吉野川流し雛
行事が近づくと雛作りが始まる。大豆を頭に見立て、千代紙や色紙で折った男女一対の雛人形を作り、竹の皮の小舟に乗せる。当日の午後、源龍寺で流し雛の供養と法話が行われる。小学生以下の女児は着物姿で参加するという昔ながらの素朴な風情を受け継いでいる。儀式のあと吉野川まで数百メートル畦道を歩く。河畔に着くと、女児の代表が願い文を朗読し、各人それぞれの祈りを込めて、竹皮の小舟に乗せた雛を清流に流す。 (『定本紀ノ川・吉野川』中野榮治監修より)
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