はじめての万葉集
秋の野の 尾花(をばな)が末(うれ)に 鳴く百舌鳥(もず)の
声聞きけむか 片聞(かたき)く吾妹(わぎも)
作者未詳
巻十 二一六七番歌
【訳】秋の野の尾花の先に鳴く百舌鳥の声は、さすがに聞いただろうか。
私のいうことは半ぱにしか聞かない吾妹よ。
秋を告げる声
 秋の深まりは、色づく木々やどことなく寂しげな風の匂いから感じることができますが、百舌鳥の鳴き声もまた、秋の訪れとともに盛んに聞こえてくるようになります。
 この歌からは、秋の野という広い風景イメージから尾花(ススキ)の穂先へと視点が凝縮されてゆき、そこで鳴いている百舌鳥の姿と声が鮮明に浮かび上がります。目だけでなく耳でも感じる秋の深まりを、恋しい女性に歌いかけた一首です。
 その百舌鳥は、なかなか怖い鳥でもあります。百舌鳥には「百舌鳥の速贄(はやにえ)」で有名な、捕らえた獲物を木の枝などに突き刺す習性があります。これは、中国の書物『呂氏春秋(りょししゅんじゅう)』に3世紀に付された注に、百舌鳥のことともされる伯労(はくろう)が獲物を磔(はりつけ)にすると記録されていることから、古くから知られていたようです。
 また、『日本書紀』仁徳67年に、陵墓築造中の土地で突然死した鹿を調べてみたところ、百舌鳥が鹿の耳の中を食い破っていた、という記述もあります。百舌鳥の獰猛(どうもう)な一面を示すエピソードで、仁徳天皇の陵墓のある土地「百舌鳥耳原(もずのみみはら)」(現大阪府堺市)の地名起源説話になっています。
 「百舌鳥」の漢字表記の由来は、百舌鳥が多くの鳥の鳴き声を真似るところからきていると言われます。ただ、この歌を詠んだ人物が聞いた鳴き声は、さすがに「百舌鳥の声」と歌うからには、他の鳥の鳴き真似ではなかったと思われます。
 秋を感じさせる百舌鳥の声、皆さんはお聞きになりましたか?
(本文 万葉文化館 吉原 啓)
写真
万葉ちゃんのつぶやき
曽爾高原
 日本300名山の一つ倶留尊山(くろそやま)。この山から亀の背に似た亀山を結ぶ西麓に広がるのが「曽爾高原」です。曽爾高原は、一面見渡す限りのススキが群生し、3月中頃に毎年「山焼き」が行われ、春から夏にかけては、一面に青い絨毯(じゅうたん)が敷かれたような爽快な姿を見せます。秋にはススキの穂が日射しを浴びて銀色・金色に輝き、夜には、約200基の灯籠がススキを照らす「曽爾高原山灯り」が11月23日(祝)まで行われます。
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