虚血性心疾患の取り組み状況

《病院と近くのお医者さんが連携・協力して患者さんを治療するしくみとして、中南和地域で虚血性心疾患に関する地域連携パスの先行運用を実施しています


heartはじめに

 奈良県保健医療計画では、地域の医療機関が役割分担し、連携して患者さんを治療する
 しくみをつくることとしています。
  このうち、急性心筋梗塞や狭心症については、病院と診療所が連携・協力して治療するしくみ「奈良
 県虚血性心疾患地域連携パス」(※1、2)を作成し、平成23年7月から中南和地域で先行運用をはじめ
 ています。
  なお、北和地域でも医療機関独自の心筋梗塞に関する連携パスが運用されている場合があります。

 

  ※1 平成29年7月に様式変更しました。
     パスの名称は、「PCI・急性心筋梗塞地域連携パス」に変わりました。

  ※2 パスで使用する様式については、「heart PCI・急性心筋梗塞地域連携パスで使用する様式」を
         ご覧ください。
   

 

 

(目的)

 患者さんにとって

 ・病院と近くのお医者さんが、患者さんの治療の情報を共有するので、安心です。
 ・普段は、自宅や職場から近いお医者さんで受診することができます。


 医療機関にとって

 ・役割を分担し、患者さんが必要な医療を切れ目なく提供できる体制がつくれます。


 (しくみの内容)

 ・病院と診療所が「パス様式」で、患者さんの情報を共有します。

・地域連携パスを利用する患者さんには、「ハート手帳」により、病気への理解や治療のスケジュールを
  把握してもらうことができます。
 ・病院と近くのお医者さんの2人の担当医が患者さんの利便性を考慮しながら治療をしていきます。




heart奈良県急性心筋梗塞地域連携パス検討委員会について

(1)「心筋梗塞地域連携パス検討委員会」概要

   目 的:地域連携クリティカルパスの標準化モデルの作成
   構   成:公立病院、民間病院、診療所、奈良県立医科大学、保健所

 

                 委員名簿

 

   事務局:奈良県福祉医療部医療政策局地域医療連携課

 

(2)先行対象地域について

   対象病院…県立医科大学付属病院及び大和橿原病院(平成23年11月1日より平井病院から名称変更)
                   で発生した患者

   対象地域…中南和地域の参加医療機関

          大和高田市、橿原市、桜井市、五條市、御所市、香芝市、葛城市
          磯城郡、高市郡、北葛城郡、吉野郡の参加医療機関


(3)連携パス適応症例について

  連携パスの適応症例は対象病院(県立医科大学附属病院及び大和橿原病院)が選定します。
  概ね以下に示す症例が対象となります。
  
  ◇急性心筋梗塞について
   ・重症心不全などの重篤な合併症がなく、標準的な経過をたどると考えられる症例
   ・心臓リハビリテーションが順調に経過した症例
   ・ADL(日常生活動作)が自立している症例
   ・冠動脈再還流療法が施行された症例

  ◇狭心症の冠動脈血管治療後について
   ・冠動脈形成術(経皮的冠血管インターベンション(PCI))が施行された症例
   ・ADLが自立した症例
   ・PCIの必要のない冠攣縮性狭心症は含みません


(4)パスの適応期間について

  ◇急性心筋梗塞、狭心症の冠動脈血管治療後ともに、次回の追跡冠動脈造影まで
  ◇次回の追跡冠動脈造影は病状・ステントの種類にもよりますが、3か月から1年
  ◇上記造影の際、次回の冠動脈造影が予定されていない場合、パスを終了します

(5)連携パスの流れについて
 
  病院と診療所との連携の方法について図示しています。

         地域連携パスの流れ

(6)今後

  まず先行地域で実施したうえで、今後運用結果をもとに県内全域にこのしくみを拡大していきます。

     

 


heartPCI・急性心筋梗塞地域連携パスで使用する様式

 

(1)ハート手帳

 

  ・ 急性心筋梗塞または狭心症の冠動脈血管治療後の患者さんで、「PCI・急性心筋梗塞地域
    連携パス」 を適応された場合、病院で治療を行った際の担当医より「ハート手帳」を

           ファイルに入れてお渡しします。

    ・「ハート手帳」には、病気や、日常生活で気をつけることなどの説明が書かれており、
   生活習慣を見直すための生活記録をつけることができます。

    ・ 医療機関を受診するとき、入院するとき、緊急の場合などにも、このファイルを持参し、
     担当医 にお見せください。

 

       ハート手帳    
  
  

(2)PCI・急性心筋梗塞地域連携パスの様式について

 

   ・ これは、急性期病院と連携医療機関であなたの治療を行うための大切な書類です。
       治療中の医療機関で大切に保管されます。

  

       PCI・急性心筋梗塞地域連携パス様式

 

(3)参加医療機関について

       参加医療機関一覧(pdf 197KB)  
        ※なお、病院での治療終了後かかりつけ医に継続して治療をしていただくことが
    基本となっております。
    かかりつけ医が参加医療機関に登録されていない場合、連携パスを発行した
    後に、かかりつけ医療機関に参加登録をしていただくことがあります。
      
          医療機関登録用紙
 

 

  < その他の取り組み状況は、こちらから >

  脳卒中の取り組み状況(脳卒中地域連携パス)