意見書第2号
介護報酬削減を見直し、介護従事者の処遇改善を求める意見書
人口急減・超高齢社会となる我が国において、これからの地域社会を守り、豊かなものにしていくためには、国民が将来にわたって不安を感じることなく、安心して暮らしていける地域包括ケアシステムの構築が不可欠である。
しかしながら、社会保障と税の一体改革により効率化と重点化がすすめられ、市場経済に照らした適正化を図るとして平成27年度予算において介護報酬の大幅な削減が財務省から提案されているところである。
我が国のこれからを支える基盤的産業として、介護サービスの提供、安心して暮らせる地域づくりの面はもとより、雇用・地域経済の点からも介護分野が果たす役割は極めて大きなものであり、今後ますますの発展が望まれる。
また、介護報酬の削減は、地域包括ケアの担い手としての介護従事者の処遇改善を停滞させることとなり、ひいては生活不安からくる離職、地域経済の減退へとつながる「負のスパイラル」を到来させかねない。
よって、国においては、以上の趣旨を踏まえて、平成27年度の改定においては介護報酬の削減を見直し、併せて介護従事者の処遇改善について拡充を図られるよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年3月18日
奈 良 県 議 会
(提出先)衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
財務大臣
厚生労働大臣