意見書第15号

意見書第15号

    ドクターヘリの全国配備へ新法制定を求める意見書

 1分1秒を争う救急医療の「切り札」としてドクターヘリの全国配備が強く望まれている。特に近年、医師の偏在や不足が重大化しつつある中で、患者がどこにいても短時間内に治療や搬送を行うドクターヘリの配備の必要性は高まっている。
 日本の現状はドクターヘリが広く普及している欧米諸国と比べると大きな格差がある。例えば、1970年に世界に先駆けてドクターヘリを導入したドイツでは、その後20年間で交通事故による死亡者数を約3分の1にまで劇的に減少させている。また、山岳地帯が多いスイスでは、国内どこへでも概ね15分以内に医師を乗せたヘリを現場に派遣して、治療行為を開始できる体制をとっている。
 しかし、日本では平成13年度からドクターヘリ導入促進事業がスタートしたが、現在、9道県10機の運行にとどまっている。導入が進まない要因の1つは、運営主体となる都道府県や病院の過重な財政負担であることが指摘されている。
 よって、国におかれては、救命救急に大きな効果を上げるドクターヘリの全国配備を推進するために、財政基盤の確立を含めて体制整備に必要な措置を図る新法の制定を強く求める。     

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成18年10月6日

         奈 良 県 議 会 

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣