太陽光発電設備のリサイクル推進及び適正な廃棄処理に関する意見書
近年、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、全国各地で太陽光発電設備が急速に普及している。特に固定価格買取制度(FIT)の導入以降、多くの設備が設置され、地域の脱炭素化やエネルギーの地産地消に寄与してきた。
しかしながら、制度開始から13年が経過する中で、設置当初の太陽光パネルが寿命を迎え、大量のリユース・リサイクル・廃棄の問題が顕在化しつつある。不法投棄や不適切な処理への懸念も生じており、環境負荷の低減と資源循環の確保が急務である。
再生可能エネルギーの推進と循環型社会の実現は、持続可能な地域づくりの両輪であるとともに、太陽光発電設備のライフサイクル全体を見据えた政策支援が不可欠である。
国においては、太陽光発電設備の廃棄・リサイクルに関する制度整備や支援を強化し、地方自治体が適正な処理と資源循環を推進できる体制を構築することを強く求める。
一 太陽光パネルのリサイクル技術及びシステムの推進
廃棄される太陽光パネルから有用な資源(シリコン、銀、ガラス等)を回収・再利用するため、国として研究開発支援
およびリサイクル施設の整備促進を図ること。
一 太陽光パネル廃棄物の適正処理体制の強化
廃棄時における発電事業者や施工業者の責任を明確化し、適切な処理ルートの確保、不法投棄防止策、処理業者の認定
制度の充実を進めること。
一 地方自治体への支援拡充
地方自治体が廃棄物処理やリサイクル推進の現場で重要な役割を担うことから、必要な財政的支援・人員配置・技術的
助言など、国による包括的な支援体制を強化すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年12月15日
奈良県議会議長 田中 惟允
(提出先)
衆議院議長 殿
参議院議長 殿
内閣総理大臣 殿
内閣官房長官 殿
経済産業大臣 殿
環境大臣 殿
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