意見書第5号

意見書第5号

    障害者の所得保障を求める意見書


 障害者の所得保障については、障害者の稼得能力を補い、あるいは障害があることによる特別な負担を軽減することなどにより、障害者の生活の安定を図るものであり、障害者の自立した生活を支えていくために必要不可欠なものであり、就労支援を含め、幅広い観点に基づく検討が必要である。
 障害者自立支援法の附則第3条第3項でも、「障害者等の福祉に関する施策の実施の状況、障害者等の経済的な状況等を踏まえ、就労の支援を含めた障害者等の所得の確保に係る施策のあり方」を検討課題としている。
 このうち、障害者の就労支援について見ると、工賃倍増計画が策定されるなど、様々な支援がなされているものの、障害者が福祉施設で得る平均工賃は月額1万2,600円(平成19年度全国値)程度であり、働いても「自立」するには十分な工賃が得られるとはいえないのが現状である。
 障害者の所得保障施策は、現在、障害年金、各種手当てなど様々なものがあるが、障害者の生活実態に関する調査を見ると、主に年金で生計を維持している障害者が多いにもかかわらず、障害者基礎年金の額は、二級で月額6万6,000円、一級で8万3,000円であり、障害者が自立した生活を送るのに十分な額とはいえない。
 よって、国におかれては、障害者基礎年金の水準と支給要件の見直し等を実施し、障害者が一人の市民として社会生活を送ることができるよう自立のための所得保障を強く求める。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 平成21年7月1日

         奈 良 県 議 会

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣