天皇陛下におかれましては、本日をもって御退位になります。これまでに賜りました県民への温かいお心配りに対し、ここに謹んで、心から感謝申し上げます。
御存知のとおり、奈良県は古来より皇室と極めてゆかりのある土地柄でございます。先月には御退位に際しまして、神武天皇山陵に親謁の儀のため皇后陛下と御一緒に御来県を賜りました。沿道では約2万2千人もの県民が心を込めてお出迎えとお見送りをいたしました。
御在位の間、神武天皇山陵への親謁の儀も含めまして、本県へは7回お出ましいただきました。私が知事に就任してからも5回お出ましいただきました。中でも特に印象に残っておりますのは、平成22年10月に平城遷都1300年記念祝典への御臨席と併せて地方事情御視察のため、天皇皇后両陛下に御来県賜ったことです。その際に陛下が奈良平城京を「父祖の地」とお呼びになり、「遷都1300年をことほぐとともに、我が国の古くから伝わる文化を守り育ててきた奈良の人々の幸せを祈ります」との温かいお言葉を賜ったことでございます。
さらに、平成26年の行幸啓では、紀伊半島大水害被災者の方々と親しく御懇談くださり、一人ひとりの話に丁寧に耳を傾けられ、お慰め、お励ましをいただきました。それぞれの境遇に心をお寄せいただきながらお言葉をかけていらっしゃるお姿を間近で拝見し、感激した次第でございます。
上皇となられましても、上皇后陛下と共に末永く御健康で、国民を見守ってくださることを心からお祈り申し上げます。
平成31年4月30日
奈良県知事 荒井正吾
資料 天皇陛下御退位にあたっての奈良県知事謹話(pdf 50KB)