2024年5月号
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知事コラム
vol. 10
一 念 通 天
「一念通天(いちねんつうてん)」とは、強い信念を持って努力をすれば、どんなことでも成し遂げられるという意味です。
知事と議会の望ましい関係とは?
令和6年度の当初予算等を審議する2月定例県議会が終わりました。当初予算は原案が予算委員会で否決され、本会議で議員提案の修正予算案が可決されました。議員提案の2つの条例改正案は本会議で可決されましたが、私が「再議」という審議のやり直しを求める手続きを取り、出席議員の3分の2以上の賛成が必要となったため、同改正案は否決されました。知事提出の予算案が修正されたこと、「再議」の手続が取られたことは奈良県議会でいずれも戦後初めてです。また、3月19日の予算委員会は午後1時から11時半まで続くなど活発な議論が交わされました。
従前の県議会では、主要な施策等について事前に県議との間で協議が行われ、それを受けて当初予算案が確定されるために、県議会においては今回のような活発な質疑もなされなかったのではないかと推察します。しかし、これでは主権者である県民には何が行われたのか全く分かりません。提案者である知事と議決権者である議会が、議論の経緯と議決の結果を全て県民に明らかにし、その上で知事や県議の取った行動の当否を次の選挙で県民に審判していただく。これこそが、健全な民主主義であり、知事と議会の望ましい関係であると私は考えます。こうした形で奈良県議会が活性化することを私は期待しています。
奈良県知事