意見書第15号
教育予算の拡充を求める意見書
子どもたちに豊かな教育を保障することは、社会の基盤づくりにとってきわめて重要である。現在、多くの都道府県で、児童生徒の実態に応じ、きめ細かな対応ができるようにするために、少人数教育が実施されているが、保護者や子どもたちから大変有益であるとされている。
しかし、義務教育費国庫負担金の負担割合が2分の1から3分の1に縮小されたことや、地方交付税削減の影響、厳しい地方財政の状況などから、自治体独自に少人数教育を推進することには限界がある。
このため、学校施設などを含めて、教育条件の地域間格差も拡がりつつある。一方、就学援助受給者の増大に現れているように、低所得者層の拡大・固定化が進んでいる。自治体の財政力や保護者の家計の違いによって、セーフティーネットとして子どもたちが受ける「教育水準」に格差があってはならない。
日本の教育予算は、GDP比に占める教育費の割合や教職員数などに見られるように、OECD諸国に比べて脆弱と言わざるを得ない。教育は、未来への先行投資であり、子どもたちがどこに生まれ育ったとしても、等しく良質な教育が受けられる必要がある。そのため、教育予算を国全体として、しっかりと確保・充実させる必要がある。
よって、国におかれては、次の措置を講じるよう強く要望する。
1 きめ細かい教育の実現のために、義務制第8次・高校第7次教職員定数改善計画を実施すること。
2 義務教育費国庫負担制度について、国負担率の2分の1に復元することを含め、制度を堅持すること。
3 学校施設整備費、就学援助・奨学金など教育予算の充実のため、地方交付税を含む国の予算を拡充すること。
4 教職員の人材を確保するため、教職員給与の財源を確保・充実すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年10月5日
奈 良 県 議 会
【提出先】
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣