令和7年5月14日(水曜日)知事定例記者会見

【発表案件】
○「奈良県版 道路防災点検の手引き(案)」について
大阪・関西万博会場での奈良県催事について
スイス・ベルン州訪問について
第14回東アジア地方政府会合の開催について



 

 

司会:

 おはようございます。

 ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 本日の会見は、ユーチューブ、奈良県公式総合チャンネルでライブ配信しております。

 本日は、知事からの発表案件が4件ございます。

 まず、1件目の発表案件は、「奈良県版道路防災点検の手引き(案)」についてでございます。

 山下知事、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

「奈良県版 道路防災点検の手引き(案)」について

 

 

 

 

知事:

 まず、資料1枚目、めくっていただきまして、右側の写真は、一昨年の年末の下北山村での事故の写真でございますけれども、この事故は、国道169号線で起きましたが、国道169号線だけではなく、県内の中山間地の県管理道路において、こういう土砂崩れが頻発していることは記者の皆さんもご存じのとおりかと思います。課題としましては、対策が必要な箇所については、順次行っていますが、対策が必要な箇所数が多く、時間を要していること、あるいは、一旦点検で対策不要と判断した箇所や、吹きつけなどの対策を完了した箇所においても、後で斜面の状況が変化して災害が発生するということもございます。そこで、この下北山村での事故をきっかけといたしまして、経時的な斜面の状況の変化を捉え、広範囲を効率的、効果的に点検することができる最新の技術を活用した、そういう手法がないかどうかをこれまで研究してきたところでございます。

 もう1枚めくっていただきまして、これまでの研究、検討の経緯をまとめておりますが、右側に書かれた有識者の皆さんからお力添えを賜りまして、今般、この検討の結果を奈良県版道路防災点検の手引き(案)として取りまとめいたしましたので、その内容についてご報告させていただくものでございます。

 もう1枚めくってください。奈良県版道路防災点検の手引き(案)の特徴でございますけれども、まず1点目といたしまして、人工衛星、SARというものを用いまして、そのデータを活用して、広域的かつ経時的に斜面の変化を把握するというものでございます。これまでは、空中写真や地形図などで箇所を絞り込んだ上で、実際に職員が現地にて点検をする、そういう手法を取っておりましたが、これでは、過去から現在に至るまでの変化をきちんと捉えることが難しいという課題がございました。その時点、その時点での変化しか分からないということでございます。目視が中心なので、定量的に変化の度合いを把握することができないという課題もございました。今後は、この人工衛星、SARのデータを解析しまして、電波の差を測定することで経時的に斜面が変化している箇所を捉えるということです。なかなか難しい仕組みですが、右側の図を見ていただきますと、この人工衛星、SARというのが地球の周りをぐるぐる回っているわけでございますけれども、その1回目の観測時に、電波で人工衛星と当該箇所との距離が分かるようでございます。1回目に観測した電波と2回目に観測した電波に差異があれば、それで何らかの変化が斜面に生じているということが分かる、そういう技術があるようでございます。この技術を活用いたしまして、斜面の変動を広域的に、かつ、過去に遡って斜面の変化を把握することができるということでございます。なので、今後は従来の方法に加えまして、この人工衛星、SARのデータを活用して点検をしてまいりたいと考えております。

 2点目、もう1枚めくっていただきまして、今度は、熱赤外線の調査によって、目視できない斜面の表から見えない部分を熱赤外線調査で把握するという手法でございます。これまではどうしていたかといいますと、実際に穴を開けて、吹きつけの背面の状況を調査したり、目視によりまして、吹きつけ面のひび割れを見たり、こんこんっと打音して検査するというような手法で、背面の状況を推定していたわけでございますが、あくまで推定でございますので、実際の状況と異なる可能性があったということでございます。今後は、既に吹きつけをした箇所や、点検で対策が必要と判断された箇所、あるいは、吹きつけ等に変化が生じた箇所につきましては、熱赤外線調査で吹きつけ面裏側の全体の劣化や空洞の状況を把握するという、こういう手法を採用します。仕組みについては、右側の図の下に小さい字で書いていますが、吹きつけ背面が空洞化している、あるいは土砂化している箇所は、健全な箇所に比べて昼間の温度が高く、夜間の温度は低いと、こういう特徴があるようなので、その温度変化を熱赤外線調査で把握すると、こういうことでございます。

 3点目は、点検や日常の道路パトロールで得る情報のデータベース化ということでございます。これまでは、点検やパトロールで得た情報や被災履歴というのは紙ベースで記録をしており、過去の記録の検索などに、当然、紙ベースですので、時間がかかっておりました。例えばどこで落石が多いのかといったことは、職員の経験で漠然と把握しているけれども、その落石の頻度といった定量的なデータとしては把握されていませんでした。あるいは、得られた情報をあまり有効活用されていないという問題がございましたので、今後は、スマートフォンなどを用いて、道路パトロールで得た情報をデータベース化し、そのデータベースと過去の点検や被災履歴、道路パトロールの情報、それらを全てデータベースとして組み合わせまして、地図上に重ね合わせることで、再点検や対策が必要な箇所をより精緻に絞り込んでいくということでございます。土木事務所からはもとより、現地から、点検をしている現場からもデータへのアクセスが可能ということで、例えば現地に行って、少し様子がおかしいなというところが見つかったら、過去、その箇所は何か問題が発生していたのかどうかということを手元のスマートフォンで、すぐその場で検索できるという特徴があるということでございます。

 今後のスケジュールですけれども、国道169号、国道168号において、この新しい手引き(案)に基づいた斜面点検を先行実施いたします。その点検結果や課題について、今年度末に、先ほどご紹介した有識者の委員会で報告して、有識者の皆さんから意見を聴取した上で、必要に応じて手引き(案)を見直して完成させ、来年度からこの手引に基づいて、全県で点検を実施する、このようなスケジュールを考えております。以上です。

 

司会:

 それでは、ご質問がございます方はお願いいたします。

 NHKさん。

 

記者(NHK):

 国道169号の事故というのは、二度と起こしてはならないということで、委員会を立ち上げで、ずっと県もやってこられたと思いますが、今回こうした手引をまとめられて、知事としては、今後、この手引を活用して、どのように安全を確保していきたいとお考えでしょうか。

 

知事:

 そうですね、土砂の崩落を100%、事前に把握するということは、困難だと思いますけれども、こうした最新の技術を活用し、かつ、データを蓄積することで、より早期に崩れそうな箇所を把握し、少しでもあのような大きな事故の未然防止につなげていきたいと考えております。

 

記者(NHK):

 全国いろんなところでもこういう危険性があると思いますが、こういう手法を用いて点検をしていくというのは、全国の自治体でも珍しいケースと言えますでしょうか。

 

知事:

 はい、全国的な状況までは調べられていませんが、近畿では奈良県が初めてと聞いてます。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 時事通信さん。

 

記者(時事通信):

今回、大きく3つほど上げられていますが、対象となる道路は、基本的に国道と県道になりますか。

 

知事:

 県が日常管理しているところですので、県管理の国道です。つまり3桁の国道と、そして、県道と、この2つの道路でございます。

 

記者(時事通信):

 市町村が管轄している道路については、市町村が管理するのは当たり前だと思いますが、今後、要請があれば、何か行う予定など、その辺りはどうですか。

 

知事:

 まだ検討していませんが、このシステムをうちの市でも活用させてほしいという相談があれば、その時点でどうするかは検討したいと思います。

 

記者(時事通信):

 ポイント3の部分で、データベース化するということですけども、過去の部分は、今、紙ということで、過去の紙であるデータは、新しいところへ反映させていきますか。それとも、これがローンチした段階から蓄積されていくのでしょうか。

 

道路マネジメント課:

 過去の点検結果も当然反映させていこうと考えております。

 

記者(時事通信):

 いつの分から反映させるのでしょうか。

 

道路マネジメント課:

 今後の検討ですが、今現在、土木事務所などが保有している点検結果は、道路防災点検が平成8年度からスタートしているので、それ以上古いデータはないとは思います。それ以降の点検結果を反映していきたいと思っております。

 

記者(時事通信):

 今後のスケジュールにあるとおり、先行実施するということですが、これは、具体的にいつから始めるのでしょうか。

 

道路マネジメント課:

 今年度、これから発注するという段取りになっておりますので、実際に解析するというのは、今年度の秋以降になると考えております。

 

司会:

 では、ほかに質問はございますでしょうか。

 

記者(読売新聞):

 現状と課題のところで2点ございまして、まず最初に、毎年、土砂災害が発生しているというところで、こちらも取材していて、体感的に多いなという印象がありますが、大体県内で何件ぐらいといった、頻発している程度が分かるようなデータはありますでしょうか。

 

知事:

 年間。

 

記者(読売新聞):

 はい。ありますか。

 

道路マネジメント課:

 正確な数字は今わかりませんが、特に山間部の事務所を中心に、管理県道でいくと、二、三か月に1回ぐらいは、崩土などが発生しているというふうに感覚としてはございます。

 

記者(読売新聞):

 分かりました。ありがとうございます。

 2点目が、対策工事などに多く時間を要しているということですが、平均どのぐらいの時間をかけて工事しているかというのは分かりますか。

 

道路マネジメント課:

 これもエリアの大きさによって、また、対策の規模によって、全然異なりますが、特に国道168号、国道169号のような大きな斜面の対策ということになりますと、1か所あたり、最低でも2年から3年ぐらいは対策に時間がかかっているというようなことでございます。

 

記者(読売新聞):

 ありがとうございます。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 産経新聞さん。

 

記者(産経新聞):

 こうしたやり方は、近畿では初めてということですが、ポイント1から3、全てが初めてなのか、このうちの1つが初めてなのか、その辺はどうでしょうか。

 

道路マネジメント課:

 まず、ポイント1につきましては、知事がおっしゃったように、近畿圏でも初めてということで調べております。ポイント2の熱赤外線の件につきましては、災害が発生してから採用しているというのが、近畿圏では兵庫県とか、福井県に活用した事例があると聞いております。ただ、災害が発生する前に事前に実施するという事例は聞いておりませんので、これもなかなか先進的な技術の活用であると考えております。スマホを利用した道路パトロールに反映するという事例につきましては、今現在手持ちはないのですが、いろいろな市町村などで既に活用されていると聞いております。

 

記者(産経新聞):

 ありがとうございます。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 読売新聞さん。

 

記者(読売新聞):

 今後のスケジュールに、今年度末に手引き(案)を見直して、完成とあります。人工衛星のデータもずっと蓄積されていくのかと思いますが、その中で、何か防災点検の精度を高めていくために更新されることも考えておられますか。

 

知事:

 質問の意味がよく分かりません。

 

記者(読売新聞):

 完成とありますが、日々、斜面の状況も変わっていくということで、データを蓄積する中で、こういった部分にはこうやっていこうということで、また有識者の方々にお話しいただいて、それで更新していくなど、そういう部分も考えてらっしゃるのでしょうか。

 

知事:

 当然、手引を作って一旦完成し、それで終わりということはなく、今後も新しい知見が得られれば更新していくことになろうかと思います。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 朝日新聞さん。

 

記者(朝日新聞):

 3点あります。まず、手引が奈良県版として作られるということですが、逆に、これまでは何に基づいて点検を行ってきたのでしょうか。

 

知事:

 こういう統一的なマニュアルが、従前はあったかなかったかということですか。

 

記者(朝日新聞):

 はい。国の何かに基づいていたとか、ございますか。

 

知事:

 どうでしょうか。

 

道路マネジメント課:

 そうですね、国のほうで手引を参考に出されていて、今まではそういった画一的なものがなかったため、今回、それを整理し、奈良県に適したような形の防災点検の手引を作らせていただいたということです。これまで、点検も何もしていなかったのかということではなく、やはり統一的に道路防災点検の手引を、この災害を機に整理させていただいたということで、新たに作らせていただきました。以上です。

 

記者(朝日新聞):

 つまり、これまでは国交省の手引が存在していて、それに準じていた、参考にしていたということですか。

 

道路マネジメント課:

 そうですね、はい。

 

記者(朝日新聞):

 分かりました。

 それから、この手法の1、2のあたりですけれども、なかなか科学的なところで難しいところがあるのですが、これは従来より精度が高まるということでいいのか、そして、例えばこれによって効率化が図られて、何か点検箇所数とか時間が早まる、そういう効率化につながるのか、その辺りはどうでしょう。

 

知事:

 ここに書いているとおり、これまでは、我々職員がパトロールしたり、あるいは、過去に被災があったところを中心としたデータしかなかったと思いますが、職員がこれまで把握できなかったところに関しても、このシステムに引っかかれば、我々でも分かるということが1点と、この人工衛星のデータは、過去10年分使えるそうです。ですから、過去10年間の間でどういう変化が起きたかということが、要するにパソコンとかスマホ上ですぐに分かると、これはこれまで人間の五感に頼っていた部分では得られなかったような、定量的な変化を科学技術によって把握することができるようになるということかと思います。

 

記者(朝日新聞):

 すなわち精度が高まると言っていいのでしょうか。

 

知事:

 精度が高まると言っていいでしょう。

 

記者(朝日新聞):

 分かりました。

 従来の方法の目視とか、打音検査、そういう人がやるような検査というのは、一切しないのか、それも併用して今後やっていくのかいかがですか。

 

知事:

 両方です。

 

記者(朝日新聞):

 併用してやっていくということですね。了解しました。ありがとうございます。

 

司会:

 毎日新聞さん。

 

記者(毎日新聞):

 ポイント3のところで伺いたいのですが、スマートフォンなどを用いてということで、これは、ポイント1やポイント2を受けて、何か場所を特定したうえで実際現地に行くというイメージなのか、それとは別で、定期点検みたいな形で随時やるようなものなのかはいかがでしょうか。

 

知事:

 これまで随時、道路パトロールでやっていたところについてのデータを、紙ではなく、データとして記憶させて、活用するということもあるでしょうし、この人工衛星とかで分かったところを見に行って、そこで得たいろんなデータをまたデータベースに蓄積するというようなこともあろうかと思います。

 

記者(毎日新聞):

 あと、これは何かスマートフォンの各事務所の共通のアプリとか、ソフトみたいなものが何かあって、それで共有するようなイメージでしょうか。

 

道路マネジメント課:

 今おっしゃったように、各事務所に共通のアプリみたいなものを導入して、全県的に統一されたものでデータを整理していきたいと考えております。以上です。

 

記者(毎日新聞):

 それは、これから新たに導入するアプリということですか。

 

道路マネジメント課:

 はい。

 

記者(毎日新聞):

 分かりました。ありがとうございます。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 奈良新聞さん。

 

記者(奈良新聞):

 先ほど今まで職員が把握できなかったところも把握できるというお話がありました。これまでも対策に時間がかかって、随時やっているということですが、マンパワーとか、予算が限られている中で、新たにそういう箇所が見つかったときに、対応していけるのでしょうか。

 

知事:

 そうですね、マンパワー自体が増えるわけではないですが、崩落してから元に復旧するのに時間と労力と費用を要する。ここは少し危険があるというところを事前に対策を打つ、例えばコンクリートやモルタルを注入するとか、崩落防止のネットを張るとか、いろいろなやり方があると思いますが、やっぱり全然時間と労力と費用が変わりますので、そうやって大きな被害が起きる前に対策を講じることで、対策できる箇所が増えるんじゃないかと思いますし、大規模崩落が起きる前に、そうした未然防止の対策を講じることで、大きな事故も予防できるのではないかと、そう考えております。

 

記者(奈良新聞):

 あと、これに係る予算というのはどれぐらいなんでしょうか。

 

知事:

 いかがですか。

 

道路マネジメント課:

 これからの発注ですが、今年の予算で、先ほどお話しさせていただいた国道168号とか国道169号、南部の山間地域の事務所の調査というか、解析ですね、それを今年度の予算の中でやっていこうと考えております。

6,000万円ぐらいかかるというふうに伺っています。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 日経新聞さん。

 

記者(日経新聞):

ポイント1のこの衛星のデータなのですが、このデータのカバー領域というのは、大体どれぐらいの広さなのかを伺いたいというのが一つと、そのデータを使う場合に、これは奈良県のほうで入手したデータを独自に解析されるのか、それとも、何かデータを解析するようなソフトがあって、それを利用する形になるのか、その辺り、伺えればと思います。

 

知事:

 カバー領域は奈良県全体ではないですか。

 

道路マネジメント課:

 そうですね。おっしゃるように、SARのデータ自身、衛星のSARの衛星のデータ自身は、日本中回っておりますので、データとしては全部あります。今回は解析するのを国道168号、国道169号を中心とした道路斜面で行いたいというふうに考えております。

 

記者(日経新聞):

 何か外部の解析ソフトみたいなものを使うのでしょうか。

 

道路マネジメント課:

 一応、外部発注するのですが、その外部発注する業者さんのほうで解析をお願いするということでございます。

 

司会:

 時事通信さん。

 

記者(時事通信):

 その外部発注は、人工衛星のSARだけなのか、この熱赤外線も外部発注になってくるのでしょうか。

 

道路マネジメント課:

 はい、そのとおりでございます。

 

 

 

 

大阪・関西万博会場での奈良県催事について

 

 

 

 

司会:

 それでは、次の発表案件に移ります。

 2件目の発表案件は、大阪・関西万博会場での奈良県催事についてでございます。

 知事、よろしくお願いいたします。

 

知事:

 では、資料を1枚めくってください。まず、4月の15日から26日にかけて、12日間関西パビリオン多目的エリアで行いました~ALL NARA MARKET~の実施報告でございます。来場者数は、総数で5万213人、1日平均4,184人ということでございます。その推移については、表のとおりでございます。その実際の様子でございますけれども、各市町村のPRブースとも大変好評であったというふうに認識しております。特に試飲や、試食、衣装などの何らかの体験ができるようなブースは非常に列ができるほど人気であったということでございまして、また、ご当地の着ぐるみとの記念撮影を楽しむといった光景も見られました。また、この期間、大学生が共同で開発した万博BENTOというものを販売し、3日間で各100食ずつ、全て即日完売となりました。全体を通じまして、来場者も非常に満足してブースを回られたと認識しておりまして、参加された39の市町村の魅力が来場者に伝わったのではないかと考えています。

 続きまして、今後の催事についてでございますが、既に何度かご案内させていただいているとおり、5月27日から3日間、ALL NARA FESTIVALというのを、これは大阪万博会場の西ゲートの近くにあるEXPOアリーナ「Matsuri」というところで開催いたします。万博会場における位置図は右側に記載したとおりでございます。

 そのALL NARA FESTIVALの内容でございますけれども、これまでも何度かご説明させていただきましたが、かなり確定してまいりましたので、詳しく情報提供させていただきたいと思っております。3日間、それぞれ13時から20時半の間におきまして、ステージイベントやブースの出展を行う、あるいは、ワークショップを行うということでございます。

 それから、もう1枚めくっていただきまして、このALL NARA FESTIVALをPRする動画を作成いたしましたので、画面をご覧いただきたいと思います。

(動画視聴)

知事:

 このような感じでございます。

 資料を1枚めくっていただきまして、5ページ、この3日間でやる主なイベントですが、春日若宮おん祭の一部を再現して行います。それから、「不二之舞」と題した能楽パフォーマンスを行います。それから、奈良県の無形民俗文化財や奈良歴史絵巻等の上演を行います。詳細については、出演団体等については記載のとおりでございます。こうした奈良県の伝統行事等をこのEXPO会場で披露することで、古くいにしえから受け継いできた奈良の伝統芸能、文化などを国内外のお客様にアピールしていきたいと考えております。

 「不二之舞」のポスターがその次でございます。

 それから、7ページですが、このEXPOアリーナ「Matsuri」の少し離れたところにサテライトステージというものがありますが、ここにおきましては、5月27日は「時代をつむぐ奈良」ということで、「世界遺産と飛鳥・藤原から万葉仮名」というタイトルでの催事を行います。それから、その日は、もう一つ、「万葉集とスペシャル書道パフォーマンス」というものを行います。2日目は、「味わいをつむぐ奈良」というふうに題しまして、柿の葉寿司、それから、大和茶、かき氷などを味わっていただきたいと思っております。食べられるんですか、これは。

 

万博推進室:

 試食もございます。

 

知事:

 試食もあります。それぞれに、柿の葉寿司や、大和茶、かき氷などに携わる人たちが登壇して、話をすると同時に、試食もあるということでございます。

 3日目は、「酒文化をつむぐ奈良」ということで、「現代に蘇る古代酒の魅力」と題しまして、そこに書いている人たちが登壇します。また、その後は、「中世の清酒発祥から現代の無形遺産登録まで」ということで、お酒に関わりのある人が登壇するとともに、これも2回とも試飲はあるということでございます。

 それから、このEXPOアリーナを取り囲むような形で、食ブースが設置されますが、ここに約50店舗が出展をいたします。食文化だけではなく、伝統工芸のブースもあるということでございます。詳細は右側に記載したとおりでございます。

 3日間のALL NARA FESTIVALを取り仕切るMCさんや、ゲストのタレントは9ページに記載のとおり、いずれも奈良県出身の方に出ていただく予定にしております。以上です。

 

司会:

 それでは、質問がございます方はお願いいたします。

 NHKさん。

 

記者(NHK):

 4月のイベントに関してですが、12日間で5万人の方が訪れたということに関して、知事はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

 

知事:

 結構大勢の人に来てもらうことができたんじゃないかなと思っています。

 

記者(NHK):

 実際に初日には知事も行かれて、セレモニーとか、いろんなことを参加されましたけれども、その中で印象に残っていることなど何かありますか。

 

知事:

 そうですね、やっぱり古代の衣装を試着するとか、あとは、射的とか、日本酒の試飲とか、先ほど申し上げましたが、単に見るだけではなくて、何らかの体験が伴うようなものが非常に人気だったかなというふうに思っています。

 

記者(NHK):

 また5月にもあって、これも知事は行かれるのでしょうか。

 

知事:

 はい、初日、参ります。

 

記者(NHK):

 こうした万博会場で奈良の様々なことを紹介する中で、これまでも知事はずっと、万博に来られた人をどう奈良に呼び込むかということをおっしゃっていますけれども、その点については、実際に始まってみて、どのように考えていらっしゃいますか。

 

知事:

 既に何度か、この場でもご説明させていただいていますけれども、万博期間中をターゲットとした、様々な誘客事業が既に始まっております。一つは、大阪・奈良楽遊パスという、大阪観光局と共同で開発して販売している、2日間の交通手段と施設のチケットが含まれたパスです。北部バージョンと南部バージョンと2種類ありますけれども、これを2月14日から販売しています。それから、観光ウェブサービス「ならいこ」ですけれども、これは万博会場でもアピールさせていただいております。それから、以前、今年の3月に実施した「ならSLOW&LOOPプロジェクト」、これはもう今始まっているんでしたか。

 

観光力創造課:

 昨年度は1月から3月でデジタルパスを販売いたしまして、今年度はまたこの4月から、万博に向けてのデジタル周遊パスを、JR西日本さん、そして、近鉄さんが、奈良デジタルアクセスパスという、JR沿線と近鉄の沿線を乗り放題になるチケットを販売して、連携してPRしているところでございます。

 

知事:

 これは、既に販売しているのでしょうか。

 

観光力創造課:

 もう既に販売されております。

 

知事:

 以前は、JRでぐるっと回るところまでアクセスするのはJRだけだったんですけれども、近鉄で来てぐるっと回るというのも、今回はできるようになったということでございます。それから、以前にもご紹介させていただきましたが、海外の旅行者がよく利用される宿泊予約サイトであるエクスペディア、あるいは、世界最大の旅行口コミサイトであるトリップアドバイザー、こうしたところと連携した奈良県への宿泊促進プロモーションというのを行っています。具体的には、こうしたオンライントラベルエージェントのサイトに奈良県への周遊、滞在を促す特設サイトというのを設けさせていただいております。それから、これはまだご説明した機会がなかったかもしれませんけれども、大阪からアクセスが近い奈良県をPRして、本県への周遊、滞在を促す宿泊促進キャラクター、ナラニトマッテキョウ。

 

観光力創造課:

 ナラニトマッテキョウという鹿のかぶり物をした貴族のキャラクターを、ティックトック等のSNSで、奈良って大阪から近いよ、万博から近いよといったことをPRさせていただいております。

 

知事:

 そのナラニトマッテキョウというキャラクターを活用した、これは動画ですかね。

 

観光力創造課:

 ショートムービー、動画になります。

 

知事:

 動画をSNSで発信しているということで、ティックトックで既に250万回以上再生されているということでございます。それから、万博会場内におきまして、先ほどご説明した楽遊パスや「ならいこ」等の利用促進プロモーションを実施しております。具体的には、関西パビリオンの多目的エリアにおきまして、先ほどのALL NARA MARKETに合わせまして、楽遊パスや「ならいこ」のPRを行いました。それから、5月26日から5月31日までの予定で、関西ツーリストインフォメーションというところで、奈良県の観光ブースを出展する予定でございます。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 毎日新聞さん。

 

記者(毎日新聞):

 まず、ALL NARA MARKETの数字ですけども、これはどのようにして得た数字なんでしょうか。

 

万博推進室:

 関西パビリオンの多目的エリアの入り口付近に自動でカウントする装置がございまして、そちらでカウントした数字でございまして、こちらが関西広域連合の公式の発表数字でございます。

 

記者(毎日新聞):

 ありがとうございます。

 あと、先ほどのPR動画ですけれども、どこで流しているものなのでしょうか。

 

万博推進室:

 この会見以降、奈良県の公式ユーチューブ等で放映を予定してございます。動画等、ご提供させていただきますので、もしお流しいただける皆さんおられましたら、万博室までお問い合わせいただけたらと考えてございます。

 

知事:

 ぜひ、テレビ放送の中や紙面等にQRコードを掲示していただければうれしいかなと。よろしくお願いいたします。

 

記者(毎日新聞):

 これ、結構見ていて、クオリティー高いなと思ったんですけれども、会場のどこかでこれを流すようなことはできないのですか。

 

万博推進室:

 万博会場の中でしょうか。

 

記者(毎日新聞):

 ええ。

 

万博推進室:

 これを流す場所がなかなか確保できないので、あくまで会場外で流す予定でございます。

 

記者(毎日新聞):

 最後に、27日から29日のこのアリーナは、これは雨の場合でも普通に開催されるものですか。

 

万博推進室:

 演目等によりまして、雨の場合、貴重な衣装等もございますので、中止させていただくこともございます。このような場合は、ランディングページや、会場内でのアナウンスで、中止の演目であったりとか、イベントにつきましてはアナウンスさせていただきたいと考えてございます。

 

記者(毎日新聞):

 ありがとうございます。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 読売新聞さん。

 

記者(読売新聞):

 ALL NARA FESTIVALのほうでお伺いしたいのですけれども、まず、1点目が、以前にもご説明あったかと思うのですが、祭りでの収容人数と、この3日間での来場者の見込みといいますか、どのぐらいを目標とされてらっしゃるのか、あればお願いします。

 

知事:

 会場の規模で申しますと、立ち見を含めて、1万6,000人ほどを収容できる広さがあります。ただ、サテライトステージや食やワークショップなどのブースを設けたり、休憩用の椅子やテーブルを設置したりするため、1万6,000人が全員立ち見できるようなスペースは確保できないということで、最大5,000人程度が収容できるので、それぐらいは呼び込みたいなというふうに思っております。1日5,000人。入れ替わりもあるので、実際はもうちょっと大きくなると思いますが、最大収容人数は5,000人なので、入れ替わりで1万人ぐらいいけば、どうですかね、

 

万博推進室:

 できるだけ多く・・・。

 

記者(読売新聞):

 分かりました。ありがとうございます。

 あと、先ほどご説明いただいたように、これまで楽遊パスとか、「ならいこ」だったりとか、万博に向けていろいろプロモーションされてきたと思うんですけど、始まって1か月でプロモーションの効果というのは出てきているのか、それとも、まだまだこれからなのか、その辺り、いかがでしょうか。

 

知事:

 その分析はまだできていないのではないですかね。どうですか。

 

観光力創造課:

 そうですね、全ての分析はできていないのですけれども、例えば先ほど知事から話のあった、海外OTAを活用したプロモーションで、トリップアドバイザーさんに特設サイトを設置しているのですけれども、今、その特設サイトから奈良への観光ツアーとかチケットを予約された方が、昨年の同時期と比較して3倍以上になっているということのデータが出ていますので、非常に効果が出ているのかなと思ってございます。

 

記者(読売新聞):

 ありがとうございます。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 読売新聞さん。

 

記者(読売新聞):

 ちょっと前々から気になっていたのですけれども、先ほどの動画でもありましたけど、手塚プロダクションさんとの絡みというのは、どういった部分で。

 

万博推進室:

 こちら、過去から奈良の燈火会でも、手塚プロとのタイアップをしておりまして、手塚治虫先生が奈良県立医科大学をご卒業されているというご縁がございまして、今回、こちらのほうからお願いをいたしまして、奈良とも親和性の高い「火の鳥」というのをタイアップキャラクターとして使用をお願いしたところでございます。

 

記者(読売新聞):

 そのつながりで、動画でも先ほどそういったタッチが多いなと思ったのですけれど、そういったことなんですかね。

 

 

 

 

スイス・ベルン州訪問について

第14回東アジア地方政府会合の開催について

 

 

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 それでは、3件目と4件目の発表案件は、まとめて発表させていただきます。3件目は、スイス・ベルン州訪問について、4件目は、第14回東アジア地方政府会合の開催についてでございます。

 知事、よろしくお願いいたします。

 

知事:

 5月18日から24日間の1週間の日程で、私をはじめといたしまして、議長、総務警察委員長、県職員らで、スイスのベルン州を訪問いたします。スイスのベルン州とは、10年前に友好提携を結びました。現地で開催されますスイス・ベルン州での友好提携10周年記念式典に対して出席してほしいという要請を受けまして、訪問団がベルン州を訪問するものでございます。主な行事といたしましては、そこに記載のとおり、友好提携10周年記念式典、それから、これに合わせまして、奈良先端科学技術大学院大学とベルン応用科学大学との間で学術交流協定を締結しますので、その締結式がございます。それから、奈良フォレスターアカデミーというのが吉野にございますけれども、このモデルともなりましたリース林業教育センターというところを訪問いたします。それから、本県に2つ本社があるうちの一つの本社があるDMG森精機さんの現地工場がドイツのバイエルン州にございますので、そこを訪問させていただきます。それから、ドイツの旅行事業者への観光セールスというのも実施いたします。これまでの奈良県とベルン州との主な交流実績につきましては、記載のとおりでございます。渡航日程につきましても、右側に記載のとおりでございます。

 続きまして、東アジア地方政府会合ですが、第14回となります東アジア地方政府会合、これは奈良県が事務局を持っている会合でございますけれども、本年は、ベトナムのフエ市というところで開催をいたします。海外で開催するのは5回目ということでございます。日程は6月5日から7日でございますけれども、渡航の日程は、その前後からということになります。訪問者は、私、副議長、総務警察委員長、県職員、それから、県内の経済団体の代表も同行いたします。メインセッションのテーマは、グリーンで持続可能な観光開発ということがテーマとなりまして、明日香村などで行っております持続可能な観光ということの取組事例について、私のほうからご紹介をさせていただくものでございます。それから、ドイツで行うのと同様に、奈良県への誘客プロモーションも実施してまいりたいと考えております。会合以外にも、ホーチミン市工科大学など、ベトナムからの人材受入れに向けたプロモーションをするとともに、フエ市との友好交流協力関係に関する覚書の締結なども予定されております。このホーチミン市工科大学につきましては、昨年7月に、同大学の学生さんがインターンシップということで、県内の企業さんでインターンシップをしたという経緯がございまして、そうしたことも紹介しながら、本県で働くことの魅力を伝えていくということも予定しているところでございます。東アジア地方政府会合の概要につきましては、下のほうに記載のとおりでございます。渡航日程については、右側に記載のとおりでございます。

 続きまして、先ほどご紹介しました、本県とフエ市の友好交流協力関係樹立に関する覚書の締結についてでございますけれども、これは6月4日に行います。内容といたしましては、文化交流、観光、文化財保存、人材交流、労働と雇用、農業、教育、貿易・投資、そうした分野での協力関係を推進するという内容になる予定でございます。フエ市との交流の経緯とか、フエ市の概要、それから、フエ市と奈良県のゆかりにつきましては、資料のほうをご参照ください。

 私からの説明は以上です。

 

司会:

 それでは、ただいまの2件に関しまして、ご質問がございます方はお願いいたします。

 それでは、そのほかのご質問がございます方は挙手にてお願いいたします。

 では、幹事社さん、よろしいでしょうか。

 それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

 

 

以   上

 

 

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。

また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

 

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