はじめての万葉集


はじめての万葉集
真田葛延(まくずは)ふ 夏野(なつの)の繁く かく恋(こ)ひば
まことわが命(いのち)常(つね)ならめやも
作者未詳
巻十一九八五番歌
ま葛ののびる夏野のように、しきりにこれほど恋うていたなら、本当に、私の命はどうかなってしまうのではないだろうか。
葛(くず)はふ夏
 夏から秋にかけて、河川敷や郊外の歩道、高速道路の路肩などに大きな葉っぱと長いツルが特徴的な植物を目にしたことはありませんか?紅紫色の香しい花房がついている時もあります。それが葛(くず)です。
 葛は『万葉集』に詠まれており、古代から身近にある植物でした。強靭なツルが長くのびた様子をあらわす「真田葛延ふ」は永く絶えないことを比喩した表現です。「かく恋ひ」はそんな葛のツルが夏野に生い茂るように、絶えず思い続ける恋をいいます。苦しい恋ですね。
 繁殖力が旺盛ですので現在は厄介な雑草と化している葛ですが、じつはとても生活に役立つ植物でもあります。
 たとえば、根は薬用や食用になります。葛根湯(かっこんとう)や葛粉(くずこ)はご存知ですね。なかでも吉野の本葛は高級和菓子の原料となることから全国的にも有名です。ちなみに古代の甘味料に「甘葛(あまずら)」がありますが、これは蔓(つる)(一説にはアマチャヅル)から抽出したもので、葛が原料ではありません。
 葉にはアミノ酸が豊富に含まれ、食べることができます。家畜の飼料として利用していた地域もあったそうです。また裏面が白いため、風に吹かれると遠くからも目立って、独特の風情があります。
 ツルからは良質の繊維がとれ、これを紡いで織ったものを葛布(かっぷ)といい、絹のような美しい光沢があります。今も静岡県掛川(かけがわ)で数軒の工房がその技術を伝えています。
 このように、葛には無駄な部分がほとんどないといってよいでしょう。有効に利用したいものですね。
(本文 万葉文化館 小倉久美子)
万葉ちゃんのつぶやき
「葛」という名前の由来
 葛粉を使った葛まんじゅうや葛切りなどは暑い夏にぴったりの、涼しげな食べ物です。
 ところで、「くず」という名前の由来を知っていますか?この名前は、吉野町の国栖(くず)という地域が、その昔、葛粉の産地であったことに由来するといわれています。現在の国栖は、割り箸や和紙などを生産する「ものづくりの里」として知られ、県の景観資産にも登録されています。

国栖の里
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