ガン・カモ類生息調査

 
カルガモ
 
 
 この調査は、ガン・カモ・ハクチョウなどのガンカモ類の冬期生息状況を把握し、鳥獣保護行政の基礎資料とするため、毎年1月中旬に全国一斉に実施されているもので、本県では昭和46年(1971年)度から実施しています。
 なお、この調査は日本野鳥の会奈良支部に委託して実施しています。

 

 

令和2年度 調査結果

◇全調査地118箇所のうち1箇所で、カモ類16種を観察。(ガン類・ハクチョウ類の観察無し)
◇観察数合計は17,766羽で、昨年度(18,674羽)より908羽減少。

◇大きく減少したのはコガモで1,498羽減少、例年変動が大きい種であるが原因は不明である。

◇例年オシドリが多く見られる県南部の二津野ダムでの観察数の減少はダム湖内で浚渫工事が各所で行われているためと考えられる。二津野ダムでのオシドリ観察数は今年度は1,578羽であった。

◇希少種ではツクシガモが数羽確認され、時々飛来している。

 

<観察数の多い生息地>

生息地 観察数 種数 主な種類
1 十津川村・二津野ダム 1,658 2 オシドリ、マガモ
2 川西町・下永池 983 5 コガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ
3 大和郡山市、奈良市・佐保川 915 5 カルガモ、コガモ、ヒドリガモ
4 王寺町、安堵町、川西町・大和川 715 4 ヒドリガモ、コガモ、カルガモ、マガモ
5 田原本町・薬王寺池 678 9 コガモ、カルガモ、マガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ


<観察数の多い種類> 

種類 観察数
1 コガモ 4,611
2 カルガモ 3,380
3 マガモ 3,282
4 オシドリ 2,433
5 ヒドリガモ 1,369

 

令和元年度 調査結果

◇全調査地118箇所のうち110箇所で、カモ類17種を観察。(ガン類・ハクチョウ類の観察無し)
◇観察数合計は18,674羽で、昨年度(18,935羽)より261羽減少。

◇大きく減少したのはオシドリで2,290羽減少、例年オシドリが多く見られる県南部の二津野ダム、池原ダムで大きく減少した。暖冬の影響で冷え込んだ期間が無いため南下が少なかったと考えられる。二津野ダム、池原ダムでのオシドリ観察数は順番に620羽、58羽であった。

◇今年度の冬は暖冬であったため、カモ類に限らず冬鳥全般的に減少傾向が見受けられた。


<観察数の多い生息地>

生息地 観察数 種数 主な種類
1 大和郡山市、奈良市・佐保川  1,117 7 ヒドリガモ、コガモ、カルガモ、マガモ
2 田原本町・薬王寺池 1,113 8 コガモ、ハシビロガモ、マガモ、カルガモ、キンクロハジロ
3 王寺町、安堵町、川西町・大和川 859 7 ヒドリガモ、コガモ、マガモ、カルガモ
4 川西町・下永池 738 6 コガモ、マガモ、カルガモ
5 十津川村・二津野ダム 620 1 オシドリ


<観察数の多い種類> 

種類 観察数
1 コガモ 6,109
2 マガモ 3,378
3 カルガモ 3,052
4 オシドリ 1,806
5 ハシビロガモ 1,581

 

平成30年度 調査結果

◇全調査地118箇所のうち115箇所で、カモ類13種を観察。(ガン類・ハクチョウ類の観察無し)
◇観察数合計は18,935羽で、昨年度(18,943羽)より8羽減少。

◇大きく減少したのはコガモ、マガモ、カルガモ、ヒドリガモで合わせて約3,200羽減少。また、県南部の二津野ダム、七色ダムでオシドリが大幅に増加。
◇オシドリの増加については、ダム工事の終了により川・ダム湖の水質が改善したこと、またオシドリの主な餌のドンクリ類の実りが良かったことなどが要因として考えられる。二津野ダムでのオシドリ観察数は今年度は2,424羽であった。

 

<観察数の多い生息地>

生息地 観察数 種数 主な種類
1 十津川村・二津野ダム 2,694 2 オシドリ、マガモ
2 王寺町・大和川 1,052 5 ヒドリガモ、コガモ、マガモ、カルガモ、オカヨシガモ
3 田原本町・薬王寺池 875 9 カルガモ、コガモ、キンクロハジロ、マガモ、ハシビロガモ
4 下北山村・七色ダム 644 2 オシドリ、マガモ
5 大和郡山市・佐保川 629 4 ヒドリガモ、コガモ、カルガモ、マガモ


<観察数の多い種類> 

種類 観察数
1 コガモ 4,550
2 オシドリ 4,096
3 マガモ 3,175
4 カルガモ 2,896
5 ハシビロガモ 1,564

 

 

平成29年度 調査結果

◇全調査地118箇所のうち108箇所で、カモ類16種を観察。(ガン類・ハクチョウ類の観察無し)
◇観察数合計は18,943羽で、昨年度(20,206羽)より1,263羽減少。

◇昨年度と比較して観察数の減少が大きかったのはオシドリとコガモであるが、オシドリについては二津野ダムのオシドリが1,446羽減少した影響が大きい。
◇二津野ダム(全国でも有数のオシドリ渡来地)では調査時期に、流入土砂の撤去作業及び紀伊半島大水害(平成23年)の行方不明者捜索作業のため水位が大きく下がっており、ボートでの調査が出来なかったことがひとつの要因として考えられる。
 二津野ダムでの観察数は、今年度は372羽であった。

◇珍しい種類では、ツクシガモ1羽、スズガモ1羽が観察された。また、オオホシハジロが奈良県で初認となった。

 

<観察数の多い生息地>

生息地 観察数 種数 主な種類
1 王寺町・大和川 1,180 6 マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ
2 大和郡山市・佐保川 1,028 7 マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ
3 田原本町・薬王寺池 837 9 マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ
4 川西町・下永池 740 6 マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ
5 奈良市・東九条池 593 4 マガモ、カルガモ、コガモ、ハシビロガモ

                    

<観察数の多い種類>

種類 観察数
1 コガモ 5,890
2 マガモ 3,980
3 カルガモ 3,357
4 ヒドリガモ 1,970
5 ハシビロガモ

1,495

 


平成28年度 調査結果

◇全調査地118箇所のうち113箇所で、カモ類17種を観察。(ガン類・ハクチョウ類の観察無し)
◇観察数合計は20,206羽で、昨年度(18,629羽)より1,577羽増加。
◇昨年度と比較して観察数の増減が大きかったのは、コガモ1,051羽増、オシドリ834羽増、カルガモ245羽減、マガモ149羽減。
◇二津野ダム(全国でも有数のオシドリ渡来地)のオシドリが前年比+188羽と少し増加。
 観察数合計やオシドリの総数が大きく増加しているのに対し、二津野ダムのオシドリの増加は少なかった。調査時期と取水関係工事の時期が重なったことがひとつの要因に考えられる。
 二津野ダムでの観察数は、今年度は1,818羽であった。

◇珍しい種類では、トモエガモ1羽、ホオジロガモ1羽、スズガモ1羽が観察された。

<観察数の多い生息地>

生息地 観察数 種数 主な種類
1 十津川村・二津野ダム 1,938 2 オシドリ、マガモ
2 十津川村・風屋貯水池 1,286 1 オシドリ
3 田原本町・薬王寺池 978 5 コガモ、ハシビロガモ、マガモ、カルガモ、ヒドリガモ
4 王寺町・大和川 932 6 ヒドリガモ、コガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ
5 大和郡山市・佐保川 831 5 ヒドリガモ、コガモ、カルガモ、マガモ、ハシビロガモ
                    
<観察数の多い種類>

種類 観察数
1 コガモ 6,640
2 オシドリ 3,921
3 マガモ 3,255
4 カルガモ 1,934
5 ヒドリガモ

1,548


平成27年度 調査結果

◇全調査地118箇所のうち112箇所で、カモ類17種を観察。(ガン類・ハクチョウ類の観察無し)
◇観察数合計は18,628羽で、昨年度(19,272羽)より644羽減少した。
◇昨年度と比較して観察数の増減が大きかったのは、オシドリ1,028羽減、コガモ628羽減、ハシビロガモ523羽増、カルガモ327羽増。
◇二津野ダム(全国でも有数のオシドリ渡来地)のオシドリが前年比-1,670羽と大きく減少。年末から暖冬傾向にあったことがひとつの原因に考えられる。
 二津野ダムでの観察数は、今年度は1,630羽であった。

◇珍しい種類では、ツクシガモ10羽、ホオジロガモ3羽、スズガモ1羽が観察された。

<観察数の多い生息地>

生息地 観察数 種数 主な種類
1 十津川村・二津野ダム 1,710 2 オシドリ、マガモ
2 王寺町・大和川 883 5 コガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、オカヨシガモ
3 大和郡山市・佐保川 797 4 コガモ、ヒドリガモ、カルガモ、マガモ
4 田原本町・薬王寺池 721 7 コガモ、マガモ、ハシビロガモ、カルガモ、ヒドリガモ
5 川西町・下永池 629 7 コガモ、カルガモ、マガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモ
   
<観察数の多い種類>

種類 観察数
1 コガモ 5,589
2 マガモ 3,404
3 オシドリ 3,087
4 カルガモ 2,179
5 ハシビロガモ 1,573
 

平成26年度 調査結果

◇全調査地118箇所のうち110箇所で、カモ類15種を観察。(ガン類・ハクチョウ類の観察無し)

◇観察数合計は19,272羽で、昨年度(18,494羽)より778羽増加。
◇昨年度と比較して観察数の増減が大きかったのは、オシドリ2,724羽増、ハシビロガモ433羽増、コガモ407羽減、ヒドリガモ178羽減。
◇二津野ダム(全国でも有数のオシドリ渡来地)のオシドリが前年比+2,576羽と飛躍的に増加。年末からの寒気により多くのオシドリが南下し、ここに留まっていると思われる。
 二津野ダムでの観察数は、今年度は3,300羽であった。

◇珍しい種類では、ツクシガモ3羽、トモエガモ3羽が観察された。

<観察数の多い生息地>
生息地 観察数 種数 主な種類
1 十津川村・二津野ダム 3,693 2 オシドリ、マガモ
2 大和郡山市・佐保川 1,028 5 マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ
3 田原本町・薬王寺池 868 6 マガモ、カルガモ、コガモ、ハシビロガモ
4 川西町・下永池 864 7 マガモ、カルガモ、コガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ
5 王寺町・大和川 654 4 マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ

<観察数の多い種類>

種類 観察数
1 コガモ 6,812
2 オシドリ 4,280
3 マガモ 4,028
4 カルガモ 2,123
5 ハシビロガモ 1,364

平成25年度 調査結果

◇全調査地118箇所のうち107箇所で、カモ類15種を観察。(ガン類・ハクチョウ類の観察無し)

◇観察数合計は18,494羽で、昨年度(17,541羽)より953羽増加。
◇昨年度と比較して観察数の増減が大きかったのは、コガモの1,631羽増、マガモの957羽増、オシドリの1,365羽減、ハシビロガモの423羽減。

◇二津野ダム(全国でも有数のオシドリ渡来地)のオシドリが前年比-1,096羽とほぼ半減しており、生息域の分散化等が考えられるが、詳細は不明。二津野ダムでの観察数は、今年度は724羽であった。

コガモ、ハシビロガモ、マガモの増減は過去の飛来数データより、通常の増減範囲だと思われる。 

<観察数の多い生息地>

生息地 観察数 種数 主な種類
1 十津川村・二津野ダム 846 2 オシドリ、マガモ
2 川西町・下永池 828 7 オナガガモ、カルガモ、キンクロジロ、コガモ、ハシビロガモ
3 王寺町ほか・大和川 815 4 カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、マガモ
4 田原本町・薬王寺池 638 4 カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、マガモ
5 広陵町・上池 618 7 カルガモ、カワアイサ、キンクロハジロ、コガモ、ハシビロガモ

<観察数の多い種類>

種類 観察数
1 コガモ 7,219
2 マガモ 4,066
3 カルガモ 2,043
4 オシドリ 1,556
5 ヒドリガモ 1,438

平成24年度 調査結果

 

◇全調査地118箇所のうち107箇所で、カモ類15種、ハクチョウ類1種を観察。(ガン類は観察無し)
◇観察数合計は17,541羽で、昨年度(15,399羽)より2,142羽増加。
◇昨年度と比較して観察数の増減が大きかったのは、コガモの1,549羽増、オシドリの1,310羽増、マガモの296羽減、ハシビロガモの204羽減、ヒドリガモの125羽減。

◇オシドリが増加したのは、十津川村の二津野ダム(全国でも有数のオシドリの渡来地)で増加したため。
 二津野ダムでの観察数は、今年度は1,820羽。

◇コガモ、マガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモの増減理由は不明。

◇奈良市の水上池で、オオハクチョウが1羽観察された。ガンカモ類生息調査時にハクチョウ類が観察されたのは、平成16年度に田原本町の大安寺池でコハクチョウ3羽が観察されて以来、8年ぶり。

<観察数の多い生息地>
生息地 観察数 種数 主な種類
1 十津川村・二津野ダム 1,850 2 オシドリ、マガモ
2 大和郡山市ほか・佐保川 1,168 4 コガモ、ヒドリガモ、カルガモ、マガモ
3 下北山村・七色ダム 795 2 オシドリ、マガモ
4 王寺町ほか・大和川 729 4 ヒドリガモ、コガモ、マガモ、カルガモ    
5 広陵町・上池 487 8 コガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ

<観察数の多い種類>
種類 観察数
1 コガモ 5,568
2 マガモ 3,109
3 オシドリ 2,921
4 カルガモ  1,793
5 ヒドリガモ 1,530

オオハクチョウ
      オオハクチョウ

平成23年度 調査結果

◇全調査地118箇所のうち、107箇所でカモ類16種を観察。
 (ガン類、ハクチョウ類は観察無し。)
◇観察数合計は15,399羽で昨年度(18,374羽)より約3,000羽減少。
◇十津川村の二津野ダムは全国でも有数のオシドリの渡来地であるが、
  今年度の観察数は493羽で、昨年度(2,265羽)より約1,800羽減少。
  この減少の原因としては、昨年9月の台風12号災害の影響で、
  オシドリ渡来時期である11~12月にダム湖の水位が下がっていたことにより、
  今年度は越冬場所として望ましい環境ではなかったことが考えられる。
◇昨年度と比較して、マガモ約900羽、コガモ約700羽の減少。
  一方、ハシビロガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロは3種合計で約600羽増加。
   これらの増減については原因不明。

<観察数の多い生息地>
生息地 観察数 種数 主な種類
1 王寺町ほか・大和川 1,133 4 ヒドリガモ、コガモ、マガモ、カルガモ
2 大和郡山市ほか・佐保川 983 5 ヒドリガモ、コガモ、マガモ、カルガモ
3 下北山村・池原ダム 586 2 ヒドリガモ、コガモ
4 十津川村・二津野ダム 513 2 オシドリ、コガモ
5 橿原市・東池尻古池 470 8 コガモ、マガモ

<観察数の多い種類> 
  
種類 観察数
1 コガモ 4,039
2 マガモ 3,405
3 カルガモ 1,737
4 ヒドリガモ 1,655
5 オシドリ 1,611

 

マガモヒドリガモ