意見書第17号

意見書第17号

    建設国保の育成・強化に関する意見書

 建設投資がピーク時の60パーセント台にまで落ち込んだ中で、建設労働者は、仕事の確保に追われ、また、仕事を見つけても賃金引き下げや不払いなど、苦境に立たされ続けている。このように賃金・労働条件が不安定な建設現場で働く労働者にとって、建設国保は必要不可欠な制度である。
 建設業に従事する職種の労働者・職人・1人親方・小零細事業主は、休業の時の収入が保障されていなく、病気やけがで仕事ができなくなれば、たちまち収入の道が絶たれてしまう。1日休業すれば、その分所得が減少してしまうことから、疾病による休職は日常生活に与える影響が大きく、まして長期間の入院・療養生活ともなれば、収入の無い中から医療費・入院時食事療養費等の治療にかかる費用や生活費、国保組合の保険料なども払わねばならない。そのため、建設国保は休業補償としての疾病手当金を給付するなど、建設業の就労実態に即した保険者運営に努めており、組合員も高い保険料収納率を維持し、労災の紛れ込みを防止するなど、医療費の適正化に向けた努力を行っている。
 よって、国におかれては、保険者機能が十分発揮でき、結果として医療費の上昇をある程度抑制することができる組合方式の建設国保が、今後とも安定した運営が続けられるよう、来年度予算編成にあたって、次の事項の実現を強く要望する。

1 国民健康保険の管理・運営の主体は公営国保と国保組合とし、建設国保組合を育成 ・強化すること。
2 国保組合に対する国庫補助及び特別助成については、従来以上の水準を確保するこ と。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成18年12月13日

         奈 良 県 議 会 

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣