意見書第6号

意見書第6号

              地方財政の充実・強化を求める意見書

 地方自治体は、子育て支援、医療、介護などの社会保障、被災地の復興、環境対策、地域交通の維持など、果たす役割が拡大するなかで、人口減少対策を含む地方版総合戦略の策定など、新たな政策課題に直面しています。一方、地方公務員をはじめ、人材が減少するなかで、新たなニーズへの対応が困難となっており、公共サービスを担う人材の確保を進めるとともに、これに見合う地方財政の確立をはかる必要があります。
 しかし、経済財政諮問会議においては、2020年のプライマリーバランスの黒字化をはかるため、社会保障と地方財政が二大ターゲットとされ、歳出削減にむけた議論が進められています。
 そこで、国民生活を守るため、2016年度の政府予算編成、地方財政計画の策定にあたっては、国民生活を犠牲にするのではなく、歳入・歳出を的確に見積り、人的サービスとしての社会保障予算の充実、地方財政の確立をめざすことが必要です。このため、政府に次の事項の実現について対策を講じるよう求めます。

1 社会保障、被災地復興、環境対策、地域交通対策、人口減少対策など、増大する地 方自治体の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保を図るこ と。特に、今後、策定する財政健全化計画において、必要な地方一般財源総額の確保 を明確にすること。

2 地方財政計画に計上されている「歳出特別枠」及び「まち・ ひと・しごと創生事 業費」については、自治体の財政運営に不可欠な財源となっていることから、現行水 準を確保すること。

3 地方交付税の財源保障機能・財政調整機能の強化を図り、小規模自治体に配慮した 段階補正の強化や市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要を把握し適 切な対応に努めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成27年7月3日
                                           奈 良 県 議 会

(提出先) 衆議院議長
      参議院議長
      内閣総理大臣
      内閣官房長官
      総務大臣
      財務大臣
      厚生労働大臣
      国土交通大臣
      環境大臣
      地方創生担当大臣