意見書第1号

意見書第1号

      地方税財源充実のための改革実現に関する意見書

 「国から地方へ」の考え方にたち、地方分権の推進と地方自治の確立を図るため、政府はいわゆる三位一体改革を新年度より一歩踏み出したが、初年度としては極めて問題があると言わざるを得ない状況にある。
すなわち、政府は国庫補助負担金1兆円を削減する一方で、本格的な税源移譲を先送りし、暫定措置としての所得譲与税および税源移譲予定特例交付金を新たに設けたものの、その総額は、国庫補助負担金の削減額には遠く及ばず、しかも、地方交付税総額を大幅に削減したために、地方自治体は従来とは全く異なる厳しい財政状況に追い込まれている。地方の自由度を拡大するという理念のもと、その基盤となる安定的な地方税財源を確保する改革とはなっていないので、県ならびに各市町村は新年度予算編成の財源不足に対して、行政経費の削減では対応し切れず、基金の取り崩しなどにより綱わたりの財政運営を強いられている。
このため、総務省は2月初めに地域再生事業債の枠拡大や財政健全化債の弾力的運用を発表し、取り急ぎ対応策としたが抜本的な対応策とは言い難い。
よって、国におかれては、今後、真の地方分権につながる改革を着実に進めることが重要であり、次の事項について実現するよう強く要望する。

1 地方交付税の総額の確保を前提として、地方交付税の調整機能の充実を図ること。
1 基幹税の充実を基本とした税源移譲の早期実現を図ること。
1 必要な財源措置を伴った国庫補助負担金の廃止・縮減を地方の意見を的確に踏まえた上で、着実に進めること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成16年3月24日 

        奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣