・生徒に比べて、そのことを誰にも相談していない割合がどの校種においても高くなっています。 先ほどの結果からも分かりますように、悩みごとや困りごとがあっても誰にも相談せずに自分で抱え込んでしまっている児童・生徒がいるということを踏まえて、相談することは自分の身を守るためにも大切なことであるということを児童・生徒に伝えることが必要となります。また、資料5ページの<クロス集計2>をご覧ください。教職員からの言動でうれしい気持ちになったことがある児童・生徒は、「相談しても解決しない」と答えている割合が低いという結果が出ています。学校が安心して相談できる場となるために、教職員の一人一人の児童・生徒に寄り添った働きかけが、児童・生徒との良好な信頼関係につながっていくことをお伝えしていきたいと考えています。3点目、教員の言動に関することについてですが、資料4ページをご覧ください。ここでは、教職員からの言動に関することについての結果を示しています。問6(1)でうれしい気持ちになったことの内容を示していますが、最も多かったのは、昨年度と同じく「楽しく、分かりやすい授業をしてくれた」、次いで「頑張ったことを認めてくれた」でした。また、問6(2)を見ていただくと、うれしい気持ちになったことが「ない」と回答した児童・生徒が「してほしい」と思っている内容も、昨年度と同じく「楽しく、分かりやすい授業」が最も多い結果となっています。一方で、問8(1)を見ていただくと、教職員からの言動によって嫌な気持ちになったことの内容で最も多かったのが、「理由がよくわからないまま叱られた」でした。また、昨年度に引き続き、少数とはいえ、「性的な話をされた」、「必要がないのに体に触られた」と回答した児童・生徒がいることは、決して看過してはならないことで、重大な人権侵害の可能性も否定できないと捉え、その気はなくても嫌な気持ちになっている児童・生徒がいることを教職員に十分伝えていきたいと考えています。なお、本結果については、各市町村教育委員会及び各県立学校に周知し、あわせて、教職員の人権感覚を磨くとともに、学校全体としていじめやハラスメントの根絶に向け、指導体制等を点検するための啓発資料及び児童生徒用資料を作成し、3月18日付けで全公立学校に配布するとともに、当課Webページ及び子ども支援サイトに掲載いたしました。本アンケートの結果が「一人一人が大切にされる学校づくり」の後押しとなり、教職員の明日からの活力となるよう、県教育委員会として様々な教育・啓発に取り組んで参りたいと考えております。以上です。」
○熊谷教育研究所長 「令和6年度第2回奈良県社会教育委員会議について、報告いたします。2月27日に令和6年度第2回奈良県社会教育委員会議を開催し、奈良県社会教育委員の皆様から意見を頂戴いたしましたので、その概要についてご報告を申し上げます。当日は、県社会教育委員13名にご出席をいただき、事務局から「奈良県における社会教育の振興について」及び「奈良県の社会教育の振興方策について」を説明した後、県内の社会教育の人材育成や社会教育の活動に対して、委員の皆様より様々なご意見をいただきました。主な意見としては、資料に示していますがいくつか紹介いたします。まず、奈良県における社会教育の振興については、「地域の中には様々な分野で活動している方が多くおられる。このような方が社会教育士に興味をもてるような仕掛けを作る必要があるのではないか。」や「各市町村における社会教育委員が高齢化している現状がある。若い世代の社会教育委員の任命や若者の社会教育への参画が必要ではないか。」等の意見をいただきました。次に、奈良県の社会教育振興方策については、「県内で社会教育士の資格をもっている方が活躍している様子を載せたリーフレットを作成し、各市町村の社会教育担当窓口や公民館で配布し、社会教育の大切さを伝えることは良いと感じる。」等の意見をいただきました。最後に、「社会教育委員はそれぞれ自立して調査研究ができるので、例えば、奈良県の社会教育についてもっと深める学習会が今後できれば良いのではないか」という意見も頂戴して第2回の会議を閉じさせていただいたところです。以上です。」
○大石教育長 「まず、人権アンケートの報告について、何かご意見、ご質問はございませんか。」
○伊藤忠通委員 「資料3ページの〈経年比較〉のところで、小・中・高で学校の先生に相談している数が減って、相談していない数が増えていることが気になっています。その理由はどのように考えていますか。」
○辻人権・地域教育課長 「アンケートの設問が、昨年度までは『いじめと感じるようなことをされて嫌な気持ちになったこと』だったのですが、今年度から『いじめと感じるような』という文言を外し、『嫌な気持ちになったことがありますか。』に変えました。その理由としましては、『いじめ』という言葉に誘導されて、いろいろな嫌な気持ちになったことを回答しない子もたくさんいるのではないかということで外させていただきました。そのことも踏まえて、少しでも嫌な気持ちになったことを回答した場合、軽微なことであれば『先生に相談しなくても良い』と考える子もいると思われますので、特に高校生の数値が下がっているのはそういった理由があるのではないかと考えています。ただ、その他の理由を細かく見てみると、いじめと変わらない様な内容を記載している回答もありますので、今後も引き続き分析をしていきたいと思っています。」
○伊藤忠通委員 「資料2ページの(5)「誰にも相談していないのはなぜですか」というところで、自分で解決するという回答が高校生は結構多い。先ほどの軽微なことであれば自分で何とかできるということなので、相談しなくても何とかできると考えているのでしょうね。」
○大石教育長 「ほか、いかがでしょうか。」
○三住委員 「マイナスになるようなことをどうやって回復するかも大事なことだが、国連等の調査では日本人の子どもは幸福感が最下位となっているそうで、その幸福感をどうやって高めていくかを考えるべきだと思います。教職員の言動によりうれしい気持ちになったことの内容で回答されていることは、どれも幸福感を高めるものだと思います。今後、今までどんなことで幸せを感じたのかというようなことをアンケートに取り入れていくと、人権を守ることにつながると思われるので検討いただければと思います。」
○橋本委員 「資料4ページの教職員からの言動でうれしい気持ちになったことと嫌な気持ちになったことの有無の両面が問われているのですが、資料2ページの嫌な気持ちになったことと資料3ページの相手を嫌な気持ちにさせたことに対しては、その裏返しのうれしかったことの有無についての質問はないということで理解してよいでしょうか。」
○辻人権・地域教育課長 「はい。今は入っていません。」
○橋本委員 「資料3ページの相手を嫌な気持ちにさせたことの有無で、学校段階が進むにつれて割合が減っていくという結果ですが、大人になればなるほど精神的にレベルが上がっていくことで、自分は無意識に相手を傷つけている可能性があるのではないかという認識が高まるのではないかということで、私自身、逆の結果になるイメージを持っていました。この質問に「ある」「あるかもしれない」と答えた場合、さらに続けて派生した質問に答えるのが面倒だという別のバイアスがかかった結果とも考えられるので、この結果をそのままよいと捉えていいものなのか、興味深いところがあります。」
○大石教育長 「質問項目を考え直した方がいいということでしょうか。」
○橋本委員 「自分の経験としても、早く済ませられる方を回答として選択してしまうことがあります。学校段階が上がるにつれて、無自覚のうちに相手を傷つけていることがあるだろうと思って欲しい気持ちはあるが、アンケート結果では8割の人が嫌な気持ちにさせたことがないと思っていることが逆に不安に感じます。そういう子もいるのではないかという視点があってもいいと思います。」
○大石教育長 「何らかのバイアスはかかるということを前提に分析するということですね。ほか、いかがでしょうか。」
○三住委員 「人を嫌な気持ちにさせたことがあるかと質問しているが、いじめのようなことをやっていても、性格によっては嫌な気持ちにさせたことがないと回答していることもあると思います。場を楽しませるために相手をからかって嫌な気持ちにさせることはいじめだと分かるように、アンケートで表面化していただければと思います。あと、人に悩みを相談したことがあるかという話ですが、今はAIにも相談できますし、必ずしも人間に相談しなくてもいいと思います。」
○大石教育長 「アンケートから見えてこない部分もあると思うので、そこは教員がそれぞれのキャラクターをきちんと把握しながら使用していただければありがたいかなということですね。」
○伊藤美奈子委員 「資料4ページのうれしい気持ちになったことがある、ない両方で一番多かった回答が「楽しく、分かりやすい授業」という結果を見ると、やはり授業が大事でそれがベースにあるということが再認識できました。また、相談しないという結果については、小中高と上がって行くにつれてその割合が下がっていますが、私がいじめに関する調査をしたときに、いじめられたときに相談しますかという質問を入れると、小学生は割と相談するけれど、中高生となると相談する子は減っているという結果でした。それは大人への不信感などがあることが原因なのではないかと解釈していて、小学生の方がいじめられた時に言いやすいのではないかと思っていましたが、この結果はそうではないということでしょうか。」
○辻人権・地域教育課長 「いじめのことについては、家族にも知られたくないというような回答が多かったのは意外でもあります。また、教職員の言動に関することについては、小学生が教職員にされたことを誰にも相談できていないことが多いということが分かりました。」
○伊藤美奈子委員 「相談しないというのが、自分で解決するからしないというのであれば前向きで悪くないのですが、あの人は信じられないとか、誰も聞いてくれないとかいうことであれば困ったことなので、分析が必要だと思います。あと先ほどもあったが、人に相談できなくてもネットで相談とかはできるということもあると思います。特に中高生とかはなじみがあるので、今後増えていくのかなと思っています。私の調査結果で見る限り、ネットでしか相談できない子たちの特性を見ると心配な点はありますが、そういった子でも使えるネットの相談窓口の存在価値はすごく大きいと思いますので、そういった子たちのケアのために今後、SNS相談やAIなどを活用・展開できればいいと思います。」
○大石教育長 「次の社会教育委員会議の報告について、何かご意見、ご質問はございませんか。」
○三住委員 「社会教育委員はどういう方々に担っていただいているのでしょうか。」
○熊谷教育研究所長 「一般的に社会教育は、学校教育や家庭教育以外で広く社会で行われている教育とされております。県の社会教育委員は教育委員会でご承諾をいただいており、PTAの代表、校長会の代表、公民館、こども会、スポーツ少年団など幅広く子どもに関わる社会教育団体の長にあたられる方に担っていただいております。」
○大石教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、その他報告事項については了承いたします。」
非公開議案
議決事項1 教育評価支援委員会委員の委嘱について
議決事項2 令和7年4月教育委員会事務局人事異動について
非公開にて審議
○大石教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」
※各委員一致で可決
○大石教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」