意見書第4号
待機児童の解消を求める意見書
保育所等を利用する児童数は246万人(2016年4月1日時点)に達し、待機児童数は前年に引き続き2万3千人を超えました。また、学童保育の全国の利用児童数は109万3千人超(2016年5月1日時点)となり、過去最多を更新し続けています。
子ども・子育て、教育への投資を拡充し、働きながら子育てをする保護者の方々の要望に応え、子どもたちの健やかな育ちの場を確保できるよう、政府は保育所や学童保育の量の拡大や質の改善のために十分な財源確保を進め、地域の子育て支援の充実を進めるべきです。
すべての子どもたちが安心して育つことのできる社会の実現のためには、子ども一人ひとりの状態や年齢に応じた適切な支援を行うことのできる環境整備が必要です。病児・病後児保育、延長夜間保育、障がい児保育など多様な保育の提供の充実に取り組むべきです。
よって本議会は、政府に対し、子育て支援策の拡充のため、次の項目を含む施策の早急な実施を要望します。
1 潜在的待機児童も含め待機児童の定義を明確にし、待機児童数のカウント方法を全国一律にすることで、待機児童
の実態を明らかにして保育所や放課後児童クラブの必要な整備量を設定すること。
2 質の高い幼児教育・保育等を実現するため、保護者や地域の実情に応じて、保育所定員の増員、放課後児童クラブ
などの整備とあわせて、職員の処遇や配置基準の改善等を進めること。
3 国有地、公的施設を保育所に活用できるようにするために、国や都道府県が、国有地・国有施設を含め、
保育所に転用できる場所の候補をリスト化し、市区町村への情報公開を行うこと。
4 縦割り行政を排し、子どものための保育所開設の促進、運営者の負担軽減を図るため、子どもの安全や保育の質の
確保に影響のない規制については、厚生労働省だけでなく、国土交通省、消防庁など省庁横断的に見直すこと。
5 近隣住民を含めた社会が保育所に対する理解を深められるよう、より積極的な行政の対応を促し、その仲裁を行う
第三者機関の設置等を検討すること。
6 待機児童の解消及び地域の子ども・子育て支援を拡充するため、十分な予算を確保し、子ども・子育て支援新制度
への円滑な移行を進めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成29年3月24日
奈良県議会
(提出先) 衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
財務大臣
厚生労働大臣
内閣府特命担当大臣(少子化対策、男女共同参画)