意見書第4号

意見書第4号

 

フランチャイズ(FC)法の制定を求める意見書

 

 いま、コンビニエンスストアや量販店、飲食店などの多くがフランチャイズ(FC)制度と呼ばれる経営体制をとっている。この制度は、オーナーがFC本部との契約により店舗を経営する権利を買い取り、FC本部のマニュアルに基づき従業員を雇い入れ、仕入れや廃棄などの管理販売をおこなう制度である。

 ところが、本部から実態とかけ離れた売り上げ予測や目標が示されたり、従業員給与などの経費を低く見積もるなど、オーナーが不利になる契約が問題になっている。また、売り上げ利益に定められた率を乗じて計算し本部に納めるチャージ料(ロイヤルティー)は、廃棄商品や棚卸しロスによる損失も含めて計算されることが多いため、消費期限切れによる廃棄や万引きによる損失がいくら増えても本部は打撃を受けず、オーナーの負担が増える場合がある。

 大きな問題は、FCオーナーを保護するための基本法が制定されていないことである。FC契約に関わる法律としては、中小小売商業振興法や独占禁止法などがあるが、本部の加盟店に対する様々な優越的地位の濫用について加盟店を保護する機能が働いていない。

 アメリカの州やEU諸国では、FCに対する規制法が存在し、適正に運用されている。日本においても、FCにおける弱者の保護を目的としたFC法制定が必要であり、本議会は政府に対し、早急な制定を求める。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

   平成27年7月3日

                                       奈 良 県 議 会

 

 

(提出先) 衆議院議長

      参議院議長

      内閣総理大臣

      内閣官房長官

      経済産業大臣