令和7年度第3回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)
概要
<開会>
令和7年6月10日
10時00分
<閉会>
令和7年6月10日
11時00分
<会議場所>
教育委員室
<委員出欠>
伊藤忠通(出席)
田中郁子(出席)
伊藤美奈子(出席)
三住忍(出席)
橋本昌大(出席)
議案及び議事内容
<議案>
議決事項1 令和8年度使用教科用図書選定資料について(可決)
<議事内容>
○大石教育長 「伊藤忠通委員、田中委員、伊藤美奈子委員、三住委員、橋本委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和7年度第3回定例教育委員会を開催いたします。本日は、委員全員出席で、委員会は成立しております。」
○大石教育長 「議決事項1『令和8年度使用教科用図書選定資料』について、ご説明をお願いします。」
○岡田特別支援教育推進室長 「令和8年度使用教科用図書選定資料について説明いたします。令和8年度に使用する教科用図書の採択が適正かつ公正に行われるために選定資料を作成しました。なお、この選定資料については、奈良県教科用図書選定審議会の答申を基に事務局で整えたものです。選定資料についてですが、本年度は、小・中学校特別支援学級及び特別支援学校(小・中学部)で使用することができる一般図書の採択を行うことになります。一般図書は、毎年採択替えができることから、県教育委員会では選定資料を毎年作成し、採択権者に送付することにより助言、援助を行うこととしております。選定資料に掲載している一般図書は総冊数352冊です。絶版等で昨年度の選定資料より削除した図書が8冊、今年度、新たに選定資料に追加した図書が10冊です。4名の調査員が教科用図書の調査研究を行い、5月28日の教科用図書選定審議会にて精査し、本選定資料を作成しており、県教育委員会として、本選定資料の提示をもって公正な採択事務への助言、援助としてまいりたいと考えております。また、特別支援学校(小・中学部)で使用する教科用図書については、各学校の選定委員会で調査し、選定した結果を基に、8月の定例教育委員会で採択することになります。以上です。」
○大石教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」
○三住委員 「難易度など、何か選ぶ基準はあるのでしょうか。」
○岡田特別支援教育推進室長 「特別支援学級及び特別支援学校で一般図書を使用する際には、特別支援学校の学習指導要領に基づいて、特別な教育課程を編成している児童生徒が使用いたします。その際に、学習指導要領においては、学年ではなく、学習内容を段階別に示しており、一般図書の調査研究を行うにあたっては、小学部のどの段階の学習内容で使用できるものというところを調査して、選定資料に載せております。」
○三住委員 「この一般図書がどの段階にあるかは選定資料に記載しておられますか。」
○岡田特別支援教育推進室長 「選定資料には記載しておりません。」
○三住委員 「担当の方は大体分かるものなのでしょうか。」
○岡田特別支援教育推進室長 「教科書センターに見本の教科書を置いておりますので、採択の際には手に取って内容等を確認した上で、採択していただけるようになっております。」
○大石教育長 「それぞれ発達段階が違う子どもに合ったものを選んでいただくということですね。」
○伊藤(忠)委員 「教科書センターには全ての教科書が現物であるのでしょうか。」
○岡田特別支援教育推進室長 「今年度追加した図書については置いております。その他全てではありませんが手に取ってご覧いただけるよう、今まで選定資料の中に載せていた図書も一定数置いております。」
○三住委員 「選定資料に掲載されている数百冊もの図書を確認されているということでしょうか。」
○岡田特別支援教育推進室長 「今回10冊を追加で選定しておりますが、今まで選定資料に載せている図書についても全て中身を確認し、選定しております。」
○伊藤(忠)委員 「大変な作業をされているのですね。」
○橋本委員 「選定資料に掲載されている図書は全て紙ですが、例えばタブレット端末でダウンロードされて配布されるようなものは現状ありますか。」
○岡田特別支援教育推進室長 「今回調査研究した項目の中に、第1回の選定審議会の際に委員の方々から『デジタルコンテンツを扱う一般図書の研究も行っていただきたい』というご意見をいただきました。検定教科書や文科省が著作する教科書についてはQRコードがついているものが多いです。一般図書にもQRコードがついている本が何冊かありますが、例えば、キャラクターの載っている絵本で、そのテーマソングが流れるもの等が多いです。資料5ページに記載されている『一生つかえる!おまもりルールえほん びょうきのよぼう』については、手洗いとうがいの動画が視聴できるようQRコードが掲載されています。また、19ページに記載されている『はじめてのさがしておぼえるえいごのことば』には全てのページにQRコードが掲載されており、そのページに書かれている英語の発音等を聞くことができるので、1人1台端末を効果的に使って学習が深まるものとして選定しています。資料に掲載されている図書についてはすべて紙の本になります。」
○大石教育長 「いわゆるデジタル教科書はないということですね。」
○岡田特別支援教育推進室長 「そのとおりです。」
○大石教育長 「絵本でもデジタルでダウンロードして使用できるものはありますか。」
○岡田特別支援教育推進室長 「今回調査した一般図書は全て市販されている図書で、手に取って教科書として使えるものを中心に調査研究しました、また、今後デジタルでダウンロードできる一般図書が採択できるどうかを含めて研究します。」
○大石教育長 「他府県で採択されているかどうかも含めて調査してください。デジタル教科書は一般的に値段が高い印象があります。」
○岡田特別支援教育推進室長 「他府県の動向も含めて調査します。」
○大石教育長 「小中学校なので国が購入するということですね。」
○岡田特別支援教育推進室長 「無償給与ですが、あまり高価なものにはならないようにと考えております。『前年度の実績を考慮するなど、高額なものに偏ることのないように』と文部科学省から通知されております。」
○大石教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」
※各委員一致で可決
○大石教育長 「議決事項1については可決いたします。」
○大石教育長 「その他報告事項について、ご報告をお願いします。」
○南教職員課長 「令和8年度奈良県・大和高田市公立学校教員採用候補者選考試験の出願状況について、報告いたします。まず、資料1をご覧ください。校種別、出願者数、出願者倍率等でございます。出願者数の合計は1,689名で、昨年度に比べまして129名の減となっております。また、全体の倍率は昨年度比で0.6ポイント減の4.4倍となっております。大学3年次の選考を昨年度から実施しておりますが、出願者数は小学校で97名、特別支援学校で7名ということになっております。この104名も加えると、総出願者数は1,793名ということになっております。なお、年齢別については資料に記載のとおりでございます。次に資料2をご覧ください。こちらの資料では教科別の出願状況を記載しており、倍率の高いところだと、中学校の保健体育、高等学校の書道と保健体育、養護教諭の倍率が10倍以上となってございます。一方で、倍率の低いところだと、中学校の理科、技術家庭、高等学校の国語、家庭、農業、特別支援学校が3倍以下となっている状況です。その他については、記載のとおりでございます。今後、1次試験として6月14日に筆記試験、15日に実技試験を実施してまいります。参考に近畿府県の倍率を申し上げますと、大阪府で3.3倍、兵庫県で4.0倍、京都府で3.1倍、和歌山と滋賀が3.6倍という状況で、奈良県が最も高い倍率を維持しております。学校種別ですと、やはりどこも小学校と特別支援学校が低いという傾向がございました。以上です。」
○尾崎高校教育課長 「令和8年度奈良県立中学校入学者選抜実施要項について、報告いたします。資料として、国際中学校と青翔中学校の令和8年度入学者選抜実施要項をお配りしています。学校や保護者へは、Webページにより情報を発信しております。従来、県立中学校の入学者選抜においては、紙の入学願書を配布し、志願者が願書を郵送もしくは各中学校に持参することにより出願しておりましたが、今年度より、奈良スーパーアプリを用いたWeb出願システムによる出願を行うこととなります。それでは、県立中学校の入学者選抜実施要項について、昨年度からの変更点、特にWeb出願システムによる出願に関わる変更点を中心にご報告します。まず、入学者選抜の主な日程ですが、調査書の提出期間を1月7日から1月16日まで、志願者が出願手続を行う期間を1月19日から1月27日までとします。次に、適性検査の実施については、国際中学校は1月31日・2月1日の2日間で実施し、青翔中学校は1月31日の1日のみで行います。そして、合格者の発表は2月5日です。次に、募集人員についてですが、国際中学校は70名、青翔中学校は80名で、ともに昨年度から変更はありません。出願手続については、志願者が出願受付期間内に奈良スーパーアプリWeb出願システムにより志願する中学校へ出願します。入学考査料については、クレジットカードによるオンライン決済、銀行振込、PayPay(ペイペイ)によるQRコード決済のいずれかで納入していただきます。なお、受検票は、出願手続が完了するとWeb出願システムからダウンロードできるようになりますので、それを志願者が印刷して、検査当日持参します。調査書の提出については、在籍する小学校の校長が、調査書提出期間内にWeb出願システムにより各中学校へ提出します。作成した調査書をPDF形式に保存したものをWeb出願システムにアップロードすることにより提出とします。各検査の内容や方法、時間についてですが、国際中学校は昨年度と大きな変更はありません。青翔中学校は2点変更があります。1点目は適性検査2の検査時間が50分から40分になることです。2点目は適性検査3の方法がグループ内での発表から記述形式に変わります。内容は、実社会や日常生活での場面を想定し、示された文章や図表等から必要な情報を読み取り、整理・分析して、自分の考えを適切に文章で説明する力等をみる検査になります。以上です。」
○尾崎高校教育課長 「令和8年度奈良県立高等学校専攻科の入学者選抜実施要項について、報告いたします。資料として、宇陀高等学校専攻科と奈良南高等学校専攻科の令和8年度入学者選抜実施要項をお配りしています。まず、宇陀高等学校の専攻科でございます。募集人員は介護福祉科25名、インクルーシブ幼児教育科15名程度でございます。介護福祉科は、福祉を基礎基本から学び、医師や看護師等の専門職による講義を受けたり、2年間で59日間の施設実習に取り組んだりすることにより、最短で介護のプロとしての実践力を身に付けることを目指します。なお、外国人留学生も受け入れていますが、日本語能力試験N2レベル以上の認定を受けている者に変更しています。これは、介護福祉士の資格取得のためには、専門用語などを理解したり施設訪問時にコミュニケーションを取ったりすることが必要ですので、N2レベルは必須であると考え、昨年度よりも条件を厳しくした形になります。インクルーシブ幼児教育科は、インクルーシブ教育の視点を大切にする幼稚園教諭・保育士を養成する学科として、令和7年度入学者選抜から募集を開始しました。令和7年度の入学生は2名でした。出願要件は複数ございますが、インクルーシブ幼児教育科については、『豊岡短期大学通信教育部こども学科幼児専攻幼稚園教諭免許コースにも入学すること』としており、ダブルスクールにより幼稚園教諭免許状、保育士資格取得を目指します。前期選抜は、専門学校や大学の総合型選抜の出願時期との兼ね合いから早い時期に実施するものですが、それまでに学校のことをよく知っていただいて、出願していただくという形を考えています。前期選抜は書類審査のみ、それ以降については、面接や作文を課すこととしています。次に、奈良南高等学校の専攻科でございます。募集人員は建築学科10名程度です。建築学科では、建築の主要分野である設計製図・建築計画・構造力学・建築施工などを学びます。二級建築士は専攻科修了後に受検ができ、合格すれば実務経験なしで免許登録できます。出願要件については、宇陀高等学校専攻科と同様、前期選抜の出願要件の一つとして『専攻科説明会に参加した者』としております。昨年度までは、前期選抜においても面接を行っておりましたが、今年度より書類審査のみとなりました。前期選抜の日程については、宇陀高等学校専攻科と同時期です。 専攻科につきましては、例年受検者数が少なく、資格の取得に直結する学びができる専攻科を、より多くの方に知っていただくことが課題です。専門学校等に進学を考える時期よりも前に専攻科について広く周知すべく、引き続きWebページや奈良県公式SNS等も活用してまいります。以上です。」
○辻教育研究所長 「令和7年度奈良県立教育研究所教育セミナー2025の開催について、報告いたします。教育セミナーは、本県の教育に関する課題の解決を目指して、前年度に教育研究所が行った調査研究について発表するとともに、教育関係者及び教育に関心のある方々と本県教育について共に考える機会としており、途中名称の変更はあったものの、平成5年4月の開所以来、今回で33回目の開催となります。今年度は『共に創る、学びの未来』をテーマとし、パート1を7月23日に教育研究所にて開催します。特別講演では、武蔵野大学ウェルビーイング学部准教授の浦谷裕樹氏に、「学ぶ楽しさを知り、学ぶ力をはぐくむのに欠かせない ウェルビーイング教育 三つのポイント」と題して御講演いただきます。また、六つの分科会において、研究発表等を行います。研究発表等では、令和6年度に教育研究所が行った調査研究の発表のほか、今年度新たに社会教育に関わる分科会を設け、学校教育だけでなく社会教育についても関心を深める機会としたいと考えております。パート2では、7月24日から8月29日までの間、Googleサイトを用いた特設サイト上で開催します。パート1の特別講演や研究発表等を録画した動画の配信をオンデマンドで行います。参加については、教育研究所ウェブサイトから申込フォームで申し込めます。教育に関心のあるたくさんの方々に参加いただけるよう、県民だより、教育セミナー2025のチラシ、教育研究所ウェブマガジン等を通じて広報し、子どもたちの未来を見つめ、教員や社会教育に関わる方々の今に寄り添った情報を発信する、実りのあるセミナーにしたいと考えています。以上です。」
○伊藤(忠)委員 「令和8年度奈良県・大和高田市公立学校教員採用候補者選考試験の出願状況について、資料1に年齢別の表がありますが、大卒の方ということで22歳から25歳までが一番多いのでしょうけれど、それより年齢の上の方も一定の割合でおられます。この年齢層の方たちが出願されている背景が分かれば教えていただきたい。」
○南教職員課長 「出願者全員の履歴や動機を分析できているわけではございませんが、別の都道府県で教員をされていた方や、何らかの理由で教員から離れておられる方など多様な方がいらっしゃると聞いております。」
○伊藤(忠)委員 「ペーパーティーチャーの方も当然おられると想像しているのですが、今の教員の年齢構成的に手薄になっているところにその年齢層の方に来ていただけると、全体のバランスがよくなるのでいい方向に向かえばいいと思いました。」
○三住委員 「出願者の年齢構成がでていますが、合格者の年齢構成は大体これに比例しているのでしょうか。」
○南教職員課長 「申し訳ございませんが、昨年度の合格者の年齢構成が手元にございません。ただ、全体的には年齢が若い合格者の方が多いです。」
○大石教育長 「年齢に関係なく適性のある方を採用させていただいているというところです。ちなみに3年次選考は出願者数の合計に含めていないというお話でしたが、もちろん令和7年度にも含めていないということですね。」
○南教職員課長 「そのとおりです。」
○大石教育長 「純粋に出願者数が129名減る一方で、採用予定者数が増えているので、その分、倍率はやや下がっていると思うのですが、新卒者の出願が減っているかどうかなどは把握されていますか。」
○南教職員課長 「把握できておりません。」
○大石教育長 「大学を卒業される際に教員になられない方がいるというような報道を耳にすることもあるのですが、その点いかがでしょうか。」
○南教職員課長 「先日、奈良教育大学にPRに行かせていただいた際にお伺いしたところ、卒業者が教員を目指す割合が7割近くになり少しずつ上がってきているとのことでした。」
○大石教育長 「それはありがたい話ですね。その他、いかがでしょうか。」
○伊藤(美)委員 「先ほど、近畿府県の倍率もお聞かせいただいて、奈良県が結構倍率は高く維持できているというのは、すごくいい情報だと思って聞かせていただきました。一方で、資料2を拝見すると、科目とか種類によって大分倍率が違うというのがすごく顕著に出ていますが、例年このような傾向でしたでしょうか。」
○南教職員課長 「令和7年度と比べますと概ね同じような傾向にございます。例えば、養護教諭につきましては、他団体においても、採用予定者数が少ないことも影響しているかと思いますが、概ね10倍以上の倍率になっているという状況であり、全体として似た傾向かと考えております。」
○伊藤(美)委員 「これだけ出願していただいているのに、教員になれない方も一定数いらっしゃるわけで、教育現場で働くことに意欲のある方に対して何らかの形で教育現場に貢献できる機会を提供することができればいいと思いました。」
○三住委員 「出生者が減り続ける状況下で、6年後に小学校に入学する子どもも減るということが想定されますが、採用予定者数もある程度そのあたりを織り込んで設定されているのかお伺いしたい。」
○南教職員課長 「採用予定者数につきましては、講師の比率を下げて正規教員の比率を上げるということを目標に置き、中長期的な児童生徒数を想定しながら教員数を見込んで、その当該年度の採用人数を考えています。」
○伊藤(忠)委員 「令和8年度奈良県立中学校入学者選抜実施要項について、調査書作成要領を拝見していると、小学校長が調査書を作成するとありますが、小学校長は担任ではなく、子どもたちの様子を近くで見ているわけではないと思いますが、どのように調査書を作成されるのか教えてください。」
○尾崎高校教育課長 「実際は担任の先生等に作成いただくことになるかと思いますが、最終的には小学校長が承認したものという形になりますので、小学校長が作成するという文言になっております。」
○伊藤(美)委員 「適性検査3についてですが、青翔中学校が昨年までのグループ内での発表から記述形式に変わったということですが、変更の意図や理由があれば教えてください。」
○尾崎高校教育課長 「実社会や日常生活での場面を想定し、示された文章や図表等から必要な情報を読み取り、整理・分析して、自分の考えを適切に文章で説明する力等を読み取るに当たり、グループでの発表形式だと、ある受検者が発言すると、他の受検者がそれになびいた形での発言をすることもあり、求めている力を読み取りにくい点がありましたので、個々の考えをさらに正確に把握するために記述形式に変えました。」
○伊藤(美)委員 「青翔中学校は今も理系のみでしょうか。」
○尾崎高校教育課長 「そのとおりです。最終的には高等学校の理数科に進級していくという形になっております。」
○伊藤(美)委員 「そういう意味でデータの読み取りや分析を重視されたということですか。」
○尾崎高校教育課長 「そのとおりです。」
○田中委員 「国際中学校、青翔中学校の選抜実施要項を拝見していると、専願での受検の記載や入学者選抜に通ったら必ず入学してくださいという記載があります。例えば、受検をして中学校へ入学したけれども、その後、進路変更を申し出るケースはないのでしょうか。」
○尾崎高校教育課長 「過去、募集人員が1クラスのときには、そういった生徒がいたということはありました。やはりクラス替えがないと合わなかったときに難しいところがあるだろうということで、2クラスとなってからはそういうことはあまり聞いてはおりません。学びの内容が特化している学校ですので、学校説明会等で話を聞いていただいて、自分に合った学びであるかどうかというところは判断していただいています。」
○田中委員 「受検生が100人いて70人が合格した場合、不合格になった30人の生徒は公立の中学校等に通うことになるのですか。」
○大石教育長 「基本的に義務教育ですので地域の中学校に通うことになりますし、その他、私立や国立等に行かれるような方もいらっしゃると聞いています。」
○三住委員 「県立中学校に進学する生徒は、通学の便から、やはり地域の児童が大半を占めているのでしょうか。また、遠方から通う生徒に対して何らかの便宜があるのでしょうか。」
○尾崎高校教育課長 「特にスクールバス等の手だてはしておりません。国際中学校は北部にありますので、その近隣のエリアから通う生徒が中心になりますし、青翔中学校は南部にありますので、橿原など近隣のエリアから通っているのが実態になっているかと思います。」
○大石教育長 「適性検査についてですが、出題範囲が小学校学習指導要領に基づくという記載になっています。学力検査ではないが学習指導要領に基づくというのはどの程度基づいているのでしょうか。」
○尾崎高校教育課長 「適性検査の中で色々な資料を読むことがありますが、言葉の理解が学習している内容の部分から可能であるようにすることととらえております。ですから、既習事項の出題をベースにしながら、さらに小学校では学べない内容のところを問うということは当然あると考えていますが、いきなり学んでもいないところの説明を問うようなことはしないようにしています。」
○大石教育長 「中学校入試は、文部科学省で学力検査を課さないと定めています。よって、奈良県でも適性検査を実施していますが、他府県の適性検査が学習指導要領に基づくということになっているのかどうか等、今後さらに研究を進めていただければと思います。先ほど、田中委員からミスマッチの話もありましたが、ミスマッチになくすためにも、小学校の学習内容に沿うというよりも、児童の興味関心がどこにあるのかということの方がとても大事だと思います。奈良県の県立中学校の学びは理数系や外国語系とかなり特化したものですので、児童の興味関心を測るために適性検査をどういう内容にすべきか、さらに研究の余地はあると思っております。」
○伊藤(忠)委員 「令和8年度奈良県立高等学校専攻科の入学者選抜実施要項について、宇陀高等学校の専攻科の中でインクルーシブ幼児教育科が15名の募集人員のところ、令和7年度の入学者が2名ということでかなり少ないと思いました。その理由の一つとして、選抜の要件でダブルスクールを求めていることで、一定の費用等の負担がかかるというところがネックになって、入学者が少ないのではないかと思いました。それともう一つ、宇陀高等学校と奈良南高等学校の出願要件を比較したところ、宇陀高等学校は専攻科修了後、社会福祉に貢献すると記載されており、一方、奈良南高等学校は将来、建築や土木の業務に従事すると記載され、かなり表現が異なるように思いますがこの表現の違いはどういう意味合いでしょうか。」
○尾崎高校教育課長 「業務に従事していただくということは大きくは変わらないと思いますが、留学生の方につきましては、奨学金の関係等、さまざまな条件があるかもしれません。奈良県で従事できるか、他府県での従事になるのかというのが分かりませんが、少なくとも介護福祉に関わる仕事に従事することで社会福祉に貢献するということには繋がっていただけるだろうと思います。」
○田中委員 「専攻科の介護福祉科で学んだ後は、できれば県内で福祉関係の仕事に従事して欲しいと思っているが、本人の意思を尊重していると宇陀高等学校の校長がおっしゃられていました。話題は少し変わるのですが、たまたま宇陀高等学校の介護福祉科の卒業生と関わる機会がありました。タイ出身の方でしたが、英語のイントネーションや発音が非常に綺麗でした。卒業生に聞くと、もう生まれたときからすでにタイ語と同じように英語があるという環境で大きくなったと言っていました。我々も中学校・高等学校で英語を6年間学び、書いてあることを何とか理解できるレベルですが、英語を話す力はなかなか身に付いていないのが現状で、日本の英語教育を見直すべきではないかと強く思いました。」
○大石教育長 「ありがとうございます。この前、宇陀高等学校専攻科の授業を見に行きましたが、一生懸命学んでおられました。日本人は英語だけではなく、学ぶ姿勢も見習わなくてはいけないと思いました。他いかがでしょうか。」
○伊藤(忠)委員 「宇陀高等学校専攻科の介護福祉科の応募資格で、日本語能力試験N2レベル以上というのは新たに付け加えたのでしょうか。」
○尾崎高校教育課長 「昨年度までは日本語能力試験N2レベル程度と示しており、日本語学校でこの程度力があるだろうとみなした場合も応募資格を満たしているとしておりましたが、その部分をより明確にさせていただきました。」
○大石教育長 「専攻科の受検者が少ないことについて、専門学校等に進学を考える時期よりも前に専攻科について広く周知・アピールをする必要があるということもおっしゃっていましたが、そもそもニーズがどの程度あるのかというところも併せて考えていかないといけないのではないかと思います。奈良南高等学校の場合は、二級建築士を取得するのにどれくらいアドバンテージがあるのか、また、宇陀高等学校の場合は、豊岡短期大学とのダブルスクールにかかる費用を考えたときに、トータルで考えたらニーズがあるのかというところも考えないといけないと思います。多くの受検生がいる状況ならばニーズと合致していることになると思うのですが、少ないとなるとニーズ自体考える必要があると思います。また、先ほどより出願要件のところで色々ご意見いただいておりましたが、一方では専攻科修了後という表現で、一方では将来という表現でしたが、専攻科修了後というのは修了後即という意味なのか、ある程度その後の幅を考えているのかというところも含めて、今後の検討課題としていただきたいと思います。」
○伊藤(忠)委員 「日本語能力について、留学生が大学に入学するためにはN2レベル以上が必要ですので、それと同レベルということになります。確かに教育効果を考えると、日本語をきちんと理解できないといけないと思いますが、あまり条件を厳しくすると高等学校専攻科を受検する生徒がさらに減少する可能性もあると思います。」
○伊藤(忠)委員 「令和7年度奈良県立教育研究所教育セミナー2025の開催について、研究発表に新たに社会教育が加わったということですが、発表される方はどういう方でしょうか。」
○辻教育研究所長 「令和6年度から教育研究所に社会教育係が加わりましたので、本年度初めて社会教育に関する分科会を設けました。分科会に関しましては、川西町で社会教育委員をされている方が、『子どもまんなか!!多世代が笑顔でつながる大作戦!!~先生じゃない親でもない近所のおばちゃんだからできること~』というテーマで実践発表をされます。」
○伊藤(忠)委員 「社会教育委員の方で社会教育主事ではないのですね。」
○辻教育研究所長 「そのとおりです。」
○三住委員 「ウェルビーイング教育は、昔の教育と何がどのように違うのでしょうか。」
○辻教育研究所長 「特別講演講師の浦谷先生のウェブサイトを見ておりますと、ウェルビーイングは個人の心と体だけでなく、社会も良い状態であることを目指すものとあります。人と人とのつながりを良好なものにしていこう、関わっていく人全てがそういう状態になることを目指してウェルビーイングを実行できる人材を育てていこうという教育であるとされています。」
○大石教育長 「他にご意見、ご質問がないようですので、その他報告事項については了承いたします。」
○大石教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」
※各委員一致で承認
○大石教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」